2012年08月05日

◆ デニソワ人・ネアンデルタール人との混血 1

 現生人類と、デニソワ人・ネアンデルタール人との間で、混血があった、という学説が有力である。しかしながら、この学説は正しくないだろう。つまり、混血はなかったはずだ。
( ※ シリーズの第1回。 おもしろい話は次回から。)

  【 追記 】 新たな項目を書きました。先に、こちらを読むといいでしょう。
       → デニソワ人の分岐は? (2013-12-06)
 ──
  
 「現生人類とデニソワ人との間で混血があった」
 「現生人類とネアンデルタール人との間で混血があった」
 という学説が有力である。
 その理由は、これらの古人類と現生人類とに、共通する遺伝子が見つかったことだ。およそ4〜6%の遺伝子が共通すると見なされる。
 そして、このような共通遺伝子があることは、両者の間で交雑があったからだ、と推定される。
( ※ つまり、現生人類の祖先が、当時のデニソワ人やネアンデルタール人とセックスして、混血の子を産んで、その子孫が現代のわれわれだ、というわけだ。一見、ゲテモノふうの学説。)

 この件は、前にも論じたことがある。
  → デニソワ人と混血?
  → ネアンデルタール人との混血
 ※ いずれの項目でも、報道の記事を紹介している。

 これまでの情報


 上記の2項目を書いたあとで、新たな情報がいろいろと出た。いくつか紹介しよう。

 まずは、当初の情報が、のちに(有料でなく)無償公開された。nature の詳細論文だ。
  → http://www.nature.com/nature/journal/v468/n7327/full/nature09710.html


 有名なのは、次の情報だ。
  → ネアンデルタール人らとの性交渉と免疫系
 ネアンデルタール人のDNAの約4%、デニソワ人のDNAの最大6%が現生人類の一部に引き継がれている。
 HLA-B*73は現代アフリカ人に見つかることはまれな一方、西アジアでは一般的だ。
 これに関する補正情報として、下記に示す情報もある。
  → 人とゴリラがひとつの種類だった大昔から、受け継がれている
( ※ HLA-B*73 については、最後の 【 追記 】 でも言及する。)

 また、本サイトのコメント欄でたくさんの情報を教えてもらった。まず、次の情報もある。

 ネアンデルタール人との交雑の可能性の研究
  → http://www.sciencemag.org/content/328/5979/710
  → http://openblog.meblog.biz/article/3794684.html
  → http://www.nature.com/news/2010/100506/full/news.2010.225.html
  → http://www.nature.com/news/2010/100420/full/news.2010.194.html


 ミトコンドリアDNAの解析から、アンデルタール人と現生人類の交配はなかったとする研究
  → http://news.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=95961871&expand#title


 現生人類とデニソワ人との交雑は、南太平洋メラネシア人とだけでなく中国南部人にもその痕跡
  → http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20101224001&expand&source=gnews

 
 アジアでもデニソワ人と交雑の可能性
  → http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20111102002&expand#title
  → http://www.pnas.org/content/early/2011/10/24/1108181108.short


 “現代人の6092のX染色体が分析された結果、ネアンデルタール人由来と推定されるX染色体上の領域は、非アフリカ系統の現代人(この場合のアフリカとは、サハラ砂漠以南のことです)にのみ認められました。 ”
  → http://dx.doi.org/10.1093/molbev/msr024
  → http://sicambre.at.webry.info/201107/article_21.html


 オーストラリア先住民のゲノム解読とデニソワ人との交雑の研究。
 “ 現代のアジア東部とオセアニアの33の地域集団に、デニソワ人との交雑の証拠が見出されるか、検証されました。その結果、日本人も含む現代のアジア東部の北部(おおむね一般的な意味合いでの東アジア)の地域集団には、デニソワ人との交雑の証拠が検出されませんでした。 一方、アジア東部の南部(一部は南アジアで、他の多くは東南アジア)とオセアニアについては、オーストラリア先住民も含む東方の地域集団でデニソワ人との交雑の証拠が検出されたのにたいして、西方の地域集団ではデニソワ人との交雑の証拠が検出されませんでした。”
  → http://dx.doi.org/10.1038/news.2011.551
  → http://dx.doi.org/10.1126/science.1211177
  → http://dx.doi.org/10.1016/j.ajhg.2011.09.005
  → http://sicambre.at.webry.info/201109/article_24.html

 
 “ 日本人を含む北東アジアの地域集団には交雑の証拠が検出されませんでしたし,南アジア,東南アジア,オセアニア集団の中でもオーストラリア先住民も含む東方の地域集団では交雑の証拠が検出さましたが,西方の地域集団ではデニソワ人との交雑の証拠が検出されませんでした。”
  → http://openblog.meblog.biz/article/3794684.html#comment


 ──

 以上は、既知の情報だ。このあと、私なりの考えを述べる。

 混血説の難点


 「現生人類は古人類(デニソワ人・ネアンデルタール人)との混血があった」という学説には、難点がある。それを指摘しよう。

 (1) 旧種と新種

 デニソワ人やネアンデルタール人は、現生人類の祖先(旧種)に当たる。より正確に言えば、
  ・ デニソワ人の原種に当たる原デニソワ人
  ・ ネアンデルタール人の原種に当たる原ネアンデルタール人
 これらは、現生人類の祖先(旧種)に当たる。
 ( → デニソワ人と混血?
 そして、「旧種の遺伝子が新種のなかで(有利なので)増えていく」ということは、原則的にありえない。なぜなら、それが進化の定義だからだ。
( ※ 新種のなかでは、旧種の遺伝子よりも新種の遺伝子[新たな遺伝子]が有利だから、新種には独特の遺伝子が加わり、旧種の遺伝子が消えていった。これが進化だ。仮に、新種において旧種の遺伝子の方が有利だとしたら、新種という種はもともと誕生しなかったはずだ。また、新種のその遺伝子は、新種が誕生する時点で、獲得されなかったはずだ。)

 (2) 遺伝子の有益性

 ある遺伝子がその集団の多くに拡散していくとしたら、その遺伝子の形質はよほど有益であるはずだ。しかるに、これまで見つかった遺伝子の多くは、特に大きな有益性をもっていない。実際、アフリカ南部のアフリカ人は、それらの共通遺伝子をもっていないのだから、特に必要だとも言えない。
 特に、HLA-B*73 という遺伝子は、人とゴリラがひとつの種類だった大昔から、受け継がれているのだが、アフリカ南部のアフリカ人では消失してしまった。このことは、この遺伝子が特に有益ではないことを示す。
 このように、特に有益でもない遺伝子が、いったん消失したあとで、(とても有益なので)新たに獲得されて拡散した、……というのは、合理的に説明しがたいし、論理矛盾ですらある。(有益でなく、かつ、有益であるから。)
( ※ HLA-B*73 については 【 追記 】 でも言及する。)


 (3) 共通遺伝子の多さ

 共通遺伝子の量は、ネアンデルタール人のDNAの約4%、デニソワ人のDNAの最大6%だという。( → 出典
 この量は、数値として、多すぎる。数個ぐらいの遺伝子が、「有利だから拡散した」というのならあるかもしれないが、こんなにたくさんの遺伝子が「有利だ」という理由で獲得されて拡散するとは思えない。特に、いったん不必要だとされて捨てられた遺伝子ならば、いっそうそう思える。

 (4) 混血の時期と地域 (デニソワ人)

 混血があったとして、その時期と地域が不明だ。
 一応、もっともらしく考えられているのは、次の説だ。
 「現生人類が出アフリカをした直後に、西アジアにいたデニソワ人やネアンデルタール人と交配して、デニソワ人やネアンデルタール人の遺伝子を獲得した」

 しかしこの場合には、次のことが説明されない。(デニソワ人について。)
 「メラネシア人にはデニソワ人との共通遺伝子があるのに、東アジア人やヨーロッパ人にはデニソワ人との共通遺伝子が見られないことがある」

 これを説明するとしたら、次のように解釈するしかない。
 「デニソワ人は、西アジアや南アジアでは混血しなかった。かわりに、東南アジアで、あとからやって来た現生人類と混血した」
 
 だが、混血の場所がメラネシアだけに限られ、しかも、そこでは混血の痕跡がかなり強く残っているということは、どうにも不自然なのである。
( ※ その理由は? 混血が容易 or 有利ならば、広い範囲で混血の痕跡が見つかるはずだ。混血が困難 or 不利ならば、ところどころで混血の痕跡がわずかに見つかるだけのはずだ。しかるに、狭い範囲でかなり濃密に混血の痕跡が見つかるということは、そのどちらでもないので、不自然だ。)

 (5) 混血の時期と地域 (ネアンデルタール人)

 同じく、次の説が成立するとしよう。
 「現生人類が出アフリカをした直後に、西アジアにいたデニソワ人やネアンデルタール人と交配して、デニソワ人やネアンデルタール人の遺伝子を獲得した」

 しかしこの場合には、次のことが説明されない。(ネアンデルタール人について。)
 「ネアンデルタール人の遺伝子は、アフリカ南部では見つからないが、アフリカ北部では見つかる」
 つまり、出アフリカのあとでネアンデルタール人との混血があったとしたら、その共通遺伝子は、アフリカの外(西アジアから先)だけにあるはずで、アフリカ北部にあるはずがない。にもかかわらず、現実には、アフリカ北部でもネアンデルタール人との共通遺伝子が見つかる。それが説明できない。

 さらに、次の問題もある。
 「ネアンデルタール人の遺伝子が、種内で急速に拡散するほど圧倒的な有利さを持つのだとすれば、アフリカ南部でも急速に拡散していたはずだ。なぜなら、アフリカ南部とアフリカ北部では、どちらも同じホモ・サピエンスが存在したからだ。その混血のしやすさは、異なる種同士(ネアンデルタール人とホモ・サピエンス)の混血よりも、はるかに容易なはずだ。それにもかかわらず、アフリカ南部の人々には、(北部の人々との混血のあとの)ネアンデルタール人の遺伝子が見つからない」

 以上のような矛盾が生じる。これらの矛盾は、「ネアンデルタール人の遺伝子は、ホモサピエンスの種内で急速に拡散した」ということがきわめて疑わしい、ということを示す。
( ※ 仮にネアンデルタール人との混血があったとしても、ごく一部に限られるならいい。たとえば、欧州の一部の現生人類だけに見られるのならばいい。しかるに、現生人類のとても広い範囲でそれらの共通遺伝子が見られるというのは、不自然すぎる。)

