原発事故について、国会事故調、政府事故調、民間事故調の報告が出そろった。このうち、国会事故調については、すでに批判的に評価した。
→ 国会事故調の報告を評価する
一方、政府事故調、民間事故調については、特に言及しなかった。「東電と自民党政権と政府組織における問題点の指摘」という点は、それぞれの最終報告では、それなりに生かされていた。
問題は、菅首相の介入である。つまり「東電の全面撤退という方針があったかどうか」および「介入の是非」である。
この件について、私なりに論じよう。
──
この件については、すでに下記項目で私の見解を示した。
→ 東電・全面撤退の真偽
これを読み直した上で、あらためて考え直そう。
──
争点の第1は、「東電から全面撤退の表明はあったか?」という点だ。
これについては、はっきりとしたことは言えない。ただし、次のことがすでにわかっている。
(1) テレビ会議
東電は、これについての証拠であるテレビ会議の公開を、断固として、拒否した。とすれば、東電は、嘘をついていたはずだ。とすれば、真実は、東電の述べていたことの逆であるはずだ。
(2) 作業員の証言
原発の作業員の証言がある。引用しよう。
事故発生から5日目、東電が現場にいた職員・技師たちを総員撤退させることを決定し、それを首相が押しとどめる場面。この間の経緯について、東電側は「全員を避難させるとは言っていない」としているが、現場にいたある人物は、当時の吉田昌郎所長が現場職員全員を集め、「みんな家に帰ってくれ」と語ったことを証言している。
( → Wired 〜 MSN産経 )
(3) 東電社長の証言
10人程度しか残さないつもりだった、という社長の証言がある。引用しよう。
東京電力の顧問武藤栄は、完全撤退など考えた事がなかった議論も出なかったと電気新聞が報道。意見の食い違いが生まれている。しかしながら、社長 清水正孝は、最悪の場合は10人の作業員だけを残留させる想定もあった事を、事故調査委員会で認めた。どうやら「10人残すから全面撤退ではない」という詭弁が用いられているようだが、実質的には全面撤退の方針があったと東電自身が表明している。
その後、委員長に記者からは、「10人では、全面撤退と変わらないのでは?」との質問があったが、事故調査委員会の結論として 野村修也委員は、「吉田所長が最悪の事態を想定した漠然とした人数が10人」だとし、「東京電力に全面撤退の形跡無し」と、東京電力側の主張を全面的に認める発表をした。
( → Wikipedia )
( → 東電・全面撤退の真偽 )
(4) 首相部下の証言
菅首相自身は、東電の伝達を聞いたわけではない。菅首相の部下がそれを聞いて、菅首相に伝えたのだ。
枝野幸男前官房長官は7日、読売新聞のインタビューで、東京電力福島第一原子力発電所事故後の3月15日未明、東電の清水正孝社長(当時)と電話で話した際、作業員を同原発から全面撤退させたい、との意向を伝えられたと語った。このことからわかるように、菅首相が勘違いしたということはない。仮に勘違いしたとしたら、東電の電話を受けて首相に伝えた、枝野・海江田(&その他)がそろって勘違いした、ということになる。そして、そういうふうに多数に同じ方向の勘違いをさせたとしたら、東電の伝達それ自体が不完全なものだったことになる。
東電関係者は、これまで全面撤退の申し出を否定している。菅前首相や海江田万里前経済産業相は「東電が作業員の撤退を申し出てきた」と説明してきたが、枝野氏は今回、撤退問題に関する具体的な経過を初めて公にした。
枝野氏は、清水氏の発言について「全面撤退のことだと(政府側の)全員が共有している。そういう言い方だった」と指摘した。
( → 2011年9月8日 読売新聞 )
※ なお、上記の「その他」の人物には、細野豪志も含まれる。
そのことは、次の記事から明らかになった。
→ 民間原発事故調:細野氏が菅氏の対応を擁護
(5) 元警視総監の証言
次の証言もある。( → 菅直人の決断(原発) で述べたとおり。)
午前3時前、総理応接室にいた東電幹部が「放棄」「撤退」を伊藤に明言したからだ。以上の (1)〜(5) は、これまでにもあちこちで述べたことだが、改めて、ここにまとめて記しておく。
