2012年02月28日

◆ 将来の防空システム

 将来の防空システムはどうするべきか? 機体は古い F16 にして、対空ミサイルを超近代化する、という案が考えられる。一種のロボット兵器。 ──
 
 将来の防空システムはどうするべきか? 常識を離れた形で、ゼロから考えてみよう。
 ( ※ 以下は私の個人的な考え方だから、読者は賛同しなくても構わない。)

 
 まず、常識はこうだ。
 「次世代戦闘機は、ステルス性を重視したもので、第5世代戦闘機と呼ばれる」
 その代表は F22 ラプターだ。( F35 やスホイは、ステルス製が弱いので、第 4.5 世代である。)
 ここでは、他の装備や加速性がいくら優れていても、ステルス性がないと、第5世代とは見なされない。それほどにもステルス性が重視される。
 そして、この発想のもとで、「 F22 がなければ F35 」という選択が生じた。あくまでステルス性の重視だ。

 ──

 別にそれを批判するつもりはないが、新たにゼロから考え直してみよう。
 ステルス性はたしかに重要だ。しかしそれは、「現時点では」という条件が付く。現時点では、ステルス性を撃破する方法がないから、ステルス性が重視される。しかしながら、武器は常に「盾と矛」の関係にある。今はステルス性という盾が優れていても、そのうちその盾を撃破する矛が誕生するはずだ。
 では、ステルス性を撃破する矛とは何か? 

 ──

 私としては、ステルス機を撃破する武器として、次のようなものを考えたい。
 「ステルス機は、正面からのレーダー電波を受け流すが、上方または下方からの電波を受け流すわけではない。また、遠方からのレーダー電波をほとんど無効にするが、近距離からのレーダーを無効にするわけではない。したがって、上方または下方からのレーダーで電波を近距離から受ければ、十分に補足される。そこで、そのような特性を持つ武器で、ステルス機を撃破する」

 これを原理として、次の具体的な兵器を用意する。
 「単体としての対空ミサイルではなく、4つ以上の対空ミサイル。それらがシステムとして連動して、ステルス機の上下左右で平行移動する。そのあと、ステルス機に接近して、衝突する」

 ステルス機から見ると、次のようになる。
 「最初は飛行していても、レーダーに検知されず、全然大丈夫だった」
 「その後、敵の戦闘機と出会い、目視された。やむなく逃げていくと、後ろから対空ミサイルが1機だけ発射された。そこで、エンジンを切って熱噴射をやめてから、デコイ兵器を発射した。すると、対空ミサイルは、デコイ兵器を検知して、デコイ兵器を破壊した。こうしてステルス機はまんまと対空ミサイルから逃れた。ほっとして、一安心」
 「ところが新たに、見たことのない戦闘機が現れた。そいつは一挙に4発の対空ミサイルを発射した。そこであわてて、エンジンを切って熱噴射をやめてから、デコイ兵器を発射した。ところがその4発の対空ミサイルは、デコイ兵器には目もくれない。そいつらは勝手にレーダー電波を発して、こっちに近づいてくる。ステルス機だから、正面からのレーダーには検知されないはずだ。しかし上や下から電波を発する対空ミサイルからは逃れることができない。こちらの位置は丸見えだ。逃れようとしても、4発の対空ミサイルはどんどん近づいてくる。最初は上下左右に1キロぐらいの距離でいたのだが、どんどん距離を縮めてくる」
 「1発目は上から来た。うまくかわした。2発目は下から来た。うまくかわした。3発目は? 右か左か? どっちにもいない! いつのまにか上と下に移動している。それが同時に近づいてくる。かわせない! そこで機体を90度回転させて、両者をうまくかわした。これで全部かわした! ……と思ったら、4発はいずれも残っていて、ふたたび近づいてくる! しかも今度は、上下左右にいるだけでなく、位置を回転させながら、らせん形に近づいてくる!」
 「仕方ない。急旋回して逃れよう。こちらは急激な G をかけて、8G ぐらいの加速度で急旋回をする。だが、対空ミサイルは無人機だけあって、高い G が可能だ。15Gぐらいの急旋回をして、どんどん近づいてくる。もはや逃れるすべはない。しかし4発のミサイルを道連れに爆破するなら、仲間の命を救ったことになるから、自分の命も無駄ではない。そう思ったとき、背後に2発が現れた。真っ赤なミサイル。そのうち1発だけが超高速で襲いかかってきた」


