バイオ・エタノールなどのバイオ燃料をつくるなら、砂漠で作るといいだろう。一石二鳥の効果がある。 ──
石油価格が高騰したころ、「バイオ燃料を」という声が上がった。トウモロコシなどの穀類を使って、バイオエタノールを生産し、それを自動車の燃料にする(ガソリンのかわりにする)……というふうな。
しかしこれについては、私は批判した。
「そんなふうにバイオ燃料を推進するのは、問題だ。国内ではコスト的に合わない。国外では、その分、食糧価格が上がってしまう。また、熱帯林がやたらと開発されるので、地球が砂漠化してしまう」
という趣旨。
→ バイオエタノール
→ 第二世代バイオエタノール
→ バイオ燃料
→ バイオ燃料の問題
→ バイオエタノールと砂漠化
→ 原油高騰と食糧高騰の解決策
というわけで、穀類を使うような、普通のバイオエタノールは駄目だ。
──
一方、藻類を使うバイオエタノールもある。
→ 藻類でバイオ燃料
これは、上記の問題がない。
・ 森林や畑などを必要としないので、環境破壊がない。
・ 砂漠で海水を引いて池にすれば、砂漠化の逆になる。
つまり、こうだ。
熱帯雨林を開墾すると、多様な樹木のある森林が消えて、ただの畑地になるので、地球の砂漠化が進む。
一方、砂漠で海水を引いて池にして、そこで藻類を繁殖させれば、不毛の砂漠が、水と緑のあふれる地域になるので、地球緑化が進む。
要するに、穀類のバイオエタノールは地球環境を破壊するが、藻類のバイオエタノールは、砂漠で行なう限り、地球環境を改善する。
あとは、「淡水でなく海水で棲息する藻類」というのを使って、高効率にバイオエタノールを生産すればいい。
では、そういう藻類は、あるか? 一応、ある。
→ Google 検索 「海水 藻類 バイオ燃料」
とすれば、あとはこの方向で、研究が進展するのを期待すればいいだろう。
太陽光発電なんかより、こっちの方を研究してもらいたいものだ。どうせ莫大な金をかけるなら、こっちの研究に大金を投じてもらいたい。
[ 付記1 ]
砂漠に池がたくさんできれば、そこから水分が蒸発して、雨も降るようになるだろう。
アラビア半島やアフリカのサハラ地域などで、砂漠が緑化されれば、とても素晴らしいことだ。
地球温暖化の心配なんかをするより、地球砂漠化の心配をするべきだ、……というのが、私の立場だ。
→ サイト内検索 「砂漠化|緑化」
[ 付記2 ]
「人工光合成」という話題もある。
→ 「CO2の長期目標を捨てよ」 のコメント欄
関連する話題だが、たいしたことは書いてない。
[ 付記3 ]
最近、暑いですねえ。くそ暑い。
バイオ燃料が普及して、砂漠の緑化が進めば、この暑さもいくらか緩和するかもね。 (淡い期待。)
2012年08月01日
過去ログ
バイオの方が効率的であるという必然性はないとしても、無機物質を工業的に加工しただけでは今のところ生物が持っている高分子の複雑な構造や自己増殖機能が作り出せませんしね。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD18041_Y2A610C1000000/
その前段階で少量でも真水が確保できれば、点滴型の水供給で
各種農作物も生産できそうですね。日本はそのエキスパートで
もありますし、夢が広がりますね。
砂漠に海水を流し込むと水分が蒸発して塩分が濃縮されるので結局不毛の地になりますね。というかもともとの砂漠化の原因として塩害は大きいですよね。
仮に海水で繁殖できる藻だとしても使っている藻が耐えられないほどの塩分濃度になったところで終わりでしょう。
もしこれができてたらバイオ燃料の前に緑地化対策の時点でやってるはずだと思います。