橋下市長は、「(年金など)所得の再配分をになうのは、消費税ではなく、所得税であるべきだ」と主張する。
消費税を社会保障目的税としている国などない。それは何故か。消費税は所得の再分配に使う税ではないからだ。所得の再分配に使う税は、まさに所得税(法人税を含む)。稼いだ人から、稼ぎの少ない人への再分配。消費税で所得の再分配をしようとするから、逆進性が問題になり低所得者対策の話になる。
— 橋下徹さん (@t_ishin) 4月 5, 2012 このことから、
・ 所得税 …… 所得の再配分のため (年金などの社会保障)
・ 消費税 …… 住民サービスのため (自治体の財源)
というふうに主張する。
しかしこれは、「所得の再配分」という意味を、根本的に誤解している認識だ。
──
所得税には累進制がある。これは事実だ。
この累進制ゆえに、所得税にはそれ自体に「所得の再配分」という機能がある。国民には1円も還付しなくても、国民に等分のサービス(教育やインフラ整備など)を提供するだけでいい。そうすれば、自動的に、「所得の再配分」がなされることになる。……これが「所得税は所得の再配分機能をもつ」ということだ。
ところが橋下市長は、そこを誤解した。「所得税は、所得の再配分のためにある。だから、所得の再配分(年金)をするための税は、所得税に頼るべきだ」と。
論理が転倒していますね。あまりにも馬鹿馬鹿しいのだが、ようやく、彼の言っていることがわかった。「所得の再配分」という語の意味を、初心者ふうに誤解しているわけだ。
──
では、正しくは? 所得税は、それ自体が、「所得の再配分」の機能をもつ。徴収するだけで、「所得の再配分」の機能をもつ。
一方、金を支給する意味での「所得の再配分」は、社会保障がになう。それぞれは別々のことだ。しかし橋下市長は、そこを混同する。
所得税 = 所得の再配分
社会保障 = 所得の再配分
∴ 所得税 = 社会保障
という理屈。これはインチキ論理である。
当然ながら、「所得の再配分」のための財源は、所得税に限られない。そもそも、金に色は付いていないのだから、どれを財源にするかは、意味がない。何を財源にしようが、社会保障をすれば、それは「所得の再配分」になる。
「所得の再配分」をしたければ、所得税を引き上げてもいいし、社会保障費を増やしてもいい。ただし、「社会保障費を増やすための金は所得税に限る」なんていう馬鹿理屈は成立しない。……それがわからないのが、橋下流の素人解釈だ。
[ 付記1 ]
ついでに言えば、「消費税」もまた、所得の再配分の機能をもつ。
例示しよう。
所得 所得税 実質所得 消費税 10% 受領サービス 差し引き
100 0 100 10 30 +20
300 50 250 25 30 + 5
1000 300 700 70 30 -40
こうして、消費税によって「所得の再配分」がなされる。これは「消費税による所得の再配分」だ。それはそれで成立する。
このことを「所得税が本来的にもつ、所得の再配分機能」と混同してはならない。(混同するのが橋下だ。)
[ 付記2 ]
ついでだが、上の例では、消費税は「実質所得」に比例しているが、「課税前所得」に対しては逆進的である。低所得者では 10%なのに、高所得者では 7%となっているからだ。これをもって、
「消費税は逆進的だ」
と主張する人もいるが、論理が狂っている。消費税は課税後の実質所得にほぼ比例するのだから、課税前の所得に対しては逆進的になるのは当然のことだ。こんなこともわからないで「消費税は逆進的だ」と主張するなんて、税というものを理解していないも同然だ。

本項は短期的な景気対策とは別で、長期的な財政対策です。
短期的な景気対策には、別の方法を用います。
私が好きなのは、手品の種明かしと、詐欺の種明かし。論理レベルの興味で扱っている。経済学ともちょっと違いますね。橋下さんの主張は、経済学にはなっていない。経済学説のひとつなんてものじゃない。素人による勘違いにすぎない。ただ、それがきわめて高度なので、詐欺師ふうになって、人々をだますことに成功している。
で、だまされてしまう人が多いので、私が論理詐欺を指摘しているわけ。
