「褒めて伸ばす」という方針は大切だ。これは対人関係の基本であり、誰もが理解しておく必要がある。
たとえば、次のようなことを、実行するべきだ。
・ 上司は部下を、褒めて伸ばす。
・ 部下は上司に、お追従を言って出世する。
・ 親は子供を、褒めて伸ばす。
・ 子供は親に「大好きだよ」と言って、小遣いをもらう。
・ 男は女に「きれいだよ」と言って、愛情を得る。
・ 女は男に「すてきね」と言って、男にプロポーズさせる。
・ 夫は妻に「きれいだね」と言って、もう一品料理してもらう。
・ 妻は夫に「立派ね」と言って、金を稼がせる。
このように「おだてて関係を良くする」ことを、対人関係の基本方針とするべきだ。
これを理解するだけなら簡単だが、実際に実行する必要がある。たとえば、妻や恋人には、毎日必ず「きれいだよ」と言う必要がある。上司なら部下を毎日、称賛する必要がある。このようなことを必ず、実際に実行する必要がある。
もしできなければ? それならば、失格である。上司としても失格だし、夫や恋人としても失格だし、人間としても失格だ。このようなことを理解できず、実行もできないような人間は、もはや人間として落第なのである。「私は馬鹿です、間抜けです」というゼッケンを胸と背中に貼って、街中を歩くべきだ。それほどにも人間としてクズなのである。なぜなら部下や妻などに対して、なすべきことをなしていないからだ。自分はどうしようもない阿呆だとわきまえるべきだ。これを読んでいるあなた。あなたもまた、それができていないのであれば、どうしようもない阿呆だとわきまえるべきだ。
──
というふうに述べたのだが、そういう言葉を読めば、腹を立てるのが普通である。その通り。人間誰しも、悪口を言われて見下されれば、腹を立てるものだ。
これからわかることは、
「人は叱られて伸びる」
というのは嘘っぱちだ、ということだ。そして、それを示すために、上記ではわざと読者を怒らせるような言葉を書いたのである。
引っかかりましたか? 「けしからん」と腹を立てた人は、お慰み。お先は真っ暗かも。
一方、「なあんだ、そうだったのか」と苦笑いする人は、心が広いので、人生を楽に生きられます。また、「この管理人がこんな文章を書くのは変だな。何か裏があるのでは?」と疑った人は、読みが深いので、前途が有望です。もしかしたらあなたも、文章を読みながら、不審に思ったかも。そうであれば、あなたは賢いですね。
──
という文章を読んで喜ぶ人が多いように、人は褒められて、やる気を出す。つまり、人は褒められて伸びるものなのである。
嘘だろう、と思う人もいるだろうが、実例はある。たとえば、横浜市長の林文子だ。
彼女は、保育所の設置という大問題で、素晴らしい成果を上げた。
《 横浜市、待機児童ゼロ目前 》では、彼女はどうして、横浜市長になったか? それまで経営者として、素晴らしい業績を上げたからだ。では、どんな? Wikipedia から引用しよう。
横浜市の林文子市長(66)が公約に掲げている「保育所の待機児童ゼロ」が目前に迫っている。平成22年4月には全国の自治体で最多の 1552人だった待機児童数は、積極的な施策の推進で24年4月に 179人まで減少。
( → MSN産経 )
ビー・エム・ダブリュー東京では5年間に400台を販売し、1993年には社長の種子島経に抜擢され、同社として初の女性支店長に就任。業績の悪い販売店に赴任し、部下の長所を徹底的に誉め潜在能力を引き出すことで、成績トップの店舗に立て直した。これが彼女の出世街道の始まりだ。(47歳のとき。)
( → Wikipedia )
彼女は昔ながらの傑物だったわけではない。47歳のときに、販売会社の支店長になったぐらいだ。かなり遅咲きだったと言える。しかしそのあとが素晴らしい。
ビー・エム・ダブリュー東京株式会社代表取締役社長、というふうに素晴らしい経歴を重ねてきた。それというのも、「褒めて伸ばす」という指導法を取ったあとのことだ。
株式会社ダイエー代表取締役会長兼最高経営責任者、
日産自動車株式会社執行役員、
東京日産自動車販売株式会社代表取締役社長
( → Wikipedia )
ま、それもわかる。たいていの管理職が「叱って伸ばす」という方針を取ったときに、一人だけ別の方針を取れば、他人にはない画期的な業績ができることもあるだろう。
──
逆の例もある。「叱って伸ばす」という方針で失敗した例だ。
よく知られているのは、「体罰」である。これによって伸ばそうとして、逆に大失敗した、という例は、先日から大々的に報道されているとおりだ。(柔道女子の体罰)
もう一つ、興味深い例がある。「妻の欠点をいじって愛情表現をしているつもりだったが、セックスレスになってしまった」という例。
→ セックスレスの原因の一つ「けなし愛」
この場合も、妻の欠点をいじるのをやめて、「褒める」という方針に転じたところ、セックスレスが解消したそうだ。よかったですね。
しかしながら夫の方は、「愛情表現を素直に」というふうにするのが難しい、と嘆いているらしい。
ふん。駄目男だね。どうせなら、嘆いたまま、いつまでもセックスレスでいろ。かわりにこれでも見ていろ。
→ http://rocketnews24.com/2013/02/21/295300/
(^^);
──
ま、上の駄目男の事例は、「相手の立場になって考える」ということができる人ならば、簡単に理解できるはずだ。
・ 妻から「あんたのあれ、小さいのね」と言われる。
→ 萎えてしまう。
・ 彼女から「あなたってブサメンね」と言われる。
→ 彼女と別れたくなる。
・ 上司から「おまえは本当に役立たずだな」と言われる。
→ 仕事でやる気をなくす。
ま、当り前ですよね。このくらいの心理については、気づいてほしいものだ。
というわけで、「褒めて伸ばす」という方針を、理解しましょう。そうすれば、あなたの人生は、かなり豊かになります。この文章を読んだあなたも、得をしましたね。この文章を読んだことで あなたの人生はかなり上昇するでしょう。ハッピーライフになります。よかったですね。
[ 付記 ]
と言われて、少しは嬉しいでしょ? ね?