元警視総監の伊藤はそのやりとりを鮮明に記憶している。
伊藤「第一原発から退避するというが、そんなことをしたら1号機から4号機はどうなるのか」
東電「放棄せざるを得ません」
伊藤「5号機と6号機は?」
東電「同じです。いずれコントロールできなくなりますから」
伊藤「第二原発はどうか」
東電「そちらもいずれ撤退ということになります」
( → 出典ブログ )
──
争点の第2は、「首相の介入の是非」という点だ。
これについては、是非を問う前に、着目するべき点がある。そのことは、先の東電・全面撤退の真偽でも言及している。そこから抜粋すると、次の通り。
東電社長には、質問の仕方を変えた方が良さそうだ。次のように。ここでは重大なポイントがある。それは、
「全員避難させるつもりはなかったのか? 高い放射線を浴びた作業員を死なせるつもりだったのか? 死ぬことになってもいいと思っていたのか?」
そう問えば、社長は答えがたくなって、黙ってしまうだろう。東電社長としては、「社員を死なせても仕方ない」とは、答えられないからだ。
「日本を守るためには、一部の人が死ぬことになっても仕方ない」
という覚悟を据えたのは、菅直人だけだった。そういうふうに「死の犠牲」を考えて、全責任を自分で負う覚悟があったのは、首相だけだった。
だから、ここでは、首相の決断が絶対に必要だった。東電だけに任せることはできなかった。
なぜなら、東電には、決断できない選択肢しかなかったからだ。
・ 作業員を死なせても仕方ない
・ 作業員を守るが、日本の破滅を招く
そのどちらも選択できない。合法的に、というのならば、前者は違法なので、後者を取るしかない。
だからここでは、首相の決断は、どうしても必要だった。そして菅直人は、首相として、なすべきことをなした。
これが本質だろう。
そして、そのあとで、東電が責任逃れをするために、矛盾した言動で嘘をつく。その馬鹿げた嘘を信じる一部の人々が、「正直な東電が正しい。ゆえに菅直人が間違っている」と思い込むわけだ。
「善なる行動は違法だった」
という点だ。(あとでまた繰り返す。)
自民党や国会事故調などは、「菅首相は東電の邪魔をしただけだった」と言って批判する。しかしそれは、「菅首相が何もしなければ、東電は自発的に原発事故を収束させたはずだ」ということが前提になっている。
しかし、そうか? 善なることがわかっていれば、東電は自発的に善なることをなしたのだろうか?
ここで人々が見失っている点がある。それは、次のことだ。
「ここでは、善なる行動は違法だった」
具体的には、次のことだ。
「原発事故を収束させるには、作業員が高い放射線を浴びる必要があった。しかし、労働者に高い放射線を浴びせて、死の危機に瀕するようにさせることは、労働基準法や放射線関係の法律に違反している。ゆえに、そのようなことをするのは違法である」
ここでは、次の二者択一があった。
・ 違法 …… 少数の労働者を犠牲にして、事故を収束させる。
・ 遵法 …… 労働者を一人も犠牲にせず、全面撤退する。
このような二者択一があった場合、経営者としてなすべきことは、どちらか? 実は、意外なことに、後者なのである。
経営者というものは、自分の会社のことだけに責任がある。自分の会社の労働者を守ることさえできれば、それでいい。経営者はあくまで法を守り、自社の労働者の健康を守るべきなのだ。(そのせいで日本全体が滅びようが、そんなことは知ったこっちゃない。それについては経営者は責任を負わない。)
これが法治国家としては当然の原理だ。だから、東電の経営者は、その道を選んだ。
仮に、もう一つの道(違法なことをして、少数の労働者を犠牲にして、事故を収束させること)を選んだならば、後日、法律違反の咎で、厳しく批判されて、起訴されて、有罪になるだろう。「労働者を殺す人殺し!」という非難を浴びることになるだろう。……というふうに、経営者は思ったはずだ。
だから、「放置すれば経営者が(日本にとって)最善の道を選んだはずだ」という推定は、完全に間違っているのである。
──
ここには次の原理があった。
「ここでは、善なる行動は違法だった」
こういう原理があるとき、法律を守るだけでは、国家は破滅の危機に瀕する。では、そういう場合には、どうすればいいか?
