太陽光発電の買い取り価格を 42円という高価格にすることで、11%の増加が見込める……という政府の試算がある。しかしこれは、見込み違いになるだろう。その誤算の例は、フランスにある。 ──
太陽光発電の買い取り価格を 42円という高価格にすることで、11%の増加が見込める……という政府の試算がある。前出の通り。
→ 太陽光の負担金が月5万円
しかしこれは、見込み違いになるだろう。なぜか?
そもそも、何事であれ、失敗したくなければ、他人の失敗を見ればいい。他山の石だ。
そこで、同じ失敗の例を探すと、フランスの例が見つかる。
→ フランスは太陽光バブルの反省からソーラーパネルの導入量を制限してる
フランスでも同様の例があったのだ。「高値にすれば普及が促進されるだろう」と見込んで、高値に設定した。そうしたら、申込みが殺到して、とんでもない多数になった。そこであわてて、申込みを制限した。
つまり、「普及」を目的とした制度を取ったら、「数が多すぎて困ってしまいました」という理由で、数を制限している。まったく、何やっているんだか。増やしたいんだか、増やしたくないんだか。あまりにも馬鹿げている。
その顛末は、上記のリンク先を参照。
[ 付記 ]
そこで記されているように、「オークション」にすれば、この問題は避けられる。
例。
普及を11%増と決めて、その額になるまで、買い上げ価格の低い事業者から受け付ける。たとえば、25円を提示した業者とは、その値段で買い取りをする。
30円までで、予定量がいっぱいになると、30円超の価格を提示した業者とは契約しない。
【 関連サイト 】
(1)
買い取りにオークションを取り入れる、という案は、日本政府も考慮したようだ。このような情報については、検索するといい。
→ Google 検索
(2)
ドイツの買い取り価格はどのくらいか……という件については、下記を参照。(孫引きのデータがある。)
→ 池田信夫ブログ
ここにもいろいろと資料がある。
→ http://kettya.com/2012/log04259466.htm
2012年04月30日
過去ログ
政策的オークションの歴史はさらに古く、90年代に英国で試みられた「RO(Renewables Obligation)」があります。しかし、落札が低コストな風力発電ができる強風地帯の大プロジェクトに集中し、反対運動が起きて中止が相次ぐなど、惨憺たる結果になりました。
このように、過去の再エネ政策は世界的にも試行錯誤と失敗の歴史であり、安定した制度であったためしがありません。多分、再エネ自体があまりに高コストで不安定だからどう制度設計してもそうなるのでしょう。管理人さん同様、私もまず技術開発を待つべき。で、後押しする社会システムとしてはグリーン電力+その購入者への税制優遇くらいのユルいものにしておくのが健全だと思います。
いいまとめですね。ありがとうございました。