 (6) 混血の起こりにくさ

 先に述べたように、デニソワ人・ネアンデルタール人の系列と、現生人類とは、80万年前に分岐した。
  → デニソワ人と混血?
 だが、分岐してから 70万年以上もたってから、分岐した旧種と新種が交配するということは、きわめて起こりにくいはずだ。
 そもそも、分岐した直後でさえ、異種間の交配はかなり起こりにくいのだ。なのに、70万年以上もたってから、旧種と新種が交配するということは、とうてい考えにくい。仮に個体が誕生したとしても、そこから子が生まれるとは思えない。
 特に、アジアにいるデニソワ人と交雑があったのは、現生人類がアジアに到達した5万年前ごろと見なされるが、このころにはデニソワ人とホモ・サピエンスは分岐してから 75万年も時間がたっているがゆえに、とても交雑があったとは思えない。

 (7) ミトコンドリアDNA との矛盾

 ちょっとした問題がある。
 母親から代々受け継がれるミトコンドリアDNAの解析からは、「ネアンデルタール人と現生人類の交配はなかった」という結果が得られている。(上記)
 これを信じるなら、次の結論が得られる。
 「ネアンデルタール人の母親の遺伝子は現生人類には流入しなかったが、ネアンデルタール人の父親を通して、ネアンデルタール人の遺伝子が現生人類に流入した(交雑は性的に非対称に起こった)」
 しかし、これは不自然すぎる。

  (8) 種の分離

 そもそも、「どうして種の分離が起こったか?」を考えるといい。
 仮に混血があったとしよう。[仮定] その場合は、二つの種の間で混血が生じることにより、中間的な形態が多様に生じる。(たとえば、現生人類がそうだ。異人種同士で混血が起こることで、中間的な人種が生じる。アラブ地域には白人と黒人の中間的な形態の人々がたくさんいるし、ウズベキスタンのあたりでは白人とモンゴロイドの中間的な形態の人々がたくさんいる。)
 このように中間的な形態の個体がたくさん生じることで、両者の境界は曖昧になり、もはや種としての独立性は保てなくなる。たとえば、白人と黒人の中間的な形態が多様に生じるので、白人と黒人は別々の人種として独立種にはなり得ない。(*
 ところが、現実には、現生人類とネアンデルタール人はそれぞれ独立種となった。(**) つまり、形態はそれぞれのグループ内では似ているが、もうひとつのグループとは大きく懸け隔たっている。もちろん中間的な形態の個体などは見つかっていない。このようなことは、中間的な形態がたくさんある人種差とは大きく異なる。
 というわけで、(*)と(**)は矛盾する。この矛盾が生じたのは、最初の仮定のせいだ。ゆえに、この仮定は間違っている。つまり、混血はなかった! そう結論できる。
 結局、こうだ。混血があれば、中間的な形態が多様に生じて、それぞれが独立種となることはありえない。しかるに現実には、それぞれが独立種になった。ゆえに、混血はなかったのである。……少なくとも、現生人類とネアンデルタール人については、そう言える。(そして、現生人類とネアンデルタール人についてそう言えるのであれば、まして、現生人類とデニソワ人についてもそう言えるはずだ。デニソワ人の方が現生人類よりも遠いから。)
 簡単に言えば、現生人類とネアンデルタール人が種として独立であることゆえに、両者の間には混血はなかったはずなのだ。現生人類とデニソワ人についても、また同じ。(そして、このようなことは、種というものが成立するほとんどすべての哺乳類について成立するはずだ。昆虫のような下等生物については、例外的な事例はあるかもしれないが。)

 ──

 以上 (1) (8) をまとめると、次のように言える。
 「ネアンデルタール人やデニソワ人との混血があった、という説は、あまりにも不自然な点が多すぎる。『混血は絶対にありえない』と強く断言できるわけではないのだが、『混血があったはずだ』ということの根拠はあまりにも不自然な点が多すぎる。生物学の常識に反する。ゆえに、信頼性がとても低い(きっと間違っている)」

 実を言うと、これは、私の独自の見解というわけではない。今回、「共通遺伝子が見つかった」という情報が出たが、それ以前には、「ネアンデルタール人と現生人類との混血はなかっただろう」という見解が、学界の主流派だった。
 5〜10年前であれば、「ネアンデルタール人と現生人類との混血はあっただろう」と述べたりしたら、「トンデモだ!」と批判されただろう。それが常識なのだ。その常識が今も人々の心にあるから、「共通遺伝子が見つかった」という報告を聞いても、「それは混血のせいだ」という合意を得るには至っていないわけだ。

 ──

 では、真実は? 以上のことをかんがみるに、合理的な結論は、次のこととなる。
 「デニソワ人やネアンデルタール人と現生人類との混血は、理論的にはありえそうにないのだから、実際、あったはずがない。ただし、共通する遺伝子が存在する、という事実がある。このことを、混血以外の理由によって説明すればいい」


 つまり、合理的な結論は、次の2点だ。
  ・ 古人類と現生人類との混血は、なかった。
  ・ 古人類と現生人類とが共通遺伝子をもつ理由(R)があった。


 古人類と現生人類との混血は、理論的に、ありえない。ありえないことなのだから、実際になかったはずだ。
 ただ、共通遺伝子が見つかっている。そこで、このあとは、共通遺伝子をもつようになった理由(それを R と仮称する)を見出せばいい。
 この R ゆえに、古人類と現生人類とが共通遺伝子をもつようになった。その間、混血はなかったのである。……これで万事が合理的に解決が付く。

 では、共通遺伝子をもつようになった理由 R とは、何なのか? それを次項で説明しよう。
 


 [ 付記1 ]
 ネアンデルタール人と現生人類が交雑して子が産まれることはまずない、と考えられる。その理由は、脳の構造がまったく異なることだ。
  → ホモ・サピエンスとネアンデルタール人の頭骨 (写真)
  → 眉毛は何のため? [ 付記2 ]
 脳というのは最重要の場所である。そこでは精密な設計が必要だ。なのに、脳の構造がまったく異なる異種同士で交配すれば、中間タイプの脳をもつ交雑種が誕生するのではなく、異なる別々のタイプの脳がツギハギされる結果、不完全な脳となるので、胎児は流産してしまうはずだ。
 ゆえに、ネアンデルタール人と現生人類の交雑があったとは思えない。デニソワ人と現生人類の交雑もまた同じ。
( ※ 「絶対にない」とは言えないが、およそありえないことだ、とわかる。生物の常識に反する。仮にそんなことが可能だとすれば、「犬とタヌキの交雑」や「人とチンパンジーとの交雑」だって起こりそうだ。しかし、そのようなことは、とうていありえない。とにかく、現生人類とネアンデルタール人の形質差は、あまりにも大きすぎる。特に、脳の構造で。)

 [ 付記2 ]
 「分岐後、数十万年たってから、交配可能となった」という例もある。たとえば、マントヒヒの例の例。
  → 「デニソワ人と混血?」のコメント欄 ( 2012年08月01日 22:23 )
 しかしそれは、交配可能であるがゆえに、見かけがいくら異なっても、たがいに亜種なのである。(たとえば犬の品種差がそうだ。形質はまったく異なっていても、交配可能であるがゆえに、たがいに亜種である。)
  「分岐後、数十万年たってから、交配可能となった」という例が見つかるとしても、それは、「異なる種に分岐した」ということではなく、「同じ種のまま、地理的に隔離されたせいで、異なる亜種になった」というだけだろう。
 一方、ネアンデルタール人は、脳の構造がホモ・サピエンスとは大きく異なるので、まったく別の種であることは明らかだ。デニソワ人もまた同様だ。
( ※ ただし、デニソワ人とネアンデルタール人が交雑した可能性はある。それを完全否定するわけではない。……もっとも、肯定する気もないが。)

 【 追記 】
 HLA-B*73という遺伝子については、前述のように、下記の記事がある。
  → AFPBB
 この記事の話は、まともなように見えるが、よく読むと、とんでもないデタラメだ。ネアンデルタール人とデニソワ人を、ゴッチャにしているからだ。
 記事によると、次の二点がある。
  ・ 「HLA-B*73」の起源がデニソワ人まで遡る
  ・ HLA-B*73は現代アフリカ人に見つかることはまれな一方、西アジアでは一般的だ。

 この二点は両立しない。
 前者は、デニソワ人との共通遺伝子の話だ。
 後者は、デニソワ人でなく、ネアンデルタール人の話だ。(デニソワ人の遺伝子が見つかるのは、メラネシアであって、西アジアではない。)
 
 記事には次の文言もある。
 「デニソワ人は西アジア付近で現生人類と交雑した可能性が高いとされている」 …… (*
 何言っているんですか。正しくは下記だ。
  ・ デニソワ人は東南アジアで現生人類と交雑してメラネシアに拡散したらしい。
  ・ ネアンデルタール人は西アジアで現生人類と交雑した可能性が高い。

 この二つが、昨今の進化論学界で話題になっていることだ。なのに、この二つをちゃんぽんにして、(*) という合成的な命題をつくりあげている。
 アホ。今の学界って、こんなアホばかりなのだろうか? 
  