簡単だ。法を守れば破滅に瀕するのだから、法を守らなければいい。(論理的必然。)
このことは、言葉を換えると、次のように言える。
「国家存亡の危機では、超法規的措置が必要だった」
これが今回の事例における本質だ。一種の「戒厳令」のようなものだ。ここでは、次のことが発令される。
「労働基準法や放射線関係の法律などは、一時的に法を停止する。この法から逸脱した行動を取らせる。また、法律違反をしたことで、責任を問うことはない」
とすれば、次のいずれかが、絶対に必要だった。
・ 首相自身による、超法規的措置の発動。
・ 東電によるクーデターで、法律の停止。
今回は、首相自身が、その道を取った。だから問題はなく、作業は進行した。
一方、首相がその道を取らなかったら? その場合は、東電自身が違法行為をすることが必要だ。しかし、違法行為に対しては、政府筋から「法を守れ」という要請が来るかもしれない。それでも国を救うために東電が行動をするとしたら、政府を転覆させるクーデターが必要となる。次のように。
・ 東電が原発に作業員を送り込もうとする。
・ ルーピー首相が、「法律を守れ」と言って阻止する。
・ そこで東電はクーデターを起こして、官邸を占拠する。
・ 「日本国は東電の支配下に置かれた」と表明する。
・ 戒厳令が施行される。
・ 原発は停止する。日本は救われる。
・ 東電は戒厳令を解除する。
・ 政府は復活する。
ほとんど漫画であるる。しかし、こういう漫画チックな方法を取る以外には、日本を救うことができなくなるのだ。「法を守る」という原則を取る限りは。
要するに、「菅首相は東電の邪魔をしただけだった」と主張する人々は、「菅首相は何もするべきではなかった」と言っていることになる。それはまた、「東電は法律を守って国を破滅させるか、クーデターを起こして国を救うか、どちらかにするべきだった」と言っていることになる。
彼らはそういう漫画チックな道を取っているのだ。論理的に。
そして、そういう自己矛盾を含んでいることに、彼らは気づかないのである。愚かなことに。
[ 付記1 ]
「菅直人は介入するべきではなかった」
と批判する人々がいる。しかるに、現実には、介入があった。
では、その「介入」とは、実際には、どのようなものであったか? その全文はすでに明らかになっている。( → 怒鳴った菅首相 【 後日記4 】 )
今回のことの重大性は皆さんが一番わかっていると思う。政府と東電がリアルタイムで対策を打つ必要がある。私が本部長、海江田大臣と清水社長が副本部長ということになった。ここで述べていることの本質は、「超法規的措置を取る」ということだ。「そのためには自分の命をかける」という決意の表明であり、「だからこそ皆さんも命懸けの決意を取ってくれ」という表明だ。
これは2号機だけの話ではない。2号機を放棄すれば1号機、3号機、4号機から6号機。さらに福島第二のサイト、これらはどうなってしまうのか。これらを放棄してしまった場合、何ヶ月後かにはすべての原発、核廃棄物が崩壊して、放射能を発することになる。チェルノブイリの2〜3倍のもが十基、二十基と合わさる。日本の国が成立しなくなる。
何としても、命懸けでこの状況を押さえ込まない限りは、撤退して黙って見過ごすことは出来ない。そんなことをすれば、外国が「自分たちがやる」と言い出しかねない。皆さんが当事者です。命を懸けてください。逃げても逃げ切れない。情報伝達が遅いし、不正確だ。しかも間違っている。皆さん、委縮しないでくれ。必要な情報は上げてくれ。
目の前のこととともに、五時間先、十時間先、一日先、一週間先を読み行動することが大事だ。金がいくらかかってもかまわない。東電がやるしかない。日本がつぶれるかもしれない時に、撤退はあり得ない。会長、社長も覚悟を決めてくれ。六十歳以上が現地にいけばよい。自分はその覚悟でやる。撤退はあり得ない。撤退したら必ず東電はつぶれる。
