2013年02月17日

◆ 北朝鮮に全面降伏せよ

 北朝鮮が核ミサイルを配備した場合、日米を含む世界は、北朝鮮に全面降伏するしかない。 ──

 タイトルは「全面降伏せよ」だが、これは不正確だ。正しくは、「全面降伏するしかない(論理的に)」ということだ。また、それは無条件に成立するのではなく、「北朝鮮が核ミサイルを配備したら」という前提の上での話だ。
 ともあれ、この話は重要なので、説明しておく。
 
 ──

 北朝鮮が核実験に成功した。また、ミサイル実験にも成功した。さらには「ICBMで米国を攻撃可能」とも言っている。
 これに対して、どうするべきか? 日本政府は「米国の核の傘にいっそう頼るようになる」と言っている。だが、これは認識の誤りだ。北朝鮮を相手にしたときは、「相互確証破壊」という原理は成立しない。この点は重要なので、指摘しておく。
 相互確証破壊は、核戦略に関する概念。核兵器を保有して対立する陣営のどちらか一方が、相手に対し戦略核兵器を使用した場合には、もう一方の陣営がそれを事後的に察知して報復を行う。これにより、一方が核兵器を使えば最終的に双方が必ず破滅する、という結果をもたらす。このような原則のことを指す。この原則は、たがいに核兵器の使用をためらわせることを意図している。
( → Wikipedia :相互確証破壊
 このような原理は、成立するだろうか? 通常は、成立する。ただし、成立するには、次の条件が必要だ。
 「双方が合理的に行動する」


 この条件のもとで、次の表を考える。

日米北朝鮮  ハト  タカ 
 ハト  双方プラス  片方プラス 
 タカ  片方プラス  双方マイナス 


 北朝鮮と日米の双方が、「タカ」「ハト」の行動を選択できる。すると、どちらを選択するかで、状況が変わる。
  ・ 双方が「ハト」ならば、平和状態となり、双方が得をする。
  ・ 片方が「タカ」で他方が「ハト」ならば、「タカ」の側が「ハト」の側から奪う。タカは一方的に得をして、「ハト」は一方的に損をする。
  ・ 双方が「タカならば、戦争となり、双方が損をする。


 双方が合理的であるならば、双方が「ハト」を選択して、破滅を避ける。……このように、これまでは考えられてきた。国家というものは合理的であるはずだからだ。

 では、片方が合理的でなければ? これが問題だ。
 北朝鮮は現在、次の立場を取る。
 「経済制裁を受けて、国家経済が破綻して、大量の餓死者を出しても、それでも核ミサイルの開発にこだわる」
 これはとても合理的ではない。「自国がいかに損をしてもいいから、それでも相手を屈服させたい」という発想だ。何かの妄想に取り憑かれた気違いの発想だ。ここでは、合理的な発想ができなくなっている。
 北朝鮮は合理的ではない。北朝鮮はあくまで「タカ」にこだわる。何が何でも「タカ」の立場を取る。
 ここで、日米の態度により、結果は次のようになる。
  ・ 日米が「ハト」の場合、日米が一方的に屈服。
  ・ 日米が「タカ」の場合、核戦争で双方が核被害。

 ここにおいて、日米が合理的に考えるなら、「北朝鮮との核戦争」を避ける。つまり、「日米が一方的に屈服」という立場しか取れない。

 ──

 結論。

 「相互確証破壊」という原理が成立するのは、双方が合理的な発想をする場合だけだ。国家の破滅を双方が望まない場合だけだ。
 しかるに、一方の側が「自国が破滅しても、相手をいっそう破滅させることができれば、それでいい」という非合理的な立場を取った場合には、「相互確証破壊」という概念は成立しない。気違いを相手には、この原理が無効になる。
 かわりに、成立するのは、「気違いへの一方的な屈服」だけだ。(それを避けた場合には、核戦争となり、人類の絶滅のような事態になるからだ。)

 というわけで、「北朝鮮が核ミサイルを配備した場合」には、世界は北朝鮮に全面的に屈服するしかない。「日米が核兵器を充実させて対抗しよう」というような発想(相互確証破壊)は、成立しないのだ。もし成立させようとすれば、日米は核ミサイルを浴びることを覚悟しなくてはならない。
( ※ たとえ北朝鮮のミサイルを浴びても、北朝鮮を破滅させることができるならば、それで本望だ……と思うようであれば、北朝鮮と同様の狂人になっていることになる。そこまでアホではないですよね?)



