反原発派の朝日が「節電しよう」と主張している。
《 電力需給検証―全国で節電していこう 》つまり、「昨夏は節電の努力をして有効だったから、もっと努力して、もっと効果を得ましょう」というわけだ。しかし、それは成立しない。
この夏の電力需給がどうなるか。政府の検証委員会の結論がほぼまとまった。検証委は、昨夏とこの冬を通じ、原発約10基分にあたる1千万キロワット程度の節電が定着したとみている。これをどれぐらい伸ばすことができるかが、この夏のチャレンジだ。
検証の過程では、コンピューターが集積し、一般に「節電が困難」とされるデータセンターなどでも、昨夏、10%以上の節電に成功した例が注目された。
空調や照明を調整したり、電気の使用量をリアルタイムで確認できるシステムを導入したりした結果だ。多少の設備投資はいるものの、継続的な省エネ効果が期待でき、数年で投資額は回収できる。
スーパーや飲食店など小口の需要家を束ねることで一定の節電量を確保し、電力会社と取引する新しいビジネスについても紹介された。
また、ピーク時の節電だけでなく、朝の7〜9時や夜8時〜午前1時ぐらいに節電すると、揚水発電で水をくみ上げる時間が長くなり、昼間の電力供給が増えることも確認された。
検証委には、電力各社も出席し、情報を共有した。節電量を売買するネガワット取引や節電を促す料金メニューを導入したり、管内の需要家に協力を求めたりする際に、こうしたデータを生かさない手はない。
( → 朝日・社説 2012-05-11 )
・ 昨年の節電は、無理強いされた企業で、さまざまな弊害が生じた。
・ 昨年の節電は、過剰であった。たいていの日は電力が大幅に余っていた。
→ 昨年の電力データ
・ 節電が真に必要なのは、年に数日だけだ。
結局、節電が必要なのは、ピーク日だけだ。それ以外のときには、節電は必要ない。ゆえに、普段は節電は無意味だし、節電は必要ない。
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朝日の主張が駄目なのは、「無駄な努力をいっぱい積み重ねる」という精神主義に陥っているせいで、「有効なことなし遂げる」という道を見失ってしまうことだ。小さな努力をいっぱい積み重ねることで、「節電しました、偉いでしょう」と褒めてもらいたがっている。それでは駄目だ。多大な努力が大切なのではない。結果としての効果が大切なのだ。そして、結果としての効果を実現するために必要なのは、こまめな努力ではなくて、政策なのである。
「ピーク日には、企業が休業して、産業用電力を引き下げること」
これによって一挙にお大幅に電力需要が下がる。最大限、一挙に半減する。その効果の大きさは、「夏休み中(お盆のころ)には電力需要が大幅に下がる」ということからもわかる。
だから、電力逼迫の問題を解決するために必要なのは、「多大な努力をすること」ではなく、逆に、「怠けること」なのである。ぐうたらして、何もしないで、寝転がっていることこそ大切なのだ。人々がみんなそうすれば、電力需要は一挙に半減する。クーラーの需要が増えようが、ちっとも問題ではない。そもそも、猛暑のときは、クーラーの効いた部屋で昼寝をしているのが最善だ。工場なんかで汗水垂らして、電力を馬鹿食いして、せっせと働く必要はないのだ。ぐうたらすることこそ、日本を救うのである。
朝日みたいに「節電のために努力しましょう」なんてのは、いわば、「竹槍でB29を撃ち落としましょう。大和魂こそ大事だ」というような精神主義だ。つまりは、アホ。Ahohi 新聞。
[ 付記 ]
実は、朝日社説の唱えるような節電の努力はほとんど効果はない、ということは、先日の朝日新聞の記事に掲載されていた。それを本サイトでも、数日前(5月06日)の項目で紹介した。再掲しよう。
昨夏の実状を検証したところ、これらの対策はほとんど効果がない。皆無だとは言えないが、1%とか2%とか、そんなところなのだ。一方、大々的に効果があったのは、工場の「土日操業」や「夜間操業」や「休業」などだったそうだ。朝日は社説を書く前に、朝日新聞の記事を読むべきだ。そうすれば、馬鹿げた主張をしないで済む。
以上は、朝日新聞・朝刊 2012-05-06 の記事から。(紙の新聞のみ。ネットにはない。)
( → 夏の電力不足の対策 )
甲子園。。。関西だな。
あれこそ節電すべきだ。
「教育上良くない」
と跳ねられたそうです。
まだ体も十分できてない高校生を、真夏に全力でプレイさせることが、「教育上いい」と思ってるのでしょうかね。