 【 関連項目 】

 本項はシリーズの第1回です。第2回は次項。
 
 なお、20日後に書いた、次の記事も参照。
  → 原人との混血はあったか?
posted by 管理人 at 19:02| Comment(36) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
(4) 混血の時期と地域 (デニソワ人)
 については、内容が不適切な点があったので、書き直しました。

 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2012年08月05日 21:23
他のサイトの見解を引用する。

 ──
 偶発的な性交渉によって、クロマニョン人の集団の中に、混血のネアンデルタール人の子供が紛れ込んだと仮定しよう。おそらくその子供は母子家庭で育てられる。その子供は食欲旺盛で短期間に成長し、早く大人になってしまうから、十分な教育や訓練を施せなかったろう。母親はその子どもの成長に合わせて十分に乳や食料を与えることが出来なかったかもしれない。集団の中で、いじめられもしよう。結局その子どもは集団から疎外されてしまうと想像される。
 逆に、ネアンデルタール人の集団の中に、クロマニョン人の子供が紛れ込んだとしても、その子供は遅い成長と不十分な体格のため、体力的に取り残されてしまう。まだ幼い体でフィールドに出されたとき、大人たちに交じって、あるいはひとりで狩猟することができただろうか。頭のよさを発揮し、ネアンデルタール人の集団がもつすべての知識を吸収したとしても、体力的に劣るものが厳しい自然の環境の中で生き延びることは難しかったと私は想像する。  

http://www.geocities.jp/minase_bungei/g22.html
Posted by 管理人 at 2012年08月10日 12:01
> (2) 遺伝子の有益性
> ある遺伝子がその集団の多くに拡散していくとしたら、その遺伝子の形質はよほど有益で
>あるはずだ。しかるに、これまで見つかった遺伝子の多くは、特に大きな有益性をもって
>いない。実際、アフリカ南部のアフリカ人は、それらの共通遺伝子をもっていないのだか
>ら、特に必要だとも言えない。
 
以前のエントリー(デニソワ人と混血?)でもコメントしましたが,
「よほど有益じゃないと遺伝子は集団中に広まらない」
という南堂さんの主張は集団遺伝学の常識に反しています
突然変異で生じたものでも多種との交雑によって得たものであっても
実際にはよほど有害じゃないかぎり遺伝子は集団中に広がっていく可能性があります
(「『旧種の遺伝子が新種のなかで(有利なので)増えていく』ということは、
 原則的にありえない。」なんて「進化の定義」はありません)
 
>分子進化の中立説 〜進化と遺伝
http://www.nig.ac.jp/museum/evolution/01_a.html
>18.6.分子進化のほぼ中立説nearly neutral theory 
http://www.primate.or.jp/PF/yasuda/41.html
 
ネアンデルタール人のドラフト配列を
現生人類(フランス人,中国人,パプアニューギニア人,サン人,ヨルバ人)と比較した
論文(Science 328. 710-72)でも,
正の選択(positive selection)が働いた候補(candidates)となる遺伝子領域が
あると言っているだけで,
ネアンデルタール人由来の領域のすべてが有益だは言っていません
(「よほど有益じゃないと集団中に広まらない」という非常識な仮定もしていません)
Posted by shinok30 at 2012年08月14日 21:07
なお,この研究における,フランス人は西ユーラシア人,中国人は東ユーラシア人,
パプアニューギニア人はサフール人,サン人はいわゆる「カポイド」,
ヨルバ人はいわゆる「ネグロイド」を代表したものでしょうね
>遺伝子からみた東ユーラシア人
http://www.geog.or.jp/journal/back/pdf111-6/p832-839L.pdf
 
この研究では,平均的なネアンデルタール人と現代人のDNAの違いを
ヒトとチンパンジーの分岐を650万年を前提として計算すると,
ネアンデルタール人と現代人の分岐は82万5,000年前と推定しています
ただし,この値は
「『ヒトとチンパンジーの分岐が650万年であること』を前提とした
 概算(rough estimate)である」
と本文中でも述べられています

> Assuming an average DNA divergence of 6.5 million years between
> the human and chimpanzee genomes (52), this results in a point
> estimate for the average divergence of Neandertal and modern
> human autosomal DNA sequences of 825,000 years. We caution that
> this is only a rough estimate because of the uncertainty about
> the time of divergence of humans and chimpanzees.
http://www.sciencemag.org/content/328/5979/710.full

したがって,ヒトとチンパンジーの分岐年代が異なればこの値も変わってきます
南堂さんは論文中にある分岐の絶対値にとらわれる傾向がありますが,
絶対値なんて単なる目盛りにすぎません
この場合,重要なのは遺伝的な違いから得られる分岐の相対的な違いの方でしょう
 
ちなみに,以前のエントリーでも紹介しましたが,
ヒトとチンパンジーの分岐は650〜740万年前とする研究結果が多いのですが、
遺伝情報を調べると何度も分岐した可能性があり、
最初の分岐から最後の分岐までに最大400万年の開きがあることから、
「いったん分岐したヒトとチンパンジーの祖先が長期間にわたって再び交雑したことによって遺伝子構成も変化した」
とする研究もあります
http://www.nature.com/nature/journal/v441/n7097/full/nature04789.html
Posted by shinok30 at 2012年08月14日 21:09
> 偶発的な性交渉によって、クロマニョン人の集団の中に、混血のネアンデルタール人の
>子供が紛れ込んだと仮定しよう。おそらくその子供は母子家庭で育てられる。その子供は
>食欲旺盛で短期間に成長し、早く大人になってしまうから、十分な教育や訓練を施せな
>かったろう。母親はその子どもの成長に合わせて十分に乳や食料を与えることが出来な
>かったかもしれない。集団の中で、いじめられもしよう。結局その子どもは集団から疎外
>されてしまうと想像される。
 
リンク先の「みなせ」は文芸同人誌で
執筆者の岡森利幸さんも研究者でもプロのサイエンスライターでもないようですので,
まあ,あくまでお話ですね
ちなみに,岡森さんは「ネアンデルタール人は早く大人になる」という説から
想像を膨らませているようですが,
「ネアンデルタール人は大きな脳を発達させるためにゆっくりしたライフヒストリーを持っていた」
とする論文が2008年の米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されています
 
>ネアンデルタール人の出生時の脳サイズは現代人のそれとほぼ同じ、400ccであった。
>大きな新生児の脳サイズはホモ・サピエンスとホモ・ネアンデルタレンシスの共通祖先段階
>で獲得された特長であったと考えられる。この共通祖先が何者かは確かでないが、ホモ・
>エレクトス(およそ150万年前)はすでに大きな脳の新生児であったかもしれない。この
>ヒト的な特徴は進化的に古くから獲得されたようだ。
> 
>生後、ネアンデルタール人の脳は現代人よりもより早く成長したが、彼らは成人段階でより
>大きな脳を持たなければならなかった。
>したがって脳の早い成長は成長の早期停止を意味するものではない。

>ネアンデルタール人は早く成長したが、ゆっくりしたライフヒストリーを持っていた。
>大きな脳を早く成長させるにはエネルギーの集中投与が必要であり、大きな、ゆっくり成熟
>する母親によってのみ可能である。したがってネアンデルタール人は現代人に比べて幾分
>ゆっくりしたライフヒストリーを持っていた可能性が高い。この考えはこれまでの常識−
>ネアンデルタール人が「早く生き、若く死ぬ」という考え−にはそぐわない。ネアンデル
>タール人は「早く成長し大きく育ち、ゆっくり死ぬ」とするのが適当かもしれない。
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2008/19.html
>Marcia Ponce de León , Lubov Golovanova , Vladimir Doronichev , Galina Romanova , Takeru Akazawa , Osamu Kondo , Hajime Ishida , Christoph Zollikofer.
>Neanderthal brain size at birth provides insights into the evolution of human life history.
>PNAS 2008 105 (37) 13764-13768; published ahead of print September 8, 2008, doi:10.1073/pnas.0803917105
http://www.pnas.org/content/105/37/13764.full.pdf
Posted by shinok30 at 2012年08月14日 21:27
> (7) ミトコンドリアDNA との矛盾
> ちょっとした問題がある。
> 母親から代々受け継がれるミトコンドリアDNAの解析からは、「ネアンデルタール人と
>現生人類の交配はなかった」という結果が得られている。(上記)
> これを信じるなら、次の結論が得られる。
> 「ネアンデルタール人の母親の遺伝子は現生人類には流入しなかったが、ネアンデルター
>ル人の父親を通して、ネアンデルタール人の遺伝子が現生人類に流入した(交雑は性的に
>非対称に起こった)」
> しかし、これは不自然すぎる。
 
ネアンデルタール人由来のミトコンドリアDNAが現生人類に見つからないのは.
偶然.母系が途絶えてしまったからかもしれないので,
必ずしも「非対称に交雑が起こったこと」を意味しません
交雑自体が対称に起こったとしても,
現生人類の群れの中で交雑個体のうち雌だけが生き残れなかったり,
その後繁殖できなかったりしても,
ネアンデルタール人由来のミトコンドリアDNAは消えてしまうでしょう
ただし,「非対称な交雑」自体は自然界に普通に存在しています
 
前のエントリー(デニソワ人と混血?)でコメントした
ヤマトオサムシとクロオサムシに見られる浸透交雑もそうですし,
アヌビスヒヒとマントヒヒの交雑も対称ではありません
 
ヒトの場合も,
ブライアン・サイクスの「イヴの七人の娘たち」と「アダムの呪い」を比べてみると,
母系と父系の系統は異なることが分かるはずです
例えば,ポリネシアのラロトンガ人集団のミトコンドリアDNAはほとんど同じで
東南アジアに起源を持つ(いわゆるオーストロネシア人)であるのに対して,
Y染色体の約三分の一はヨーロッパ人のものでした
ポリネシアだけでなく,南米(ペルーやコロンビア)でも
同様のヨーロッパ人Y染色体の侵入が確認されています
 
>ポリネシア人にはヨーロッパの血が流れていた!
> このいらだたしいジレンマが解決したのは、アメリカの研究チームが新しい遺伝子マー
>カーシステムを開発したときだった。おかげで、Cクラスターアメリカのものか、ヨー
>ロッパのものか、区別がつけられるようになった。その知らせを聞くと、わたしたちは
>すぐさまあの十個の染色体を検査にかけてみた。そして、決定的な結果を手に入れた。
>ラロトンガで見つけたCクラスターの染色体は、南米から来たものではない。ヨーロッパ
>の染色体だ! わたしたちが調査したラロトンガ人の約三分の一、最初の入植者では
>なく、ヨーロッパの男性からY染色体を受けついでいた。あまりに意外な結果だったの
>で、みんな、なかなか信じられなかった。疑いの余地はない。そのY染色体は、ヨー
>ロッパからやってきた。ポリネシアでヨーロッパ人のmtDNAが見つかったことは、一度も
>なかった。mtDNAの証拠を見るかぎり、あたかもあの島々にヨーロッパ人が足を踏み入れ
>たことなどなかったかのように見える。ところがY染色体が、まるっきり別の物語を教え
>てくれた。ヨーロッパ人男性の軌跡が、そこかしこで見つかったのである。

