2012年06月03日

◆ オウム真理教の真相

 オウム真理教というものは、裁判の判決は出たが、実態は謎に包まれている。そもそも何のためにサリンを作ったのか? その謎を解明する。 ──
 
 オウム真理教というものは、麻原などの裁判の判決は出たが、実態は謎に包まれている。そもそも何のためにサリンを作ったのか? それは謎だ。
 ちなみに、Wikipedia には、次のように書いてある。
 この事件は、政府の転覆などの特定の政治的な理念・イデオロギー・思想を達成するための革命やテロリズムやクーデターではなく、ヘブンズ・ゲート事件のような信者の救済を目的とするための集団自殺でもなく、当面の警察捜査の攪乱を狙うテロルである。当時、オウム真理教に対する公証人役場事務長逮捕監禁致死事件・坂本堤弁護士一家殺害事件などの疑惑追及の動きが高まり、警察の強制捜査が想定されていた。事件2日前の3月18日、麻原ら幹部を乗せたリムジンにおいてサリンを散布する案が浮上し、強制捜査の直前に大規模な事件を起こせば、警察の捜査の目を逸らすことができると考え、朝の通勤時間帯で混雑する地下鉄内でのサリンの散布を信者達に命じた。
( → 地下鉄サリン事件 - Wikipedia
 しかしこれは、サリン作成の説明になっていない。
 「強制捜査の直前に大規模な事件を起こせば、警察の捜査の目を逸らすことができると考え、」
 というが、それが成立するためには、あらかじめサリンを作成しておく必要がある。
 つまり、上記の説明は、
 「すでに作成済みのサリンを使った理由」
 であって、
 「サリンを作成することになった理由」
 にはなっていない。
 換言すれば、こうだ。
 「地下鉄サリン事件は、別の目的のために作成したサリンを、目的外利用したものである。本来の目的は別にあり、その目的のために作成したのだが、教団が警察に狙われるという突発的な事件が起こったので、その突発的な事件に対処するため、作成済みのサリンを急遽、本来の目的とは別の目的のために転用した」
 ということだ。

 時期的にもわかる。Wikipedia によれば、
  ・ 1993年 …… サリン開発(異臭など)
  ・ 1995年 …… 地下鉄サリン事件
 ということだから、警察がうるさくなった時期よりも2年ぐらい前からサリンを開発していたことになる。というか、そもそも、警察がオウムに目を付けた理由が、オウム近辺におけるサリン検出である。( 1994年7月9日

 要するに、サリンを開発したのは、警察への対抗のためではない。それとは別の理由があった。では、それは何か? 

 ──

 すぐに思いつくのは、「テロ」「国家転覆」だ。しかし、それはありえない。サリンをいくらばらまいても、ただの「いやがらせ」ぐらいの効果しかない。百人殺そうが千人殺そうが、そのくらいのことでは国家転覆はできない。単に自分が逮捕されてしまうだけだ。だから、「テロ」「国家転覆」は、もともと目的ではなかった。つまり、「一般民衆を大量殺害すること」は目的ではなかった。
 では、何が目的だったのか? 

 ──

 このことは、論理的に考えれば、すぐにわかる。
  ・ サリンは大量殺害の兵器である。
  ・ サリンで一般国民を大量殺害する予定はなかった。

 この2点から論理的に得られる結論はただ一つ。こうだ。
 「信徒を大量殺害すること」

 これ以外にはありえない。

 ──

 では、なぜ、「信徒を大量殺害すること」を目的としたのか? それは、物事を本質的に考えれば、導き出される。

 そもそも、オウムという新興宗教は、どういうものであったか? こうだ。
  ・ 信徒をたくさん集める。
  ・ 出家させる (手持ち財産を教団に喜捨させる)
  ・ 出家した信徒を集団生活させる


 この方法は、短期的には成立するが、長期的は成立しない。最初のうちは、喜捨(つまり寄付)された財産で、教団を維持できる。だが、そのうち、その財産が底を打つ。そうなったら、教団(および信徒の集団生活)を維持できなくなる。
 これはまあ、ギリシャが破綻するようなものだ。自転車操業。最初のうちは成立するが、やがては金がなくなって、破綻する。
 
