2012年07月31日

◆ 蓄電池の情報

 蓄電池に関係する情報をいくつか示す。 ──

 「太陽光発電と蓄電池」という形のスマートハウスが話題になっているが、それとともに「蓄電池」が話題になっている。
 私としては蓄電池には否定的なのだが、世間の騒ぎを紹介する形で、いくつか列挙しよう。

  → 蓄電池、住宅用に活路 震災後に注文が急増 (朝日・有料記事)
  → 蓄電池・自家発電に税優遇 環境配慮の投資後押し (日経)
  → EVと据え置き型蓄電池、2つの蓄電池を活用するシステム
  → 住友林業、EVからのエネルギー供給システムを備えた戸建住宅

 で、それで、元が取れるのか? 
  → 朝日新聞デジタル:エコハウス、元を取るには 環境学者のお宅を訪ねました
 この記事を見ると、前半では「元が取れる」と書いてあるが、それは、「太陽光発電を補助金付きで購入した場合」の損得だ。つまり、蓄電池なしで、「余剰電力を売電」した場合である。
 蓄電池を使った場合は、「余剰電力を売電」という、最大のうまみが消えてしまう。いわば補助金をもらえなくなるようなものだ。もちろん、損する。
 この記事の後半では、蓄電池を利用した場合の考察もあるが、「補助金がもらえる」と書いてあるだけで、損得計算は書いてない。ま、当然だろう。「売電できなくなる損失」と「蓄電池のコスト」を合わせると、大損になるからだ。 
 要するに、蓄電池はまったく採算に乗らない。「蓄電池を使うスマートハウス」というのを、マスコミは持ち上げるが、全然、駄目なのだ。

 ──

 蓄電池の価格は、次の記事でもわかる。
  → ソニー、家庭用の大容量充電池「CP-S300」
  → ソニーの大容量蓄電池「CP-S300」で乗り切る節電の夏
 記事によると、出力は 300Wh だ。「 LED照明に約10時間分の電力」ということだが、あまりにも少ない。900W の電力を使ったら、たったの 20分で空っぽになってしまう。20分しかもたない電池に、15万円! あまりにも馬鹿げている。

 それより、小型の発電機の方がずっといい。前から何度も述べてきたとおり。
  → 家庭用の蓄電池

 発電機を回すのに、石油燃料が使いにくいというのであれば、都市ガスを使う方式もある。
  → スマートグリッドという幻想
 このページの最後に「エコウィル」というものが紹介されている。(都市ガスを使う発電機)

 ──

 さらに、もっと使いやすさを狙って、LPガスを使う発電機が新たに開発された。(最新ニュース)
  → 世界初 LPガス燃料の屋外発電機の実力
 これは、地震などで都市ガスが止まっても、LPガスが比較的早期に復旧できるということから、災害対策になる。また、震災当初の数日間は、手持ちのLPガスを使える。(点デンしても、都市ガスが切れても、大丈夫。)
 能力は、「100時間の運転が可能。発電出力は約900ワット」とのことだから、単純に考えて、90000Wh もあることなる。300Wh のソニー製蓄電池に比べて、300倍もの性能がある。このLPガスによる発電機が1台あれば、ソニー製蓄電池を 300台も買うのと同等の効果がある。しかも、設置のスペースも節約できる。
 で、価格はいくらか? ソニー製の 15万円の 300倍ぐらいの価格か? いや、たったの 23万円だ。(工事費別)

 結論。

 蓄電池というのは、馬鹿げている。あまりにもコストが高く、性能は貧弱だ。そんなものを買うくらいなら、小型の発電機を買う方がいい。(屋内には設置できないので、屋外設置に限るが。)

 なお、蓄電池を購入するとしたら、発電機を屋外設置できない場合に限られる。たとえば、次のような。
 「高層ビルの一室なので、発電機を設置できない。それでもパソコン用のバックアップ電力が必要だ」
 こういう場合ならば、蓄電池の購入をするしかないだろう。しかし、それ以外は、屋外に発電機を置いて、そこから電灯線で屋内に電気を引き込むだけでいい。(災害などの停電のときに。)
 では、災害以外では? 太陽光発電に電力を蓄電池に溜めるといいか? いや、太陽光発電ならば、電力の蓄電は必要ない。かわりに、電力会社に売電すればいい。そうすればコストの倍ぐらいの価格で売ることができるので、大幅な利益を得て、「太陽光発電への補助金」を受け取ることになる。それを捨てて蓄電池を買うとしたら、金をドブに捨てるのと同じことだ。ありえなーい。