> ヨーロッパ人によるポリネシア植民地化が遺伝学に与えた影響は.世界じゅうでくり返
>されてきた。いまでは科学者たちも、mtDNAとY染色体のどちらか片方に執着するのでは
>なく、両者をともに分析する利点に気づきはじめている。ヨーロッパの植民地化の歴史と
>ともに、それと似たようなY染色体の繁殖、いや、それ以上の繁殖ぶりが、世界のあちこ
>ちで見つかっている。
> 最近ペルーで,自分たちは純血のアメリカインディアンだと考えているパスコとリマの
>住民にたいする調査が行われた。そこから、彼らの九十五パーセントのmtDNAがあきらか
>にアメリカインディアンの末裔である一方で、Y染色体の半分がヨーロッパのものである
>ことが判明した。コロンビアのメデリン近郊のアンティオクイアで行われたべつの調査で
>は、Y染色体の九十四パーセントがヨーロッパのもの、五パーセントがアフリカのもの、
>そしてたったの一パーセントがアメリカインディアンのものであることがわかっている。
>アンティオクイアはスペインが最初に入植した南米の土地にあり、十六世紀初期に設立さ
>れた町だ。そこで発見された五パーセントのアフリカ人Y染色体は、奴隷貿易によって
>大西洋からもたらされたものにまちがいないだろう。その調査対象となった男性たちの
>mtDNAを分析したところ、九十パーセントがアメリカインディアンの末裔で、残りはヨー
>ロッパとアフリカのものだとわかった。
(アダムの呪い.ブライアン・サイクス.ソニーマガジンズ (2004/05))
http://www.amazon.co.jp/dp/4789722791
Posted by shinok30 at 2012年08月14日 21:30
これらの現象は
ヨーロッパ人女性が現地人男性と交雑することがほとんどなかったのに対して,
現地人女性がヨーロッパ人男性を受け入れて交雑が起こったことを示しています
 
これは非対称な交雑の極端な例ですが,
ネアンデルタール人と現生人類の間でも
「現生人類の群れの中で侵入した逞しいネアンデルタール人の男は
 現生人類の女に受け入れられたが,
 ネアンデルタール人の女は現生人類の群れには来なかったし,
 現生人類の男がネアンデルタール人の女を自分の群れに誘拐してくることもできなかった」
というぐらいの非対称さならありそうです
 
ちなみに,ネアンデルタール人の配偶システムについてわかっていることは少ないのですが.
ミトコンドリアDNA分析の結果から,
約5万年前頃のイベリア半島北部のネアンデルタール人社会に夫居制的婚姻行動の傾向が
見られるらしいという研究があります
>ネアンデルタール人のミトコンドリアDNA分析と社会構造
http://sicambre.at.webry.info/201101/article_6.html
 
もちろん,これはすべてのネアンデルタール人に当てはまるとは限りません
現生人類においては「極端な一夫多妻」「完全な乱婚」は排除されますが,
それ以外の様々なパターンがあり得ました
(第10章 ヒトの配偶システム.in 進化と人間行動.長谷川 寿一,長谷川 真理子)
http://www.amazon.co.jp/dp/4130120328
ネアンデルタール人の場合も
環境に応じて社会構造が異なっていた可能性が高いと思いますね
 
少なくとも,ネアンデルタール人と現生人類という異なる集団において.
非対称な交雑が「不自然すぎる」として可能性を否定されることはないでしょう
実際に社会構造が異なるマントヒヒとアヌビスヒヒでは非対称な交雑が起こっていますし.
現生人類の歴史においても非対称な交雑は何度も起こっているのですから
Posted by shinok30 at 2012年08月14日 21:32
なお,ネアンデルタール人と現生人類の遺伝子の流れの方向性に関しては
ネアンデルタール人から現生人類の方に起こったと推定されています
(つまり,遺伝子の流れの方向性については非対称)
 
まず,現代の非アフリカ人はサン人よりもヨルバ人に遺伝的に近縁です
もし,非アフリカ人の祖先からネアンデルタール人への遺伝子の流れがあったとしたら,
ヨルバ人はサン人よりも非アフリカ人に遺伝的に近い分だけは
ネアンデルタール人遺伝子と一致するハズですが,
実際にはサン人とヨルバ人の間にはほとんど差はないので遺伝子の流れは
ほとんど一方的にネアンデルタール人から現生人類の方に起こったと推定されているんです
 
>Direction of gene flow.
>A parsimonious explanation for these observations is that
> Neandertals exchanged genes with the ancestors of non-Africans.
> To determine the direction of gene flow consistent with the data,
> we took advantage of the fact that non-Africans are more distantly
> related to San than to Yoruba (73–75) (Table 4). This is reflected
> in the fact that D(P, San, Q, chimpanzee) is 1.47 to 1.68 times
> greater than D(P, Yoruba, Q, chimpanzee), where P and Q are
> non-Africans (SOM Text 15). Under the hypothesis of modern human
> to Neandertal gene flow, D(P, San, Neandertal, chimpanzee) should
> be greater than D(P, Yoruba, Neandertal, chimpanzee) by the same
> amount, because the deviation of the D statistics is due to
> Neandertals inheriting a proportion of ancestry from a
> non-African-like population Q. Empirically, however, the ratio is
> significantly smaller (1.00 to 1.03, P << 0.0002) (SOM Text 15).
> Thus, all or almost all of the gene flow detected was from
> Neandertals into modern humans.
http://www.sciencemag.org/content/328/5979/710.full

なお,南堂さんの理論では,
「現代人とネアンデルタール人の遺伝子の一致は
 特定の集団がネアンデルタール人と共通する遺伝子を失ったことによるものだ」
ということのようですが,
もし,そうであるならネアンデルタール人との遺伝子の一致の割合は,
各現代人間の遺伝的な距離に関係しているハズです
 
しかし,実際には遺伝的に遠いはずのサン人とヨルバ人の
ネアンデルタール人との遺伝の一致にほとんど差はなく,
非アフリカ人はアフリカ人(サン人,ヨルバ人)よりも3〜5%多く一致していて,
その一致の仕方も遺伝的な距離を反映してはいませんし.
非アフリカ人同士の一致の違いもほとんど1%以下です
http://www.sciencemag.org/content/328/5979/710/T4.expansion.html
 
南堂さんは実際に得られたデータを説明できるように仮説を提示するべきでなんですが,
実際には新聞報道からのイメージから思いつきを語っているだけなんですよ
Posted by shinok30 at 2012年08月14日 21:34
>「現生人類が出アフリカをした直後に、西アジアにいたデニソワ人やネアンデルタール人
>と交配して、デニソワ人やネアンデルタール人の遺伝子を獲得した」
> しかしこの場合には、次のことが説明されない。(ネアンデルタール人について。)
> 「ネアンデルタール人の遺伝子は、アフリカ南部では見つからないが、アフリカ北部
> では見つかる」
> つまり、出アフリカのあとでネアンデルタール人との混血があったとしたら、その共通
>遺伝子は、アフリカの外(西アジアから先)だけにあるはずで、アフリカ北部にあるはず
>がない。
 
アフリカ北部は地理的にも遺伝的にもヨーロッパや中東に近く,実質的にはユーラシアの一部ですよ
アフリカ北部人はサハラ以南のアフリカ人よりも,
ユーラシア人(ヨーロッパや中東)と遺伝的交流があったので,
出アフリカ後に交雑で得た遺伝子が広まっていても不思議はありません
Posted by shinok30 at 2012年08月14日 21:35
ネアンデルタールとの分岐の時期の話題は、書く項目を間違えていますよ。この話題は、下記で。
 → http://openblog.meblog.biz/article/10918514.html

> 「よほど有益じゃないと遺伝子は集団中に広まらない」
> という南堂さんの主張は集団遺伝学の常識に反しています

 まあ、たくさんあるうちの一つか二つなら、偶発的にそういうこともあるでしょうけれど、多数の遺伝子がみんな広まったとしたら、偶発的とは見なされないでしょう。
 一つか二つが増えたのなら、中立説で説明できますが、多数だったら、統計的にありえない。

> ポリネシアだけでなく,南米(ペルーやコロンビア)でも
> 同様のヨーロッパ人Y染色体の侵入が確認されています

 それは、同種だからでしょ。あと、現地には白人女性がいなかったからでしょ。それが一番の理由。
 ま、この件はどっちみち、たいした話題じゃない。そう記してあるとおり。/そもそも、そういう仮定がおかしいのだから、いちいち論じる必要もない。それが私の立場。


> もし,そうであるならネアンデルタール人との遺伝子の一致の割合は,
> 各現代人間の遺伝的な距離に関係しているハズです

 違いますよ。私の分岐図式を読み直しましょう。「いつどこで」失ったかをちゃんと読み取りましょう。

> しかし,実際には遺伝的に遠いはずのサン人とヨルバ人の
>ネアンデルタール人との遺伝の一致にほとんど差はなく,

 私の話を読んでからにしてね。ちゃんと説明してあるでしょう。「ネグロイドはごく初期に分岐した。そして共通遺伝子を失った」というふうに。
 当然、失い方は共通しています。たぶんエチオピア人からネグロイドが分岐した直後に失ったはずです。その後、それぞれの黒人は別々の小進化をたどったので、遺伝子的には多様性を獲得したが、そのことは、最初に共通遺伝子を失ったことには影響しない。

> アフリカ北部人はサハラ以南のアフリカ人よりも,
> ユーラシア人(ヨーロッパや中東)と遺伝的交流があったので,
> 出アフリカ後に交雑で得た遺伝子が広まっていても不思議はありません 

その説に従うと、他地域(西アジア)に比べて、2割とか3割とかの量になるはずですね。(共通の程度が。)
そう主張しますか? 
私は、エチオピア、アフリカ北部、西アジア、欧州、などで、すべて同程度の値だと予想しています。アジア地域は、新モンゴロイドや古モンゴロイドの系列なので、少し違った値になると予想しています。
Posted by 管理人 at 2012年08月14日 21:49
> 非アフリカ人同士の一致の違いもほとんど1%以下です

 データをありがとうございました。これで私の説の正しさはほぼ確定しました。
 なぜなら、西アジアで混血があったとするならば、非アフリカ人同士の一致の違いは大幅に異なっているはずだからです。次のように。
  ・ 初期には混血があったので、共通度は高い。
  ・ 後期には混血が少なかったので、共通度は低い。
 
 ここから、次の結論が得られます。
  ・ 初期に出アフリカをした民族では、共通度が高い。→ 地中海沿岸の人々。
  ・ 中期以降に出アフリカをした民族では、共通度が低い。→ 北欧の人々。
 理由は下記。