 [ 付記1 ]
 じゃ、どうすればいいか? 
 「北朝鮮が核ミサイルを配備した場合」には、そうなるのだから、その前提を崩せばいい。つまり、「北朝鮮が核ミサイルを配備する」というふうになるに、北朝鮮の核ミサイル設備を破壊すればいい。
 実際、イスラエルは、イラク・イランに対して、その方針である。イラクに対しては、実際に攻撃をした。
  → イラク原子炉爆撃事件

 北朝鮮に対しても、同様のことをするしかない。それ以外の場合には、世界は北朝鮮に全面的に屈服するしかない。
 なお、もし攻撃する気がないのであれば、今のうちに屈服する用意をしておいた方がいいだろう。
 「金正恩様、万歳」
 と唱える準備をさせておくといいだろう。

( ※ ま、橋下が「君が代斉唱」にこだわるのも、将来的に独裁者に追従するための準備なのかもね。)

 [ 付記2 ]
 北朝鮮の核設備への爆撃というのは、あまり簡単ではない。「爆撃への防護策」がかなり進んでいるからだ。単純な爆撃では、地下の核施設を破壊できない。
 そこで、次の案がある。
 「北朝鮮に対抗する反政府軍を養成して、体制を転覆させる」
 この場合は、北朝鮮の正規軍を上回る反政府軍を、大規模に養成することになる。
 ちょっと無理っぽく思えるが、北朝鮮は食料さえもまともにない状況だから、十分に可能だろう。
 そのためには、北朝鮮の脱北者の支援をするといい。このことで、反政府軍の養成が可能だ。

 ただし、脱北者の支援のためには、中国の協力が必要となる。国境越えの脱北者を受け入れるためだ。
 では、中国の協力は可能か? これまでは不可能だったろう。しかし今では、可能になりそうだ。
 中国は、これまでは北朝鮮をかばっていた。だが今回、中国が北朝鮮をたしなめたのに、北朝鮮はそれを無視して、勝手にのさばり始めている。
  → 習近平氏、“北の暴走”でメンツ潰され正恩氏に激怒 友好より安保上の脅威
 こうなると、核ミサイルで暴走する鬼子を、中国としてはとっちめたくなるだろう。
 
 ただ、脱北者が増えると、中国は脱北者の受け入れコストをいやがるようになる。そこで、日本政府が対策をするといい。
 「脱北者の生活支援のためのコストを日本政府が負担する」
 つまり、資金提供だ。
 すると「数十万人もの人間を養う費用が大変だ」と思うかもしれないが、さにあらず。彼らは無能な生活保護世帯じゃない。ちゃんと働ける。また、土地もある。
 とすれば、日本が用意するのは、食料ではなくて、農業の生産手段だ。つまり、肥料と農薬と農機具だ。さらに農業機械の提供で灌漑などを補助するといい。こうしてかなり多くの農産物が生産可能となる。
 つまり、魚を与えるのではなく、魚を釣る釣り竿を与えわけだ。これなら、特に巨額にはならない。

 なお、中国がいやがるようであれば、日本としては、核武装をオプションとして、手持ちにしておくといい。
  → 日本でプルトニウム生産を再開へ
 これが、中国への圧力となる。「中国が北朝鮮を制御できないようであれば、核武装というオプションがどんどん現実化して、日本が核装備するぞ」と暗示する。……そういう形で中国へ圧力を掛けるといい。

 [ 付記3 ]
 はっきり言って、金正恩はヒトラーと同じなのだ。となると、戦争は不可避である。こちらにとって選択肢としてあるのは、
  ・ 敵が強力な戦力を備えるに戦争をするか 
  ・ 敵が強力な戦力を備えたに戦争をするか 

 の二つしかない。
 ヒトラーを相手にしたときには、後者を取った。つまり、ドイツ軍が強大化するには何ら戦争行為をせず、ドイツがチェコスロバキアを併合して強大な軍事力を備えたになって、戦争をした。(もはや敵は怪物化しており、手遅れであったが。)
 これと同様のことが今回も成立する。戦争をするのは、敵が巨大化するか、そのどちらかなのだ。そして今、人々は状況を放置することで、北朝鮮が核ミサイルを備えたになって戦争をする道を選んでいる。……ちょうど、ヒトラーの強大化を放置した、当時の欧州の人々のように。
   
 [ 付記4 ]
 なお、時間が無駄に経過したあとで、北朝鮮がいよいよ核ミサイルを配備することもあるかもしれない。(数年後に。)
 その場合には、最後の手段が残されている。それは、「戦術核ミサイルを米国が発射して、北朝鮮の核ミサイル施設を破壊すること」である。これなら、地下にある設備をも破壊できるはずだ。(通常弾頭では無理でも、核弾頭ならば可能であるはずだ。)
 逆に言えば、これを最後通牒として、北朝鮮に核ミサイルを廃棄せよと要求するべきだ。その要求が拒まれた場合には、核兵器の使用もやむを得ないだろう。
( ※ ただし、都市攻撃をするわけではないし、通常の軍事的攻撃をするわけでもない。あくまで核施設の破壊を目的とするだけだ。)