このような激励は、あの緊急時には、是非とも必要であったと思う。特に、経営者がひるんでいるような状況では。……この時点において、日本は最上の首相をもつことができた、と言えるだろう。(ルーピー首相だったと思うと、ぞっとする。)
[ 付記2 ]
菅首相を批判している人々は、おそらく、次のように誤解しているのだろう。
第1に、こうだ。
「首相は原発の作業現場に出向いて、作業員たちの邪魔をして、作業を停滞させた」
現実には、そんなことはしていない。東電本社に出向いて、経営者や幹部クラスを前に、活を入れただけだ。現場にはいないのだから、作業の邪魔をするも何もない。
また、そもそも、現場の所長は、撤退準備をしていたのだ。(前述)
ただ、所長は首相の意向を聞いたあとでは、絶対に撤退せずに頑張ろうとしたらしい。「最後まで諦めまい」と。……ほとんど諦めかけていたらしいという説もあるんですけどね。
※ すぐ上の一文は間違いでした。訂正してお詫びします。
→ ご存命という記事。
第2に、こうだ。
「菅直人が何もしなければ、善意の東電は、ひたすら日本のために自己犠牲をしただろう。経営者は、あとで法律違反で逮捕されることも厭わず、日本を救うために獅子奮迅の働きをしただろう」
しかしこれはあまりにも馬鹿げている。その後もひたすら自己保身のために逃げ回っている東電経営者を信じる一方で、「自ら命をかける」という首相を信じないなんて。
そういう人々は、いわば、
「大津市で自殺をもたらしたいじめっ子は、実は正義の味方です」
と言っているようなものだ。頭がどこか狂っているのではなかろうか?
[ 付記3 ]
ともあれ、以上で示したように、三つの事故調の報告では、肝心の点で核心をつかんでいない。そのせいで、いずれの報告も、「もどかしい」「隔靴掻痒」というふうに感じられる。
そこで、これらの報告が何を見失っていたかを、本項で指摘しておいた。
【 追記 】
実際には、東電はどんなつもりでいたか? これまでは特に断定しないできたが、いろいろと考えると、かなり強く断定できるまで、推測が付く。
これまでは「論理的」「技術的」に考えたから、「東電経営者が何を考えていたかはわからない」という結論しか得られなかった。
しかしここで、新たに「心理的に分析する」という方法を取ると、東電の経営者が何を考えていたかはわかる。
その根拠は、「海水注入を拒否した」ということだ。「海水注入をすると、原子炉を廃棄しなくてはならないが、それは莫大な損失をもたらす。ゆえに、海水を注入するな。とりあえずはそばにある真水だけを使え」という方針を取った。このことから、東電の経営者が何を考えていたか、強く推測が付く。
当初は、こうだ。
・ 「最悪の事態を防ぐ」という発想はなかった。
・ 「最悪の事態が起こるはずがない」と楽観していた。
・ 「原発は安全だ」という従来の自社の方針を信じた。
こういう発想のあとで、「原子炉の暴走」「炉心溶融」という事態が、実際に発生してしまった。このとき、それまでの信念が完全に崩壊した。
となると、そこで起こった心理は、何か? 「パニック」であり、「頭が真っ白」であり、「自己喪失」である。つまり、前提が崩れてしまった以上、どうしたらいいのか、まったくわからなくなってしまったのだ。
もちろん、「最悪を防ぐ」という発想は、この時点で新たに生じることもない。平時ですら、そういう発想を持たなかったのだから、危機になって、そういう発想が生じるはずもない。
これが、当時の経営者の心理状態だ。だから、どうしたらいいのかわからないまま、とにかく「被害の拡大を防ぐ」ということしか考えられなかった。そして、「制御できないのであれば、逃げ出すしかない」というふうに考えるばかりだった。つまりは、「撤退」である。
そして、この時点でもなお、「最悪の事態を防ぐ」という発想はなかった。
そこに乗り込んだのが、菅直人だ。彼ははっきりと方針を示した。それは、「最悪の事態を防ぐ」ということだ.そのことは、彼の発言(上記)を読めば、はっきりとわかるだろう。