 では、この問題を解決するには、どうすればいいか? 論理的にはただ一つ。これしかない。
 「集団生活している信徒たちを大量殺害する」

 ──

 こうして、すべてが、論理的に整合する。
  ・ オウムとは、人を集めて、寄付させる「詐欺」である。
  ・ この「詐欺」は、持続可能ではない。いつか破綻する。
  ・ 破綻を避けるためには、信徒を大量殺害するしかない。
  ・ 信徒を大量殺害するために、サリンを開発・作成した。

 
 基本的には、ナチスの「ユダヤ人の大量虐殺」と同様である。ユダヤ人の財産を没収して軍事費用に充てるために、ナチスは「ユダヤ人の大量虐殺」をなした。
 オウムもまた、詐欺によって得た金を保持するために、「信徒の大量虐殺」をなそうとした。
 ただ、その最終目的を実行する前に、警察が動き出したから、それを牽制するために、サリンを目的外利用したわけだ。それが「地下鉄サリン事件」である。
 
 以上のように、「詐欺」ないし「財産搾取」という観点から見ると、オウム事件はきれいに解明される。
 
 
( ※ 「解明」とは言うけれど、本項は「仮説」の扱いです。「証拠で実証された事実」というわけではありません。念のため。)




 【 関連項目 】

  → ネット募金詐欺
 
 あれも詐欺、これも詐欺。
posted by 管理人 at 20:38 | Comment(13) | 一般(雑学)1 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
池田大作襲撃未遂が1993年にあった気もしましたが、調べてみたらこれもサリン製造後に企画されたものだとか。
南堂さんの仮説で信徒をサリンで殺すにいたらなかったのは十分な人数が集まらなかったから、ということでいいですか?
Posted by google- at 2012年06月04日 00:28
> 信徒をサリンで殺すにいたらなかったのは

 それを実行するための大量のサリンを生産する前に、警察がその場(サティアン)を襲ったからです。
 警察が襲うのがあと数カ月遅れていたら、あとには大量の死体が残っているだけで、麻原は(資金を持って)国外に逃亡していた、というふうになっていた可能性が高い。
Posted by 管理人 at 2012年06月04日 05:14
信徒殺害だけが最終目的なら、サリン70トンも必要ですかね?目標製造数だけみると、国家転覆を企てていたという方が説得力がある。
Posted by ばく at 2012年06月04日 11:19
なるほど。南堂さんの仮説には説得力を感じます。サリン70トンも製造したのは目くらましでしょう。信徒1万人を殺すのにはサリン1キロもあったら十分でしょう。しかし1キロだけ作るのでは、信徒を殺すという真の狙いが見抜かれる危険性があります。そこで、国家転覆を謀るようなふりをして70トン作った。これは真の狙いを隠すためにそうした、と推論すれば説明がつきそうです。
Posted by 山のきのこ at 2012年06月04日 14:24
うーん、その仮説の場合、信徒殺害の実行役もまた信徒になりますよね?麻原は信徒の手を借りなければ、自由に行動できない身でしたから。
仲間を全て殺害せよという命令に簡単に従えるかどうか。
(脱会しようとした仲間は殺しましたが)

教義をうまく絡めて集団自殺にもっていくとしても、数十人、数百人が限界でしょう。さらに在家信者はどうするのかとか。

仮に殺害できたとしても、発覚すれば詐欺隠蔽もへったくれもなくなる訳で。と、いうか発覚しない訳ありませんし。
Posted by ばく at 2012年06月04日 18:31
Wikipedia で調べたら、麻原は国家転覆を狙っていたそうです。東京にヘリコプターで70トンのサリンをばらまいて大量虐殺し、そのことで核戦争を引き起こし、世界が絶滅したあとで麻原が世界の支配者になる予定だったそうです。
 これが「国家転覆が狙い」という説のシナリオです。それを信用したい人は、それを信用するといいでしょう。
(SFだとしても、こんな話は誰も読まないと思うが。)

