2012年09月05日

◆ 電力の危機管理

 この夏、関西は原発なしでも乗り切れた、ということが判明した。「だったら原発を再稼働する必要はなかった」という見解がある。 ──
 
 この夏、関西は原発なしでも乗り切れた、ということが判明した。関電そのものは電力が不足気味だったいたのだが、中電や九電などからの融通電力があったので、それを勘案すれば、原発を再稼働する必要がなかった。そこで、
 「だったら原発を再稼働する必要はなかった」
 というふうに主張する見解もある。特に、赤旗と朝日だ。
 報道を知った大阪市民からも「大飯再稼働は関電の利益が目的だった。これで電力不足は全くのうそであることが明らかになった」「詐欺かペテンか。あまりに腹が立って言葉がみつからない」との憤りの声があがっています。
( → 赤旗 2012年7月8日

 政府は「電力不足」を訴えて再稼働したのに、実際は電力がほぼ足りたため、「再稼働の正当化」に躍起になっているとも受け取れる。
( → 朝日 2012-09-05 ,紙の新聞も )
 とはいえ、朝日の記事で説明しているように、政府は次のように説明している。
 エネ庁は「『大飯再起動がなくても、電力融通すれば電力は足りた』との指摘もあるが、この余力は想定を上回る供給増と節電目標を上回る需要減によるもの」と反論した。
 とくに供給増では、例年より発電所のトラブルが偶然減ったという「偶発性」や、雨や日射量に恵まれて水力や太陽光発電が増えたことを挙げ、幸運さを強調した。需要減でも節電の効果を挙げつつ、猛暑日(最高気温35度以上)が10年夏の半分以下だったと天候のめぐり合わせを主張した。
 要するに、気象条件や節電の努力によって、「最悪の事態は免れた」ということだ。
 で、赤旗や朝日は「運良く最悪の事態を免れたのなら、最初から最悪の事態を避ける努力は不要だった」と述べているわけだ。

 この論理、どこかで聞きましたね。そうです。東電です。
 「地震や津波なんか起こるはずがない。最悪の事態を避ける努力は不要だ。これまでだってずっと大丈夫だったんだから、これからもずっと大丈夫だろう。安全確保のための努力なんか、やるだけ無駄だ」


 東電はこういう理屈で、安全対策をなおざりにした。そのあげく、あのざまだ。

 結論。

 朝日や赤旗の頭は、東電の頭と同じだ。能天気。いや、脳天気。「危機管理」という意識がまったく欠落している。
 彼等は自分が東電と同じ穴のムジナだということを自覚するべきだ。
( ※ 反原発派というのは、原発推進派と、これほどにもよく似ているのである。どちらも危険に対する対処がまったくできていない。……文系に特有の非科学的思考。)
( ※ で、もし猛暑が厳しくて、そのせいで実際に停電が起こったら、「政府は危機管理ができていない!」と大声で批判するのが、赤旗や朝日だ。問題が起これば「対策を取らなかった」と批判し、問題が起こらなければ「無駄な対策をした」と批判する。駄々っ子と同じ。)



 【 関連サイト 】

 (1) はてなブックマーク
 赤旗の記事は、はてなブックマークで、理系の人々のもう批判を浴びた。
  → はてなブックマーク

 朝日の人も、このくらいの情報を得ていればいいのだが。朝日はあまりにも非科学的。

 (2) データ (2010年)
 2010年のデータ。
  → 2010年の夏は 熱中症で死亡した者が1,718人
 これは冷房があった場合。冷房がなければどれほど悲惨なことになったことやら。
 なお、停電が起こるのは、猛暑のときに限る。35度以上のときに限って、停電の危険性は高まる。
( ※ 今年は特に猛暑ではなかった。 35度以上になることは少なかった。33〜34度ぐらいになることはとても多かったが。……東京の場合。)
posted by 管理人 at 23:29| Comment(3) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
北国では、夏よりもむしろ冬のほうが電力事情が厳しくなります。
 特に北海道では、北海道唯一の原発(泊原発)の再稼動の見通しが
全く立っていない状況です。
 「赤旗や朝日」に加え、北海道では「道新」こと北海道新聞によって、
反原発派が少なからずいることが悪影響を及ぼしています。
 ただ、こういう人たちが冬に暖房を使わないかといったらそうでは
無いわけで・・・。
 現実を見て、感情や政治的な思惑を抜きにして対応しないといけま
せんね。
 北海道の冬は、(本州の人たちでは想像できないくらい)厳しいものです。
Posted by 反財務省 at 2012年09月06日 09:33
新聞への指摘としては適切だ。

が 「東電はこういう理屈」 が適切でない。
電力法人各社が、それぞれ独自の基準で、原子力発電所を建設したり運転していたわけではないからだ。

M9 という極めて特異な天災が原因だ。
そして危機管理が東京電力だけの問題でない。
むしろ東京電力以外の問題のほうが大きい。
日本国民一万五千人超が、津波と地震と火災で死んだ。
特定の法人や個人を責めることが魔女狩りであって建設的でない。
「東電」 と書けば、わかりやすい標的ではある。

が、東京電力の経営陣が、すでに変わっているし、労働者も、年月とともに入れかわってしまう。
それでは、かつての戦争中の 「日本」 を攻撃しつづける韓国国民や中国国民と同じだ。
Posted by とや ひろし8057 at 2012年09月07日 22:40
> M9 という極めて特異な天災が原因だ。

 へえ。いまだにすべてを天災のせいにして東電の無為無策を擁護する人がいるんですね。
 あなたの理屈に従うなら、そのうち来そうな南海トラフ地震 or 東海沖地震への対策もしないでいいのだろうし、それで浜岡原発が暴走して首都圏壊滅になってもいいんでしょうね。「みんな地震が悪いのさ」で済ませるわけだ。何ともお気楽。
 あの地震で大被害が起こったことで、日本中のほとんどの人々が反省の必要を感じました。そして、「同じ失敗を繰り返さないようにしっかりと対策をしよう」と決意しました。
 しかしいまだに無反省な化石的人物がいるとは。今浦島みたいですね。それはそれで稀少価値があるかも。
Posted by 管理人 at 2012年09月07日 23:15
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