2013年03月08日

◆ 養殖と海底汚染

 魚の養殖にともなって、海底の汚染が問題となっている。それを解決するには、どうするべきか? ──

 近年では養殖が盛んになっている。生食用の鮭が安価で買えるようになっているのもその一例だ。
 しかしながら、魚の養殖にともなって、海底の汚染が問題となっている。養殖用の餌や魚の糞が、海底に沈殿して、その水域が汚染されてしまうのだ。こうなると養殖もうまく行かなくなる。赤潮が発生することすらある。
 これを解決するには、どうするべきか? 提案しよう。

 ──
 
 基本的には、「海底生物で浄化する」ということだ。

 (1) 大型の海底生物

 大型の海生生物を導入するといい。具体的には、エビだ。エビは雑食性なので、沈殿した養殖用の餌を、うまく食べてくれる。そのエビを採集すれば、エビの養殖もできるので、一石二鳥だ。
( ※ ただしエビの採集を目的とすると、海の浄化が減ってしまうので、エビの採集はほどほどにした方がいい。)
 なお、タコも良さそうだが、鮹はエビを食ってしまう。
  → タコはイセエビが大好物
 だから、タコは置かない方がいい。タコを見つけたら、すぐにダイバーが取ってしまえばいい。(タコ壺を置いて、これを罠にするのでもいい。)

 (2) 小型の海底生物

 小型の海生生物を導入するといい。具体的には、貝類だ。ただし、貝類は活動量が低いので、餌を採る量も少ない。エビのように大量の餌を摂取するとは思えない。あくまで補助的に考えるべきだろう。
( ※ コメント欄の1番目に補足的な情報あり。貝類の話。)

 (3) 微生物
 
 腐った餌や、魚の糞などは、上記の海底生物では処理できない。これらを処理するのは、微生物だ。
 特に適した微生物を投入することで、海底の浄化に効果があるそうだ。
  → バイオコロニーの会社
  → バイオコロニーの例 [PDF]
 上記ページは、会社の宣伝なので、話半分に聞いた方がいいかもしれない。とはいえ、嘘だとも思えない。一応、紹介しておく。

 (4) 水中酸素量

 微生物の活動量は、水中酸素量によって制約される。
  → 汚濁した内湾養殖場の浄化方法
 このページでは、「水中酸素量で上限が定まるので、その範囲内で養殖する魚の量を制限する」というふうに結論している。
 しかし私としては、次のように提言したい。
 「水中に空気を溶け込ませることで、水中酸素量を増やす」


 その方法は? 前にも言及したことがあるが、次のものだ。
  → スタティック・ミキサー (画像一覧)
  → 気体を液体へ溶解するプロセス(図)
 これを海底に設置して、縦に置いて、下方に空気をポンプで送り込めば、上方では空気と海水の混濁した混合物ができる。それが海中に拡散することで、海水の水中酸素量が増える。
 したがって、この装置を養殖場の湾内海流の入口付近に置けば、養殖場の水中酸素量が増えて、微生物による分解が進む。

 (5) 海底の固定物

 微生物を増やすにしても、海底の面積が制約要因となる。面積が一定である限り、微生物が増える量には上限がある。
 これを解決するには、海底の面積を増やせばいい。そのためには、海底に固定物とを設置するといい。コンクリートの箱などだ。
  → ケーソン : Wikipedia
  → 漁礁 (画像一覧)

 ──

 まとめ。

 海底の浄化には、次の三つを組み合わせればいい。
 「海底の大型生物・小型生物・微生物」
 特に、微生物を利用するときは、微生物の投入や、スタティック・ミキサーの導入が有効だろう。また、漁礁の設置も有効だろう。
 


 [ 付記1 ]
 漁礁としては、コンクリートの箱のかわりに、電車・戦車・船などの廃品を沈没させる、という案もある。
  → 戦車、空母、電車、客船 人工漁礁にするために沈められる大量の人工物

