太陽光バブル(太陽光発電の産業が急速に拡大したあとで急激にしぼむこと)は、ドイツではすでに起こった。このことは、前にも述べた。
→ ドイツの太陽光発電 1 (縮小)
→ ドイツの太陽光発電 2 (バブル破裂)
また、次の情報もある。
→ 補助金削減でドイツ太陽光発電の前途に暗雲 (日経 2012/3/28 )
以上は、ドイツのことだった。同様のことは、スペインでも起こった。
→ 太陽光発電 スペインの教訓
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さて。以上は過去の情報だ。一方、新たな情報が出た。中国でも、太陽光バブルが破裂したのだ。詳しい話は下記にあるので、読んでほしい。
→ http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36610
一部抜粋すると、次の通り。
《 中国の太陽光発電業界は万策尽き果てるのか ── 供給過剰に追い打ちをかける欧米市場からの締め出し》シャープは太陽光事業が大幅赤字だが、その背景には、中国企業のこういう事情がある。シャープが健全化するためには、太陽光発電の市況が回復しなくてはならないが、それはとうていありえない。サンテックという巨大な穴があるからだ。シャープが何をしようと、この巨大な穴にどんどん金を飲まれてしまうだけだ。
あの「世界一」を標榜した太陽光パネルメーカーのサンテックパワー(尚徳太陽能電力有限公司、以下、サンテック)でさえ、経営破綻の危機に追い込まれている。
今、サンテックは2012年3月時点で約16億ドルの純負債を抱えている。太陽光発電企業の在庫は500億元にも膨らんだ。その一方で、売上高は100億元にも満たなかった。サンテックが拠点を置く無錫市でも、上半期の営業収入は200億元足らずと、前年同期の4分の1に減少した。
だが、「サンテック倒産」の報道はない。それは、サンテックが本拠地を置く無錫市の市政府が、サンテックの倒産回避に必死になっているためだ。
危機的状況なのはサンテックだけにとどまらない。いまや中国の太陽光発電業界には「壊滅的な危機」が忍び寄っている。テレビの画面には、太陽光発電関連工場が退去し「もぬけの殻」と化した省内の開発区が痛々しく映し出される。
その原因は何か。1つは「需要を無視した無秩序な生産」である。中国の太陽光発電関連製品の生産量は、世界市場が消化しきれないほど過剰なものだった。
● 中国の太陽光バブル崩壊で世界経済がドミノ倒し?
果たして中国の太陽光発電業界は復活できるのか。
「むしろこれからが本当の泥沼だ。ほとんどの企業の借り入れに市政府が保証人になっており、銀行はその資金回収に頭を痛めている」(中国人コンサルタントのP氏)
また、アメリカの調査会社であるGTMリサーチは、次のように指摘している。「2011年にもたらされた太陽光発電産業における需給関係のバランスの崩れは、2014年までに回復することはないだろう」
前政権の膨大なツケを押し付けられて船出する習近平政権は、世界経済の負の連鎖の発火点となる大きなリスクを背負わされている。
日本政府は「太陽光発電に補助金を出せば、大量生産で大幅なコストダウン」なんていう夢物語を描いていたが、大量生産ならばすでにやっている。需要の何倍もの供給過剰という形で。そのおかげで、価格は大幅に下がったが、下がった理由は、コストダウンではなくて、大幅なコスト割れ販売(赤字販売)であった。
結局、世界中で「太陽光発電こそ次世代の発電だ」と大騒ぎしたことで起こったのは、ドイツ・スペイン・中国の巨大バブルとバブル破裂であったわけだ。

こういう大失敗を見たら、「その失敗を犯すまい」と考えるのがまともな人間の発想だ。しかしながら日本は、その失敗への道を突き進む。ほとんど自殺行為。
それでいて、そのことは、今回の衆院選ですら争点になっていない。呆れたものだ。
ま、先の再生エネ法案は、与野党一致だから、争点にならないのだろう。そして、国中そろって、自殺行為の道をたどる。つまり、地獄のような大穴への道を突き進む。……湖に向かって猛進するレミングの群れ(逸話)のように。
