・ 政府は買い取り価格を 42円に
・ 安いのはCIS型
・ 高性能なのはCIS型 ──
いくつかの情報があるので、並列的に述べる。
(1) 政府は買い取り価格を 42円に
太陽光発電の買い取り価格が、kWh あたり 42円になりそうだという。
→ 太陽光発電は税込み42円 買い取り価格、経産省調整
これは妥当か? 実は、ドイツでは、42円のちょうど半額の 21円である。
→ ドイツの太陽光発電 1
その倍の価格にしようというのだから、とんでもない高価格だ。売る方は暴利を得る。「国民の金をごっそり頂戴しよう」というふうになる。国家的な犯罪制度と言えるだろう。
一般に、個人の家から 10円を盗めば、逮捕されて、懲役2年ぐらいだ。一方、国民全体から莫大な金を奪えば、「クリーンですね」と褒められるらしい。どうせ盗むなら大々的に盗め、という教訓か。
それにしても、政府が泥棒に加担するとは、世も末だ。ぴかぴか光るソフトな禿げ頭に、目をくらまされたせいか。
(2) 安いのはCIS型
太陽電池の主流はシリコン型だが、CIS型というのもある。私は以前、これを「有望だ」と紹介した。
→ CIS太陽電池 (2009年04月15日)
それから三年たった現在、例によって私の予言が的中した。シリコン型は安価な中国製の前に青息吐息だが、CIS型は安価に製造できている。
→ 太陽光発電のテレビ通販! 価格破壊
政府の「42円」というのは、高価な国産シリコン型を前提としているようだが、CIS型にすればもっと安価にできるのだ。そういうことを隠して、価格を決めるのだから、ほとんど詐欺ですね。
年金 2000億円詐欺なんて、政府のやる詐欺に比べれば、かわいいもんだ。私はここでちゃんと指摘しておこう。「42円という価格設定は、年金 2000億円詐欺と同様で、数字をゴマ化しているインチキだ」と。
それでまあ、人々はあっさりだまされて、数兆円を支払うつもりなのだろう。
(3) 高性能なのはCIS型
CIS型は、価格が安いだけでなく、性能も高い。
第1に、パネルの一部に影が差しても、ちゃんと発電する。一方、普通のシリコン型は、パネルの一部に影が差すと、たちまち発電量が低下する。その実験は、こちら。
→ http://kyusho.blog.moo.jp/?eid=1453964
第2に、ソフトバンクの大規模な実証実験があるが、それによると、CIS型(つまり ソーラーフロンティア製)は、最も性能が高い。グラフは下記だ。

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このグラフの出典は → ソフトバンク
このグラフは4月のデータだが、2月、3月のデータおよび解説記事は、下記にある。
→ グラフと解説
(4) 42円ならばボロ儲け
ソーラーパネルの性能は向上していき、価格は低下していくので、42円ならばボロ儲けできるそうだ。次に実例が示してある。
→ 8万円で太陽光発電システムが導入できる
これを利用して、自治体が屋根貸しで金儲けしよう、という案もある。
→ 太陽光発電に屋根貸します 足利市の公共施設
これを知らされた橋下徹・大阪市長が、ツイッターで、「じゃ、おれも」と言い出した。さすがにガメツイ。
→ お願いします。 RT 大阪市でもやりませんか?
(5) 太陽光パネル撤去命令
とはいえ、世の中、甘い話ばかりではない。太陽光パネルを設置したはいいが、それが周辺住民に迷惑をかけるという理由で、撤去命令が出された例もある。
→ 太陽光パネル「反射光が苦痛」…地裁が撤去命令
[ 付記 ]
というわけで、世の中、いろいろとある。悲喜こもごも。
【 関連サイト 】
日経の記事。
→ 数字が語るメガソーラーの「不都合な現実」
いろいろと問題点を指摘している。
読んで考えればわかるように、正しい策は、「太陽光発電の普及促進を、数年間、遅らせる」ということだ。ドイツの例を見ればわかるように、すぐに価格は急低下するんだから、価格が急低下してから、補助金を出せばいい。それだけのことだ。
高価格のときに無理に 42円も出して、金を捨てる必要はない。ほんの数年間待てば、価格は劇的に下がるのだ。ただ待つだけでいい。
液晶テレビだって、1〜2年待てば、価格は大幅に低下した。価格が高いときに補助金を出しても、結果的には無駄金を大幅に費やす結果になるだけだった。
ありがとうございます。
何故、国はこんな馬鹿な価格で買おうとしているのでしょうか?本当に意図がわかりません。
金を払うのは国民ですから、国の財政がいたむわけじゃない。むしろ、「国民はクリーンなエネルギーが増えて喜ぶだろう」と思っている。実際、橋下さんは、大喜びでしょう。
科学を知らない阿呆をだまして、科学を知っている悪党がごっそり儲ける。詐欺ってのは、たいていそうです。