EU にノーベル平和賞が与えられた。私としてはこれに批判的だ。 ──
EU にノーベル平和賞が与えられた。私としてはこれに批判的だ。理由は下記。
「団体に与えるというのが根本的におかしい。どうせ与えるなら、国連とか、さまざまな国際機関(ユニセフなど)に与える方がマシだ。」
「なのに、今になって与えるのは、そこに政治的な意図があるからだ。というのは、今現在、欧州は通貨危機にあり、欧州共通通貨の解体の声が高い。それを封じ込めようとする目的のためで、政治的な目的がある」
「さらに悪いことに、欧州共通通貨はもともと経済的には解体するべきなのだ。経済合理性だけで考えれば、通貨レートは変動相場制が好ましく、固定相場制は良くない。なのに、強制的に固定相場制を押しつけるのが、欧州共通通貨だ。それはいつかほころびる。そのほころびが出て解体に向かっているのが現在だ。そして、それは、経済として自然なことなのである」
「なのに、経済としては自然なことを、『平和のため』『国際協調のため』という別の理由で、阻害する。それは共産主義にも似た、不自然な経済行動だ。良いどころか、悪いことだ」
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比喩的に言えば、今回のノーベル平和賞は、選定委員会の委員長の個人的な主張によって政治的に与えられたものだ。それはいわば、中国の経済活動が、共産党の独裁のもとで、歪んだ方向に進むのと同様である。「政治的にはこれが正しい」という独りよがりな理想主義のもとで、誤った経済政策を進める。……その点、ノーベル平和賞と中国共産党は、そっくりだ。
欧州通貨危機を抑止しようとして、欧州では「財政をも統一しよう」という声が上がっている。
しかしそのような方針は、「中国経済は厳しいから、共産党の経済統制を強めよう」というようなもので、まったく逆方向なのである。
今回のノーベル平和賞は、歴史に残る愚行だと言えるだろう。
【 関連サイト 】
私とは論拠が違うが、批判的な見解は多い。
→ 朝日新聞:「平和賞の品位汚した」 EU受賞に欧州各国から批判
2012年10月13日
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