地震のときには帰宅困難者を避難所まで誘導するそうだ。今回もあちこちで誘導する訓練が行なわれたという。新聞社の報道記事がある。
→ 最悪想定、課題見えた/9都県市防災訓練
→ 生かそう大震災の教訓 浦和駅周辺で対策訓練
→ 鉄道各社が災害対策強化、避難所案内や飲料水の備蓄
→ 沿岸市町は厳しい想定に戸惑い 南海トラフ地震
しかしその想定のいずれも、「明るい昼間」を想定している。「夜間で停電」を想定していない。
先の大震災のときは、地震は真っ昼間に起こったから、照明の問題はなかったが、次の地震もそうであるという保証はない。夜間に起こるかもしれず、夕方に起こるかもしれない。夕方の場合は特に危険で、「出発したときは明るかったが、途中で暗くなって道に迷う」というようなことが起こりかねない。
なのに、「光については何も問題が起こらないこと」を前提として訓練をするというのだから、何をかいわんや。訓練というのは、最悪の事態を想定するからこそ、訓練となる。なのに、「最悪の事態にならないこと」を前提として訓練をするのでは、先の大震災で「津波被害は軽いこと」を前提として訓練をするのも同様だ。それは「地震も津波もたいしたことはない」というふうに前提とした東電と同じである。
つまり、今の日本の震災対策は、東電とまったく同じなのだ。間抜けの極み。こんなことでは、将来どうなることやら。
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上のリンクの最後の記事では、「誘導灯を設置する」という案もあった。しかし、これは駄目だ。駄目だということは、すでに先に述べた。
→ 道案内のソーラー標識(地震で)
誘導灯の趣旨は、「ソーラーパネルと蓄電池を利用して、夜間でもきちんと誘導しよう」ということだ。しかし、誘導灯のところだけが明るくても、そんな暗闇だらけの場所を歩くべきではない。ゆえに、誘導灯が表示するべきは、道案内の地図や地名ではなくて、次の表示だけだ。
夜間の歩行は危険なので、動かないでください。
つまり、夜間には移動してはいけないのである。これが原則だ。実際、東京都も、次の指針を示している。
帰宅困難者対策の最終報告書の骨子──
▽「むやみに移動を開始しない」を基本方針とする
( → 毎日新聞 2012年09月11日 )
さて。そうだとすれば、夜間対策は、何もしなくてはいいのか? いや、そうは言えない。都会で急に停電して真っ暗になったら、人々は阿鼻叫喚のありさまになりそうだ。大きなビルならば自家発電があるだろうが、小さな店舗はそうではないだろうから、あちこちで問題が起こりそうだ。
そこで私としては、次のことを提案したい。
「都会の店舗には、地震の停電時の対策として、蓄電池を設置しておくこと。それによって、店頭の照明を 10時間ぐらい継続すること」
たとえば、渋谷のセンター街には、3階建てぐらいの低いビルがたくさん並んでいる。
→ Google ストリートビュー(渋谷)
これらのビルにまともな自家発電装置があるとは思えない。置く場所もないだろう。ここが夜間に停電になったら、ほとんど真っ暗になるはずだ。下手をすると、強姦騒ぎも起こるかもしれない。
だからこそ、そういう混乱を避けるために、蓄電池をどの店舗にも設置させるべきなのだ。コスト的にも、20万円ぐらいで済むのだから。
→ 家庭・オフィス用の蓄電池
ちなみに、ELE-CUBE mini という商品の場合、20万円以下で、25W が 30時間続く。照明器具を LED にすれば、25W でも相当明るくなるから、それが 30時間も続くのなら、十分だ。
LED 電球というものは、家庭用の照明としては特に優れてはいないのだが、地震のときの非常用の照明としては、とても優れている。蓄電池と組み合わせる必要があるので、一般家庭向きではないのだが、店舗では、「蓄電池 & LED電球」という形で、非常に有益だろう。この組み合わせで普及を図るべきだ。
( ※ ただし、LED 電球は、店内用ではなくて、戸外の照明用である。ま、店内用が半分ぐらいあってもいいが。)
結論。
「地震は昼間に起こることを前提として訓練をする」
なんていう馬鹿げたことをしている暇があったら、
「店舗に蓄電池と LED電球を普及させる」
という方針を取るべきだ。
※ お金のない店舗は、せめて個人用の LED ランタンぐらいは設置してほしい。これなら電池込みでも 3000円程度で済む。(下記)
[ 付記 ]
個人用は? 個人用に LED 電球を買っても無意味だ。というのは、100W の交流電源が必要だからだ。
家庭では、直流電源(つまり小さな電池)を使う「懐中電灯」が好ましい。たとえば、これらだ。
※ 他の商品も知りたければ → LED 懐中電灯(一覧)
こういうのを用意しておくと、地震のときに限らず、いざというときに役立つ。
出す費用は 2000円程度で済むが、いざというときの便利さは、圧倒的なものだ。真っ暗な闇のなかで過ごすのは、とても辛いですからね。
ま、お金を惜しむ人は、安価なローソクを買ってもいいが、値段の差は少ない。それでいて利便性には大差が付く。また、ローソクの場合、「一家全焼」という危険性があるので、ちょっと爆弾を使うような不安がともなう。特に、小さな子供のいる家庭では、すごく危ない。
《 電池について 》
※ 携帯型は、軽量化のため、ボタン電池を使うが、値段はそんなに高くない。LED だから電池の消費も少なめだ。
※ アルカリ乾電池を使うタイプもある。これは自転車用に使う人も多い。
※ ボタン電池であれ、アルカリ電池であれ、100円ショップで安価に買える。
電器店で買うとすごく高いので、やめた方がいい。注意しましょう。
[ 参考 ]
停電になるとどうなるか? その例は、2011年3月16日の東京の状況を見るとわかる。
下記の動画では、午後6時15分という日暮れ時の調布市を、高級カメラで高感度撮影したものだ。わずかに明るみはあるが、夜になっており、(自動車を除いて)どこにも照明がないことがわかる。
( ※ 例外で一箇所だけ照明のある店がある。 → 三菱東京UFJ銀行 )
そのあと、夜になると、下記のようになる。
→ http://youtu.be/9bDmQdZgH6I
ただし、「闇夜にカラス」みたいに、ほぼ真っ暗な動画だから、見ても面白くない。
ともあれ、東京でも電気がなくなれば、こういうふうに真っ暗になる。そのときのことをちゃんと考えておくべきだ。
( ※ いざというときの対策をしないのは、東電と同じ。)
[ 余談 ]
本日の教訓。
「地震対策といっても、食い物のことばかり考えるな。
人はパンのみにて生きるにあらず。
もっと光を! 」

出典:Wikipedia
【 関連項目 】
→ 道案内のソーラー標識(地震で)
※ 本項と似た話題。

タイムスタンプは 下記 ↓
・ 電気がないと冷凍食品が駄目になる。
(さっさと売り切らないとゴミの山。)
・ 一般食品は飛ぶように売れていく。
・ レジが動かないので販売停止の系列も。
・ 先の地震では電卓で販売した例も。
→ http://megalodon.jp/2011-0313-1644-17/d.hatena.ne.jp/nakamurabashi/20110313/1299997896 (魚拓)
・ 最近ではセブンイレブンが非常用電源を全店に設置。
→ http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120617/biz12061723500002-n1.htm