2012年11月23日

◆ 論文投稿の費用

 学術論文の投稿には費用がかかる、という話。 ──
 
 ちょっと古いページだが、次のページがある。
  → 学術出版という封建制

 学術出版社はボロ儲けしている、という話。理由は:
  ・ 高額の査読料を投稿者から徴収する。掲載料も。
  ・ 購入する図書館には高額で販売する。


 これを読んだあとで、「査読者の手数料が高額すぎるせいか?」と想像したが、ネットで「査読料」を検索すると、きわめて安いとわかる。査読者が受け取るのは1件 1000円などだ。無料のところもある。

 では、巨額の差額は? たぶん学界のボスだろう。出版社からリベートが送られて、癒着しているわけだ。

 しかし、それに反発する一般の研究者も多いはずだ。それで近年は、特定の出版社を拒否する動きが出ている。
  → 情報の値段:論文誌出版社を学者がボイコット
 
 学者たちがこぞって独占的な出版社をボイコットする。こうして高額の料金請求を拒否するわけだ。……とはいえ、これは、外国の話。日本ではまだまだだろう。上記の記事は、2012-02-11 の掲載だから、まだ新しい話である。日本では改革は全然進んでいない。

 ちょっと「査読料」で検索してみたが、たいていの学界は、料金が数万円程度だ。(査読料と掲載料の合計で。)

 ──
 
 さて。ここで話変わって。
 トンデモマニアが私に向かって「学界に投稿しろ」と注文を付けている。しかし、上記の通り、掲載には多額の金がかかる。私が本サイトで書いているのは、あくまで余興であって、本業ではない。余興のために数万円を払うのは大変だ。

 それでも、払うとしたら、どのくらいかかるか? 
 現時点で、このサイトに書いてある項目は 2975件だ。そのうち 3分の1を論文にするとしたら、1000件だ。1件5万円なら、5000万円が必要となる。
 さらには、数学・物理学・生物学は、別サイトにもたくさんある。特に、経済学は「泉の波立ち」や nando ブログに、ものすごく大量にある。これらもざっと 1000件ぐらいか。いや、もっとか。
 おおざっぱに見て、合計 2000件。1件5万円なら、1億円が必要となる。投稿のためだけに 1億円だ!

 しかも、それだけではない。論文を書くとなったら、ものすごく時間がかかる。きちんとした論文の体裁にするには、滅茶苦茶に時間がかかる。2000件も書くとしたら、人生 10回分ぐらいの時間が必要だ。仮に生涯所得が 2億円だとしたら、人生 10回分で 20億円。その半額だとしても、10億円分の時間が必要となる。逆に言えば、10億円分の減収となる。

 まとめ。
 私が自分の書いたアイデアをすべて論文にした場合には:
  支出額 :   1億円 (論文の掲載に必要)
  減収額 :  10億円 (論文の執筆に必要な時間を所得に換算)
  合 計 :  11億円

 ──

 11億円必要です。私に「論文を書け」と言っているトンデモマニアは、私に 11億円払ってくださいね。払いもしないで要求するのは、虫が良すぎる。
 ま、どうせ払う気はないでしょうけど。
 だったら私だって、本業でもない余興のために、11億円を出すはずがない。そんなに金持ちでも暇人でもない。
 だいたい、ブログに文章を書くのは、私の人生の目的じゃない。順位ではかなり下の方になる。私のためというよりは、世間のために、ボランティアでやっているにすぎない。(知識の提供。たとえば Adblock の情報とか。)
 私が自分のために時間を使うなら、女の子といちゃいちゃします。そっちの方がよほど楽しい。  (^^)v
 ほとんど世間の目に触れない論文執筆のためなんかに、貴重な時間を費やす暇人はいないでしょう。(本業ならともかく余興では。)

※ 本業と余興の違いは何か? それで職を得るかどうかだ。
  たとえば、生物学の論文を書いて、生物学の職を得るか。
  その意味では、私は生物学の職を得るつもりは全然ない。
  たとえ「あげる」と言われても、辞退します。まっぴら。
 
※ あと、生物学は、私の関心のなかでは順位が低い。
  数学や物理学や経済学の方がずっと順位が上だ。
  論文を書くとしたら、こっちが先になりますね。
  また、生物学のなかでも、血縁淘汰説は順位が低い。
  「生命とは何か」の方が、圧倒的に順位は高い。
 



 [ 付記 ]
 ま、世の中には、「学術論文を書くとはどういうことか」というのを知らないで、「学術論文を書け」と注文する人もいる。
 そういう無知な人のために、本項ではも解説記事を書いている。ああ、私は本当に親切だなあ。特に、トンデモマニアに対して、親切だなあ。  (^^);
posted by 管理人 at 19:29| Comment(6) | 科学トピック | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
学会・学術誌を知らないでけしかける人がいるのですか...

