2013年02月13日

◆ オリンピックとレスリング

 オリンピックの競技からレスリングが外されそうだ。批判的な声が多いが、いちいち騒ぐ必要はない。 ──

 オリンピックの競技からレスリングが外されそうだ。これについて、批判的な声が多い。
  ・ レスリングは古代五輪からある伝統的な競技だ
  ・ 視聴率の低いものをはずすのは商業主義だ
  ・ 委員がロビー活動でなかば買収された
  ・ はずすなら、近代五種かテコンドーにせよ


 いろいろと批判がある。だが、私としては、同種の意見を繰り返す必要を感じない。なぜか? ネットで見たところ、世界規模で、この件に反対する声が圧倒的だからだ。たとえば、ちょっと検索するだけで、下記が上位のニュースに出る。
  → No more Olympic wrestling? Time to go back to Olympic roots!
  → IOC decision just wrong
  → Global uproar over Olympic wrestling’s dumping downplayed by IOC (英国ニュース)

 また、アメリカはレスリングが人気で、アメリカでも批判的な声が多いという。
  → レスリングが五輪から「除外?」、アメリカでも広がる困惑

 ツイッターで「 Olympic wrestling 」を検索しても、意見は同様だ。
 
 ──

 要するに、世界的な規模で、今回の決定には反対者が圧倒的に多い。ゆえに、いちいち騒ぐ必要はない。最終的には、今回の方針は撤回されるだろう。
 次の報道もある。
 この日の動きは単なる勧告である。
 IOCは今年5月に、8つの競技についてプレゼンテーションを聞き、9月の会合で決定する。
( → レスリング、五輪競技から外れるか - WSJ.com
 要するに、次のように言える。
 今回の方針は、レスリングが商業的に不利だからという理由で外されたのではなく、委員へのロビー活動がなされなかったという理由で支持が得られなかっただけだ。世界的には、レスリングは支持を得ているので、委員の支持が得られなかったというだけでは、最終的に外されることにはならない。

 要するに、黙って放っておけば、自動的に、落ち着くべきところに落ち着く。いちいち騒ぐ必要はないのだ。世界の人々は賢明である。IOC の委員が買収されたという程度のことでは、大きな路線変更は起こらない。
 というわけで、特に騒ぐ必要はない。ほったらかしおけばいい。別の誰かが騒いでくれる。

 教訓。

 英語のネット検索力があれば、世界の人々がこの件でどう思っているかがわかる。そうすれば、新聞社は、「レスリングは日本に有利だから外されたんだ」なんていう被害妄想じみた感想記事を書かないで済む。



 [ 付記1 ]
 私としては、危険度の高いスポーツであるボクシングをはずした方がいいと思う。
 アマチュアではヘッドギアを使うので、安全度は高いが、そうはいっても、他のスポーツよりは危険だ。生命が危険なのではなくて、脳が破壊されるという意味の危険性が(いくらかは)ある。
 プロの場合は、ヘッドギアを付けないので、もっと極端に脳が破壊される。有名なところでは、「あしたのジョー」のパンチ・ドランカー症がある。実話では、モハメドアリのパーキンソン病がある。もっと身近な例では、下記がある。興味深いので、読むといいだろう。
  → 具志堅用高さんらに見るボクシング競技の危険性の巻
 人間として完全にイカレてしまっていることがわかる。廃人だか狂人だかわからないような状況だ。(……というのは言いすぎだが、似たようなものだ。)
  
 [ 付記2 ]
 レスリングで日本人がメダルを多く取った、ということには、理由がある。それは、体格的に、レスリングは日本人に有利なのだ。なぜ? 足が短いので、重心が低いからだ。
 このことが典型的なのは、相撲である。足の長い外人は「腰高」とされ、重心の高さゆえに、ひっくり返されやすい。それゆえ、足の長い外人は不利だ。
 同様のことは、レスリングにも当てはまる。このまえ、レスリングのメダリスト(日本人)を見たら、あまりにも短足なので、「やっぱり」と思ったものだ。レスリングでは、短足の人が有利だ。(できれば腕が長い方がいいが、それは二の次だ。)
 というわけで、日本人には、レスリングが向いているのだ。
 
( ※ 短足なのは、新モンゴロイドの特徴である。) 