         madomagi.jpg         

                    画像著作権 (C) まどか☆マギカ

 ── 
 
 以上は、「無人攻撃システム」である。
 実は以前、「無人防衛システム」として、次のものを提案したことがある。
  → 無人戦闘機システム
 これは、多数の無人戦闘機をシステム運用して、防衛システムとするものだった。
 一方、本項で上述したのは、対空ミサイルをシステム運用して、攻撃システムとするものだ。この攻撃は、防空側でも、侵攻側でも、いずれにおいても攻撃において使える。単にステルス機を無効にするものだ。

 一般に、ステルス機は、1対1の戦いには強い。しかし、相手が複数の兵器からなるシステムである場合には、その優位性が崩れる。
 いわば、盾と矛の関係だ。絶対的な盾というものはない。ステルス機に対しては、それを撃破する矛というものも、十分に考えられるのだ。
 第5世代のステルス機に対しては、上記のような「無人攻撃システム」という対空ミサイルを備えたものが、優位に立つ。このような戦闘機を「第6世代戦闘機」と呼んでもいいだろう。
 
 ──

 第6世代戦闘機は、ステルス性能を持つことが好ましいが、必ずしも、ステルス性能を持たなくてもいい。それよりは、機体数を増やすことの方が、重要となるだろう。
 私としては、第6世代戦闘機として、旧式の F16 を推奨したい。価格は 2000万ドル弱だから、F35 の 10分の1程度だ。これを F35 の 10倍ぐらいの機数でそろえることを推奨する。
 そのあとは、上記のような対空ミサイルを装備すればいい。対空ミサイルを装備しても、コスト的にはそんなに高額にならずに済む。

 敵機が来た場合は、次のいずれかとなる。
 (1) F35 が少数で出撃して、敵機を迎撃する。敵機がステルス機ならば、F35 は五分五分の戦いとなり、かなり多くの機数が撃墜される。こちらの数が少なければ、数の差で負けて、制空権は奪われる。
 (2) F16 が多数で出撃して、敵機を迎撃する。敵機がステルス機ならば、上記の対空ミサイルを発射して、敵のステルス機を撃破する。敵機がステルス機でなければ、大量の対空ミサイルを個別に発射して、1発の対空ミサイルで敵機1機を撃墜する。

 後者の (2) がお勧めだ。
 そして、この場合には、勝敗を決めるものは、戦闘機本体の性能ではなく、対空ミサイルの性能だ。
 一般に、対空ミサイルは、最高速度でも、旋回性能(横方向加速度)でも、戦闘機をはるかに上回る性能が可能だ。それを電子頭脳で制御すれば、対空ミサイルは高度な無人機(飛行ロボット)となる。人間とロボットの戦いならば、ロボットの方が圧倒的に優位に立つことが可能だ。
 要するに、第6世代戦闘機では、戦闘機本体はただの「対空ミサイル搭載機」(荷物を運ぶトラックみたいなもの)であるにすぎない。武器としての本体は、対空ミサイルにある。こいつを超高度な無人ロボットとすることで、第5世代戦闘機(ステルス戦闘機)を、あっさり撃破することができる。



 [ 余談 ]
 これは私の提案だから、このことが実現するかどうかは、はっきりしない。
 私の予想では、日本の軍事オタクは「そんなの駄目だ」と批判するだろう。しかしこのページを読んだ中国の軍事オタクは「日本人のアイデアをパクろう」と思って、早速実現に向けて動き出すだろう。あるいは、韓国の企業が。  (^^);

 なお、私の述べたアイデアは、「ロボット兵器」という概念に近いから、ほとんどガンダムのようなものだ。
 ただ、ガンダムは有人操縦だが、本項のロボットは機械制御であり、はるかに電子化が進んでいる。ガンダムの世代よりは、アトムの世代に近い。プルートーみたいなイメージで考えてください。
 



PLUTO (2)

 




 【 関連情報 】
 人間が操縦するタイプの戦闘機は、もはや時代遅れになりつつある。第6世代戦闘機の前に、第 5.5世代戦闘機が出現して、それは無人の無線操縦機になっているかもしれない。
 無人航空機は、すでに偵察機や爆撃機としては存在している。
  → 無人航空機 ( Wikipedia )