【 関連サイト 】
(1) 最新ニュース。
→ 福岡の太陽電池メーカーが民事再生法で保全
(2) 関連産業の状況
→ アルバックの株価
太陽光発電の装置産業であるアルバック。中国などが「日本の装置産業から装置を買うだけで中国に太陽光産業ができる」と思ったので、アルバックなどからどんどん装置を買った。おかげでアルバックも急成長。株価は急伸。5000円を超える株価になった。( 2008年 )
しかしその後は(リーマンショックの影響もあって)急落の一途。供給過剰の現状では、誰も装置を買ってくれない。会社は大赤字。株価は今や 600円割れだ。バブル破裂の余波は、こんなところにまで来ている。
ひところは「太陽光ブームで株価が急上昇」と目論んで、株を買った人も多いだろう。シャープの株を買った人も、アルバックの株を買った人も、どちらも悲惨。
実は私は、「シャープはつぶれるが、アルバックは(中国に装置販売するので)伸びるだろう」と予想したことがあった。
→ 太陽電池産業の育成
なるほど、この記事を書いたあとの半年間では、急激に伸びた。(リーマンショックのあとの景気回復に乗って伸びた。)しかしその後は、バブル破裂の影響で、急激に低迷していった。アルバックに関する限りは、予想は短期的には当たったが、結局は、太陽光バブルの破裂という大きな流れには逆らいえなかったことになる。……しかもその規模は、私の予想をはるかに上回る規模だった。
太陽光バブルの破裂は、私の予想をはるかに上回る大規模なものとなったのである。
( ※ まさかサンテックがこのありさまになるとは思わなかった。シャープが倒産するのは想定していたけどね。)
また、メーカー毎に品質に差異がないため、競争優位も得られないということでしょうか?
フロントガラスの合わせガラスのテクでガラス板で挟んだら出来上がり 。
ハムサンドとよく似ている。
薄くスライスすると安上がりだけど途中で割れるので歩留まりが悪い。
表面電極は細いほど影にならないけどかすれる。
装置買ってきたら作れます。
半導体や液晶の微細加工技術は不要。可動部がないからメカニカルな擦り合わせ設計不要。
表裏電極の接続信頼性は…
どうやって20年保証するのやら。
アレニウスさんも苦笑かな。
合わせガラスのサンドイッチは樹脂なので半導体の試験に用いる150℃テストはできないし、温度と湿度の影響は秘密です。残留応力はもっと秘密です。
その安い電気を使用し,ソーラーで産み出した電気は全量42円で東電に買い取ってもらえば率のいい投資に見えます.すごく広がっているとのことでした.そんな逆ざやが何故成立するのか? なんと自宅の伝票をよくみたら,どの家庭でも,ソーラー対策のための費用が請求されているのです.これじゃソーラーにしなきゃ,支払い損になりますね.
最大の心配は、地震です。地震で家が壊れたら、ソーラーも壊れます。ソーラーには地震保険は利かないでしょう。費用回収前にゴミになったら……と考えると、リスクは高い。
家に業者(組合)が来て,電気ガスの毎月の伝票から計算してくれた時に,ふと思って聞いたのですが,その逆ざや(あるいはそれ以上?)が総て個々の家庭の電気代に入っているとは,本当に驚きました.これが東電の仕事なのですかね.これなら絶対に損はしないし,そのリスクもないしいい仕事ですね.
マンション屋上などに大規模に載せる場合でも、防水やりかえ工事との兼ね合いなど注意点が有ります。またパネル価格下落ほどにはシステム価格が下がっている訳ではありません。とはいえ、今年は普通に元が取れそうなチャンスですね。メーカーは赤字でも、販売業者はかき入れ時でしょう。
私が明日書くはずだった項目の内容を先取りされてしまった! (^^);
まず、出来るだけ安価な太陽光発電設備を設置しておく。その設備の発電量は少ないが、実は、別に契約した農事用電力を接続して、太陽光で発電したように装えば、買取り価格との差額で設けることが出来るのでは、という思いつき。
発電量をそれらしく、装うことは必要だけど可能ですよね。
いままでは高すぎましたから、これからどんどん安くなるでしょう。
蛍光灯やパソコンが普及したように、これでやっと庶民でも載せられるようになります