子宮頸がんについては、いろいろと考えたすえに、結論を出したい。ひとことで言えば、こうだ。
「『子宮頸がんは危険だ』と騒ぐのは、『放射能は危険だ』と騒ぐ放射脳に似ている。過度に騒ぎすぎている」
もう少し正確に言えば、こうだ。
「『子宮頸がんは危険だからワクチン接種を』と騒ぐのは、『放射線は危険だから東北から引っ越せ』と騒ぐ放射脳に似ている。過度に反応しすぎている」
その本質は、次のことだ。
「放射線にはいくらかは危険性はあるが、世の中にはもっと大きな危険性があふれているのだから、そっちを騒ぐ方がマシだ。同様に、子宮頸がんにはいくらかは危険性はあるが、世の中にはもっと大きな危険性があふれているのだから、そっちを騒ぐ方がマシだ」
具体的な内容を示せば、次のことだ。
「子宮頸がんには危険性があるが、もっと大きな危険性のあるものがある。それは性病と妊娠だ。どうせならばそちらの危険性を抑止する方が大切だ」
このことから、なすべき対策としては、次の結論を得る。
「子宮頸がんワクチンの接種よりは、コンドームの利用を促進する方がいい。それによって、性病と妊娠の危険性を抑止できる」
これを簡単でいえば、こうだ。
「子宮頸がんのワクチンより、コンドーム」
──
以下では、その論拠を示す。
(1) 死亡率の比較
危険度を知るために、死亡率を調べると、次の通り。
・ 子宮頸がんの死亡率 …… 10万人あたり 3.9人 ( 出典 )
・ 妊産婦死亡率 …… 10万人あたり 約3人 ( 出典 )
この数字だけを見れば、ほぼ同程度だと見える。つまり、「同程度に危険だ」という判定だ。
しかしながら、次の事実がある。
検診受診率が23%程度と低いことも浸潤がんが減らず、死亡率が低下しない原因の一つです。特に若い女性の検診受診率が10%程度と低いことは大きな問題です。この文章の次には、次のように記されている。
( → 出典 )
「検診によって前がん状態(異形成)を見つければ、がんになる前にほぼ確実に予防が出来ます。」
それにもかかわらず、上記のように、検診の受診率が低い。仮に検診をしていれば、23%が 100%になることで、死亡率を4分の1に減らせるはずだ。つまり、子宮頸がんによる死亡率を、(10万人あたり)3.9 人から 1.0 人へ落とせるはずだ。
この数値に比べて、妊産婦死亡率の 約3人 という値は、3倍も大きい。
──
以上のことから、次のように結論できる。
「子宮頸がんによる死亡率よりも、妊産婦死亡率の方が、3倍も高い。とすれば、子宮頸がんを阻止するよりは、望まれない妊娠を阻止する方がいい」
こここでは、「妊娠を阻止する」のではなく、「望まれない妊娠を阻止する」という結論になる。ここに注意。
つまり、次の区別をするべきだ。
・ 望まれる 妊娠 …… 結婚している夫婦の妊娠
・ 望まれない妊娠 …… 高校生以下の女性の妊娠
では、望まれない妊娠とは、何か? 次のようなものだ。
「自分自身では生活力がない独身少女。子供を産んでも子供を育てる能力を持たない独身少女」
このような形の妊娠は、その独身少女にとって不幸であるだけでなく、産まれてくる子供にとっても不幸となることが多い。単純に言えば、次のようになる。
「子供が子供を産んでも仕方ない」
こうなると、産まれた子供は放棄されて児童施設に送られるか、あるいは、母子そろって生活保護を受けることになる。
まとめて言えば、次のようになる。
「望まれない妊娠(高校生以下の女性の妊娠)は、その女性の生命を妊娠によって危険にさらすだけでなく、産まれてくる子供自体がメリットよりもデメリットとなる」
つまり、「危険を冒すにもかかわらず、メリットがない」というわけだ。このようなことをなす意味がない。
望まれる妊娠ならば、危険を冒すメリットはある。10万人に3人の妊婦が死ぬとしても、大多数の妊婦は正常に子供を産めるのだから、十分にメリットがある。
しかし、望まれない妊娠ならば、その女性が死ぬという危険があるだけでなく、産まれてくる子供自体がデメリットとなる。だったら、そのような妊娠は避けるべきだろう。
こうして、前述の結論を得る。再掲すれば、こうだ。
