2012年10月03日

◆ 准核生物(準核生物)

 原核生物と真核生物の中間的な生物として、准核生物というものが発見された。 ──
 
 原核生物と真核生物は、非常に大きく隔たっている。それは進化の過程では最大のギャップとなっている。大きさも、構造の複雑さも、何から何まで、後者の方が圧倒的に上だからだ。
 その中間を埋めるものが見つからないので、これまでは次の仮説があるだけだった。
 「原核生物のなかに別の原核生物がもぐりこんで、二重構造になった」
 これは共生説と呼ばれる。次の説明がある。
 1967年マーグリス(Lynn Margulis)は,原始的な真核細胞は4つの異なる原核生物の系統の連合を含み,少なくとも3つの別個の段階を経て発達したものであるという仮説を提唱した。その仮説は共生説(symbiosis hypothesis)として知られるようになった。その仮説によると,好気性細菌がミトコンドリア,ある種のスピロヘータがべん毛,シアノバクテリアが葉緑体の起源であると主張している。
( → 出典

 次の解説もある。
  → Wikipedia :細胞内共生説

 ──

 さて。このたび見つかったのは、次のようなものだ。
 “ 二重構造を持つが、中にあるのは、二重の膜を持つ「核」(真核生物の核)ではなくて、一重の膜を持つ「核らしいもの」と、共生体らしいもの ”


 ここには、二種類のものが含まれているわけだが、そのいずれも外部からもぐりこんだ細胞に由来すると見なせる。その意味では、マーグリスの説に矛盾するわけではない。
 私の感想では、「真核生物の初期のもの」というふうに見なせそうだ。

 この新たな生物は、伊豆方面の海底で見つかった微生物だという。電子顕微鏡で分析したところ、今回のような構造が判明したそうだ。ただ、個体数は1個だけなので、はっきりしたことが断定できるまでには至っていないそうだ。

 発見者(論文執筆者)は、山口正視である。

 ──

 なお、以上は、読売・夕刊 2012-10-03 の要約である。ネット上に情報があればいいのだが、見つからないので、私が簡単に紹介しておいた。
posted by 管理人 at 19:30| Comment(2) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Posted by 管理人 at 2012年10月03日 21:43
「准」という文字が気になったので、検索すると、次の箇所が見つかった。
 ──
  「批准」の「准」、すなわち「許す」「認める」という意味の場合は「准」しか使わない。
  したがって、これ以外の「准」は「準」の俗字という扱いでよいかと思う。
  現に、中国語ではそのように処理されていて、例えば『現代漢語詞典』は「准許」(許す、認める)という意味の「准」とそれ以外の「准」「準」とを区別したうえで、後者の「准」を「準」の簡体字として扱っている。つまり、もとからそうであった「准」と、「準」の簡体字としての「准」の両方が存在するわけである。ちょっとややこしいが、妥当な処理であると思う。
→ http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0701&f=column_0701_003.shtml
 ──
 つまり、「准」は「準」の俗字(もしくは代用字)である。正規の文字の代用として使われるだけだ。
 本項の提案で「准核細胞」と書くのは、俗字を使うので、学術用語としては適切でない。正規の文字を使って、「準核細胞」と書くのが好ましい。実際、天文用語では「準惑星」というのがある。
 「准核生物」という用語を使った人は、漢字のことをよく知らなかったんでしょうね。のちに、正規の用語として定めるときには、学界が「準核生物」というふうに(誤りを)訂正するべきだろう。
Posted by 管理人 at 2012年10月05日 06:10
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