 [ 付記5 ]
 本項を読んで、「馬鹿なことを言っているな」と思う人もいるだろう。しかし、馬鹿なことに見えるとしても、今まさしく、「核戦争」という危機に瀕しているのだ。
 そして、そのわけは、「これまでは合理的な判断をする人々がいるから、核戦争は起こらないと思えていたが、これからは合理的な判断をしない人々が核ミサイルを持つようになる」ということだ。(それゆえ核戦争は現実の可能性となる。)
 そして、どうしてそうなるかという原理を「相互確証破壊という原理の不成立」という形で、本項では論理的に示した。
 その意味で、「核戦争が夢物語ではなく現実化する」ということを、本項では論証したことになる。これでもまだ「馬鹿なことを言っているな」と思う人がいるとしたら、その人は、「原発が放射線事故を出すなんて、馬鹿なことを考えるな」と言うのと同様だ。
  
 私は、原発事故の前にも、「原発事故への対策をせよ」と主張してきた。(「原発をやめよ」と反原発を唱えるのではなく、「原発を稼働させながら事故への対策をせよ」と唱えた。)
 こういうふうに「万一の場合への備え」を先んじて指摘するのが、本サイトの方針だ。それを見て、「馬鹿なこと」と思う人は、福島に行って原発の放射線を浴びてくるといい。そうすれば、馬鹿なことというのが実は何であるのか、身をもって体験できるはずだ。




     
posted by 管理人 at 16:35| Comment(9) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
何でも話せば判る。とノーテンキに夢を語る一部の政治家やコメンテーター等に、是非読んで戴きたい内容ですね。
それでも理解できないでしょうから、もっと簡単に説明しないといけないかもしれません。
Posted by 京都の人 at 2013年02月17日 22:32
>北朝鮮が核ミサイルを配備した場合、日米を含む世界は、北朝鮮に全面降伏するしかない。

ということは、北朝鮮が核ミサイルを配備する前に叩かなければならない、ということになりますね。
Posted by 北海道の人 at 2013年02月17日 23:05
[ 付記4 ] を追加しました。
 (以前の分は  [ 付記5 ] に移動しました。)

 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2013年02月17日 23:44
「平壌クーデター作戦」という小説があります。著者はウォーシミュレーションで人気の高い佐藤大輔。
北朝鮮軍の高級将校が、祖国の窮状を見るに、いたたまれなくなり、ついに反乱をおこすという内容。
自分的には、北朝鮮軍のヘロヘロぶりがうまく書けてると思いました。
Posted by 井上晃宏 at 2013年02月18日 07:39
地中貫通爆弾

地中貫通爆弾(ちちゅうかんつうばくだん、英: Bunker Buster:バンカーバスター)は、硬化目標や地下の目標を破壊するための特殊な航空爆弾である。多くが高空からの落下による高速によって、地上目標のコンクリートや盛土を貫通したのち地中深くで爆発する。掩蔽壕破壊弾や特殊貫通弾とも呼ばれる。
アフガニスタン戦争やイラク戦争でも用いられた。高空からの自由落下による高速度が利用されるが、ロケットで加速させるものも存在した。貫通能力が使用方法によって異なり、自由落下の場合に粘土層を30m、ロケットで加速した場合に鉄筋コンクリート壁を6.7m貫通したとされる。落下・貫通時の物理力に耐えるために弾殻は厚く、貫通距離が求められるものは弾体が細長くなる。

(→http://ja.m.wikipedia.org/wiki/地中貫通爆弾)
Posted by こもの at 2013年02月18日 12:29
> 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは27日、最大級の地下貫通型爆弾「バンカーバスター」は核兵器製造に使われているとみられるイラン地下施設を破壊できないと米軍が結論付けたと報じた。

http://kyodoga.blogo.jp/archives/3818202.html
Posted by 管理人 at 2013年02月18日 12:47
北朝鮮が固体燃料核ミサイルを配備して
日本に宣戦布告し、核の先制攻撃を宣言
した場合は米国が核の先制攻撃する可能性
がある。
そもそも、日本を焦土とするほどの核ミサイル
を配備する金が北朝鮮にあるのでしょうか。
 中国ですら、先制不使用宣言して核兵器は抑止力
でしかないのに、北朝鮮の経済力で中国以上の
核戦力を配備できるのでしょうか?
 管理人さんは自称経済の専門家なんですから
いろんな事を経済の観点から意見してもらいたい
Posted by mugu at 2013年02月18日 22:40
> 日本を焦土とするほどの核ミサイル を配備する金が北朝鮮にあるのでしょうか。

 核ミサイル一発があれば、東京を焦土にできます。日本はそれでほぼ壊滅します。復興するには半世紀がかかるでしょう。
 人を殺すには全身を殴る必要はない。脳か心臓に弾丸を一発通すだけでいい。日本ならそれが東京です。特に日本はその傾向が強い。
Posted by 管理人 at 2013年02月18日 23:03
MADが成立するのは当事者がMADでない場合だけ、ということですね。
Posted by はちのへ at 2013年02月19日 20:02
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

過去ログ