尖閣諸島の問題は、とても大きくなった。いったん収まったように見えても、中国は執拗にイヤガラセを続けている。
→ 日本人団員だけダメ…台湾オーケストラ中国公演
→ トヨタ会長を乗せた旅客機を飛ばさせない嫌がらせ
もちろんイヤガラセだけじゃなくて、根っこには反日暴動を指図した中国政府の方針がある。
では、どうしてこんなに大きくなったのか? それは、突発的に生じたのか? 慎太郎の軽薄な行動が原因なのか? いや、それは一つの因子にすぎない。
本質的に言えば、最初は小さなタネがあり、それがだんだん膨らんだのだ。いわば、雪だるまが膨らむように。(そこでこれを「雪だるま効果」と呼んでもいい。)
──
では、最初にあったタネは、何か?
(1)
尖閣諸島の問題の根っこは、どこにあるか? それは、ロシアの大統領が北方領土を訪問したことだ。(2010年11月1日。たぶん大統領の任期が切れる前の記念だろう。遊び半分。)
(2)
このとき、日本政府は何ら制裁措置を取らなかった。ロシアという巨大な国に対しては、経済制裁を含むどのような行動も取らなかった。
(3)
これを見て、韓国の大統領が調子に乗った。
「日本は領土を侵犯されても、何も文句を言わないんだ。だったらパフォーマンスをして、支持率を上げよう」
こう思って、竹島に上陸した。
(4)
これに対しては、日本側から多大な反発が上がった。ロシアに対しては沈黙していても、韓国に対しては沈黙できないのだ。(スネ夫みたいなものだ。ジャイアンには従うが、のび太にはたてつく。)
(5)
で、これを見て、尖閣諸島の問題がひろがった。島の所有者は東京都に売ろうとしたし、東京都はそれを買い上げて、国家間の紛争の種にしようとした。「戦争したっていいさ」と。
→ 都知事が中国と戦争になってもやむを得ないとの強硬論
(6)
これを聞いてあわてて民主党政権は国有化に進んだ。
ところが中国はこれを聞いて、主席が「顔に泥を塗られた」と怒り狂ったらしい。
→ 燃え広がった反日デモと「愛国」の正体
……
というわけで、(1)〜(6) の過程を取ることで、最初は「ロシアの大統領の記念旅行」みたいなことから、「日中両国の国家間の対立」へと膨らんだのだ。
このような拡大を「雪だるま効果」と呼ぼう。
──
雪だるま効果に似ているものに、「バタフライ効果」がある。前出項目で次のように述べた。
「初めは香港の活動家が尖閣諸島に上陸した。それはごく小さな出来事だった。そのあと、慎太郎が動き出して、さらに政府が動き出した。最終的には中国の莫大な民衆が動き出した」ただし、バタフライ効果が成立するのは、「二つの領域の中間に当たる分水嶺のような状況(分岐点)にいるとき」に限られる。(それが本質だ。)
これつまり、バタフライ効果みたいなものだ。
歴史は小さな出来事から大きな出来事が発生する。「サラエヴォ事件」から第一次大戦が起こった経過がどういうものか、想像が付くだろう。
( → 中国の反日暴動(画像) )
→ リビア情勢とカオス理論
その意味で、本項の事例は、「バタフライ効果」と見なせなくもない。(もともと不安定でどっちつかずの領木に会ったから。)
とはいえ、それがどんどん拡大していったのは、「雪だるま効果」によるだろう。(雪山の分水嶺で一方に落ちたあとで、雪だるまがどんどん拡大していく。雪崩ふうだとも言えるが。)
──
というふうに、数学的・幾何学的な認識をすると、物事の本質をよく理解できる。理解することによって、どういう対策を取るべきかも、おおまかにはわかる。
少なくとも、どうしてはいけないか、ということはわかる。次のことはダメだ。
・ 無為無策の放置。
・ 局所的に反論して、事足れりとすること。
問題は非常に広範で巨大なのだから、この問題に対処するには、非常に大きな対処が必要だとわかる。
私としては、たとえば、次のような措置を提案したい。
「対中包囲網を形成して、世界中で中国の粗野な行動を咎める。人権を抑圧したり、民主化を阻害したり、チベットの侵略や残虐行為をすることを咎める。また、南シナ海における侵略行為も咎める。そして世界各国でいっせいに中国に経済制裁をする」
このように世界的な対処策を採らないと、中国の野蛮な行動は抑止されないだろう。
【 関連項目 】
尖閣諸島については、下記項目で詳しく述べた。( 2012-10-15 )
→ nando ブログ : 尖閣諸島の問題の整理

→侵略行為
の誤りを見つけましたのでお知らせします。