> 「ノルマン人は、クロマニヨン人の骨から検出された遺伝子がY-DNA「I 」であることから、直接の子孫でヨーロッパの最初の先住民だろうと言われているようです。ヴァイキングで名高い民族なのでノルウェーが最も高頻度かと思いきや、進出先のバルカン半島とその周辺地域が最も高頻度でした。祖先のクロマニヨン人はラスコーなどフランスなどの洞窟から発掘されているので地中海周辺には早くから住んでいたはずなので当然と言えばそうです。北欧一帯は氷河に覆われていたため人類が定住したのは意外に後になります。地中海北岸が最初の定住地だったはずです。」
 → http://galapagojp.exblog.jp/13571905/

 同様に、アラビア人や、古モンゴロイドの血を含むアジア人も、値が異なるはずです。
 しかるに、現実には、値がほぼ一定だった。それは、「これらが共通の集団である」ということを意味するから、「これらはすべて北アフリカ出身の同一系統の民族である」という私の説が裏付けられたことになります。
Posted by 管理人 at 2012年08月14日 22:09
あとね。標準的な考え方だと、混血だけじゃなくて、さまざまな問題が生じます。
  ・ トバ爆発で人口が1万人以下に。
  ・ 出アフリカの時期が6〜7万年前に。

 これらはすべて分子遺伝学の数値が現実と比べて大幅に狂っていることを意味します。それを普通の説では説明できませんが、「初期に黒人が分岐して多様性を獲得した」という私の説ならばきれいに説明できます。
 こういう点もあるんですよ。
Posted by 管理人 at 2012年08月14日 22:49
>違いますよ。私の分岐図式を読み直しましょう。「いつどこで」失ったかをちゃんと読み取りましょう。
 
南堂は自分の説に合うように自由に分岐図を書き,
好きなように遺伝子の消失時期を指定しますが,
そんな説明には説得力はありません
 
遺伝子の消失は偶然によって起こりますが,
偶然だからといって,南堂さんが好きな時期に起こせるわけではないんですよ 
実際には遺伝子の消失が起こる確率は遺伝的な距離に関係しています
 
いくらでも好きな時期に消失を仮定していいなら,そりゃどんな説だって説明できますが,
そんな仮説に科学的な意味はありませんよ
Posted by shinok30 at 2012年08月14日 23:45
>まあ、たくさんあるうちの一つか二つなら、偶発的にそういうこともあるでしょうけれど、
>多数の遺伝子がみんな広まったとしたら、偶発的とは見なされないでしょう。
> 一つか二つが増えたのなら、中立説で説明できますが、多数だったら、統計的にありえない。
   
本当に中立説を理解していますか?
「分子レベルでは自然淘汰によくも悪くもない突然変異が偶然に集団の中に広がった結果おこるものがほとんど」
というのが,中立説のキモの部分なんですが……
さらに,「有害と中立の中間クラスのアミノ酸置換が相当あるのではないか」という予想から
「ほぼ中立説」が提唱されて認められています
   
「有利でない遺伝子」が広まることが「多数だったら、統計的にありえない」というのは間違いです
実際に集団中に広まる突然変異遺伝子のほとんどは有利ではありません
(中立どころか微弱有害なものも含まれます)
交雑の結果,導入された遺伝子も強く有害なもの以外は遺伝的浮動によって広がりえます
 
>それは、同種だからでしょ。
 
前にも述べたように,
「同種だから交雑できて異種は交雑できない」という説明は
生物学的種の定義のトートロージーなのでナンセンスです
Posted by shinok30 at 2012年08月15日 00:04
2012年08月14日 23:45のカキコで敬称をつけ忘れましたが他意はありません
訂正
>南堂は自分の説に合うように自由に分岐図を書き,
 ↓
>南堂さんは自分の説に合うように自由に分岐図を書き,
Posted by shinok30 at 2012年08月15日 00:06
> 「有利でない遺伝子」が広まることが「多数だったら、統計的にありえない」というのは間違いです

 誤読しないように。
 「デニソワ人の遺伝子に限って増えるのが統計的にありえない」という意味です。
 

> そんな説明には説得力はありません

 偶然なんだから、十分に仮定できるでしょ。この程度の偶然はいくらでも起こりえます。また、消失時期が別になれば、別の形で現実が変わるだけだ。いずれにせよ、不要な遺伝子はいつかはどこかで消えるのは不思議でも何でもない。特定の時期を指定するのは不自然だが、「いつかどこかで消失」は不自然でも何でもない。
 それよりは「デニソワ人とネアンデルタール人の遺伝子に限って、不要な遺伝子が爆発的に増えた」という説の方がよほど不自然だ。
Posted by 管理人 at 2012年08月15日 07:01
>偶然なんだから、十分に仮定できるでしょ。この程度の偶然はいくらでも起こりえます。
 
もちろん,理論的にはどのようなことでも起こりえます
「世界五分前仮説」だって完全に否定することは不可能です
http://ja.wikipedia.org/wiki/世界五分前仮説
 
でも,「起こりやすさ」は違います
できるだけ「起こりやすい」仮説を提示し,その起こりやすさの証拠を示すのが科学です
 
「現生人類の祖先がもともと持っていたネアンデルタール人やデニソワ人との共通遺伝子が
 遺伝的に遠い各地域集団で偶然に消失したと仮定するよりも
 特定の地域で交雑が起こったとする方がずっと起こりやすい」
と世界中の学者が考えているから,南堂さんの説を支持する専門家がいないんですよ
 
 
>それよりは「デニソワ人とネアンデルタール人の遺伝子に限って、不要な遺伝子が爆発的に増えた」
>という説の方がよほど不自然だ。
 
特に有益でない遺伝子が集団中に広がることは一般的に観察されています
(古代人遺伝子の一部は「正の選択」を受けたようですが……)
例えば,日本猫に見られる「尾曲がり猫」の遺伝子がそうです
 
もともと,東南アジアに持ち込まれた数少ない猫の集団中に先駆者効果によって
「尾曲がり」遺伝子が定着しました
日本猫も江戸中期までに描かれた絵はすべて直尾なんですが,
マラッカ海峡周辺にいた「尾曲がり猫」の遺伝子が導入されて
(実際には尾曲がり猫には複数の遺伝子が関係した骨の奇形です)
日本各地の猫に「尾曲がり」が定着しています
 
>尾曲がり猫の全国分布 長崎ねこ
http://www.nagasakisi.com/archives/51358112.html
>東洋のネコは尾に生じる二種類の奇形がよく知られ、ダーウィンも
>『家畜および栽培植物の変化』(1868)の中で次のように書いている。

>「広大な地域、すなわちマラヤ群島、シャム、ペグー、およびビルマにおいては、
>すべてのネコが本来の半分に切り取ったような尾をしており、その先端に一種の
>コブがついているものが多い。」

>今日でも東洋のネコの多くにはこの「よじれた尾」が見られるが、これは
>ヨーロッパではまったく見られない特徴である。

>東洋のネコに見られるこうした尾の奇形は、遺伝学者が「先駆者効果」と
>呼ぶ現象の興味深い実例と思われる。
>それはまた、東南アジアのネコはすべて、数百年、いやもしかすると数千年前に
>この地域に持ち込まれた、非常に少ない個体の子孫である可能性を示している。
>先駆者効果は、もともと属していた集団の遺伝子プールのごく一部を代表する
>少数の個体から新しい集団が生まれたときに起きるのだ。

>この限定された変種に自然選択が働くと、旧集団とはまったく異なる遺伝子配列につながっていく。

>【出展】
>Searle,A.G., 1949. ‘Gene frequencies in London’s cats’, Journal of Genetics 49,pp.214-20

>Searle.A.G.,1959.‘A study of variation in Singapore cats’, Journal of Genetics 56,2,pp.1-17

>The British Museum Book of CATS

>猫の博物館 ネコと人の一万年 (東洋書林) 134頁

>J.Clutton-Brock J.クラットン=ブロック 著  小川 昭子 訳
http://plaza.rakuten.co.jp/nagasakineko/diary/?ctgy=2

>尻尾の長短、尻尾の曲がり具合を決める遺伝子は一つではなく、複数の遺伝子がかかわっていると
>考えられている。たとえば尻尾の短い日本猫と、長い猫をかけると、いろんなタイプの尻尾の子供が
>生まれる。きりっとした短い尻尾になることはまれで、中ぐらいの長さの尻尾や、長いけれども先端が
>曲がった尻尾、ジグザグに曲がった尻尾の子供などができる。
(猫の不完全な飼い方 城崎 哲 (著) )
http://www.amazon.co.jp/dp/4872337115

ネコの「尾曲がり」自体には利益はほとんどありませんが,
東南アジアのネコに定着し,その遺伝子は日本猫にも拡散しています
Posted by shinok30 at 2012年08月15日 09:11
>原ネアンデルタール人 ━┳━  ネアンデルタール人
>            ┗┳━ 現生人類
>             ┗━ ネグロイド
>              ↑ 共通遺伝子が消失

この分岐図もおかしいですね
実際には「共通遺伝子の消失」は1つでは説明がつきません
サン人が先に分岐した分だけヨルバ人は非アフリカ人に近いので,
共通遺伝子の消失はサン人とヨルバ人の2つの枝で
偶然同じように起こったとしなければいけません
 

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━東ユーラシア人(中国人)
   ┃                  
  ┏┫
  ┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━サフール人(パプアニューギニア人)
 ┏┫
 ┃┃
┏┫┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━西ユーラシア人(フランス人)
┃┃
┃┃
┫┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ネグロイド(ヨルバ人)
┃     ↑
┃   共通遺伝子が消失
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━カポイド(サン人)
      ↑
   共通遺伝子が消失


さらに言うと,祖先遺伝子の消失自体は他の枝でも常に起こっている現象ですよね
例えば,分岐図の枝の長さに比例して下図のように(1)〜(21)の消失点があったとします
 
   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━東ユーラシア人(中国人)
   ┃       ↑   ↑   ↑
  ┏┫      (19)  (20)  (21)
  ┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━サフール人(パプアニューギニア人)
 ┏┫      ↑   ↑   ↑
 ┃┃     (16)  (17)  (18)
┏┫┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━西ユーラシア人(フランス人)
┃┃     ↑   ↑   ↑   ↑      
┃┃    (12)  (13)  (14)  (15)  
┫┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ネグロイド(ヨルバ人)
┃    ↑   ↑   ↑   ↑   ↑   
┃   ( 7)  ( 8)  ( 9)  (10)  (11)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━カポイド(サン人)
   ↑   ↑   ↑   ↑   ↑   ↑  
  ( 1)  ( 2)  ( 3)  ( 4)  ( 5)   ( 6)  
 