その方針を、他人にも取りましょう。特に、まずは身近な家族から。
【 関連サイト 】
それとは正反対の事例。悪口を言うとどうなるか。
→ 毒を吐いている人たちにツイッターで反撃するのは、何のメリットも無い
ネット上では、悪口を言うと、罵りあいになるだけ。
──
林文子がいかにして「褒めて伸ばす」という実績を上げたかについては、ネット上で情報が見つかる。
→ 「林文子 褒め」- Google 検索
【 関連書籍 】
ほめて伸ばす!叱って育てる!
おまいさんが褒められる落語家で居て欲しかったんだよう』
古谷三敏『寄席芸人伝』
おまいさんが褒められる落語家で居て欲しかったんだよう』
そのために褒めて伸ばすという発想があっても良いのではなかろうか?
相手が褒め殺しにかかってるのに変かな
どうだろ?
というよりあのシチュエーションでは通じなかったかと思います。マジレスしてよかったんですよね?
これ、とても好きなお話でして、しょっちゅう仲間ホメしてる噺家が手を抜いてるうちに業界を滑り落ちそうになると言うものでして、女房の家出を契機に心気一転頑張って周囲を見返し、女房も取り戻すと言う人情ものでやんす。
ここの話のカウンターになるかと書きました。
考えてみると先走った話でした。すみません。
それはそれとして、1つだけ反論すると、
「部下は上司に、お追従を言って出世する」
だけは、ケースバイケースで考えた方がいいです。
稀にいる優秀な上司は、追従を言う部下を信用しませんし、真摯に問題点を指摘してくる部下こそを信頼します。人を小ばかにするような部下はやっぱり信用されませんけど。
> 稀にいる優秀な上司は
稀にしかいないんです。残念ながら。
ですが、そいうい上司に信用された場合のリターンは絶大です。
やりすぎると同僚からは嫌われますし、上司への追従は首にならない程度の最低限にするのが吉です。
褒めることは重要ですが、どんなシチュエーションにせよあまり打算的にやるとマイナス効果しかでないです。追従って言葉には打算的要素が含まれるので、あまり積極的にやるもんじゃないです。
褒めるなら本気で褒めることが重要。
全くの嘘で言ってる言葉はばれるので、心をこめることが重要、って林文子さんも言ってますね。
管理人さん、もしかしたら実際には温厚な人格なのかもしれませんが、褒めるのが得意な人とは思えないですね。正直。
もっと本質的なことを言うなら、褒めるっていう形式的なことより、相手の良いところを見つけて認め感謝し、それを表すことが重要です。
褒めるってのが一番分かりやすい表現方法ですが、シチュエーションによっていろいろやり方はあると思います。
個人的な経験で言うなら、言葉ではいつも褒めるくせに、私のやってる仕事の意義を全く理解せずに低い査定をつけた上司には殺意すら抱きましたが、厳しい態度で怒られつつもちゃんと仕事を評価してくれた上司には感謝しました。
相手が服従の態度を示さないところが、気に入らないのであろう。
当人は、やけっぱちになっている。
日本語には、階称 (言葉づかい) というものがある。
上と見るか、下と見るかの判断を迫る日本語を使えば、モノの上下に関する判断は常について回る。
この世俗的な上下感が日本人の判断を狂わせている。
下とみられたものは、上からの暴力に抗することもむずかしい。
序列差法の一環と考えられていて、無防備状態である。
上の者の声は、天から聞こえてくると感じられるからである。
「下におれ、下におれ」の掛け声は、昔から続いた為政者の要求である。
理屈はない。ただ、指導者の要求のみがある。
世俗の上下制度が唯一の頼りとなっている。
暴力は、「がんばって」の掛け声のようなものか。
序列に基づく精神力 (意気込み・気力) で、大東亜戦争に勝てるのか。
努力の空回りに気が付く時が来た。気力ではなく、知力 (intelligence) で負けた。
我々は、頭を鍛えなくてはならない。
http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/
褒めるか叱るか悩むことの本質はどうやってコミュニケーションを取り信頼関係を築くことではないでしょうか。
だったら褒めてお互い気持ちよくコミュニケーションする方がずっと近道だし、お追従でコロッとほだされる人なんてどんどんお追従しちゃいましょう。一方でT.M.さんの例のように厳しくても筋の通った対応をして信頼関係を結ぶのは合う合わないが出てきますが、相手が響いてくれたときは深い信頼関係が結べますね!