私の言った「消費性向」とは、実質所得の違いによる消費性向の差を意味していました。つまり、所得の多い人が所得に比例して(消費税を支払うような)消費をしているのか?という疑問です。
考慮に入れたことで話が引っくり返るとまでは思いませんが、それを省いては付記1の例示、ひいては「種明かし」の説得力が落ちるのではないでしょうか。
つまり、そういう部分が一つでもあると、種明かしにも何かの「種」があるように見えてしまうということです。
消費されない分は、貯蓄されます。その金は将来いつか消費に回ります。そのとき消費税を払えばいい。そして、あとになるほど消費税は高くなるので、あとになるほど多額の消費税を払います。それでOK。
逆に言うと、資産家の子孫は、過去から受け継いだ資産を消費するときに、消費税を払う必要がある。「所得税重視」の発想だと、彼らは税を払う必要がないが、消費税重視の発想だと、彼らは莫大な税を払う必要がある。
あとになって高い税を払うことは少しも悪いことではない。「今は税を払わないで済むぞ」と喜んでいれば、あとになって多額の税を払うハメになるだけだ。いや、消費税を払う前に、相続税でがっぽり取られる。その方が国にとって有利。
村上春樹はすごい金持ちだけど、(凡人並みに)粗衣粗食の質素な暮らし。一方で、ホリエモンみたいに、贅沢三昧で美食と女遊びに大金を使う人もいる。そこで「後者の人々は消費に応じて税を負担するべきだ」というのが、普通の発想です。一方、「どちらも所得は同じだから、ホリエモンは質素な人と同じだけの税負担でいい」と見なす人もいます。あげく、「所得がゼロで、大金を相続した人は、税を払わなくてもいい」となる。
どっちが公正な税制でしょうか?
高橋洋一氏の持論そのままだと理解しています。
(本稿の所得税云々も高橋氏の著書で繰り返し主張されています)
過剰なまでの官僚叩き等の一面も、氏からの影響でしょう。
所得税を極端に高率にすると、金持ちはまともに税金を払わなくなるから、かえって不公平になります。
たとえば、10万円を一律で給付すれば、年間支出 200万円×5% に相当する額が免除されることになります。このことで低所得の人ほど、消費税が低くなることになります。家族3人の世帯で 30万円が還付されれば、年間支出 600万円×5% に相当する額が免除されることになります。
全然、逆進的でないですね。
所得税を極端に高くすると、金持ちはまともに税金を払わなくなる、まさに根源的な問題がここにありますね。資本主義の負の側面が世界中を覆い尽くしている観がありますが、所詮、税制だけでそれを是正するとことが困難としても、累進的に税率が上がる税金の役割の重要性は増しているのではと思います。
本サイトでは「 .com 」が入ると、投稿できなくなることがあるようです。サイトの不具合・バグみたいなもので。
だったら、次のように提案してください。
「消費に比例して還付する。消費額が300万円ならば30万円を還付する。消費税が1000万円ならば100万円を還付する。金持ちほどたくさん還付する」
一方、普通の制度は、「全員に一律に還付する」です。それが納得できないのであれば、消費税を10%にしたあとで、「金持ち優遇の比例還付」を実行すればいいのです。それでいいですね? 消費税廃止と同じですから、お望み通りでしょう。
教訓。感情で納得できないことも、数字で実例を示せば、真偽が判明する。しかし、真偽が判明したあとでも、人は感情に従って、間違いの方を取りたがる。「おまえの金を100円取ってから、200円を返す」と言われると、「100円を取られたくない!」と大反対する。
管理人さんの青字の例は、あくまで所得による消費が全て同じように行われた架空の世界、もしくは金持ちの資産が全て消費に回った遠い将来の世界でしか成り立たないのではないのでしょうか?
タイムラグがありすぎるんですね。逆に30の受領サービスは、ほぼ同時に必要になるかと思います。そのへんが「逆進性」を生むのですね。(低所得者が高所得者が消費する前に、30のサービスを受けられないで死んでしまえば元も子もありません)
先進国では日本より消費税が高いといわれておりますが、食料品のような必需品の税率は安く(あるいは0%)、高所得者の買う贅沢品は高くなっている…ちょうど昔の日本の「物品税」のようなものですが、それではいかんのでしょうか?