 [ 付記3 ]
 次の記事がある。
 《 レスリング五輪「半々以下かも」 》
 レスリングの2020年五輪除外問題で、日本協会の福田富昭会長は13日、競技の五輪存続は「半々以下かもしれない。相当エネルギーを使わないと巻き返しは大変だと思う」と厳しい認識を示した。
( → 中日スポーツ
 何をボケたことを言っているんだか。
 日本が単独で働きかけるつもりなら、可能性は半々どころかゼロ同然だろう。
 一方、世界各国で協調して運動をすれば、99%は存続可能だろう。それが世界の世論だからだ。
 こういう世界情勢を理解することもなく、日本だけで何とかしようとするのだから、呆れる。井の中の蛙ですね。ちょっとは外国のレスリング協会と連絡を取ったらどう? また、世論も聞けばいい。今はネット時代ですよ。パソコンで英語情報ぐらい調べたら? ……あ、英語読めないのか。 (^^);

( ※ とにかく、スポーツ団体というのは、どこもかも、世論から離れすぎているのかもね。柔道に限ったことじゃない。)
( ※ ついでに言えば、英語を読めないのは、日本のマスコミも同様かもね。海外情報と言えば、通信社から吐き出される日本語の文字を読むだけ。……英語、読めないんですね。)
( ※ ちなみに、海外に出た新聞記者は、現地の言葉がわからないんだそうだ。現地の人に和訳してもらって情報を得るだけ。それでニュースを送ってくるんだから、呆れますねえ。)
posted by 管理人 at 19:15 | Comment(5) | 一般(雑学)1 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ロシアはすでにレスリング復活のための行動を起こした。

 →  Russian Olympic chief calls for IOC wrestling rethink
  http://in.news.yahoo.com/russian-olympic-chief-calls-ioc-wrestling-rethink-112007752.html
Posted by 管理人 at 2013年02月13日 21:15
ボクシングのプロとアマの違いはヘッドギアだけではありませんよ。まずグローブが違います。座布団と色塗った拳骨ほどの違いです。

ルールも違います。端的に言うならプロが殴り合いならアマは拳の一定箇所を相手の特定箇所に的確に当てるのを競う競技。技術重視のアマの成績はプロでそのまま通用すると言われています。スポーツとして独自の進化を遂げているアマチュアボクシングの最高の舞台は残すべきだと思います。

とにかく五輪が最高の舞台である競技は外すべきではないと思いますね。逆にそうではない競技、野球・サッカー・テニス、これらが五輪競技である必然性は理解できません。
Posted by tubird at 2013年02月14日 20:45
私もそういうメジャースポーツは除外すべきと思います。賞金、年収、広告等の総額等、勘案できる要素はありそうです。一部の陸上競技を引き合いに出されそうですが、スターは数人から十数人なので規制対象外にできそうです。とは言え買収に弱い委員会を解体することも必要かと。
Posted by 京都の人 at 2013年02月15日 06:29
メジャースポーツを外すのは、五輪の商業主義からして、無理でしょう。それだけで視聴率が大幅ダウンするので、金儲けができなくなります。結果的に、他競技への配分金が減るので、他競技の人々も反対するはずです。たとえば日本フェンシング協会への配分金が何百万円か減る、というふうな。

 それよりは、射撃を外したい。これをスポーツと見なすなら、モータースポーツやバイクや競艇の方がずっとマシ。
Posted by 管理人 at 2013年02月16日 07:42
参考記事。

>  「レスリングには上半身のグレコローマン、全身のフリースタイルの2種類があり、それが男女で18階級もある。競技の肥大化を嫌うIOCは、15年も前から変革を求めていたんです。しかし、レスリング側は逆に女子の階級を増やして合計21とすることを求めていた」
  → http://www.zakzak.co.jp/sports/etc_sports/news/20130216/spo1302161447004-n1.htm

> 残り1競技の選定を審議する際、8候補から3競技に絞り込み、その中にレスリングを含める可能性が浮上している
  → http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2013/02/16/kiji/K20130216005207260.html

 ──

 ま、私としては、「IOC委員の解任をして、決定をおシャカにする」というのがベストだと思うけど、「解任をしよう」という運動だけでも効果があるんじゃないかな。
Posted by 管理人 at 2013年02月16日 19:27
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