→ Wikipedia   http://j.mp/K9jozw
Posted by 管理人 at 2012年06月04日 19:15
ウガンダの神の十戒教団の話を思い出しました
「信徒を集め、財産を寄付させる」「出家した信者を集団生活させる」「終末論」など
かなり類似点がありますし、この仮説は的を射ているのではないかと思います
少なくとも信者の大量殺害は予定されていた可能性が高そうですね
Posted by 由麻 at 2012年06月05日 17:08
想像をいくら逞しくしても、真実には近づけません。ちゃんと一次資料にあたらないとダメ。
オウム事件で大学の職を失った島田裕巳氏が、贖罪として書いたハードカヴァ「オウム」に、オウム真理教の教義から導かれた、サリン製造の理由がちゃんと書いてあります。
結論から言えば、サリン製造の目的は、衆生を救うためです。罪深い衆生を救うには、殺すしかないと彼らは考えていた。
南堂さんもおっしゃるように、サリンを地下鉄にまいたのは、捜査活動を撹乱するためで、本来の使い方ではなかった。
Posted by 井上晃宏 at 2012年06月05日 21:40
それは一次資料とは言いませんよ。いくら何でも。

 正しくは? 詐欺師の宣伝パンフレット(みたいなもの)です。真実とは正反対の虚偽。
 
 まるで、ヒトラーの並べ立てたごたくを信じるようなもの。仮に、それを信じたら、ヒトラーは聖人でしょう。ビン・ラディンもね。

 学費や生活保護の募金でもそうだが、詐欺師の言葉を真に受ける人々が多すぎる。そういうのは一次資料なんかじゃありません。ゴミです。
 もっと判断力を持ちましょう。さもないと、まただまされますよ。
Posted by 管理人 at 2012年06月05日 22:07
島田裕巳氏が資料にしているのは、オウム内部で使われていた、修行用のテキストブックです。外部向けの宣伝パンフレットじゃないです。
幹部が実際に何を考えていたのかは、わからない。しかし、信徒の間では、教義がコンセンサスになってたのです。いくら麻原が独裁体制を敷いてたといっても、命令すれば、何でも言うことをきくわけじゃない。教義に沿った行動しかしません。

宗教団体の話をするのに、教義に立ち入って研究するのは当然だと思います。それをきちんとやった人は、宗教学者では島田裕巳氏と、他には、インド宗教の研究者数名だけです。
Posted by 井上晃宏 at 2012年06月06日 06:28
幹部が麻原の言動や説法を残した700本からの録音テープにも、麻原が国家転覆を計っていたと思われる言動があります。麻原から言わせれば、オウムによる救済なのですが。その為の手段として、サリンやVXガスが言及されています。
あと上祐の宗教団体光の輪はHPでオウム時代の総括を公開しています。側近幹部しかわからない結構深い内容なので、面白いですよ。
Posted by ばく at 2012年06月06日 12:41
精神分析学では、患者は自分を正当化させるために、先生に対して自分を正当化させる嘘をつく。また、自分では本当だと思っていても結果的に嘘であることが判明する。

真の目的は、事実と行動の検証から導き出すほかなく。麻原が幹部を騙そうと思おうが、どうかはあまり関係ない。サリンの使用予想からの結果の推測で矛盾を含め、整合性が取れる結果が推定事実である。狂気の師が何を思っていたか、言っていたかは、あまり関係ない。
Posted by ヘリ at 2012年06月06日 16:38
江川紹子も含めて、オウムが何をやったかについて検証する人は多いし、それも必要なんですが、いかにして、ああいう妄想が出てきたかの検証も、また、必要なんですよ。そうしないと、クローズドな宗教団体を、社会がどう取り扱っていくべきかがわからない。
オウム真理教には、ノストラダムスとかキリスト教の終末論などが入っていて、一見、めちゃくちゃな気がしますが、インド古代のタントリズムを少しばかり勉強すると、かなり論理的にスジが通ってます。
Posted by 井上晃宏 at 2012年06月07日 07:45
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