あと「脱税」の問題を指摘されておりますが、斉藤貴雄の「消費税のカラクリ」(講談社現代新書)によりますと、消費税は国税滞納額ワースト1だそうです。なぜそうなるか?下請け、中小企業が消費税分を価格に添加できない(元請けとの力関係や大手との価格競争による)からなんですが…
あと「仕入額控除」のカラクリがあって、これは本来、流通の過程で消費税が何重にもかからないようにするためのものですから、正社員の賃金は「仕入れ」ではないのでその対象外です。ところが「派遣社員」に切り替えると「仕入額控除」が聞くので「節税」が出来ます。消費税率を上げると、よけい正社員が減り、派遣・不安定労働が増えるでしょう(別の規制をすればよいのでしょうが)
最後に、「輸出戻し税」というのがあって、輸出企業には最終製品の価格が、これまで積み重なってきた消費税を含んでいるので、税制が違う国に輸出した場合、その分が帰ってきます。計算上は「公平」なのですが、多くの輸出企業は下請けに対する価格決定権を持っていますから、それらの企業は下請けに実質消費税を払っていない(価格に転嫁させていない)にもかかわらず、払ったものとして国から還付金が返って来ます。消費税を増税すると、それらの輸出企業はウハウハです。このように、消費税でも「脱税」が出来るのです…しかも見えない形で…
「消費税と社会福祉」を実施しない場合には、金持ち優遇になります。わかりますか?
で、「消費が将来に延期されるから課税も将来に延期される」ということですが、それは別に問題ない、と何度も述べています。所得の分は所得に課税され、消費の分は消費に課税される。消費についての課税をしなければ、金持ちは課税ゼロです。それで問題ない。
なぜか? 仮に「消費税廃止」ならば、金持ち課税もゼロなので、金持ちも平民もみんな納税しないことになります。(そのかわり福祉が一律で削減されます。)金持ちが永遠に消費しないとしても、それでも「消費税ゼロ」に戻るのと同じことです。つまり次の選択です。
・ 消費税ゼロで金持ちは納税免除。(平民も)
・ 消費税ありで金持ちは将来納税
いくら時間が遅れても、納税がある方が、その分、所得再配分がなされます。消費税ゼロならば、所得再配分はゼロであり、金持ちは永遠に納税なしです。
さらに言えば、過去の金持ちがごっそりと消費して納税しますから、金持ち全体としては納税は猶予されません。(これも前に述べたとおり。)たとえば20年前に100億円を残して死んだ大金持ちは、相続税を払い、さらに、子孫が多額の消費税支払いをします。以前は3%の消費税でしたが、将来は10%の消費税です。遅れれば遅れるほど多額の税を払います。
以上、すべて述べたことの繰り返しです。私の話をきちんと読んでください。回答はすでになされています。
複数税率は、それでも構いませんが、「一律給付」の方がもっと簡単で効果は大きい。これによって「消費額に応じた可変税率」となるので、消費税そのものが累進税率になります。貧乏人は消費税率がゼロで、金持ちは消費税率が指定の通り(現状では5%、将来は10%)となります。生活保護世帯では、消費税率がマイナスになります。
──
なお、所得税は、最高税率が50%なので、これ以上上げることはできません。上げるとしたら、中所得者と低所得者の所得税を上げるしかありません。その場合には金持ち優遇となります。逆進性どころか、「低所得者専用の課税で、高所得者は課税免除」となります。それが所得税の増税です。
なお、仮に所得税率を50%よりも高くすると、高所得者は納税よりも節税を選ぶので、税収はかえって減ってしまいます。その場合、高所得者は「課税免除」どころか「課税額減少」となります。最悪の結果。
「所得税を上げる」という方針は、結果的には「高所得者の納税を減少させる」ということになります。高所得者は誰もが孫正義の真似をして、まともに税金を払わなくなります。
──
なお、橋下さんの意見は、「所得税を上げる」ではありません。前に述べたとおり。
仮に「所得税を下げて間接税を上げる」という提案があったなら、それへの反論として、あるみさんの説は成立します。「いや、間接税よりも所得税の方がいい」と。
しかし今は、そういう提案はありません。「間接税を上げて所得再配分に回す」ということの是非だけです。それへの反対論は、「ほぼ人頭割で保険料を徴収する」ということです。消費比例税に対して、人頭割の保険料を徴収するわけです。だから、「人頭割の方がいい」というのならば、それは反論として成立します。しかし「所得税の方がいい」というのは成立しません。所得税はすでに存在しているからです。
では、「所得税の存在」ではなく「所得税の引き上げ」ならばいいか? その場合、最高税率は上限に達しているのでこれ以上引き上げることはできず、中下位層でのみ引き上げることになります。その場合は累進制がかえって緩和されます。日本の所得税は、中下位層の納税が極端に低くて、極端な累進制となっています。それに対して、中下位層でのみ引き上げることで、累進制を緩和します。そうすれば、所得税の引き上げが可能です。
だから、「所得税を引き上げて累進制を緩和せよ」というのならば、理屈としては成立します。しかしそれはあるみさんの立場に根源的に矛盾します。
あるみさんの主張は、「所得税がない」場合にのみ成立します。すでに所得税がある場合には、「所得税を存在させよ」という主張は、根源的に成立しません。また「所得税を引き上げよ」という主張は、逆効果です。
すでに述べたように、金には「収入」と「支出」の面があります。「収入」の面にだけ着目して、「支出」の面について完全免税すれば、得をするのは金持ちだけです。そして、免税のかわりに導入されるのは、「人頭割」の保険料です。現状では、そういう面がかなり強い。健保であれ、年金であれ、「人頭割」が基本です。それがお好みですか?