「子宮頸がんを阻止するよりは、望まれない妊娠を阻止する方がいい」
具体的には、次のことだ。
「(重篤な副作用が起こるような)子宮頸がんのワクチンを推進するよりは、望まれない妊娠を抑止するために、コンドームの利用を促進する方がいい」
つまり、医者や政府は、「子宮頸がんによる死亡を防ぐために、ワクチンを接種しましょう」と推進するよりは、「子宮頸がんによる死亡を防ぐためには、検診を受診しましょう」と推進した上で、「若年期の妊娠は危険でありながらメリットがないので、妊娠しないようにしましょう。そのためには、セックスを避けるか、セックスするならコンドームを使うようにしましょう」と推進する方がいい。
子宮頸がんによる死亡というのは、特に大騒ぎするほどの重大な問題ではない。たいていは検診で済む。また、たとえワクチンを接種しても、その効果は限定的で、6割〜7割にすぎない。( → 出典 )
それよりは、望まれない妊娠を抑止することの方が、ずっと大切だ。死亡率だけでも、(検診した場合の)子宮頸がんによる死亡率よりも3倍も高い。また、死亡しなくても、結果的に母子ともに不幸になることが多い。社会的にも、母子家庭の生活保護費となって、社会に巨額の負担を強いる。
だからこそ、子宮頸がんのワクチンよりは、コンドームの利用を促進する方がいい。これが結論だ。
[ 付記1 ]
ただ、単に「コンドームを」と言っても、男の方がいやがるかもしれない。そこで、「コンドームには性病を防ぐ効果もある」というPRも大切だ。コンドームだけでも、子宮頸がんのワクチンを上回る効果を見込めそうだ。(なぜなら上記のように、ワクチンの効果は6割〜7割にすぎないから。)
[ 付記2 ]
セックスと妊娠との関連性を、もっと強く教育した方がいい、とも言える。若いうちは、その関連性を、うまく理解できないからだ。
たいていの中学・高校生は、「セックスをするのは素晴らしい」とばかり考えていて、「セックスは妊娠をもたらす」ということをほとんど意識しない。女子だけでなく男子も同様だろう。たいていは、気ままにセックスしたあとで、あるとき突然、「妊娠しちゃった」という女性の言葉を聞いて、青ざめる。
そのあとで「結婚する」と言うにしても、「堕胎しろ」と言うにしても、その結末は幸福なものではないことが多い。下手をすると、堕胎の失敗で、女性が不妊になったり、女性が死んだりする。
[ 付記3 ]
「子宮頸がんワクチンを接種すべし」と主張する人々は、発想が歪んでいる。「セックスを推進するのは自由な発想なので素晴らしい」と思っているので、「セックスを抑止するよりはワクチンを促進しよう」と主張するのだろう。しかしそこでは「妊娠による不幸」という問題が見逃されている。
繰り返すが、「子供が子供を産んでも仕方ない」のである。「子宮頸がんワクチンを接種すべし」と主張するよりは、「望まれない妊娠を避けよ」と主張する方がはるかに大切だ。
その意味で、「妊娠して不幸になった中学生・高校生」の事例を、たくさん教えることが必要だろう。
そのときになってからオタオタした人々の例は、次で見つかる。よく読むといい。いずれも大変な状態になっている。
→ 「妊娠 中学生 知恵袋」 - Google 検索
※ 妊娠の多くの例は、「コンドームを付けるべきだとわかっていたが、ときどきコンドームなしで済ませたら、妊娠した」というもの。要するに、「認識の甘さ」が理由だ。それゆえ、啓蒙が必要となる。
※ コンドームが面倒で忘れるなら、ペッサリーや、IUD や、女性用コンドームもある。ただし性病の予防のためには、コンドーム。
管理人さまのおっしゃるようにコンドームの使用推進については理想的には正しいでしょうが、どのように実現するかが問題だと思います。結局は個人の選択ですから。
私が学生の頃は一応、性病予防などの効果については保健体育で習いました。聴かない人間はどのようにしても聴かないでしょうから、効果としてはワクチン接種と五十歩百歩かと。
また、ワクチン推進派も「セックスを推進するのは自由な発想なので素晴らしい」とは思っていないと思います。
そもそも、校則等で不純異性交遊が禁止されている前提でしょうから。