「地球温暖化」が話題になっていたが、私はかねて「地球温暖化ではなく地球寒冷化が進む」と予想していた。下記の各項目で。
→ 地球温暖化とバブル
→ 地球温暖化の結論
その予想は、すでに判明しつつあった。
→ 地球温暖化の有無 2
つまり、2009年02月13日の時点で、すでに「地球寒冷化」は判明しつつあった。
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さて。このたび新たに、「地球寒冷化」を裏付けるニュースが出た。太陽黒点の変動である。記事を引用しよう。
太陽の周期的な活動に異変が起き、「冬眠」に入って地球に低温期が到来する可能性があることがわかった。国立天文台や理化学研究所などが19日発表した。太陽の黒点の様子にも、過去に地球の気温が下がった時期と同様の変化が見られるという。さらに Wikipedia で調べると、こうだ。
( → 朝日新聞 2012-04-20 )
太陽は南極と北極が逆向きの磁場を持つ巨大な棒磁石のような構造で、約11年の活動周期に合わせてN極とS極がほぼ同時に反転することが分かっているが、国立天文台と理化学研究所などの国際研究チームは19日、衛星「ひので」による観測で、北極だけがS極からN極に反転し、南北両極が同じN極になりつつあることを確認したと発表した。
同様の現象は、17世紀後半から18世紀初めに長期間太陽活動が低下し、寒冷化をもたらしたとされる「マウンダー極小期」でも起きたと考えられている。近年、黒点数の減少や11年の周期が延びるなどの異変が続いており、国立天文台の常田佐久教授は「この状態が次の周期も続くと、マウンダー極小期のような時期に入ったと考えられる」と述べた。
( → 時事通信 2012-04-19 )
国立天文台と理化学研究所の研究者を中心とした国際研究チームは、太陽観測衛星「ひので」に搭載された可視光・磁場望遠鏡により、太陽極域の磁場観測を定期的に行ってきました。このたび、極域磁場の極性が予想より早く反転しつつあることを世界で初めて捉えました。( → 国立天文台 )
太陽の大局的磁場が四重極構造になる兆候が発見されました。これらの観測結果は、太陽の内部で磁場を生み出すダイナモ機構の状態が、現代的な太陽観測が始まって以来初めて、変動を来していることを示しています。地球が寒冷であったと言われるマウンダー極小期やダルトン極小期には、太陽がこのような状況にあったと考えられており、今後の推移が注目されます。
( → 国立天文台,理研 )
「マウンダー極小期」なお、黒点と温暖化の関係については、前に解説した。
マウンダー極小期の1645〜1715年の間は、非常に太陽黒点の数が少なく観測された。
マウンダー極小期は中世における小氷期中頃の寒冷期の遠因と目され、この時期のヨーロッパ、北米大陸、その他の温帯地域において冬は著しい酷寒に震え、暦の上では夏至であっても夏らしさが訪れない年が続いた。
2010年、東京大学名古屋大学・名古屋工業大学の研究チームが、この時期の日本(江戸時代初期)は周期的に雨が多い湿潤な気候であったと奈良県内の老木の年輪を分析して結論付け、論文にまとめた。
( → Wikipedia )
17世紀半ば、スイス・アルプスの氷河は徐々にその版図を低地へと広げ谷筋に広がる農場を飲み込み村全体を押し潰していった。氷河が河川を塞き止め、決壊による洪水に襲われた村も多い。テムズ川やオランダの運河・河川では一冬の間完全に凍結する光景が頻繁に見られ、人々はスケートや氷上縁日(フロスト・フェアー)に興じている。1780年の冬にはニューヨーク湾が凍結し、マンハッタンからスタッテンアイランドへ歩いて渡ることが可能であった。
この厳冬の到来は、大なり小なり人々の生活に影響を与えている。飢饉が頻繁に発生するようになり(1315年には150万人もの餓死者を記録)、疾病による死者も増加した。アイスランドの人口は半分に減少し、グリーンランドのバイキング植民地は全滅の憂き目を見た。
( → Wikipedia )
「太陽の磁場が強くなる(黒点活動で観測される)と、地球に届く宇宙線の量が減り、地球の低層雲が減る。すると雲による太陽光の吸収が減って、地球の温度は上昇する」(スベンスマルク効果)──
( → 地球温暖化と太陽・宇宙線 )
以上の話を整理すると、次の通り。
・ 「地球温暖化が起こる」と騒いだ人々が多かった。
・ その理由は、「今までは上がったから、今後も上がるだろう」という予想。
・ 私はそれを否定した。「今までは上がったなら、今後は下がる」と。
