高速バスの大量死という事故では、保険金が払われるそうだ。
針生社長らは事故の経緯のほか、両社が加入している保険の概要を説明。対人、対物無制限の任意保険で補償し、具体的な手続きは保険会社が対応するとした。別の記事によると、会社には試算がないし、倒産するので、補償金は出せないという。全額が保険会社の支払いとなる。
( → 高速バス事故被害者説明会 )
しかし、このように「会社は何ら負担せず、すべては保険会社が払う」というのでは、「保険の加入者の全員が事故の報奨金を払う」というのと同義だ。
ただの偶発的な事故ならば、それでもいいが、「違法行為による危険運転」が事故の原因である場合には、「一般の人々が金を払う」というのは理不尽だ。むしろ、
「違法行為をした人が金を払う」
というシステムにしないと、次の事故の予防効果もない。
では、どうするべきか?
──
私が提案するのは、次の制度だ。
「違法特約つきの保険。違法行為によって死亡事故が起こった場合、普通の事故に比べて、慰謝料をずっと多く払う。たとえば、5000万円ぐらい多く払う」
これは次のことを意味する。
「違法行為があれば、保険会社が大損する」
これは次の結果をもたらす。
「違法行為があるかないか、保険会社がチェックする」
これは具体的には次のことを意味する。
「対象の会社に、『違法行為があるかどうか』を抜き打ちでチェックするような、審査体制が構築される。私立探偵会社みたいなもの。ときどきその審査がなされて、もし違法行為が見つかった場合には、保険会社はそのことを世間に告知し、かつ、保険を解約する」
この制度を有効にするには、次のことが必要だ。
「違法特約のある保険を結んでいないバス運行会社は、営業停止にする」
──
結論。
保険制度によって事故の安全を確保することができる。それは、「違法行為による事故があった場合には保険金を上積みする」という制度だ。
この制度の保険をバス会社に義務づければ、バス会社の違法性を、保険会社の責任でチェックするようになる。危険な違法行為は、自動的に解消される。たとえば、今回のような、「名義貸し」ないし「兼業」や、「過重な労働時間」や、「人員の不足」など。
《 注記 》
保険制度をうまく使うだけで、「安全無視はかえって損」というシステムを構築できるので、自然に安全性が確保されるようになる。
事故が起こったら、「誰かを罰する」というような警察主義に頼るよりは、「もともとの安全性を確保する」というシステムを整備する方が、好ましいのだ。
【 関連項目 】
本項で述べたのは、違法行為による危険性をなくすことだけだ。
一方、今回の事故の本質的な問題は、道路公団の危険な道路設備である。事故が起こったこと自体は、バス会社や運転手の責任だが、事故が起こったときに被害がこれほどにも拡大したのは、道路公団の責任である。
→ 防音壁がギロチン
