2013年03月10日

◆ 子宮頸がん:ワクチンよりも大切なもの

 子宮頸がんについては、ワクチンよりも大切なものがある。それは、性病および妊娠を防ぐことだ。 ──

 子宮頸がんについては、いろいろと考えたすえに、結論を出したい。ひとことで言えば、こうだ。
 「『子宮頸がんは危険だ』と騒ぐのは、『放射能は危険だ』と騒ぐ放射に似ている。過度に騒ぎすぎている」


 もう少し正確に言えば、こうだ。
 「『子宮頸がんは危険だからワクチン接種を』と騒ぐのは、『放射線は危険だから東北から引っ越せ』と騒ぐ放射に似ている。過度に反応しすぎている」


 その本質は、次のことだ。
 「放射線にはいくらかは危険性はあるが、世の中にはもっと大きな危険性があふれているのだから、そっちを騒ぐ方がマシだ。同様に、子宮頸がんにはいくらかは危険性はあるが、世の中にはもっと大きな危険性があふれているのだから、そっちを騒ぐ方がマシだ」


 具体的な内容を示せば、次のことだ。
 「子宮頸がんには危険性があるが、もっと大きな危険性のあるものがある。それは性病と妊娠だ。どうせならばそちらの危険性を抑止する方が大切だ」


 このことから、なすべき対策としては、次の結論を得る。
 「子宮頸がんワクチンの接種よりは、コンドームの利用を促進する方がいい。それによって、性病と妊娠の危険性を抑止できる」

 
 これを簡単でいえば、こうだ。
 「子宮頸がんのワクチンより、コンドーム」

 
 ──

 以下では、その論拠を示す。

 (1) 死亡率の比較

 危険度を知るために、死亡率を調べると、次の通り。
  ・ 子宮頸がんの死亡率 …… 10万人あたり 3.9人 ( 出典
  ・ 妊産婦死亡率    …… 10万人あたり 約3人 ( 出典

 この数字だけを見れば、ほぼ同程度だと見える。つまり、「同程度に危険だ」という判定だ。
 しかしながら、次の事実がある。
 検診受診率が23%程度と低いことも浸潤がんが減らず、死亡率が低下しない原因の一つです。特に若い女性の検診受診率が10%程度と低いことは大きな問題です。
( → 出典
 この文章の次には、次のように記されている。
 「検診によって前がん状態(異形成)を見つければ、がんになる前にほぼ確実に予防が出来ます。」
 それにもかかわらず、上記のように、検診の受診率が低い。仮に検診をしていれば、23%が 100%になることで、死亡率を4分の1に減らせるはずだ。つまり、子宮頸がんによる死亡率を、(10万人あたり)3.9 人から 1.0 人へ落とせるはずだ。
 この数値に比べて、妊産婦死亡率の 約3人 という値は、3倍も大きい。

 ──

 以上のことから、次のように結論できる。
 「子宮頸がんによる死亡率よりも、妊産婦死亡率の方が、3倍も高い。とすれば、子宮頸がんを阻止するよりは、望まれない妊娠を阻止する方がいい」


 こここでは、「妊娠を阻止する」のではなく、「望まれない妊娠を阻止する」という結論になる。ここに注意。
 つまり、次の区別をするべきだ。
  ・ 望まれる 妊娠 …… 結婚している夫婦の妊娠
  ・ 望まれない妊娠 …… 高校生以下の女性の妊娠


 では、望まれない妊娠とは、何か? 次のようなものだ。
 「自分自身では生活力がない独身少女。子供を産んでも子供を育てる能力を持たない独身少女」
 このような形の妊娠は、その独身少女にとって不幸であるだけでなく、産まれてくる子供にとっても不幸となることが多い。単純に言えば、次のようになる。
 「子供が子供を産んでも仕方ない」

 こうなると、産まれた子供は放棄されて児童施設に送られるか、あるいは、母子そろって生活保護を受けることになる。

 まとめて言えば、次のようになる。
 「望まれない妊娠(高校生以下の女性の妊娠)は、その女性の生命を妊娠によって危険にさらすだけでなく、産まれてくる子供自体がメリットよりもデメリットとなる」

 つまり、「危険を冒すにもかかわらず、メリットがない」というわけだ。このようなことをなす意味がない。
 望まれる妊娠ならば、危険を冒すメリットはある。10万人に3人の妊婦が死ぬとしても、大多数の妊婦は正常に子供を産めるのだから、十分にメリットがある。
 しかし、望まれない妊娠ならば、その女性が死ぬという危険があるだけでなく、産まれてくる子供自体がデメリットとなる。だったら、そのような妊娠は避けるべきだろう。
 
