2012年05月12日

◆ エコ・ランプによる危険性

 エコを理由として、LED などの真っ白なヘッドランプが自動車につけられるようになった。これは「まぶしい」として不評である。しかも、事故の危険性がある。 ──
 
 エコを理由として、LED などの真っ白なヘッドランプが自動車につけられるようになった。これは「まぶしい」として不評である。
  → 検索
 特に、次のページがある。
  → 車のLEDのヘッドライトってムカつく!! (知恵袋)

 これを読むとわかるように、LED ではなく HID であることが多いようだ。
  → HIDランプ ( Wikipedia )

 ま、どっちでも色の特性には大差ない。その特徴は? 「真っ白だ」ということだ。
 そして、そのことゆえに、「まぶしさ」を感じさせて、人を不快にする。感情的に不快にするだけでなく、まぶしさゆえに視力を低下させて、事故の危険性を高める

 ──

 このことは生物学的に理由が付くのだが、知らない人も多いようなので、説明しておく。
 人間の網膜には、桿体と錐体という二種類の視細胞がある。
  ・ 桿体 …… 光量に感じる。暗いところで明るさに反応。青さに敏感。
  ・ 錐体 …… 色覚に感じる。明るいところで色に反応。暖色に敏感。


 昼間は、明るいところで、錐体によって色を感じている。
 夜間は、色はほとんど感じないまま、暗さのなかでほのかな明るさを感じている。青さに敏感なので、物はすべて青っぽく見える。

 このことを理解すると、次のことがわかる。
 「強いまぶしさを受けたとき、そのまぶしさのなかの青さ成分のせいで、桿体細胞がマヒ状態になることがある。そうなると、桿体細胞が働かなくなって、夜間で物が見えない状態になる。また、マヒ状態になった桿体細胞は、痛みにも似た不快感を感じる。それは、まぶしすぎる、という感覚だ」

 このことから、次のように結論できる。
 「暖色である白熱ランプの光があふれていても、青さ成分は少ないので、桿体細胞は正常に働く。夜のなかで、暗闇にあるものがちゃんと見える。一方、純白である HID ランプの光があふれると、青さ成分が多いので、桿体細胞がまぶしさを感じながら、マヒ状態になる。夜のなかで、暗がりにあるものがちゃんと見えなくなる。そのせいで、事故の危険性が著しく高まる」

 要するに、真っ白な光を見たとき、昼間ならば「まぶしい」という不快感を感じるだけで済むのだが、夜にはまさしく「暗がりにあるものが見えなくなる」という危険状態を招く。そのせいで、事故の危険性が高まる。
 たとえば、路側を歩いている歩行者が見えなくなって、歩行者をはねる。あるいは、路側にある電信柱やガードレールが見えなくなって、それとぶつかる。(すぐそばに近づくまで気づかなくなり、気づいたときにはもう遅い。)

 結論。

 人間の目の特性ゆえに、ヘッドライトは青さ成分を減らさなくてはならない。にもかかわらず、「エコだからいい」という理由で、純白のランプを増やすと、そのことで事故の危険性が著しく高まる。
 エコを重視して、安全性をないがしろにする、というわけだ。それはちょうど、福島の原発事故と同じ原理である。
posted by 管理人 at 19:25| Comment(3) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
色温度が高いヘッドライトが増えているのは、エコとは関係なくて流行ですよ。
HIDでも色温度が低いタイプも売ってますから。
私自身は、色温度が低い暖色系の方が好きです。
雨の日なんかも見やすいですし。
Posted by IKP at 2012年05月13日 00:29
レイリー散乱のせいで青白い光は眩しく感じますね。
降雨や霧でも赤い停止信号やテールランプが見やすいです。逆に蒼白のフォグランプなんぞ使えません。

さて、日本人が青白い光を選んだ理由はエコだけではないでしょう。
・日本人は色温度の高い昼光色とかの青白が好きな事。
・加齢で眼球の短波長側の透過率が下がる事。
 ⇒決裁権者が青や紫を識別する為に必要
この二つが白い光のブームの源と思われます。
※テイルランプを白にしようとする人々も見受けられます。

また、クルマの発電量のマージンを考えるとHIDはエコよりも同じ光量を得るための配線類やランプユニットの放熱負荷を抑えることが主目的の様な気がします。結果的に軽量化でエコになるかもしれませんが、微々たる効果と思われます。

発光側のエゴが暗がりを減らしたいので、その光を浴びた側が幻惑されるというのは良くない事なので、対向車線を考慮した光軸設計が必要なのででしょう。
Posted by 京都の人 at 2012年05月13日 00:37
上記の話は、光源の色が青いとか電球色だからという理由ではないですね。

HIDは鋭いスペクトルがいくつか出て光っているランプです。つまり色がまんべんなく出ていない。極端に言うと、青と青緑と緑とオレンジあたりの4色か5色しか光っていないんです。
青白いのが強調されているタイプは赤とかオレンジで光る成分が少なかったり入っていなかったりします。

いくつかの特定の波長しか出ていなくても人間の目は3色しか認識できないので錯覚を起こして白く見えているだけですので、そんなスペクトルが欠落した明るいだけの質が低い光源だと疲れたりイライラしたりするのは当然と言えば当然です。微妙な特定の色が認識しにくかったり認識できないのですから。

また、HIDでは構造的に発光ベースとなるのが水銀を利用するので、水色の他に紫に近い青色を盛大に出しますが、これは夜間に路上の白線やガードレールをUVライトのようにより明るく照らし出す効果があり、この点も重視されて車で採用されたという経緯もあります。

一方LEDでは、青の発光と、なだらかな欠落がない連続スペクトルが出ますので、直視しないですむような光源配置で、特に電球色でしたら日常使用に何の問題もないです。車用としては配光や放熱の問題がまだ解決しきっていないので、普及にはまだ時間がかかりますが。

明るさと眩しさを混同して考えてしまいがちですが、どんな光源でも、色がどうあれ眩しすぎる一点からの光を直視すると不快になります。今までは電球ぐらいが輝度の上限だったので、目の特性的になんとか平気だったのが、それを超える点発光の超高輝度の光源を見ることが増えてしまったので不快感が増しているのだと思います。

ネット上で、光源の色だけで照明のことを語る記述が多いですが、要は光源の色のバランスですので、青がいい悪いという単純な問題ではないです。青くて不快な明かりは存在しますが、それはバランスが破綻しているだけです。

あと、人間は長い年月太陽の下で生活してきて、紫外線や赤外線のような見えない波長も、皮膚で感じ取る能力を持っていますので、そこの部分が反応しないのに青が強いと生理的な違和感や不快感を感じるなんて言うこともあるかもしれません。

それと桿体の感度は青は低くて550nmあたりの青緑から緑あたりの感度が最大です。青色の感度は最も低いですよ。
Posted by きみたか at 2012年05月15日 13:36
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