( ※ 本項の実際の掲載日は 2013-01-29 です。)
このことは、前にも書いたことがある。ただ、独立した話ではなくて、他の話のついでという形だ。そこで、独立した話として、新たにタイトルを付けて、項目を立てておく。
話の内容は、すでに述べたとおりなので、再掲する。
加湿機能は、確実に有効だ。実際、「空気が乾燥すると、感染率が高まる」というのは、明白な事実である。低温・乾燥の状態では、人間の呼吸器(口腔・鼻腔)の免疫力が著しく低下して、感染率が高まる。その点、加湿機能があれば、感染率を確実に下げる。この話は「空気清浄機は有効か?」という話題のオマケの形で述べたのだが、これじゃ、「インフルエンザと加湿器」という話題からは、ズレたタイトルですね。
( → 空気清浄機は有効か? )
「湿度とインフルエンザ」という医学的な話は、加湿器よりも、マスクとの関連で述べたことがある。再掲しよう。
一般に、風邪やインフルエンザにかかる理由は、ウィルスが存在することよりも、「免疫力の低下」である。そして、免疫力が低下する理由は、「低温・乾燥」である。
( → マスクで予防 )
インフルエンザウイルスは高温多湿が大嫌い。たとえば温度22度で湿度20% のとき、ウイルスの生存率は66% ほど。これを湿度50% に上げてやるだけで生存率は一気に4% に下がるのですこの話は「(湿度を高めるので)マスクは有効だ」という話題のオマケの形で述べたのだが、これじゃ、「インフルエンザと加湿器」という話題からは、ズレた(関係のない)タイトルですね。
( → マスクで予防 2 )
──
ともあれ、以上からわかるように、「湿度とインフルエンザ予防」とは大きな関係がある。
それゆえ、次の方針が大切だ。
・ 戸外ではマスク
・ 就寝中もマスク(濡れマスク)
・ 室内では加湿器
なお、加湿器では電気を食いすぎるので、次の方法も有益だ。
・ 熱湯を含ませた厚いタオルを、ハンガーに掛ける。(室内で)
・ フェルトの布地を広げて、そこに霧吹きで水を噴霧する。
これらの方法は、そこそこ有益である。(加湿器に比べればずっと小規模だが。)
なお、加湿器を一晩中かけることは、お勧めしない。それじゃ湿度が高まりすぎる。(強弱の切り替えがあるならば別だが。)
[ 付記 ]
本項を書いたのは、次のコメントが来たからだ。
規模の大きい建築物ほど適正湿度を保つための設備が整えられていないことが多いように思われます。我が母が入院している療養型病棟の平均的な相対湿度は30%を割っていて、それを指摘しても、関係者は知らんぷりです。これでは、ワクチンも抗ウイルス剤も泣けてきます。病棟などの施設で湿度対策がなされていないのは、困りものだ。それでいて「予防投与」なんてことをして薬漬けにするなんて、馬鹿げていますね。
( → 2013年01月28日の記事のコメント )
タミフルの薬剤費は 3000円程度。加湿器は6畳分でも 3000円ぐらい。大部屋の一人あたりに換算すれば、1000円ぐらいだろう。それで何年間も使えるから、1年あたりでは 300円ぐらいか。(電気代は別途かかるが。)
ともあれ、予防投与なんかに比べれば、加湿器の方がずっと大切だ、ということに気づくべきだろう。
(コメントの指摘の通り。)
【 関連ページ 】
→ 濡れマスク
→ 加湿器の紹介
→ Amazon 加湿器の一覧
と疑ったので、ネットで探しました。
「うるるとさらら 加湿」
で検索。結果は
→ http://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=1207376/
→ http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4641543.html
メーカーの舌先三寸のPRなんか、信じちゃ駄目です。
「はっきり言ってこの機能は詐欺です。」
というユーザー体験記もあります。
──
何でこんな詐欺商品が出ているのかと思ったら、意外な用途があった。冬でなく夏に加湿する、という用途。
→ http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/kdnreview/20100723_382383.html
夏に猛烈に温度を下げて、かつ、加湿する、という用途。かなり特殊な用途のためにある機械です。電気代が半端じゃないですね。
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なお、ダイキンの空気清浄機は、比較的お勧めです。(他社に比べれば、だが。)
→ http://openblog.meblog.biz/article/3610887.html
http://www.e-mansion.co.jp/bbs/thread/3392/10
うまくできている人もいるが、大半の人には不評のようです。たとえばこれも。
http://blogs.yahoo.co.jp/kbnr328830/30964122.html
基本的には、室内を暖めて、外部を冷やして、外部でできた水を室内に運ぶ、というものです。夏のクーラーで室内にできるはずの水が、冬のクーラーでは室外機にできる。それを使うわけ。一見、頭がいい。
しかし、システムがかなり複雑になるので、初期投資がかなり高くなる。故障もしやすい。単純に加湿器だけ使う方が普通でしょうね。ま、水の補給がちょっと面倒だが。それでも男手があれば問題ない。
──
p.s.
