2012年04月28日

◆ 避難による死者が 1618人

 福島の原発事故のあと、(放射線や津波を理由とする)避難による死者は 1618人になった。一方、放射線そのものによる死者はゼロだ。 ──

 地震と原発を理由とする避難にともなって、ストレスその他の理由で死ぬ人が増えている。「震災関連死」として 1618人になるそうだ。
 東日本大震災の発生後、避難生活から体調を崩すなどして亡くなった「震災関連死」が、3月末時点の速報値で 1618人にのぼることが27日、復興庁のまとめで明らかになった。
 関連死は、長引く避難生活やけがの悪化などが原因で亡くなるケース。
( → 朝日新聞 2012-04-28
 これは、「放射線が怖い」と避難した人と、「津波で住居をなくした」と避難した人との、双方がある。いずれにせよ、避難したことによる健康悪化で、死を招いたことになる。

 とすれば、これらの人々をなるべく自宅に戻すべきだろう。津波で家をなくした人々は、帰る家がないから仕方ないが、放射線で避難した人々は、帰る家がある。とすれば、さっさと自宅に帰った方が、死亡率は下がるはずだ。特に、高齢者は。

 実を言うと、人間でなくパソコンの引っ越しでも、ものすごく手間がかかる。まして、人間が引っ越すとなると、あまりにも面倒で、高齢者の手には負えかねるだろう。実際、「引っ越しをしたら、まもなくポックリ死んでしまった」という高齢者は、かなりいる。
 ならば、「引っ越し」という負担をかけるよりは、自宅で負担なしに暮らす方がずっと健康にいい。現状はまるで、「塩分を取ると健康に悪いので、かわりに青酸カリを取ります」というようなものだ。かえって危険の高い道を選んでいる。

 放射線の避難では、年20mSv 以上の地域は避難対象となっている。だが、年 50mSv ぐらいまでなら、帰宅を(禁止せずに)認めるべきだろう。この範囲まで認めれば、大多数の人が帰宅できるはずだ。そうすれば、大量の死者を防げる。特に、高齢者は。
( ※ 別に若い子供を居住させるわけではない。高齢者だけだ。)

 なのに、
 「放射線は怖い」
 と騒いでいる人々(そして避難を強要している人々)は、高齢者を大量殺人しているのも同然だろう。
 特に、政府が問題だ。年20mSv 以上の地域で一律に帰宅禁止にしているからだ。
 
  ……………………………………………………

  帰宅禁止は、部分的には解除されており、立ち入りが許されることもある。だが、ここは「居住制限区域」とされ、原則として居住は禁止である。
 居住制限、避難指示解除準備の両区域とも夜間滞在は認められておらず「無人」となる。
( → 福島民報 2012-04-15
 地域の区別はこうだ。( → 出典
  ・ 居住制限区域

    …… 20mSv以上 50mSv未満。数年後の帰宅を目指して除染を進める地域
  ・ 帰宅準備区域

    …… 20mSv未満。帰宅に向けて、除染やインフラ整備を進める地域



 以下は、直接の関連はないが、周辺的な話題。

 [ 付記1 ]
 「死者 1618人」という数字は、鵜呑みにしない方がいい。これは「避難したせいで死んだ数」というふうに報道されているが、実際にはそうではないからだ。
 なぜか? 避難をやめたからといって、死ななくなるわけではないからだ。せいぜい死ぬ時期が早まっただけのことだ。
 その意味で、「避難して死ぬ」というよりは、「避難して寿命を縮める」という言い方の方が正しい。
 どちらかというと、「インフルエンザの死者数」を計算するときのように、「超過死者数」という概念を使う方がいい。
 たとえば、本来ならば高齢者は 200人が死ぬところだったのに、避難のせいで死者が 300人に増えたから、超過死者数は 100人だ、というふうに。
 なのに、「避難して死んだ人が 300人いるから、避難による死者数は 300人だ」と計算するのは、おかしい。このおかしい数字が、報道の数字だ。
 だから、「避難のせいで死んだ、大被害が出た!」と大騒ぎするのはおかしい。
  
 [ 付記2 ]
 とすれば、「震災のせいで死んだから、大金を寄越せ」というのも、おかしいですね。その発想は、若者には当てはまるかもしれないが、高齢者には当てはまるはずがない。人はいずれは死ぬものだからだ。
 しかるに、政府や民間団体は、高齢者にも莫大な弔慰金などを払っているようだ。

 参考情報。

 民間の義援金は、額は数十万円。
 政府の災害弔慰金は、「生計維持者の方が死亡した場合 500万円、その他の方が死亡した場合 250万円」とのこと。
    → 厚労省のページ
 いずれの場合も、基準は同様らしい。つまり、90歳の病弱な高齢者が死んでも、40歳の働き盛りの健康な人が死んでも、同じ額であるようだ。おかしな制度ですね。

 私としては、「一律」ではなくて、「平均余命に応じて支払う」という方が妥当だと思う。
 例。 80歳の高齢者は、平均余命が9年なので、弔慰金は 1割だけを払う。
 例。 幼児は、平均余命が 90年ぐらいあるので、弔慰金は満額を支払う。
 例。 40歳の大人は、余命が 50年ぐらいだから、弔慰金は6割を払う。
    ただし、生計維持者ならば、加算して2〜3倍を遺族に払う。
    
posted by 管理人 at 15:46 | Comment(3) |  震災(東北・能登) | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
関連する記事。
 「放射能が怖いのは文系、低所得、非正規、無職」 ――慶応大の調査結果 
 → http://careerconnection.jp/biz/economics/content_254.html

 元記事(慶應大)
 → http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2011/kr7a430000094z75.html
Posted by 管理人 at 2012年04月28日 20:15
高齢者は自宅にいたほうが…という説には賛成です。ただ、完全に自給自足で切るならいいのですが、
・電気、ガス、上下水道
・ごみ収集
・役場
・商店
・物流
など、社会インフラを支える人たちがその地域で働こうとするかという問題もあるかと思います。
ましてや、今は「これから避難するか、自宅にとどまるか」という段階ではなく、既に避難をしてしまっているわけで、避難先で暮らし続けるのと、もう一度手間隙かけて、社会インフラの整っていない自宅に戻るのを考えた場合はどうなんでしょう?
Posted by のび at 2012年04月29日 09:41
私も考えましたが、一日中そこで過ごすのではなくて、隔日に5時間ぐらい過ごすだけなら、年50mSvの土地に来ても問題ないと思います。
 商店は無理でしょうが、ゴミ収集や郵便配達は可能でしょう。
 それでも良い、という人だけが過ごせばいい。買物は外へ出掛けるか、配達に頼ることになる。

 ただ、50mSv を越える地域だと、それも無理になりそうですね。
Posted by 管理人 at 2012年04月29日 10:48
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