だけれど、基本は相手を誠実さをもって尊敬し、褒め、応援するのがローリスクでEnoughリターンだと思います。
また、個人的には職場が多国籍になればなるほどポジティブな反応を返す傾向の強い人でないと取りまとめが難しくなってきていると思います。
近頃受講したマネジメント研修でも、いかに相手を叱らずこちらの思うレベルの仕事をさせるかが主題であると感じます。
蛇足ですが僕の職場は女性比率が高いので朝「髪型変えた?かわいいね」などと声をかけて相手がちょっとオンナになる反応を見て楽しんでます。(〃艸〃)
まあ、それは当たっていますが、強いものに逆らって生きることの苦労は、身にしみてわかっています。私みたいにタフな人間ならそれもいいけど、普通の人は押しつぶされてしまうはずなので、他人にはお勧めしません。
「私のように生きろ」
という意味じゃなくて、
「私のようにすると、普通の人は、押しつぶされてしまうから、そうしない方がいいですよ」
という心からの忠告です。
押しつぶされてしまった例を示すと
→ http://openblog.meblog.biz/article/224262.html
コメント欄 2012年02月28日 12:32 を参照。
組織と戦うなら、組織をひねり潰すだけの覚悟と能力が必要です。それだけの能力がなければ、組織に逆らうのは損。つぶされるだけ。上司が相手でもまた同じ。
> 私のやってる仕事の意義を全く理解せずに低い査定をつけた上司には殺意すら抱きました
だから、ちゃんと説明しないわけで、コミュ力が足りない。技術力じゃなくて、コミュ力が必要なんです。そこを理解しない会話不足の技術者が多すぎる。
本項の趣旨をよく理解すれば、職場は円満になるし、自分も理解されて金銭的に得をします。
基本同意します。
コミュ力の1つになる喧嘩じゃないディスカッション能力は技術力とも直結してますしね。
ただ、コミュ力も理解力も低い(ありていに言えば低能の)上司の相手をまともにするのは、ものすごく労力がいる上に生産性にほどんど寄与しない行動なので、私はやらないことにしてます。
敢えて喧嘩はしませんけど、追従はしない。
そんな労力は技術力を上げる方に使います。
褒め上手なんですけどね。天然で。
天然すぎて、女性に好かれてもちっとも気づかないという失態をそうとうやらかしたらしいです(笑)
すごいですね。さすがです。
私は、
組織に追従して生きないなら、組織を飛び出してもやっていける覚悟と能力が必要です。
という感じです。
この程度ならできる人多いんじゃないかな。
それこそ、おだてが一番よく効くんですよ。馬鹿なやつほど、おだてに弱い。うまく操ればいいんですよ。
だいたい、できた女房というのは、そうやって亭主を操るんです。
「夫に追従して生きるのがいやだから、家庭を飛び出してもやっていける覚悟と能力」なんて言っている女房は、ちっとも可愛くないし、賢くもない。意気がっているだけ。
できた女房の真似をしましょう。
馬鹿夫「Aだ」
秀才妻「Bよ。また間違えたわね。あなたって駄目ね」
「なんだと!」
「何よ。自分の間違いを認められないの?」
「うるせえ」
「じゃ、離婚します。私は一人でもやっていけるしね。あなたの助けはいらないの」
「勝手にしやがれ」
(2)
馬鹿夫「Aだ」
賢明妻「あなた、本当にそう思う」
「え、まあ、その……」(自信ないな)
「本当はBだと思っているんじゃない」
「あ、うん、そうかな」
「そうよ。さすがにあなたね。うまく当てたわね」
「うん、えへへ。じゃ、Bにしよう」
「あなたって素敵」
「うへへ。でれでれ」
この話はこれくらいにします。
それ以来、ダメな部下には仕事を与えない(ネグレクト)ことで対応しています。
忙しい人がより忙しくなるのは上司になって心底理解できた。
それは一番楽な方法。指導の手抜きですね。
林さんがその方法を取ったら、最下位の支店をトップにすることは無理だったでしょう。
ただ、この実例から、教訓を得ることもできる。
「駄目な部下のどこが駄目かを、見抜くだけの人間力が、上司には必要とされる。個別に臨機応変に対応箇所を変える必要がある」
林さんはそれができたのでしょう。だから、次の支店長が単に「褒める」という方法を取っても、うまく行かなかったのでしょう。
例。
あまりに美人でもない女性に「すごい美貌だ」と褒めたあげく、「馬鹿にしないで!」と怒られる。
→ 対応ポイントを間違えている。個別に対応ポイントを見抜く眼力が必要。