2013年01月31日

◆ TV に半画面 CM を

 テレビには、画面を半分にした CM を導入するといい。目的は、バラエティだらけの番組を減らして、ドラマを増やすことだ。 ──
 
 現在のテレビはバラエティだらけだ。では、人々は、ドラマよりもバラエティを好むのか? そうではない。
 《 「ドラマは録画」くっきり 再生率が視聴率上回る例も 》
 テレビの録画再生を含めた視聴率の実態が、朝日新聞が入手した調査結果で初めて分かった。視聴率は放送時間中に見られた数値しか公表されていないが、視聴実態をより反映した録画を含めた数値をみると、人気ドラマの中には録画再生が放送中を上回る例もあった。
 録画再生率が圧倒的に高いのはドラマだ。3日放送の「ラッキーセブンスペシャル」(フジテレビ)は放送中が 12.6%だったが、録画ではそれを上回る 13.5%だった。
( → 朝日新聞 2013年1月31日
 昼間の番組はともかく、夜のゴールデンタイムの番組(優秀な番組)では、放送中と録画とがほぼ同程度を占めるようだ。
 ただ、録画の場合は、CM が早送りされて、CM を見てもらうという目的が発揮されないため、「録画なんか見てもらっても仕方ない」とされて、「録画再生の視聴率はカウントされない」というふうにされる。つまり、録画視聴率は無視される。それが現状だ。そのせいで、
 「録画視聴率がいくら高くても、それは無意味なので、ドラマは疎んじられ、バラエティ(や報道番組)ばかりが増える」
 というふうになる。バラエティ(や報道番組)ならば、録画再生される率は低いとしても、放送中に CM を見てもらえるからだ。
 かくて、テレビは「バラエティ(や報道番組)だらけ」となり、良質のドラマは駆逐される。

 ──
 
 この問題をどうすればいいか? 私としては、次のことを提案したい。
 「半画面の CM を導入する」



 
tvcm.png



 この意図は、次のことだ。
 「 CM の早送りを不可能にする。物理的に早送りを不可能にして、強制的に CM を見せつけるのではなく、視聴者が自発的に『早送りをしない』というふうにする。そのためには、半分の画面で CM を見せて、半分の画面で番組内容を見せればいい」


 具体的には、次の通り。
 【 現状 】
 穏やかなドラマが続いたあとで、突然、画面が CM に切り替わり、けたたましく商品名を訴える CM が放送される。

 視聴者はうんざりするので、CM を早送りして、すっ飛ばす。放送中ならば、「トイレタイム」にして、画面から離れる。結局、録画でも放送中でも、CM はうるさがられる。一部の視聴者だけは、まともに CM を見る。

 【 改訂 】
 穏やかなドラマが続いたあとで、半画面 CM に切り替わる。画面が左右に分割される。左画面はドラマで、右画面は CM。次のようになる。

  ・ 左画面では、ドラマが継続する。主人公の顔アップや、主人公が歩く姿が、穏やかに継続する。画面では背景としての自然描写や都会描写が主題となり、静かな雰囲気が継続する。音声は無音であり、台詞もない。心象風景の描写という感じである。
 (例)主人公がとぼとぼと路上を歩き、ときどき顔がアップになる。主人公の悩みや不安が表情で描写される。
  ・ 右画面では、静かな CM が長々と続く。ドラマの雰囲気を壊すような音声は出ない。最後のあたりで商品名が大きな画像で表示される。最後に商品を訴えるので、それなりのインパクトはある。とはいえ、CM の時間の大部分は、穏やかな動画であり、左画面のドラマをぶちこわすようなことはしない。

 ── 

 このような半画面 CM は、CM の状態が半分なので、CM の放送時間は長くていい。普通の番組なら、1時間の放送で CM の合計時間は 7分ぐらいだろうが、12分ぐらいまで増やしてもいいだろう。
 「それでも足りないぞ」とスポンサーは思うかもしれないが、番組中に放送される感じだと、印象が強く残るし、トイレタイムとして無視されることもない。また、左画面と右画面でタイアップするような CM にすると、印象度が高い。