あとで思ったが、外気中の湿度に大きく依存するようなので、次のようになるかも。
・ もともと外気に湿度のある日本海側では有効
・ もともと外気に湿度のない太平洋側では無効
これなら、場所による違いが出るので、人それぞれになる理由が説明されます。
水分供給するだけなら水分をしみ込ませた素焼きの壷とか、金魚鉢も良いかもしれません。とはいえレジオネラ菌はぬめりに居るものですから、金魚鉢も気になるかもしれません。
暖房時は室外機の水分をって考えは良さげですが、冬の室外機は室外の熱を奪うため氷点下になる事を考えると、室外機のフィンは湿度が高ければ霜だらけになってしまいます。
その霜を何らかのエネルギーで溶かしてそれを室内に水分として取り込むってのは高度な無駄って感じがしますね。
実は、ある単科病院の新築工事の設計施工に関わった縁者がおりまして、彼はオーナーにも助言をする立場でした。
20億円ほどの工事だったそうですが、最初は全館の湿度管理設備が見積もりに入っていたそうです(数千万円程度)。それが、竣工したときには削られていて、オーナーが追加工事で何とかしろと言ったそうですが、追加工事の見積もりは1億円以上となって断念したそうです。
つまり、予算を削る段階で、おそらく事務方の意見で湿度管理の重要性が低く見積もられたためにカットされたのだろう、とは縁者の話です。
末期認知症で療養病棟に入院中の88歳の母親の見守りに、週一回泊まり込みをして気づいたことがあったので、前回のコメントとなった次第。
一昨日の泊まり込みしましたが、個室、大部屋ともに相対湿度30%を切っていました(各部屋の入口にデジタル温湿度計がぶら下げてあり、ご丁寧にも「最適湿度50%〜60%」と黄色のテプラで注意書きまであります)。
個室や比較的狭い大部屋であればドアを閉めて、加湿器を使えば50%位までは容易に加湿できるようで、実際、母親が入っている8畳ほどの個室では、4千円程の簡単なスチーム式加湿器と濡れタオル4本で50%弱に保てました。ただ、能力不足と補給水の手間があったので、シャープの気化式の加湿器を買い足しました(強にすれば60%弱まで短時間で加湿されるようです)。
問題は、共有スペースの湿度がべらぼうに低いことで、要員数と安全見守りの観点からでしょうが、扉を空けたままにしている個室・大部屋ともに前記のように30%を切る状態になっています(加湿している母親の部屋も、ドアを10分も開け放つと直ちに30%前後まで落ちます)。
100人以上入る待合室も含め、エアコンで暖房している広いスペースの湿度管理は容易ではなさそうです。
待合室などが感染機会となる可能性は低くはないように思われます(良心的な小児科クリニックなどでは、感染が疑われる患者向けに個室待合を設けているところもありますが)。無駄に行かないにこしたことはありませんが。
いずれにせよ、インフルエンザ症の感染対策は、南堂さんがまとめられている予防策も含めて、ただ対症療法や特効薬に頼りすぎず、また網羅的であったり場当たりであったりするのではなく、優先度と現実性を考え尽くしたメリハリのある総合的な観点が必要ですね。
http://d.hatena.ne.jp/vaceba/20130218/1361162659
外気湿度が下がると中の湿度も下がるのは確かですが、やはり多くの場合である程度の加湿をしてくれるうるさらはいいものだと私は思います。
情報をありがとうございます。リンク先を見ましたが、科学的で有益な情報ですね。きちんと実証されたデータはとても有益です。
これを見て思ったのは次のこと。
「外気温に比べて室内気温が上昇すれば、湿度は大幅に下がって当然なのに、実際には湿度は下がるどころか上がっている」
このことからすると、ずいぶん大きく加湿の効果があるようです。仮に湿度が同じだとしても、温度が上がっている分、大幅に加湿されていることになるからです。
この意味では、この機能の効果はきわめて大きいと言えそうです。
しかるに、どうして不評の声があるかというと、実際には湿度があまり上がっていないことがあるせいでしょ。しかし、気温が上昇すれば、湿度は大幅に下がって当然なのですから、「湿度があまり上がっていない」ということには、ある種の錯覚があることになります。
とすると、ネット上の不評は、けっこう勘違いが混ざっているのかも。
値段のことが少し気になっていましたが、六畳用ならば10万円程度。これは、他の高度な機能もついている高級品なので、加湿機能がなくても、もともとかなり高額になって当然でしょう。7万円程度。それとの差額が3万円程度。加湿機能は3万円程度ですね。
一方、普通の加湿器は3000円程度。これはずっと安価だが、次のデメリットがともないます。
・ いちいち水を汲む手間
・ 加湿器の電気代。(けっこうかかる。エアコン本体の暖房コストと同程度。ただし途中で切ってもいい。)
差し引きしてみると、次のように言えそうです。
「暖房機能を多く使うならば、加湿機能も多く使うので、手間および電気代の節約の効果で、初期投資の3万円を十分に改修できる.むしろ、お得なぐらい」
つまり、エアコン暖房をいっぱい使う家庭ならば、うるるとさららは、十分にメリットがあります。そう結論していいでしょう。
そのことが、今回の調査データからわかりました。
( ※ 以前の私の見解は、正しくなかったようです。否定的だった前言を撤回します。ネットで調べただけじゃ、駄目ですね。きちんと実際に調査する科学的な立場の方が有益です。)
→ http://books.meblog.biz/article/14162885.html
vaceba さんのページをリンクして紹介しています。また、そこにある図を拝借しています。不都合があれば、ご連絡ください。