2012年08月30日

◆ 南海トラフ地震

 南海トラフ地震が警告された。しかし対策がまずい。何よりも大切なのは、内陸堤防だ。 ──
 
 南海トラフ地震というのは、次の三つの地震を総称的に呼ぶものと考えていい。
  東海地震、東南海地震、南海地震


 従来はこれらは別々の地震だと考えられたが、現在ではこれらは一体化していると考えられている。というのも、それらの震源はひとつながりだからだ。それは「南海トラフ」という領域にある。下図の赤線だ。

 nankai.png
出典:Wikipedia

 この赤線(南海トラフ)に震源がある。ただ、一箇所の震源で全領域に被害があるわけではなく、被害は常に限定されていた。それで、その限定された被害に応じて、震源を区別して、
  東海地震、東南海地震、南海地震

 というふうに別々に呼んできた。しかし、被害によって区別するのではなく、総合的に地震をとらえるという立場から、これらを一体的に認識するようになった。
 だから今日では、「東海地震」という形で危険を警告するのではなく、「南海トラフ地震」というふうに一括して危険を警告する。そして、その地震の震源がどこになるかで、そのとき発生する地震の被害も異なる。ただし、どこで地震が起こるかは、予測しがたい。
 
 ともあれ、図からわかるように、被害の範囲は
  「西は宮崎から、東は駿河湾」 

 となる。この領域で被害が起こるわけだ。そして、実際に被害が起こったら、そのときは、
  「平成東海地震」
 のように呼ばれるわけだ。(いっぺんに全領域が被害に遭うわけではない。)

 ──

 南海トラフ地震による被害は、きわめて大規模になると予想されている。それが今回の報道だ。引用しよう。
 東海、東南海、南海地震などが同時発生するマグニチュード(M)9級の「南海トラフ巨大地震」について、国の二つの有識者会議は29日、被害想定などを公表した。
 死者数は最大で32万3000人。そのうち津波による死者は全体の7割の23万人に達する。有識者会議では、迅速な避難により津波の死者は8割減らせるとして、国や自治体に対し避難施設や避難路の確保を図るよう求めている。
 今回の発表の詳細な資料は、内閣府防災情報のホームページで閲覧できる。
 ※ 南海トラフ巨大地震=
  静岡県沖から四国、九州沖にかけての浅い海溝(トラフ)沿いで発生する地震の中で、想定されうる最大規模(M9.0〜9.1)のもの。
( → 読売新聞 2012-08-30
  ──
 内閣府の中央防災会議が公表した被害想定は、想像を絶する。東海地方が大きく被災するケースだと、冬の深夜に毎秒八メートルの風が吹いていると、最悪三十二万三千人の死者が出るという。近畿地方のケースは、約二十七万五千人とはじき出されている。津波による犠牲者が多いとされる。
 二〇〇三年にも同会議は、三連動地震の被害想定を出しているが、犠牲者数は最大で約二万五千人だった。今回の推計値は、十三倍以上にも跳ね上がった。
 震源域を陸側に近い方にも広げたため、津波到達時間などが早まった。マグニチュードも8.7から9.1へと引き上げ、津波の高さも大きくなったからだ。東日本大震災の被害が想定外で、その“反省”を踏まえた結果だろう。
( → 等位強新聞 2012-08-30
  ──
 起こりうる被害は重く見つめなくてはならない。ただ、これはあくまで千年に一度の地震と津波が起きたらという「最悪」の想定だ。数字だけを見て「とても逃げられない」とあきらめるのは、それこそ最悪だ。
 むしろ注目すべきは、すみやかな避難を徹底すれば、津波による死者を最大で8〜9割減らせる、という指摘だ。
( → 朝日新聞・社説 2012-08-30
  ──
 《 浜岡原発に津波19m想定 》
 最大19メートルの津波が押し寄せるとの試算が出た静岡県御前崎市の中部電力浜岡原発。建設中の防波壁を前提としない場合、地表から何メートルの高さまで浸水するかを示す「浸水深」は、1〜4号機で4〜6メートル、5号機で7〜9メートルに達する。ここに高さ18メートルの防波壁が12月に完成したとしても、津波の高さが1メートル上回るため、やはり浸水は避けられない。
( → 朝日新聞 2012-08-30
 以上のことを要約すると、次のようになる。
  ・ 被害はきわめて大規模になる。
  ・ しかし千年に一度である。
  ・ だからといっておろそかにすると危ない。
  ・ 特に津波と原発が危険だ


 最後の点からは、次の二つを結論したい。(私見)
  ・ 内陸堤防を整備するべきだ。
  ・ 浜岡原発は稼働させてはならない。

 
 この二点については、前に何度も述べたとおりだが、ここで簡単に記せば、次の通り。
 (i) 「巨大堤防を海岸線に建設しても、津波の衝撃で破壊される。費用ばかりかかって、効果がない。それよりは、海岸線から離れた内陸部に、あまり高くない堤防を建設するべきだ。これならば、効果は大きく、費用は少なくて済む。ただし、海岸のそばは水没するので、そこでは人間の居住を禁止するといい。(倉庫などはあってもいい。)」

 (ii)「浜岡原発は危険性が非常に高い。その危険性の理由は、津波ではなく、軟弱な地盤である。そのせいで細管が破断する危険性が高い。いくら津波対策をしても無意味だ。中電が1400億円をかけても、ただの無駄。頭隠して尻隠さず。浜岡は絶対に稼働させてはならない。地震が起これば、津波が来なくても、必ず事故が起こる。その場合、首都圏が壊滅するかもしれない。福島のときは、西風に乗って、放射性物質のほとんどは太平洋に流れた。しかし浜岡で事故が起これば、放射性物質は首都圏を直撃して、首都圏は人の住めない領域となる。……中電の強欲さのせいで、日本は壊滅する」


 より詳しくは、以前の項目を参照。
 → 「内陸堤防」でサイト内検索
 → 「浜岡原発」でサイト内検索
posted by 管理人 at 21:24| Comment(2) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
和歌山県に10m幅で7.3億円の可動式堤防を作るようです。
港に。

http://www.asahi.com/business/update/0830/TKY201208290810.html
Posted by KM at 2012年08月31日 12:55
巨大地震 巨大津波二度とくるな脅すな
Posted by さっちゃん at 2012年09月15日 00:41
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