 こうして、前述の結論を得る。再掲すれば、こうだ。
 「子宮頸がんを阻止するよりは、望まれない妊娠を阻止する方がいい」


 具体的には、次のことだ。
 「(重篤な副作用が起こるような)子宮頸がんのワクチンを推進するよりは、望まれない妊娠を抑止するために、コンドームの利用を促進する方がいい」


 つまり、医者や政府は、「子宮頸がんによる死亡を防ぐために、ワクチンを接種しましょう」と推進するよりは、「子宮頸がんによる死亡を防ぐためには、検診を受診しましょう」と推進した上で、「若年期の妊娠は危険でありながらメリットがないので、妊娠しないようにしましょう。そのためには、セックスを避けるか、セックスするならコンドームを使うようにしましょう」と推進する方がいい。
 子宮頸がんによる死亡というのは、特に大騒ぎするほどの重大な問題ではない。たいていは検診で済む。また、たとえワクチンを接種しても、その効果は限定的で、6割〜7割にすぎない。( → 出典
 それよりは、望まれない妊娠を抑止することの方が、ずっと大切だ。死亡率だけでも、(検診した場合の)子宮頸がんによる死亡率よりも3倍も高い。また、死亡しなくても、結果的に母子ともに不幸になることが多い。社会的にも、母子家庭の生活保護費となって、社会に巨額の負担を強いる。
 だからこそ、子宮頸がんのワクチンよりは、コンドームの利用を促進する方がいい。これが結論だ。



 [ 付記1 ]
 ただ、単に「コンドームを」と言っても、男の方がいやがるかもしれない。そこで、「コンドームには性病を防ぐ効果もある」というPRも大切だ。コンドームだけでも、子宮頸がんのワクチンを上回る効果を見込めそうだ。(なぜなら上記のように、ワクチンの効果は6割〜7割にすぎないから。)

 [ 付記2 ]
 セックスと妊娠との関連性を、もっと強く教育した方がいい、とも言える。若いうちは、その関連性を、うまく理解できないからだ。
 たいていの中学・高校生は、「セックスをするのは素晴らしい」とばかり考えていて、「セックスは妊娠をもたらす」ということをほとんど意識しない。女子だけでなく男子も同様だろう。たいていは、気ままにセックスしたあとで、あるとき突然、「妊娠しちゃった」という女性の言葉を聞いて、青ざめる。
 そのあとで「結婚する」と言うにしても、「堕胎しろ」と言うにしても、その結末は幸福なものではないことが多い。下手をすると、堕胎の失敗で、女性が不妊になったり、女性が死んだりする。

 [ 付記3 ]
 「子宮頸がんワクチンを接種すべし」と主張する人々は、発想が歪んでいる。「セックスを推進するのは自由な発想なので素晴らしい」と思っているので、「セックスを抑止するよりはワクチンを促進しよう」と主張するのだろう。しかしそこでは「妊娠による不幸」という問題が見逃されている。
 繰り返すが、「子供が子供を産んでも仕方ない」のである。「子宮頸がんワクチンを接種すべし」と主張するよりは、「望まれない妊娠を避けよ」と主張する方がはるかに大切だ。
 その意味で、「妊娠して不幸になった中学生・高校生」の事例を、たくさん教えることが必要だろう。
 そのときになってからオタオタした人々の例は、次で見つかる。よく読むといい。いずれも大変な状態になっている。
  → 「妊娠 中学生 知恵袋」 - Google 検索

 ※ 妊娠の多くの例は、「コンドームを付けるべきだとわかっていたが、ときどきコンドームなしで済ませたら、妊娠した」というもの。要するに、「認識の甘さ」が理由だ。それゆえ、啓蒙が必要となる。
 ※ コンドームが面倒で忘れるなら、ペッサリーや、IUD や、女性用コンドームもある。ただし性病の予防のためには、コンドーム。
posted by 管理人 at 14:27| Comment(1) | 医学・薬学 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私もワクチン接種よりは検診の義務づけの方が効果的なような気はします。

管理人さまのおっしゃるようにコンドームの使用推進については理想的には正しいでしょうが、どのように実現するかが問題だと思います。結局は個人の選択ですから。
私が学生の頃は一応、性病予防などの効果については保健体育で習いました。聴かない人間はどのようにしても聴かないでしょうから、効果としてはワクチン接種と五十歩百歩かと。

また、ワクチン推進派も「セックスを推進するのは自由な発想なので素晴らしい」とは思っていないと思います。
そもそも、校則等で不純異性交遊が禁止されている前提でしょうから。
Posted by k at 2013年03月11日 14:22
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