南堂さんの説が成立するためには,
消失点( 1)〜( 6)と( 7)〜(11)の内容がかなり一致していて,
しかもその一致内容が(12)〜(21)とは重なってはいないという偶然が必要になります
もし,遺伝子の消失がランダムに起こるとすれば,
このような偶然は非常に起こりにくいでしょう

また,仮に( 1)〜( 6)と( 7)〜(11)の内容が一致することが多いのなら,
サン人とヨルバ人は遺伝的に近縁だと判断されるはずですが,
これまでのさまざまな分子遺伝学のデータは両者の近縁性を否定しています
 
つまり,南堂さんの説が成立するためにはこれまでの遺伝学的知見が否定されるほどの
「偶然」が必要であり,そんなことが起こる可能性は非常に低いんです
素直に「非アフリカ人がネアンデルタール人と交雑した」とした方が簡単に説明できますね
Posted by shinok30 at 2012年08月15日 14:52
> 遺伝的に遠い各地域集団で偶然に消失したと仮定する

 私はそんなことは言っていませんよ。特定の地域集団で消失した、と言っています。よく読んでね。

> 日本各地の猫に「尾曲がり」が定着しています

猫はペットなんだから、いくらでも人為淘汰の圧力を受けます。偶然じゃありません。

あと、一つだけの遺伝子なら、偶然はあり得る、と先に示したでしょう。デニソワ人の遺伝子に限って、いくつもの偶然が重なる、ということはありえない、と言っているんです。

双六で1が出ることは不思議じゃない。だけど、10回やって9回とも1になるのは不自然でしょう? そういう問題。

それよりは、「共通遺伝子とは、たまたま他集団では失われた遺伝子のことにすぎない。その遺伝子集団は、有益性に関係なく、ランダムに選ばれた」と見なす方が、よほど合理的だ。
 (1) ネアンデルタール人との共通遺伝子とは、ネグロイド系でたまたま失われた遺伝子のことにすぎない。
 (2) デニソワ人との共通遺伝子とは、オーストラロイド系以外の集団でたまたま失われた遺伝子のことにすぎない。

 (1) が正しいかどうかは、エチオピア人の遺伝子を見ればわかるから、その報告を見て確認しましょう。

 ──

> 共通遺伝子の消失はサン人とヨルバ人の2つの枝で
> 偶然同じように起こったとしなければいけません

 何をとぼけたことを言っているの? ネグロイド全体(サン人とヨルバ人とピグミー)がエチオピア人から分岐した直後に喪失した、と言っているでしょう。その時期は16〜17万年前。そう書いてある。ちゃんと読んでください。
 なるほど、あなたの示した図式では、そうでしょうけど、私の図式は全然違いますよ。人の話を読んでから書くべし。
 だいたい、私の図式とは全然違う図式を出して、それを批判したって、それは私とは関係のない話。他人の図式についての批判なら、他人に言ってください。
 とにかく、私の話を読まないで書くのは、やめてください。私の話とは関係のないことばかり書くのは、変でしょ。

 ただしまあ、2012年08月15日 14:52 で矛盾が生じたということは、そちらの図式では矛盾が生じるということですから、自分で自分の図式の矛盾を証明したことになりますね。
 だからね。「共通祖先」なんていう図式は成立しないの。「直系と、(分岐した)傍系」という図式でしか、進化は理解できないの。わかりましたか? 

 デニソワ人の遺伝子が、ネグロイドと、ユーラシア系(オーストラロイドを除く)で消失した、というのは、偶然とも見なせますが、別に不思議ではない。不要な遺伝子は消失して当然です。そのくらいの偶然は十分に起こりえます。
 というか、「ネグロイドと、ユーラシア系(オーストラロイドを除く)の双方で消失した」というものだけを、「デニソワ人との遺伝子」というふうに定義しているんだから、当り前です。他に、「ネグロイド系だけで消失した遺伝子」もあるし、「ユーラシア系(オーストラロイドを除く)だけで消失した遺伝子」もあるが、それらは、今回は無視されているだけのことです。
 要するに、研究対象の定義の問題。それだけ。

 それよりね。混血が起こったということは、基本的には同種の亜種であるにすぎない、ということですよ。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが同種であるなんて、馬鹿馬鹿しくて信じられない。脳の構造からしてまるきり違うんだから、交雑したら子供が産まれるはずがない。脳の構造の違いで、流産するはずです。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが同種であるという主張の方が、よほどおかしい。生物学や進化の常識に反している。
 進化論の人は、「共通遺伝子があるから混血した」と騒いでいるけれど、普通の生物学者だったら、「ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが同種でたがいにせっせと交雑した」なんて聞いたら、全然信じていないと思いますよ。だいたい、そんなことが可能なら、虎とライオンがせっせと交雑しているはずだ。馬鹿馬鹿しい。
Posted by 管理人 at 2012年08月15日 19:07
そちらの示してくださった図
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/shinok30/20120814/20120814225806_original.jpg?1344952863
によれば、デニソワ人の遺伝子は半分以上になることも多く、そうだとすれば、次のいずれかです。
  ・ 非常に有利な遺伝子だった(増えた)
  ・ 初期に大量の交雑があった
 前者は不成立です。もし有利ならば、他の地域でも大幅に増えているはずです。しかし現実には、他地域では見当たらない。
 後者も不成立です。もし大量の交雑があったなら、当時のデニソワ人の数はホモ・サピエンスの数と同程度であったはずで、それならば大量の遺骨がこの地域で発掘されているはずです。ごく新しい時代なんだから、大量に見つかるでしょう。ところがただの一つも見つかっていません。それは当時、この地域に大量のデニソワ人外いたということはない、ということです。そしてまた、大量の交雑も不可能だった、ということです。

 結論としては、「交雑はなかった」というふうになります。ゆえに、「この地域の集団だけで共通遺伝子が残り、他地域では消滅した」という説だけが成立します。有利ではない遺伝子は、消滅しやすいものです。長い歴史上のどこかで消滅したとしても、何の不思議もありません。

 だいたい、異種間で大量の交雑なんか、あるわけがない。もしあるとしたら、異種ではなくて、同種です。
 また、同種の亜種間だとしても、頻度は低い。現生人類ですら、異人種間の交雑の頻度は低い。いわんや、異種間をや。 

 また、容易に混血が起こるのなら、欧州でもネアンデルタール人とホモ・サピエンスの混血の形跡が、色濃く残っているはずです。ネアンデルタール人は欧州だけにいたんだから。
 しかし現実には、南欧の人々には、ネアンデルタール人との混血の痕跡はありません。他地域とまったく同様です。これはネアンデルタール人との(大量の)混血なんかはなかった、ということの証拠です。
Posted by 管理人 at 2012年08月15日 19:08
>何をとぼけたことを言っているの? ネグロイド全体(サン人とヨルバ人とピグミー)
>がエチオピア人から分岐した直後に喪失した、と言っているでしょう。その時期は
>16〜17万年前。そう書いてある。ちゃんと読んでください。
> なるほど、あなたの示した図式では、そうでしょうけど、私の図式は全然違います
>よ。人の話を読んでから書くべし。
 
南堂さんの分岐図は南堂さんが自分の話に合うように勝手に描いたものでしょ?
そんなものはなんの根拠にもなりません
 
実際に,Nature 468, 1053-1060に載っている分岐図を見てみましょう
http://www.nature.com/nature/journal/v468/n7327/full/nature09710.html#/f1
樹形は上のカキコでshinok30が描いたものと同じでしょう
 
すなわち,
Han(中国人)から見て一番遺伝的に近縁なのがPapuan(パプアニューギニア人),
次がFrench(フランス人),その次がYoruba(ヨルバ人),その次がSan(サン人)…
という関係です
(Han,Papuan,Frenchの分岐が近くてほとんど三つ又フォーク状になっていますが)
 
要するに, 
ヨルバ人はサン人よりも非アフリカ人(中国人,パプアニューギニア人,フランス人)に
近縁なのですから,南堂さんがいうような
「サン人とヨルバ人とピグミーを合わせたネグロイド」という概念は
そもそも成立しないんです
   
「人類の祖先は黒人か?白人か?」みたいな間抜けな議論をやってるヒマがあったら
ちゃんと元になった論文を読んで下さい
祖先遺伝子の消失だの突然変異だのは元々想定のうちに入っています
その上でネアンデルタール人やデニソワ人との交雑によって得たと考えられる遺伝子が
見つかったから論文になっているんです
専門家が南堂さんが思いつく程度のことを考慮していないわけがないでしょう
  
  
>進化論の人は、「共通遺伝子があるから混血した」と騒いでいるけれど、
>普通の生物学者だったら、「ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが同種で
>たがいにせっせと交雑した」なんて聞いたら、全然信じていないと思いますよ。
>だいたい、そんなことが可能なら、虎とライオンがせっせと交雑しているはずだ。
 
「異種だから交雑できない」というのは何度繰り返しても無意味です
南堂さんのいう「普通の生物学者」とはどんな人を指すのかわかりませんが,
種間交雑を研究している学者はたくさんいます
 
マントヒヒとアヌビスヒヒの交雑を報告した庄武孝義(11種7000頭の
野生猿を捕獲して採血し『ブラッドハンター』の異名を持つタフな生物学者)や
マヤサンオサムシとイワワキオサムシの交雑やアオオサムシとミカワオワムシの交雑等
のオサムシ類の交雑パターンを研究している久保田耕平も
南堂さんに言わせれば普通の生物学者ではないのですね

ネアンデルタール人と現生人類の交雑個体と思われる化石は10年以上前に発見されて.
ネアンデルタール人との交雑の有無について議論されていましたよ
ポルトガルの約24,500年前の地層から発見された推定4歳の少年の化石は
ネアンデルタール人と現生人類の特徴をモザイク状にあわせもっていました
  
>The early Upper Paleolithic human skeleton from the Abrigo
> do Lagar Velho (Portugal) and modern human emergence in
> Iberia
>PNAS June 22, 1999 vol. 96 no. 13 7604-7609
http://www.pnas.org/content/96/13/7604.long
  
>Long Bone Shaft Robusticity and Body Proportions of the
> Saint-Ce &#769;saire 1 Cha&#710;telperronian Neanderthal
>Journal of Archaeological Science (1999) 26, 753&#8211;773
http://www.artsci.wustl.edu/~trinkaus/1999-StCesaire-Xsect.pdf
Posted by shinok30 at 2012年08月15日 21:51

