2012年10月25日

◆ 食品廃棄物と返品

 食品廃棄物が過剰にある問題で、「3分の1ルール」を緩和する」という対策が出ている。しかし、見当違いだ。問題の根源は、返品だ。 ──
 
 食品廃棄物が過剰にあるという問題がある。その原因は「3分の1ルール」だという。この件は、前に述べたとおり。
 → 食品廃棄の無駄

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 そこで、これへの対策として、新たな組織ができた。
  → 製・配・販連携協議会 (1)
  → 製・配・販連携協議会 (2)

 そこでは、「3分の1ルールが原因だから、3分の1ルールを緩和する、という方針が出た。
 こうしたムダをなくし、流通を効率化させようと、経済産業省の主導で発足し、大手約40社が参加する「製・配・販連携協議会」は、「3分の1ルール」の緩和で一致。
 さらに、農水省の支援で今月発足した検討チームは……食いタイ的な緩和策を検討し、年道内に中間報告をまとめる。品目ごとに、「2分の1」「9分の4」といった適切な納品起源を検討し、ルールの運用も柔軟にする方向だ。
( → 読売・朝刊 2012-10-28 [紙の新聞])
 呆れた。問題の本質を完全に見誤っている。
 この問題(「3分の1ルール」の問題)は、数値を「3分の1」から、「2分の1」や「9分の4」にすればいい、という点ではない。「どんな数値であれ、そのようなルールがあること」(食品廃棄を認めるルールをあること)自体が問題なのだ。
 なるほど、「3分の1」を「2分の1」や「9分の4」にすれば、食品廃棄はいくらか減るだろう。うまく行けば半減するかもしれない。しかし、半減しても、やはり莫大な食品廃棄が出るのだ。

 だから、根源的な対策は、「3分の1」を「2分の1」や「9分の4」にすることではない。そのように「食品廃棄を認める」というルールそのものを、根源的に廃止する必要がある。
 では、どうやって? こうだ。
 「食品廃棄を認めるというのは、返品を認めるということだ。だから、商品は返品を認めなければいい。つまり、買い取り制にすればいい」

 この件は、前にも述べた。
  → ゴミ促進税制をやめよ

 現状では、返品が生じるたびに、国から税金を負けてもらえるようになる。たとえば、返品によって 100円の損失が生じても、そのうち 40円ぐらいは国から補填してもらえる。(法人税の損金扱いで。)
 しかし、そのような制度(食品廃棄への優遇税制)をやめればいいのだ。いったん販売したものは、すでに販売したものであるから、そこで利益を確定すればいい。そのあとで、返品によって赤字が生じたとしたら、それは、企業が勝手にゴミを伏して赤字を増やしているだけだ。それについては、必要コストではないのだから、損金として扱うのをやめるべきだ。つまり、「ゴミ促進の補助金」をやめるべきだ。
 このことだけで、返品は一挙にゼロ同然になるはずだ。

 ──

 先の項目でも述べたが、このようなことは、たいていの業界で同様に成立する。特に、電器製品や自動車製品では、「返品を認めて廃棄するくらいならば値引き販売」という形で、無駄はゼロになっている。
 なのに、食品業界と衣料品業界に限って、返品というものを堂々と認めているせいで、莫大なゴミが生じている。無駄の原因は、返品という制度なのだから、この制度を廃止すればいいのだ。
 結局、廃止するべきは、「3分の1ルール」ではなくて、「返品を認める」という制度なのだ。話の根源を間違えてはならない。
( ※ 読売の記事は、そこのところを間違えている。また、「製・配・販連携協議会」も、そこを勘違いしている。)



 【 関連項目 】
  → 食品廃棄の無駄
  → ゴミ促進税制をやめよ
 


 【 関連サイト 】

  → 賞味期限前に廃棄なんて…食品鮮度ルール緩和へ(読売新聞)
  → 日本は数兆円分もの食糧を捨てている!小売業界の「3分の1ルール」
  → 「3分の1ルール」緩和へ 〜食品ロス31万トンのドイツと500-900万トンの日本〜
posted by 管理人 at 13:34| Comment(0) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
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