 ──

 以上のようにすれば、結果的に、次のようになる。
  ・ 低俗なバラエティだらけの現状が改められ、ドラマが増える。
  ・ けたたましい全画面 CM が減り、穏やかな半画面 CM が増える。
  ・ ドラマの最中に雰囲気をぶちこわすような CM が減る。
posted by 管理人 at 19:11 | Comment(6) | 一般(雑学)1 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は、TVがあまりにつまらないので、BSの3チャン以外はほとんど観ません。
換わりに、youtubeやGyaoをよく観ます。

GYAOの映画やドラマでは、 南堂先生の方式を採用済みです。
http://gyao.yahoo.co.jp/ct/drama/
Posted by 阿部比良夫 at 2013年02月01日 13:43
テレビ放送は、放送法に縛られているため、管理人さんが提案した方法だと、番組とCMの割合のバランスがCMが多くなってオーバーしてしまうため、現状では実現できないです。
Webの動画はそのような縛りにとらわれていないので、いろいろ効果的なCM訴求が研究されて実を結んでいる例もあります。
ちなみにTVの通販番組はあくまでも番組であってCMではないという見解に基づき放送されていますが、これも放送法のくだらない取り決めを回避する策でこんなに蔓延ってしまったのです。
Posted by きみたか at 2013年02月02日 08:21
放送法じゃなくて、民間の自主的な基準です。下記。
 → http://www.mro.co.jp/mro-info/18kokoku.htm
   日本民間放送連盟 放送基準
 
 自分たちで基準を変えればいいんです。
Posted by 管理人 at 2013年02月02日 08:49
昔、管理人さんと同じことを思って疑問に感じていたんですが、天下りや民放のトップで構成されている団体なのに、なぜ日本民間放送連盟がこんな自分たちに有利にならない取り決めをしているのかというのが不思議だったのですよ。

それを調べたら、総務省が放送法の大枠以外に細かい訓令や通達や見解みたいなのを出していて、それでしっかり上から押さえつけてるのが解りました。

たとえば、2010年に改訂された放送法のBS放送の免許の認定では、委託放送業務の認定の際の放送法関係審査基準(平成13年1月6日総務省訓令第68号)という訓令を元に、民放に対してCMを3割以下にしないと免許与えないよと言う圧力をかけています。
それに対して当然民放も抗議や意見を出していますが、総務省のお役人の見解には逆らえないような力関係が構築されてるので、簡単に言っちゃうと、放送法でCMの上限は3割までと言ってしまっていいということになります。

ご参考
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100610/349029/

個人的にはこの歯止めが崩れない方が好ましいとは思っているんですけどね。それよりはバカバカしくて現実的ではない視聴率調査方法を改めるべきでしょう。
Posted by きみたか at 2013年02月02日 17:12
> 自分たちに有利にならない取り決め

 そんなことはないでしょう。
 たとえば、CM の比率を 5割にでも 10割にでもできるけど、そんなことしたら、誰もテレビを見なくなるし、テレビを買うこともなくなる。現状だってテレビのコマーシャルが多すぎると感じることがある。特にプロ野球はそうだった。CMだらけ。CMが終わって放送開始になったら、すでに2アウトになっていた、なんてこともある。だからプロ野球は見られなくなった。
 自分で自分の首を絞めたようなものだ。
Posted by 管理人 at 2013年02月02日 18:02
うーん、どうなんでしょうね?
この国の愚かな政治家と同じように、後先考えずに目先だけみて放送局の経営陣はあと5%とかできれば10%とかCMの比率を上げたがってるんじゃないかと思いますけどね。
彼らにとってテレビ本体が売れなくても、そもそもテレビの視聴者が実際は減っていたとしても、実際の広告収入を増やせればいいと考えているだけでしょうから。

そういう点では役人が介入してるのは最良ではないにせよ、まあなんとかバランスが崩れないように歯止めはかかってるんじゃないかと思います。
現在そういう総務省の姿勢に反発して、これはCMではなく番組ですってことにして巧みに役人の規制をすり抜けてやってる通販番組がBSやCSや深夜枠では花盛りで、みている方はうんざりですが、うまく抜け道を探して、ちゃっかりやっているという顕著な例です。

ちなみに私はテレビや映像関係の仕事には関わってますけど、ここ何年も自分でテレビの電源を入れたことがない人種です(笑)
Posted by きみたか at 2013年02月02日 18:52
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