日本という国家が危機に瀕している。だからこの危機を解決して、日本という国家を滅亡から防ぐこと。それが最優先だ。……菅直人は、そう示したのだ。
つまり、真っ白になっていた頭に、何をなすべきかということを、はっきりと教えてあげたのだ。
菅直人がなしたのは、そういうことだ。
【 補足 】
コメント欄で情報を得たので、加筆しておく。
寺田学・元首相補佐官の証言。
東電本社に乗り込んでいった3月15日朝の緊迫感は忘れることができない。首相の到着から約40分後、突然2号機の圧力抑制室が爆発、現地の吉田昌郎所長が「撤退させてくれ」と怒鳴っている。首相は「注水の作業員だけは残してくれ」と言ったんですよ。放射能の危険を考えると重い判断です。しかし、あのまま撤退していたらどうなっていたか。それを裏付ける文書。
( → 産経新聞・2011年05月18日 :リンク切れ )
( → その転載 )
→ その画像 (元は : PDF )
──
この画像を解読すると、次のようになりそうだ。
(変更前)なお、○○○○○の部分は、私の解釈では「本部を福島」である。
2号機において、6時00分〜6時10分頃に大きな衝撃音
がしました。対策○○○○○準備ができ次第、対策本部を福島第二
へ移すことにし、避難いたします。
(変更後)
2号機において、6時00分〜6時10分頃に大きな衝撃音
がしました。作業に必要な要員を残し、準備ができ次第 念のため対策要員の
一部が一時避難いたします。
cf. http://unkar.org/r/news4vip/1343444623
つまり、「対策本部を福島第二へ」と書こうとしたのだが、いったん取り消して、「準備ができ次第」という語句を差し込んで、そのあとでふたたび「対策本部を福島第二へ移すことにし、避難いたします」と書いた。
さらにそのあとで、「これではやばい」と思ったので、「福島第二へ移すことにし、」という部分を取り消して、「念のため対策要員の一部が一時」というふうに書き直した。
要するに、いったん「対策本部を福島第二へ移すことにし、避難いたします」と書いたのだが、菅直人が「逃げるな!」と言ったので、「福島第二へ移すことにし、」という部分を取り消した上で、「作業に必要な要員を残し、」という語句を追加した。
改ざんの過程がバレバレですね。
──
これについての議論は、下記のコメント欄「2012年07月28日 09:42」を参照。
【 関連項目 】
→ 怒鳴った菅首相
→ 菅直人の決断(原発)
→ 東電・全面撤退の真偽
→ 国会事故調の報告を評価する
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2403J_U2A720C1CR8000/
──
14日の3号機の爆発後、東電の清水はうろたえ
完全撤退の要請と取られる電話を枝野と枝にかけて拒否された。
清水はその後、菅に呼び出され発言の真意を聞かれ完全撤退はないことで合意した。
これが東電本部の撤退打診。
菅が翌未明に東電に行ったのは殴り込みではなく統合対策本部の設立のため。
そこでの会議中に2号機の爆発が起こり吉田の「撤退させてくれー」という怒号がテレビ会議で流れる(寺田首相補佐官)。
それに対し菅は撤退を拒否、水の注入を続けさせる(細野)。
これがあまり知られていない吉田の撤退打診。
自分と少数は残るとしてもそれは玉砕のためで、事故対応を諦めたもの。
形式的には全面撤退ではないが、実質的には全面撤退に等しい。
→ http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1343181779/l50
──
ソースは確認していないが、この指摘はおおむね正しい、と判断する。いちおう信じていいだろう。
※ ただし文中の「枝」は「海江田」の誤りかも。
それは官邸に清水氏を呼びつけ東電は撤退しないことを確認したことで解消しています。
菅氏の東電本社訪問は徹底抗戦を訓示するための殴り込みではなくそこで合意した政府・東電の統合対策本部の最初の会合のためです。