2012年07月04日

◆ 東電の電気料金の改定

 東電の電気料金を改定せよ、という政府の方針。
  ・ 「家庭が高額で企業が低額」の是正
  ・ 「昼間が高く夜は安い制度」の導入
  ・ 「オール電化割引」の廃止 ──
 
 朝日新聞・朝刊 2012-07-04 の記事。
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 ポイントは、上記の3点だが、解説しよう。

(1)「家庭が高額で企業が低額」の是正

 「家庭が高額で企業が低額」というのは、私が前に指摘したとおり。
  → 産業用電力料金の値上げ
 また、次の報道もある。
  → 電力会社の利益、7割が家庭から 東電では9割
 
 そこでこのたび、この方針を是正しよう、という方針が政府から出た。
 経済産業省の電気料金審査専門委員会は3日、電力会社が家庭向け電気料金でもうけ過ぎている場合、電気事業法にもとづいて「料金認可申請命令」を検討するよう経産相に求める方針を固めた。
 報告案では、家庭向けと企業向けそれぞれの収支を経産省が毎年点検し、「ゆがみが著しく構造的だと認めた場合には、電力会社に料金改定を促す」ことを求める。また、「(電力会社が)これに応じない場合には、料金認可申請命令の発動を検討すべきである」とも指摘する。
( → 冒頭の朝日の記事から )
 具体的には、「家庭用電力料金の値上げ幅を圧縮する」という方針。これは妥当である。

(2)「昼間が高く夜は安い制度」の導入

 東電は節電のための「時間帯別料金」を制度化した。ピーク需要を移すことで節電を狙っている。しかしそれは、無意味なものだった。いわば、安くなる部分がなく、高くなる部分だけがあるからだ。
  → スマートメーターの正体
 そこでこのたび、この制度を改正せよ、という方針が出た。
 報告案は東電に対して、昼に電気を使うのを減らし、夜に増やした場合、もっと多くの家庭が割引を受けられるよう求める。東電は6月、夜間の電力を割り引く料金「ピークシフトプラン」を始めたが、電力を多く使う家庭にしかメリットがなく、契約数も6月末で500件にとどまっているからだ。
( ※ 出典は同上)

 具体的には、「ピーク時には高い」というのはそのままで、「ピーク時以外はきちんと安くする」ということだろう。それは一応、妥当である。
 ただし、そのためにへんてこりんなスマートメーターを強制配備するとしたら、本末転倒だ。
 私としては、「家庭用にスマートメーターの配備は必要ない」という立場だ。それよりは産業用に同じ制度を導入する方がいい。この件は、最後に [ 付記 ] の形で述べる。

(3)「オール電化割引」の廃止

 上の制度を導入するかわりに、「オール電化割引」の廃止も打ち出した。
 この割引料金を拡大する代わりに、すべてを電力でまかなうオール電化の家庭向けの「オール電化割引」は廃止するよう求める。オール電化割引は、基本料金を除く部分を約5%割り引き、夜間の電力も大きく引いている。
( ※ 出典は同上)
 これについては「ひどい!」と思う人も多いだろうが、私は前に「夜間電気料金を値上げせよ」(その分、一般の電気料金の値下げの原資とせよ)と述べた。
 「原発を停止すると電力料金が2割も上がるぞ」と池田信夫は言う。
 だが、そんなに困ったことにはならない。原発を止めれば、夜間に赤字で電力を売るのをやめればいい。深夜電力料金は昼間料金の半分以下だが、これを大幅に引き上げればいい。深夜電力料金を大幅に引き上げれば、昼間の電力は1割程度の値上げで済む。このくらいなら、受け入れ可能だ。
( → 全国の原発を即時停止できる

 「原発のコストは安いというが、深夜電力の販売価格よりは低いのだから、深夜電力についてはただの赤字にすぎない」
 ということだ。
 深夜電力は赤字なのだから、「発電しない」という方が効率的なのに、あえて赤字で販売しているのが原発だ。
( → 原発の詐欺商法

 この価格は、発電コスト(9円程度 → 出典 )を下回る。つまり、売れば得るほど、赤字なのだ。
 そして、赤字であるにもかかわらず、この値段にするというのは、発電量(電力供給)が過剰であるからだ。(いわば「デフレ」の状況である。「原価割れ」となっている。)
( → 原発のコスト(その真相)

 需要がない時期(夜間や土日)には、火力発電は特に安値販売する必要はないのだ。
( → 産業用電力料金の値上げ
 ──

 結論。

 冒頭の3点を、政府は打ち出した。このような電気料金制度の改定は、正しいことである。いずれも私が前に指摘したことだ。
 なお、その論拠は、上記で示したとおり。(政府は示していないが。)



 [ 付記 ]
 電気料金制度の改定は、上記の3点だけでは不足である。さらに次の点も必要だ。

 (1) 需給調整契約

 需給調整契約をさらに拡大するべきだ。「ピーク日の休業 or 半ドン」への大幅割引。
  → 需給調整契約を拡張せよ

 (2) 産業用電力料金

 産業用電力料金は「使えば使うほど割安」になっているので、少なくとも下記については、「使えば使うほど割高」にするべきだ。
 現状では、「使えば使うほど割安」にしておきながら、「節電してください」と語る。これでは、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなもので、馬鹿馬鹿しい。この馬鹿馬鹿しさを是正することが必要だ。
  → 産業用電力の価格を上げよ
  → 産業用電力料金の値上げ
  → 電気料金アップで一石二鳥

 政府方針は、「産業用料金の値上げ」を示しているが、単なる「値上げ」ではなく、「料金制度の改定」を併用するべきだ。つまり、「使えば使うほど割安」という料金制度を、制度改革するべきだ。

 (3) 産業用のスマートメーター

 一般の産業用電力には、スマートメーターを配備するべきだろう。つまり、時間帯料金の導入だ。
 冒頭でも述べたが、時間帯料金の導入(スマートメーターの導入)は、家庭よりも企業に対して実施するべきだ。そうすれば、自然に「サマータイム」などが推進されるし、午後休業なども自然に実施される。しかも、対象が全企業となるので、小さなコンビニなども含めて、あらゆる企業がタイムシフト(ピークシフト)に協力することになる。これによって「ピーク時電力の不足」という問題は大幅に改善するはずだ。
  


 【 関連サイト 】
 東電に自発的に任せるとどうなるか? 「独自規格のスマートメーターを導入して、値上げして、その利益を子会社に貯め込む」というふうにする。
 この件は、先に 《 お知らせ 》 で紹介したが、その元ネタとなる記事がネットで公開された。
  → 東電幹部 発注先のバカ高スマートメーター製造企業に天下り (NEWSポストセブン)
 
 ※ お暇ならば、読むといいだろう。ただし新情報があるわけではない。
 ※ ざっと見たが、週刊誌の全文ではない。部分のみ。
posted by 管理人 at 18:59| Comment(0) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
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