 以下、引用。
 ──
 すなわち,Han(中国人)から見て一番遺伝的に近縁なのがPapuan(パプアニューギニア人),
次がFrench(フランス人),その次がYoruba(ヨルバ人),その次がSan(サン人)…
という関係です
(Han,Papuan,Frenchの分岐が近くてほとんど三つ又フォーク状になっていますが)
 
要するに, 
ヨルバ人はサン人よりも非アフリカ人(中国人,パプアニューギニア人,フランス人)に
近縁なのですから
 ──

 以上は、私の言っていること、そのまんまでしょ? 何を誤読しているの? 
 ちゃんと私の話を読みなさい。

 あなたは、私の話を自己流の図式に読み直しているから、人の話を理解できないですよ。人の話を素直に文字通り理解しましょう。
 N***M さんと同じで、人の話を勝手に誤読するから、変な間違いばかりを勝手に見つける。ありもしない間違いを見つけたつもりで、一人で得意がっている。
 日本語力の問題かな?
Posted by 管理人 at 2012年08月15日 22:13
マントヒヒとアヌビスヒヒは、亜種だということでしょう。異種だとは言えません。

 昆虫のような下等生物の交雑ならば、私も認めていますよ。下記で述べたとおり。
 → http://openblog.meblog.biz/article/2640962.html

 話のレベルが違うので、混同しないでください。上記の項目を読めばわかる。
Posted by 管理人 at 2012年08月15日 22:18
>以上は、私の言っていること、そのまんまでしょ? 何を誤読しているの? 
>ちゃんと私の話を読みなさい。
 
いや,全然違うことを言っていますよ
 
南堂さんの説は
「共通祖先(エチオピア人?)からネグロイド全体(サン人とヨルバ人とピグミー)が分岐した」
shinok30の説(nature掲載の論文の図)は
「共通祖先からサン人が分岐し,残った集団からヨルバ人と非アフリカ人が分岐した」
 
要するに,shinok30は
「非アフリカ人は単系統だけど,アフリカ人(サン人とヨルバ人)は単系統ではない」
と言ってるんです
この図ではネグロイド全体(サン人とヨルバ人とピグミー)の分岐は存在しないので
共通遺伝子の消失点は1つでは説明できません
 
 
>マントヒヒとアヌビスヒヒは、亜種だということでしょう。異種だとは言えません。

「交雑できた集団は亜種だ」というのは「交雑可能な集団を種とする」
という定義のトートロジーなので意味がありません
 
> 昆虫のような下等生物の交雑ならば、私も認めていますよ。下記で述べたとおり。
> → http://openblog.meblog.biz/article/2640962.html
   
昆虫は下等生物ではありませんよ
少なくともオサムシ類は非常に進化した昆虫です
Posted by shinok30 at 2012年08月16日 00:05
ついでに,オサムシ類の浸透交雑の例で言うと,
「ヒメオサムシー>ヤマトオサムシー>クロオサムシー>オオオサムシ」
の交雑が一方向でしか起こらない結果,ヤマトオサムシ,クロオサムシ,オオオサムシ
のミトコンドリアがすべてヒメオサムシのものに置換されてしまった例が知られています

> 日本海島・東日本のND5の系統ではヒメオサムシー>ヤマトオサムシー>
>クロオサムシー>オオサムシとミトコンドリアが流れ、ヤマトオサムシ以降の種の本来
>のミトコンドリアはすべてヒメオサムシのそれと置換されて消滅する。西日本では、
>オオオサムシとヒメオサムシのND5が同一系統に兩種とも出現する。これはオオオサ
>のミトコンドリアの系統がヒメのものと置換されたと推定される。したがって、オオ
>オサムシの本来のミトコンドリアは消滅し存在しない。このような種形成時のミトコ
>ンドリアの系統の完全な消失はこれまでに報告されたことがない顕著な事実である。
>雑種由来子孫では多くの場合ミトコンドリアを受け取けとった側の形態をとる。この
>原因は不明だが、遺伝子構成がそのようになったものが優先的に選択されるからかも
>しれない。さらに。ミトコンドリアの流れは多くの場合一方向的である。言い換えれ
>ば、原則として交雑は一方向にしか起きない。例えば、オオオサムシとマヤサン
>オサムシの交雑はオオオサムシ♂とマヤサンオサムシ♀の組み合わせでおきるが、
>マヤサンオサムシ♂とオオオサムシ♀の交雑はない。このことはオオオサムシの
>ミトコンドリアを持つマヤサンオサムシは存在しないことからも明らかである。
http://homepage2.nifty.com/genetics/16essay/06iden.htm
 
一方向でしか交雑できないオサムシ類を
南堂さんは同種だと判断するのでしょうか.異種だと判断するのでしょうか?
それとも昆虫みたいな下等動物のことなんか関係ないといって突っぱねるのでしょうか?
Posted by shinok30 at 2012年08月16日 06:08
日本語の理解力の問題ですね。

 (1) 「以上は、」という主語を理解するべし。
 (2) 昆虫の件ははっきりと明言している。

 ついでだが、高等か下等かは、「進化しているかいないか」のことではない。そのことはちゃんと説明済み。昆虫うが昆虫なりに進化していることは既知。それとは別の意味で高等・下等を定義しているのに、あなたは人の話を理解しないで、勝手に「こういう考えだろう」と決めつけた上で、藁人形論法で仮想の概念を批判している。
 これ以上、誤読が続くようであれば、書き込みを禁止します。
Posted by 管理人 at 2012年08月16日 06:37
テレビやネットでの言葉の使い方を思い返してみるに、上下や高低等は最近は格(主に人格)の違いの信認否認にしか使われなくなってきている感じです。
平等志向が強かったり上昇志向が強かったりすれば(即ち現状に不満あり)、“同時代生物なら全員同等”と思う事で、そうでない人とは違って自分がより大きな何かの一部であると感じ、それで心の平穏が保てるのだと思います(多分自分もそれです)。

何と言いますか、南堂さんからは誰に対するリスペクトも感じられないのが変な感じです。
人の営みから生まれたんですから、精神的なそれも受け取って次の世代に送らなきゃ駄目なんじゃないかと。
用語の使い方を他人や現在のそれに近付ける努力をすれば南堂説も受け入れられ易くなると思えるのですが……。
Posted by ヒルネスキー at 2012年08月17日 10:39
> 南堂さんからは誰に対するリスペクトも感じられないのが変な感じです。

クルーグマンとファインマンのことは何度も称賛していますよ。あと、ジョブズ(の才能)も。

ジョブズがなくなったとき、彼に対する最も熱烈な称賛を書いたのは、たぶん私です。いくつかの項目があるから、見直してください。


あと、本項のシリーズで言うなら、「銃・病原菌・鉄」にはリスペクトがたっぷりありますよ。
書評ページでは、こう記しています。

> 並みの本にくらべて何倍もの価値があると言ってよい。
> ( ※ これを上回るのは、シェークスピアのような天才の作品だけだ。学術書のなかでは、トップレベルの価値があると言えよう。)

シェークスピアのほか、ダンテやランボーについても、称賛がたっぷりあります。(書評サイト)
Posted by 管理人 at 2012年08月17日 12:15
すみませんでした(多分頭ではあなたには一生勝てないんでしょうね……)。

混血は無くとも遺伝子の交換はあった、というのは有りでしょうか。
レトロウイルスなら出来そうなのですが。
http://www.geocities.co.jp/HeartLand/2989/life1b.html
Posted by ヒルネスキー at 2012年08月22日 19:50
それはいわゆる「ウイルス進化論」という奴ですね。トンデモ扱いです。確率的にはゼロではないけれど、限りなくゼロに近い。理系の数値的な合理性・科学性からは、とうてい受け入れられない。

 私なりに言えば、「たとえそれで遺伝子の流入があったとしても、それが次世代に引き継がれるはずがないし、まして、どんどん増えていくはずがない」
 なぜなら、ネアンデルタール人にあってホモ・サピエンスにはない遺伝子というのは、原則として、「ホモ・サピエンスには不要だから捨てられた」という形で失われた遺伝子だからです。
 もともと有用な遺伝子であれば、祖先種である原ネアンデルタールから引き継いでいたはずです。
 ま、例外は一つか二つぐらいあるかもしれないが、4〜6%も共通するというのは、あまりにも多すぎる。
Posted by 管理人 at 2012年08月22日 21:00
最後に 【 追記 】 を加筆しました。
Posted by 管理人 at 2012年08月25日 22:37
> 以上は、私の言っていること、そのまんまでしょ? 何を誤読しているの? 
> ちゃんと私の話を読みなさい。


相変わらず分岐図の意味を理解するのが苦手のようなので分かりやすく説明しましょう
 
例えば,
狭鼻猿類の共通祖先から,
まずヒト上科(ヒトやいわゆる「類人猿」等)とオナガザル上科が分かれ,
オナガザル上科(オナガザル科)の共通祖先から
コロブス亜科(テングザル等)とオナガザル亜科が分かれ,
オナガザル亜科の共通祖先から
マカク属(ニホンザル等) と「マカク属以外のオナガザル亜科」が分かれ,
「マカク属以外のオナガザル亜科」の共通祖先から
マンガベイ属(シロエリマンガベイ等)とヒヒ類(マントヒヒ等)が分かれた
と考えられています
http://ja.wikipedia.org/wiki/狭鼻小目

簡単に分岐図に描くと,以下のようになります
   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ヒヒ類(マントヒヒ)
   ┃                  
  ┏┫
  ┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━マンガベイ属(シロエリマンガベイ)
 ┏┫
 ┃┃
┏┫┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━マカク属(ニホンザル)
┃┃
┃┃
┫┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━コロブス亜科(テングザル)
┃     
┃   
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ヒト上科(ヒト)
 
これは2012年08月15日 14:52でshinok30が描いた分岐図と同じ形です
つまり,現生人類の地域集団に当てはめると,
中国人=マントヒヒ,パプアニューギニア人=シロエリマンガベイ,フランス人=ニホンザル,
ヨルバ人(テングザル),サン人(ヒト)に対応するということですね
 
南堂さんの主張する,
「『サン人とヨルバ人とピグミー』を合わせたネグロイド全体」という概念は
「『テングザルとヒト』を合わせたコロブス亜科全体」というぐらい無茶なんですよ
現実には,ヒトをコロブス亜科に含めることもなければ,
テングザルをヒト上科に含めることもありません
そんな仮説を支持する証拠がないからですね
 