 ただ、これだと、海底が重金属や可溶性有機物で汚染される危険もある。一方で、鉄分は海中で不足しているので、かえって有益だ。できれば鉄分だけのある漁礁があるといい。
 私の考えるのは、「廃棄自動車のフレーム」だ。エンジンや外装や内装は、海洋を汚染させる危険があるが、フレームならば鉄ぐらいしかないので、危険はなく、かえって有益だろう……と思ったのだが、画像を見ると、フレームには塗料が残っているようだ。
  → 解体した自動車のフレームの画像
 塗料が残っているのは、まずいか? よく考えると、塗料があるから、錆びずにいる。塗料がなければ、すぐに錆びて崩れてしまいそうだ。また、塗料があっても、すぐに微生物に被覆されてしまうので、塗料が溶出することもほとんどないようだ。とすれば、塗料があるのは、かえって好都合かも。そもそも漁礁だって、錆び防止のために、いちいち塗料を塗っている可能性がある。また、自動車の塗料は、かなり高級品で安全度が高いので、問題になる可能性は低い。
( ※ ただし船の塗料は別だ。船の塗料は、貝類が船底に付着しないように、毒物みたいなものを塗っている。船を沈没させるのは、まずい。そこで、船の場合は、いちいち塗料を剥がすのが普通だ。電車や戦車などの場合には、油や石綿なども剥がすそうだ。 → 事前に油・塗料・石綿などが除去される

 [ 付記2 ]
 スタティックミキサーを使うときは、発電設備も必要になる。潮汐発電のような装置があるとよさそうだ。ただ、どうせ岸辺のそばだから、海底ケーブルを使う方が安上がりかもしれない。電力がそばになければ、風力発電を使ってもいい。これだと、燃料補給の手間が必要ない。発電量の変動がある不安定な電力であることも、特に問題ない。

 [ 付記3 ]
 あとで考え直したが、スタティック・ミキサーを深い海底に設置するのは、無駄が多い。高圧の空気を深い海底に送るというのは、深海の海水を地上に運ぶというのと等価であり、エネルギー効率が悪いのだ。もっといい方法はないか? ある。
 それは、スタティック・ミキサーを浅瀬または浅海に置くことだ。水面下1メートルぐらいのところ。これならば、使用する電力も少なくて済む。
 ただし、それでできた「酸素量の多い海水」は、それを必要とする海底には届かない。これは困る。その対策は? 「酸素量の多い海水」を海底に運べばいい。これならば、「高圧の空気を海底に送る」かわりに、「ただの水を海底に送る」わけだから、必要な電力は少なくて済む。(空気を圧縮するエネルギーが不要だ。それに相当するものは、水そのものの重力で済む。)
 これで問題なし。
 


 【 関連サイト 】

 → 魚類・貝類養殖漁場の底質について [PDF]
  ※ 基本的な情報がある。良い内容。

 ──

 → 海洋生物多様性の保全・再生のための〜:文部科学省
 → 環境省_海洋生物多様性保全戦略公式サイト
  ※ ググったら見つかったので、一応紹介しただけ。
posted by 管理人 at 20:35| Comment(5) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
貝は「海の掃除屋」と言われるだけにそれ自身がフィルターとなって、一日何百リットルの水を漉してくれるので、有用そうです。
死肉や糞も食べますし。

そう思うと貝類の筋肉以外はとてもとても食べる気になれませんね・・。
Posted by てんてん at 2013年03月09日 12:39
あなたがふだん食べている農産物だって、肥料は動物の糞です。

世間は有機肥料とか有機栽培というと良いことだと思っているのに、一方で、人糞の海洋投棄を禁止したりしていて、わけがわからない。あれは、海の肥やしです。
Posted by 井上晃宏 at 2013年03月10日 10:47
海洋投棄については、前に述べたことがあります。
 → http://openblog.meblog.biz/article/1275644.html
Posted by 管理人 at 2013年03月10日 11:51
熱帯魚の飼育に類似しているように思います。十分にエアーを確保して、貝やエビを同居させ、ろ過バクテリアを添加する。水が汚れてくると水質が酸性に傾くので、Ph測定器は必需品です。
Posted by y-suzuki at 2013年03月11日 12:24
なんでも垂れ流しの中国人は人類の鏡か地球の救世主という訳ですね。w
Posted by KK at 2013年03月11日 13:14
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