・ その原理は、「上がれば下がる」だ。( → 気温の非周期変動モデル )
・ 地球寒冷化の傾向は、2009年の時点ですでに判明していた。
・ 太陽黒点との関連は、スベンスマルク効果として知られていた。
・ 太陽黒点の変動が観測されたことで、寒冷化の予想が明確になった。(今回)
このあとは、数年かけて、寒冷化が観測で実証されていくだろう。
今はとりあえず、「寒冷化が進みつつある」という予想を理解しておけばいい。
まずは、この半年の「寒い冬」を実感しておくといいだろう。また、この夏も、冷夏になる可能性がある。
( ※ なお、気象庁の長期予報は当てにならない。はずれることの方が多いので、下駄で決める方がまだマシ。いや、気象庁の予報と反対に賭けると、当たる可能性が高まる。)
[ 余談 ]
地球は寒冷化しつつあるのに、「地球は温暖化しつつある」と勘違いして対策を取ると、地球はかえって破壊されてしまうかもしれない。炭酸ガスが増えれば、植物の生長には有利なのに、炭酸ガスをやたらと減らすと、植物の生長が減る。さらに寒冷化のせいで植物の生長が悪化して、緑が少なくなったり、地球が砂漠化したり、穀物が実らなくなって飢饉になったりするかもしれない。
考えれば、「太陽光発電で温暖化阻止」というのは、地球環境を守るどころか、地球環境を破壊することにつながりそうだ。地球環境を守るためには、太陽光発電でもなく、原発でもなく、火力発電こそが最適なのかもしれない。
ここはじっくり考えるべきだ。大金を払って太陽光発電を増やして、そのせいで人類滅亡……なんてなったら、目も当てられない。人類の運命を憂える。(こんなに真面目な人は私しかいないな。)
【 関連項目 】
→ サイト内検索「温暖化」
→ サイト内検索「寒冷化」
→ 気候シミュレーションの意義
→ 気温の非周期変動モデル
どなたかが黒点が増えたくらいで太陽定数が変わらないから温度変化に太陽の影響はないと言い切ってた人が日本の科学者にいっぱいいます。今でもそう信じてる人が多いですね。仮説ですが太陽活動が下火になると、地球に入り込む宇宙線が増えます。放射線が水蒸気を巻き込んで雲を作る量が増える。それにより太陽光線が遮られて寒冷化するといわれてます。スペンスマルク効果の逆なんだけど。こっちの考え方も正ですね。マウンダー極小期の説明をするときの事象のひとつになると思います。あのころ寒冷化した、有効な説明が他にあるんだろうか。海流の流れが違ったとか。
実際様々な生物の生息域の北限は上がってきていますし、これまで温暖化が進んできたのは間違いないようです。これからどうなるのかは分かりませんが。
所属する大学 学会 業界あっての自分達なのだから。
皆の言うとおりその業界の主流(温暖化説)に乗り、反する事は、自分達に都合の悪い事は絶対に言わない。
温暖化せず逆に寒冷化はずい分以前から言われてきたはず。
さぞ役所の研究費 企業献金 講演会講演料 など温暖化説で儲かったことだろうね。
そう言う自分も文系無知な連中相手に・・・理系はペテン師 文系は馬鹿(かわいそう)本当に今思う。
「科学は大災害を予測できるか (文春文庫)」
という本ですね。この本の扱う複雑系については、私も前から深く考えていたので、私の方が先に進んでいると思います。
上記のタイトルの質問に対しては、次のように答えます。
「地震や津波は大局的には予測できるが、細かな日時までは予測できない」
この件は「地震 予知」でサイト内検索すれば私の見解がわかります。
ま、大地震にせよ、リーマンショックにせよ、私は前から予測していたので、私みたいにきちんと予言できた人の言うことだけを信じるといいですよ。
上記著者は、「カオス理論で予測できる」なんて言っているようですが、それは嘘っぱちです。カオス理論の意味は、「予測できないことの照明」には使えるが,「カオス理論で予測できる」なんて言っている人は、カオス理論の本質を理解できていない。本質とは逆方向に走ってしまっている。
カオス理論よりももっと有益なのは、カタストロフィー理論です。
・ ここ 20年ぐらいの急激な温暖化は、主として太陽黒点のせいであり、その変動は今後は逆方向に進んで、寒冷化に向かうだろう。
・ ここ 100年ぐらいの大局的な温暖化は、主として緑地の減少(による雲量の減少)のせいだろう。この傾向は今後も続くだろう。対策は緑地を増やすことだ。
→ http://openblog.meblog.biz/article/1215098.html
→ http://openblog.meblog.biz/article/1763415.html