橋下・大阪市長が、一転して、「原発再稼働を認めてもいい」と言い出した。「府民が認めるなら」という条件で。
大阪市の橋下徹市長は26日、関西電力大飯原発3、4号機を再稼働しない場合の夏の電力需給について、「(需要の)ピーク時にみんなで我慢できるかどうか。府県民に厳しいライフスタイルの変更をお願いする。それが無理なら原発を再稼働するしかない」と述べ、「原発か節電か」の二者択一を住民に訴える考えを示した。記事では、転向の理由として、「安全はそこそこでも快適な生活を望むのか、不便な生活を受け入れるか、二つに一つだ」というふうに示されているが、そんなことは今さら理屈にならない。
橋下市長はこれまで安全性を確認する手続きが不十分なことを理由に原発再稼働に反対してきたが、「理想論ばかり掲げてはだめ。生活に負担があることをしっかり示して府県民に判断してもらう」と強調した。
( → 毎日新聞 2012年04月26日 )
そもそも、彼のもともとの主張は「節電か/再稼働か」ではなくて「計画停電を受け入れる」だったはずだ。
ちなみに、二日前の 24日には、「朝日新聞・橋下番のツイッターが正確です」と述べながら、朝日のツイッターをリツイートしていた。その内容を掲載すると、次の通り。
「仮に今年の夏、関電管内で原発の運転を再開しないで大幅に電力不足になるとしたら」という前提を示したうえで、「節電や一時的な計画停電が必要になってもよいか」と聞くと、近畿で「なってもよい」が77%と多数を占めました。いかにも勇ましい口調だが、その要旨は、こうだ。
電力不足になるとの前提で節電や一時的な計画停電を容認する回答が近畿で77%となった点。橋下氏「やっぱり国民の皆さん本当に賢明です。日本人は本当にすばらしいなとつくづく思いました。
橋下氏「計画停電とか簡単に言うことは慎まないといけないなと思った。僕が言いたかったのは最後に腹をくくればという意味。すぐ計画停電をやればいいとは思っていない。関西の府県民が77%、最後はやってもかまわないと言ってくださるのであれば、政治家としてそれに乗っかったらいい」
橋下氏「政治家が説得し、信頼を得て、うそはつかない、情報は全部出す、今後の方針はしっかり出した上で、府県民の皆さんに付いてきてくださいと言うべきだ。77%なんて数字が出ると思ってもみませんでした。
橋下氏「そう(計画停電に)ならないように全力は尽くすが、ここまで(近畿の府県民が)腹をくくってくれたなら、一致団結して新しい電力供給体制に向けて第一歩を踏み出す環境にある。だから、チャレンジしていくのが政治家の役割だと思う」。
( → 橋下徹の twilog のリツイート(朝日のツイッター) )
「自分は計画停電にあまり本気では無かったが、賢明な府民が計画停電になってもいいというのならば、そこに向けて第一歩を踏み出そう。計画停電を受け入れるという決断をするのが政治家の役割だ。府民には(私に)付いてきてくださいと言おう」
これが 24日の発言要旨である。
ところが今回はそれとは正反対のことを言い出した。
「理想論ばかり掲げてはだめ。生活に負担があることをしっかり示して府県民に判断してもらう」
つまり、次の三点だ。
・ 再稼働をするべきでないという理想論は駄目だ。
・ 計画停電では生活に被害があるということに気づいてもらいたい。
・ 判断は府県民にしてもらう。
呆れる。どのツラ下げて、そんなことを言うのか。おまえが言うな! と言いたい。
そもそも、橋下はそれとは逆のことを言っていたはずだ。次のように。
・ 再稼働をするべきでないという理想論を言っていたのは、橋下だ。
・ 計画停電では生活に被害があるということに気づかなかったのは、橋下だ。
・ 判断は(府県民でなく)政治家がするべきだ、と言ったのは、橋下だ。
なのに、それとは正反対のことを言い出して、シレッとしているとは。
人の意見を自分の意見のごとく言う前に、
「私は間違っていたので、これまでの説を撤回します」
と述べて、謝罪するのが先決だろう。まったく、厚かましい。(弁護士だからかな。)
[ 付記1 ]
橋下は、「住民が節電したくないなら(再稼働する)」なんて言って、(節電しない)住民のせいにする。
実は、企業が夏休みを取れば済む問題なのだが、「猛暑のときにクーラーを付ける住民が悪い」と責任転嫁する。ひどい屁理屈だ。論理のすり替えだ。
本当の理由は、「企業に休めと言えない、橋下自身の無能さ」である。ここでも自分の無能さの責任を、住民になすりつけている。屁理屈ばかりうまい奴だ。ふてぶてしい。
[ 付記2 ]
橋下は、「住民が節電したくないなら」なんて言うが、実は、「節電なんかしなくていい」と言ったのは、去年の橋下だ。
→ 橋下知事、15%節電に「協力するつもりない」
→ 節電要請に協力せずと橋下知事
→ 「節電協力しない。原発推進のブラフに思える」
→ 橋下知事「過度な節電必要ない」
とはいえ、その後に朝令暮改ふうに、「節電します」と転向した。
→ 橋下知事 エアコン一斉停止呼び掛けも
→ 橋下知事、朝令暮改…「庁舎節電やめる」やめる
そのあとでまた節電反対論。
→ 冬も節電要請で批判
あまりにもたびたび転向するので、昨年のうちに皮肉られている。
→ 橋下「節電→節電しない→節電→節電しない→節電」
ハチャメチャの極み。頭がどうかしているんだろうか? せめて過去の自分の発言を覚えていればいいのに。
【 関連項目 】
→ 計画停電を試行せよ(大阪で)
→ 大阪で広域停電?
タイムスタンプは 下記 ↓
本当に「脱原発」したいのなら、経団連に文句を言ったり、あるいは(ファシズムであっても)、「脱原発」を叫ぶ市民グループと連携すべきなんですけどね
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120427-OYT1T00015.htm
「橋下市長「大飯原発の再稼働なければ増税も」」
大阪市の橋下徹市長は26日、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働が認められない場合、代替エネルギー促進などにかかる行政コストの確保のため、「増税も検討しなければいけない」と述べた。
→ http://d.hatena.ne.jp/hiiragi-june/20080409
→ http://twilog.org/t_ishin/date-120504
再稼働に進んだと思ったら、また元の方向に戻ってしまったようだ。「安全が大切だ」と主張するのはいいが、「だから安全対策をする」(私の主張)には進まず、「だから安全が確認されるまで原発を止める」というふうになってしまっている。
いったい、再稼働するんだか、しないんだか、どっちなのか決めてほしいね。主張があまりにもふらつきすぎる。
自己矛盾というか、多重人格というか。……
危険対策だろ?安全に対策してどうするの?
君子豹変の使い方も適当だし、、、
そのあとで、知恵袋にでも行けば? 日本語相談の相手は、私じゃありません。