日本の納税額は基本的には低すぎるので、もっと大幅に所得税を上げた方がいいでしょう。特に中下位層に対して大幅に税率アップするべきです。それによって日本の財政も健全化します。
将来的に景気が回復したら、財政健全化のために、中下位層の所得税を大幅に引き上げるべきでしょうね。その意味で、「所得税を上げよ」というあるみさんの見解には賛成します。
ただ、所得税も消費税も、どちらも上げるべきでしょう。ものすごい財政赤字があるので。(景気回復後には、という条件が付くが。)
※ なお、増税したからといって、国民が損することはありません。増税は一般的に言って、国民生活を改善します。(公共事業でなく社会福祉に使うのであれば。)
※ 財政健全化のために使えば、日本のギリシア化を避けることができるので、いっそう有益な使途になります。社会福祉よりは、こちらの方が優先するでしょう。
──
なお、中下位層の税率を上げたからといって、不公平になるわけではありません。たとえば、国民に一律に 50%の所得税をかけたとしても、それは所得比例税ですから、金持ちほど多くを納税します。そのあと、一律で所得再配分をすれば、貧乏人ほど得をするので、国民は幸福です。
こういう制度を実施しているのがスウェーデンです。そこでは所得税はすごく高いけれど、充実した福祉があるので、国民は幸福です。
日本もこれをめざすといいでしょう。つまり、中下位層の所得税を大幅に引き上げるべきです。当面は、50%ではなくて、30%か40%の所得税をめざすと良さそうです。
得る金 − 払う金 = 差し引き
この差し引きがプラスなら得。この差し引きがマイナスなら損。これが基本式です。わかりますね? (小学生でも、わかるはずです。)
しかし本項でコメントしている人は、それがわかりません。「累進制」「比例制」という言葉にばかりこだわっています。
累進制であれ比例制であれ、逆累進制であれ、どうだっていいんです。「定額制」よりもマシであれば、差し引きはプラスになります。
たとえば、20を受け取るとして、支払額は、
比例制 …… 貧乏人 10 平民 20 金持ち 30
逆累進制 … 貧乏人 15 平民 20 金持ち 25
逆累進制では、比例制よりも、貧乏人の負担が大きい。それでも、定額 20 の還付を受けられる限り、「定額 20の支払い」をするよりは有利です。
つまり、差し引きがプラスなら得。差し引きがマイナスなら損。
この当り前のことがわからない人が多すぎる。彼らは「貧乏人 15 平民 20 金持ち 25」では逆累進制だからイヤだ、と言い張る。そのあげく、結果的には、差し引きでプラスになる道を取らない。「逆累進制なんか金持ち優遇だ」と大反対する。
累進制という余計な概念に惑わされるせいで、単純に損得を考えることができなくなってしまう。
人の思想がいかに偏見によって歪むか、ということが、よくわかるでしょう。
──
なお、この原理は、次のことで説明されます。
「人は最高のものをもらっているときには、次善のものでは満足できない。黄金をもらっているときには、銀では満足できない。『黄金を上げるだけでなく、もう一つ銀を上げますよ』と言われると、『そんなのイヤだ。もう一つ黄金を寄越せ!』と言い張って、結局、銀をもらえなくなる。欲張ったせいで、かえって得をできなくなる」
了解しました(^^)
これまで消費税は「社会福祉」に使われてこなかった…「法人税減税」の財源となっている。そして今後もそうなるだろう…「取りっぱぐれ」の無いハズの消費税滞納額は増大し、中小企業はバタバタ倒産、そして全員が不安定雇用…これは政治を変えんとイケマセンな。
本項の話題はあくまで「橋下のインチキ理論」です。
なので、ちょっと横槍の様で申し訳ないんですが、
本文中およびコメント欄の「配分」は「分配」の間違いです。
いや、日本語としてはどっちでもいいんですが、経済学の用語としてね。
皮肉にも橋下さんだけが「分配」と言っているので。
→ http://nando.seesaa.net/article/268631924.html