( ※ なお、本項で述べているのは、無人航空機ではなくて、対空ミサイルの方である。航空機の方はオマケの扱いとなる。)
 


 【 関連項目 】
 侵攻してくる敵機を遠方から見つけるには、どうすればいいか? 「バイスタティック・レーダー」という特殊なレーダーを使えばいい。これは「多数のレーダーをシステム的に使う」という方法。下記で言及した。
  → 無人戦闘機システム
 
 この項目では、「飽和防御」という発想も紹介している。この発想を使うと、「多数の F16 」という対処は、それなりに有効だ。
 たとえば、対空ミサイルを 10発搭載した敵機に対して、こちらがその 10倍の数の F16 で応戦する。敵機の 10発がすべて日本機に的中すれば、相打ちとなるだろう。しかし、10発のうち8発しか当たらなければ、日本機は 10機中の2機が生き残る。その時点で、敵機の対空ミサイルは空っぽになっている。敵機はもはや機関銃しかない。そこでこちらの2機から対空ミサイルをお見舞いすれば、敵機は撃墜される。
 というわけで、「数がたくさんある」というのは、それなりに有益であるわけだ。しかも、「多数のものがシステム的に連携する」というふうになったら、敵にとってはすごくやっかいだ。




 ※ 以下はオマケとしての話なので、読まなくてもよい。

 [ 付記1 ]
 F35 の少数配備でなく、F16 の多数配備をすることには、別のメリットもある。それは、
 「機数が多くなるので、パイロットを多数養成できる」
 ということだ。
 たとえば、F35 を 100機配備するならば、パイロット数は 200人ぐらいだろう。このうち、100機が撃墜されると、パイロット数は残り 100人となる。このあと、F35 を戦争中に増産することができるが、たとえ F35 を増産しても、パイロットが 100人しかいないので、操縦する人がいなくなる。
 つまりここでは、「機体は増産できるが、パイロットの大量養成は間に合わない」という問題が生じる。
 一方、F16 を十倍の 1000機配備しておけば、パイロットは 1500人ぐらい養成することになる。そのうち 500機ぐらいが撃墜されても、残りのパイロットは 1000人もいる。ここで、増産するのは、F16 でなく F35 にしてもいい。その場合、F35 を操縦できるパイロットが 1000人もいるわけだから、じっくりと F35 をたくさん増産すればいい。「増産してもパイロットがいない」という問題は、こうして回避できる。
 
 [ 付記2 ]
 その意味で、配備しておく戦闘機は、「すべてが F16 」では駄目だ。「大多数は F16 だが、訓練用に F35 もいくらか用意しておく。それで少しは練習しておく。いざとなったら F35 を操縦できるようにしておく」というふうに。
 たとえば、F16 を700機と、F35 を (300機でなく)30機。パイロットは普段は F16 で訓練をするが、F35 も少しは慣れておくようにする。そして、いざ戦争が始まったら、F35 を増産する。
 ただし、自軍だけが第6世代の戦闘機をもっていれば、あっさり戦争に勝利するので、戦闘機を増産する必要はない。
 いずれにせよ、勝敗を決めるのは、戦闘機ではなくて、対空ミサイルの性能だ。(本文中に述べたとおり。)
 
posted by 管理人 at 18:39| Comment(1) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
読者から教えてもらった情報。

  → http://podcast28.blogzine.jp/milnewsblog/2012/02/2012229_f9b3.html

 このページの「四。」の箇所。一部抜粋すると、下記。
 「三菱電機が AAM-4B 空対空ミサイル〔アムラームもどき〕をアップグレードする開発を完了させた。
 この新型AAMは、世界に類例のないスペックをもっている。なんと、弾頭のレーダーが、AESA方式なのだ。」

 詳しくは、リンク先を見てください。非常に興味深い話。

 ──

 なお、著者は兵頭二十八という人。私は知らないのだが、どこかで誰かが「兵頭さんと南堂さんは発想がそっくりだ」と言っていたので、名前を覚えていた。別に私は他人の発想を読んではいないから、この人が何を考えているかは知りません。似ているとしたら、偶然の一致です。
( ※ あるいは、「真実は一つしかない」ということか。それならば偶然ではなく必然。)
Posted by 管理人 at 2012年02月29日 19:28
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