地球温暖化対策を話し合う国連の会議 COP18 が開催されている。議論はなかなか収束しないようだ。
→ COP18 議定書継続で意見対立
→ COP18が26日に開幕 日本、原発停止で発言力低下も
一方、温暖化が進んでいる、という報道もある。
→ 世界の気温、4度上昇の恐れ…世銀報告書が波紋
──
一方、温暖化とは別に、環境破壊の話題で、次の報道がある。
コンゴ共和国北部には、世界有数の広大な熱帯林が広がる。しかし、世界遺産となったヌドキ国立公園は、その周囲が木材の伐採区だらけだった。さて。コンゴとはどういう国か? 最近では、内戦が報道されている。
伐採は森のお返事ありがとうございます。北へとと広がっていく。
《 写真解説 》森林伐採のために熱帯林を切り開いて作られる道路。
( → 朝日新聞・夕刊・コラム 2012-11-28 [紙の新聞のみ])
→ 反政府勢力が主要都市に進攻=緊張高まる東部−コンゴ
→ コンゴ反政府勢力「全土掌握を目指す」
→ コンゴ、反政府組織との戦闘続く
ではなぜ、このような内戦が起こったのか? 理由は二つある。
・ 豊富な地下資源があり、利益を得られる。
・ 独裁政権が利益を独り占めして、国民は最貧国状態。
実は、アフリカのこの地域は、豊富な地下資源があり、いずれの国もそれらの地下資源を開発している。しかし、国の事情は大差がある。所得( GDP )は、次の通り。
・ ボツワナ …… 14,882ドル
・ ザンビア …… 1,399ドル
・ ジンバブエ…… 188ドル
ボツワナは民主化しており、富を国民全員で分かち合っているので、高い所得を得ている。それに比べて、独裁政権が富を奪っているジンバブエでは、はるかに低い。上記の三国の GDP の比率は、おおざっぱに、
100:10:1
ぐらいだ。これほどにも差が付く。
で、コンゴはどうかというと、ジンバブエと同様である。「富の独占」があり、政治腐敗がひどい。
ジンバブエでは強権的な弾圧で国民を抑圧している(いた)ようだが、コンゴではそうではなかった。富の独占をしている現行政権に対して、反政府軍が反乱を起こした。それが現在の内戦だ。
( ※ これは、共産主義の出現する以前の資本主義国家みたいだ。そこで革命をめざす革命軍が出てくるわけだ。30年ぐらい前には世界各地で見られた現象だ。)
──
こういう状況を見ると、コンゴにおける環境破壊の事情もわかってくる。この国にはまともな生産力がない。それでも人間は生きなくてはならない。そこで、金と食料を求めて、熱帯雨林を伐採し、熱帯雨林に住む(貴重な)動物を殺して食べている。
環境破壊と生物絶滅とを、同時になしているわけだ。これぞ最悪の環境破壊と言えるだろう。
──
こういう現実があるならば、次のようなエコ活動のバカバカしさはわかるだろう。
→ 消えるインクのコピー機(ループス)
消えるインクを使って、紙を節約できる。しかし、紙のために使われる木材は、もともとは捨てられる間伐材や廃材であるから、いくら紙を節約しても、環境保護の意味は何もない。
環境保護のためであれば、コンゴのような熱帯の森林を保護しなくてはならない。まずは「コンゴの熱帯林を保全せよ(森林破壊をやめよ)」と言うべきなのだ。
さらに言えば、冒頭の「温暖化対策」としての「炭酸ガス抑制」も馬鹿馬鹿しく思えてくる。炭酸ガスの排出を抑制することばかり考えていては駄目だ。炭酸ガスの吸収を考えるべきだ。そのためには、熱帯林の保全が必要なのだ。
また、地球温暖化の阻止のためには、地球の砂漠化を阻止することが必要だ。砂漠化を阻止して、熱帯林を守れば、水分蒸発量が増えて、雲が増えるから、温暖化を抑制できるからだ。
→ 太陽と雲 (気温・温暖化)
→ 地球温暖化と太陽・宇宙線
──
以上のことからして、熱帯林の保護がいかに大切かがわかるだろう。
なのに現状では、熱帯林の破壊が進んでいる。上記のコンゴもそうだが、南米のアマゾンは特にひどい。また、オーストラリアも過去にはひどかった。
→ 開墾による森林消失
「地球温暖化を阻止せよ」
と言うのであれば、まずは森林の破壊に注意するべきだ。炭酸ガスの排出抑制ばかりを考えていては駄目だ。
[ 付記1 ]
アフリカなどの森林破壊には、別の理由もある。人口の急増だ。人口の急増(人口爆発)があるから、食料などを求めて、人々はどんどん森林を破壊していく。だから、この問題を解決することも、根源的な対策として必要だ。
→ アフリカの未来
こういう問題を放置して、「太陽光発電を増やせば大丈夫」なんて思うのは、あまりにもおめでたいとしか言いようがない。めざす方向が狂っている。
真のエコは、もっと自然に親和的なものだ。一方、太陽光ばかりをめざすのは、一種の「太陽教」という宗教にすぎまい。

出典:画像サイト
[ 付記2 ]
誤解されそうなので、注記しておく。環境保全と、炭酸ガス抑制についてだが、「こっちだけがあれば十分で、あっちは不要だ」という趣旨ではない。「こっちもあっちも大事だから、双方に目を向けよ」という趣旨。現状では、こっちに目を向けず、あっちにばかり目を向けているから、それを戒めているわけだ。「こっちにも目を向けよ」と。
【 関連サイト 】
→ コンゴは世界で2番目に大きな森林地帯を持ちます
──
(人口爆発や)エイズを防ぐための無料キャンペーン。
→ あなたの1シェアでコンドーム1コが寄付される!
→ http://www.1share1condom.com/ (該当サイト)
【 関連項目 】
次項に、コンゴの写真があります。
→ Panoramio(世界各地の写真)
※
一般に、本サイトは、公開してから3時間ぐらいは、誤入力が残っています。推敲するのは、そのあとです。
誤字を読みたくない人は、公開の翌日に読むことをお勧めします。