事実に基づいて「新たな知見」をまとまった文章として書くことは参考文献の熟読まで含めると、途方もなく莫大な努力のたまものです。管理人さんがお書きになったこと、現実の数十分の一程度でしょうか。

文章といっても、web上の書き流しの感想とはまったく違うという現実を知って欲しいものですね。
Posted by kks at 2012年11月24日 15:41
> 現実の数十分の一程度

数値で言うと、もっと差が付くかもね。

私が Openブログの1項目を書くのにかける時間は、平均して30分程度。2項目書いて、コメントに応じても、1時間半ぐらい。休日などでは、たまに長く付き合うこともある。ま、普通は、たいして時間はかけません。それも、空いた時間を埋める形だから、実質的にはたいして時間をかけていない。

論文だと、100時間ではとうてい足りないから、300倍〜1000倍ぐらいの時間がかかりますね。友人の例だと、もっと時間をかけている。論文一つに数カ月。
Posted by 管理人 at 2012年11月24日 15:57
「学会で発表する」という手もあります。形式さえ整っていれば、誰でも発表できる。

「発表では、後に残らない」?いや、そうではない。発表要旨集に残ります。それは最終的には、国立国会図書館のアーカイヴくらいには残ります。

せいぜい、必要なのは、学会入会費用だけですね。
Posted by 井上晃宏 at 2012年11月27日 01:39
管理人様の主張に自身がおありなら、とりあえず投稿料が無料の雑誌にでも投稿されれば良いかと思います。
世界最高レベルの専門家が出している見解を覆すのですから、有名大学から超高給で雇ってもらえますよ。

資金が不足しているとして、トンデモマニア()の方々に資金を要求するのは現実的でないでしょう。彼らは管理人様の主張に賛同はしていないのですから。
資金が必要であればインターネットを通じて寄付を募れば良いのではないでしょうか?
インターネットで寄付を募ることについては以前書かれていたようですので。

私自身は管理人様の主張はなかなか良いと思うのですが、論文を書くのに労力を払っていないにも関わらず、論文を書いた相手に上から目線(のように感じる)で主張するからトンデモマニアの方々に不評なのだと思います。
論文の作者に敬意を払うような書き方に変えるべきです。
私は管理人様に説教をするつもりはないので誤読されませんように。(^^);

『私は生物学の職を得るつもりは全然ない。
  たとえ「あげる」と言われても、辞退します。』というのは管理人様の杞憂ですのでご安心を。
寒くなってまいりましたので、お休みの際は電子機器の電源は落として、暖かくされてください。
Posted by k at 2012年11月27日 22:42
> 上から目線(のように感じる)で主張する

 その趣旨ではないんですけど、とにかく「全面否定」であり、「血縁淘汰説やドーキンス説は完全な間違い」という主張ですから、「おまえは間違っている」と言われたと感じた方は、かちんと来るのでしょうね。どんなにていねいに言っても無駄だと思います。
 実際、そういう例はすごくあった。ものすごくていねいに語っても、相手が突然発狂して攻撃してくる、ということは何度か。


 あと、私はいまはクリエイティブな時期なので、何らかの対価を欲するよりは、生産活動をすることを求めています。金よりは、生産活動。
 お金を使うことよりも仕事に熱中していたジョブズと同じ心境です。本日別項のジョブズの話を参照。
 ま、何も成果が上がらなくなったら(老いたら)、研究するかわりに、論文を書くことに時間を費やします。
Posted by 管理人 at 2012年11月27日 23:00
研究しながら、arxivとかに論文出しとけば、お金も掛からないで、ペレルマン博士のように人類役に立つかも知れないと考えますが・・・
HPって維持できないですよね?
Posted by ひゃま at 2013年01月12日 02:46
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