南堂さんは自分の仮説を前提として
「その仮説の中で矛盾がなければいい」と勘違いしているようですが,
科学的仮説というのは「仮説の内部で論理的」であるだけでは意味がありません 

サン人とヨルバ人が遺伝的に近縁であるという証拠がない以上,
南堂さんが描くような分岐図は成立しませんし,その分岐図を元にした仮説には
科学的仮説としての意味はないんですよ
 
これは,いくら「私の話を読め」と繰り返しても変わりません
 
そもそも,例えば,Reich et al.(2011)では
http://genetics.med.harvard.edu/reich/Reich_Lab/Welcome_files/2011_AJHG_Stoneking_Denisova_Impact.pdf
突然変異による遺伝子の消失等も考慮した上で,現実のデータを説明するように,
交雑の割合を推定していたわけですよ
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/shinok30/20120826/20120826090755_original.jpg?1345939757
 
これを否定するのであれば,新たなデータを提示するか,
データを説明する新しい説明モデルを数学的に示す必要があります
例えば,以下の研究のようにです
>2012年08月15日 ヒトとネアンデルタール人の交配はあったのか
http://blog.livedoor.jp/xcrex/archives/65701828.html
>Research Raises Doubts About Whether Modern Humans and Neanderthals Interbred
http://www.sciencedaily.com/releases/2012/08/120813155521.htm
 
それをせずに,
「データに基づかない分岐図を勝手に描き,
 自分が思うところで,思うように遺伝子の消失が偶然起これば,データを説明できるハズだ」
というのでは誰も納得しませんよ
Posted by shinok30 at 2012年08月26日 09:34
>なぜなら、ネアンデルタール人にあってホモ・サピエンスにはない遺伝子というのは、
>原則として、「ホモ・サピエンスには不要だから捨てられた」という形で失われた遺伝子だからです。
 
これも間違いです
そもそも,ネアンデルタール人がホモ・サピエンスの祖先種というのも間違いなんですが,
まあ,それを受け入れたとしても,祖先がら子孫に受け継がれたり,
失われたりする遺伝子のほとんどは有利でも不利でもないものです
(もちろん,不利な遺伝子は消失することが多いでしょうが,
 「消失する遺伝子のほとんどが不利」なわけではありません)
 
南堂さんは,進化とか種分化ということに関して著しい勘違いをしているんじゃないでしょうか?
2012年08月16日 06:08で紹介した「オサムシの分子系統の研究」をきちんと読んでいますか?
>近似種の分化(小進化)においては、高頻度で雑種崩壊を伴うことなく交雑がおきて安定した
>雑種由来集団が形成され、時にはこれらから新種が分化している
http://homepage2.nifty.com/genetics/16essay/06iden.htm
オサムシ類以外でも,
ヒメハナバチ類(Andrena属)(Lanham, 1984)
http://www.jstor.org/discover/10.2307/25084505?uid=3738328&uid=2129&uid=2&uid=70&uid=4&sid=21100878672581
ナナフシ類(Bacillus属)(Tinti & Scali, 1995)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jez.1402730208/abstract
などで交雑起源の個体群が知られていますね

昆虫もヒトも基本的な進化のあり方は変わりません
また,南堂さんの定義(進化の順序関係)に従ったとしても,
昆虫が脊椎動物よりも下等というのはあり得ません
(ヒトが進化して昆虫になることはありませんが,昆虫が進化してヒトになることもないので)
>たとえば、魚類がどんどん進化して、哺乳類になることはある。しかし、哺乳類が進化して、
>魚類になることはない。哺乳類が進化すると、鯨になることはあるが、サンマやマグロになる
>ことはない。
http://openblog.meblog.biz/article/2224374.html
Posted by shinok30 at 2012年08月26日 09:58
>というわけで、低レベルの動物では、「異種間の交雑が起こることもあるぞ」と主張する
>ことはできるが、だからといって、それを高レベルの生物(脊椎動物)にまで当てはめる
>ことはできない。
http://openblog.meblog.biz/article/2640962.html
 
>染色体数の変化と種分化と進化 投稿者:shinok30 投稿日:2012年 6月19日(火)03時01分38秒
http://6609.teacup.com/natrom/bbs/13748
でも紹介したのですが,
そもそも,家畜ウシはゼブ牛とタウルス牛という異なる系統種の交雑によって作られたもので
さらに,家畜ウシと各地のウシ族(アメリカンバイソン,バリウシ,バンテン等)の雑種は
オスは不妊ですがメスには繁殖能力があり,
>mtDNAシトクロームb遺伝子・核酸配列解析:ヤク、ガウル、バンテンとアメリカンバイソンは
>家畜ウシとの間で何らかの遺伝的交流があった
http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/ikushu/syllabus/hinsyugaku1.pdf
と推定されています
 
また,ロバとウマの雑種のうち,
オスのケッテイやラバが妊娠させる能力を持っていたという記録はありませんが,
メスのラバが子を産んだ例はいくつか報告されていたりするように,
雑種の不妊や生存不能といった接合後隔離は雌雄で対等に起るとは限りません
 
これはホールデンの法則(規則)と呼ばれる経験則で,
「系統の異なる動物の雑種第1代で一方の性にのみ現れない、少ない、
 あるいは不妊といった異常が見られる場合、  
 そちらの性が異型接合(ヒトでいえばXYの性染色体をもつ男性)の方だ」
というものです
> 人類は古くから家畜や家禽を用いて種間・属間交配を行い、得られる雑種強勢 (ヘテロシス) 効
> 人類は古くから家畜や家禽を用いて種間・属間交配を行い、得られる雑種強勢 (ヘテロシス)
>効果を農業や生活の向上に役立ててきた。しかし、異種ゲノムが出会うことで雑種に不妊や発育
>不全が生じることも知られている。ホールデンの法則 (1922) は哺乳類と鳥類によく当てはまり、
>哺乳類の異種間雑種はオス (XY型) に、鳥類ではメス (ZW型) に配偶子形成や発育の異常が顕著
>に現れる。また哺乳類では、交配に用いる両親の雄雌の組合せによって、F1 胎仔と胎盤の発育や
>F1 個体の表現型に差が生じることがあり、ゲノムインプリンティングの関与が示唆されている。
http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/genetics/study03.html
 
このように,南堂さんのいう「高レベルの生物(脊椎動物)」であっても,
種間交雑や遺伝子浸透が起こっているという研究はあります
(南堂さんは家畜種というのが気に入らないかもしれませんが,
 野生のトゲウオ類(Yamada et al., 2001)
http://www.ingentaconnect.com/content/klu/ebfi/2001/00000061/00000003/00334998
 などでも浸透交雑が報告されていますね)


このような研究を通じて「雑種の不妊現象」が起こる場合について,
それはどのような仕組みで起こるのか?あるいはどのような進化的意義があって起こったのか?等
についての理解が進んできたのですから,
南堂さんのように「異種だがら交雑しない」と繰り返すだけでは意味がありませんよ
 
現実に,明らかに形態種として異なっている「マントヒヒとアヌビスヒヒ」の交雑や遺伝子浸透が
確認されている以上,
「異種は交雑しない」という説明だけでは通用しないでしょう
Posted by shinok30 at 2012年08月26日 10:01
> サン人とヨルバ人が遺伝的に近縁であるという証拠がない以上,
> 南堂さんが描くような分岐図は成立しません

その結論は変ですね。私の主張は「サン人とヨルバ人は遺伝的に遠い」ですよ。
「根っこが同じならば近縁だ」という発想を否定しています。
 だいたい、私の分岐図を否定するために、別の分岐図を持ってきたって、論理的には意味ないでしょう。

 私「分岐図Aは間違いなので、分岐図Bを提案する」
 shinok30「分岐図Aを正しいと仮定すれば、分岐図Bは間違いだ」

 どこがおかしいかわかりますか? 論理学を勉強しましょう。
 あなたの論理方法を取れば、「天動説は正しい。その図はこうだ。これによれば、地動説は間違っている。ゆえに地動説は間違いだ!」という論法になります。

> 突然変異による遺伝子の消失等も考慮した上で

 意味ないでしょ。先祖がネグロイドだという前提での計算なんだから。
 私の推定は先祖がコーカソイドだという前提の上の話です。

> 「データに基づかない分岐図を勝手に描き,
> 自分が思うところで,思うように遺伝子の消失が偶然起これば,データを説明できるハズだ」

 仮説というものはそういうものなんです。仮説が出たあとで、実証したり批判したりします。「仮説だけでは実証されないから、仮説を出すのははけしからん」なんて言いだしたら、ニュートンもアインシュタインも含めて、物理学の歴史はすべて否定されます。あなたの言っていることは科学主義に反する。科学主義は、仮説のあとで検証が出ます。仮説と同時に検証を要求することは非科学的。
 というか、私の仮説を否定するために、きちんとしたデータも出さずに、「既存の説は正しいと前提とすれば、この新しい仮説は間違っている」というふうに批判するあなたは、科学的な批判になっていない。もうちょっと科学的に論じてください。批判するなら具体的なデータを出してください。

 ──

> 「消失する遺伝子のほとんどが不利」なわけではありません)

 また誤読している。すぐ前に自分で引用したように、私は「不利」とは書いていません。「不要」と書いています。日本語を読みましょう。勝手読みはご遠慮ください。

> 昆虫が脊椎動物よりも下等というのはあり得ません

無脊椎動物が脊椎動物よりも下等ということは言えます。
「そんなことは起こらない」と言いたいのでしょうが、そういうことは過去において起こったんですよ。現時点での話をしているんじゃない。過去においてわれわれの先祖は魚類だったんです。そのまた先祖は無脊椎動物だったんです。

> 「高レベルの生物(脊椎動物)」であっても,
> 種間交雑や遺伝子浸透が起こっているという研究はあります

 そのことは私のページにもともと書いてあるでしょ。ビーファローの話。
 例外みたいな話にもちゃんと言及している。きちんと読みましょう。
 そのページから引用すると、こうある。
 「こういうふうに、例外的なことは、なきにしもあらず。」
 
 私が言っていることを、いちいち繰り返さなくてもいいんです。それはすでに私が言っていることなんだから。「釈迦に説法」という諺を知っていますか?
Posted by 管理人 at 2012年08月26日 10:26
コメントが増えすぎたので、本項では、コメントの受付を停止します。
 続きは、下記項目のコメント欄に書いてください。
  → http://openblog.meblog.biz/article/10918514.html
Posted by 管理人 at 2012年08月26日 10:33
  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

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