 ※ 「太陽光発電の売電価格を上げよ」と主張する人が、「蓄電池を購入しよう」と言うとしたら、自己矛盾を起こしていることになる。愚の骨頂。……それに気づかないで、そういう主張をしている人がいる。(朝日新聞や読売新聞など。)



 [ 付記1 ]
 「電力のピークシフトのためには、太陽光発電と蓄電池の組み合わせが有利だ」
 という説もある。しかし、それは正しくない。原発ならともかく、火力発電ならば、発電量を可変的にできる。だから、火力発電さえ十分にあれば、蓄電池は不要である。
 これは、家庭用の発電機を全部ひっくるめて、火力発電にするのと同等だ。そういう方法があれば十分なので、蓄電池は不要だ。
  → 太陽光に蓄電池は不要
  
 [ 付記2 ]
 太陽光発電や風力発電の電力は不安定だ。それを火力発電だけでまかなおうとすると、火力発電の設備が過大になりすぎる。そのせいでコストがアップしてしまう。その問題を、どう解決するか? 
 それには、供給の側ではなく、需要の側で、ピークをずらせばいい。急激に供給が減少したときには、一時的に需要を急減させればいい。それは、「スマート家電」という原理で説明される。
  → スマート家電 > 蓄電池
 
 というわけで、この点でも、蓄電池は不要だ。というか、蓄電池では実現できない。仮に蓄電池でその電力をまかなうとしたら、途方もない莫大な金額がかかる。
 はっきり言って、蓄電池というものは、現時点では、実用段階に達していない。そのことは、電気自動車のリチウム電池が馬鹿高いことからもわかる。こんなに馬鹿高いものを、日常用途に使うとしたら、たちまち破産する。
posted by 管理人 at 20:46| Comment(6) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
安い発電機は出力電圧(または周波数)が不安定なのでdesktop PCのHDDに悪影響があると伺います。
しかしノートPCなら充電して使う様にすれば関係ないと伺います。
精密機器用の蓄電池(って無停電源装置UPSですが)が必要かもしれません。
あと、プロパン発電機はランニングコストが気になります。ガソリン発電機はガソリン税に辟易し、灯油や軽油の発電機を調べると大きすぎるなど、なかなか難しい問題です。
ま、原発稼動したので発電機を買うのをやめましたが、非常用に持っておきたいですね。
Posted by 京都の人 at 2012年07月31日 23:13
太陽光発電、電気自動車(蓄電池)、スマートグリッドの組み合わせが社会の主な電力供給源になるには現在の技術は貧弱すぎるというのはよくわかるのですがこれらの組み合わせの普及がピークカットに役立つという論法も駄目ですかね?。
一日の電力ピークのムラ程度ならならせそうにも見えますけど。
Posted by K at 2012年07月31日 23:50
> 安い発電機は出力電圧(または周波数)が不安定なのでdesktop PCのHDDに悪影響があると伺います。

 デスクトップも交流をいったん12Vぐらいの直流に落としてから使うので、あまり関係ないでしょう。
 しかし少しぐらいは影響するかもしれないので、その場合には、蓄電池を使ってもいい。
  発電機 → 蓄電池
 という形。蓄電池の商品は
  → http://books.meblog.biz/article/9550175.html

> ピークカットに役立つという論法

 次項で扱います。(予定)
Posted by 管理人 at 2012年08月01日 06:40
蓄電池のかわりに、……
 余剰エネルギーを圧縮空気にして巨大なタンクに保存する

 → http://wired.jp/2012/07/05/danielle-fong/
Posted by 管理人 at 2012年08月06日 11:26
物理エネルギへの変換は揚水発電みたいですね。
Posted by 京都の人 at 2012年08月06日 18:08
揚水発電は総量に限界があるので、この方法を考えたのでしょうね。
 ただ、私の考えでは、断熱構造を取らないと、熱が出たり入ったりするので、効率が下がる。そこをどうするつもりなのかを知りたいところ。
Posted by 管理人 at 2012年08月06日 20:57
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