2012年02月17日

◆ 瞳の色 & 光の感度

 瞳の色と、光の感度は、どういう関係にあるだろうか? 青い瞳は感度が高く、黒い瞳は感度が低い、と思えるが。しかし…… ──
 
 青い瞳は感度が高く、黒い瞳は感度が低い、と思える。しかし、前項のコメント欄で、次の指摘があった。
 「虹彩は光を通さないのだから、視神経の感度の問題では?」 
 これはもっともな指摘だ。瞳の色は虹彩によって決まるが、虹彩は光を通さないので、瞳の色は光の感受性には影響しない。
 要するに、瞳のうち、青や黒い部分は、光を通さないから、色は関係ない。光を通す部分(瞳孔)は、外から見ると暗いが、材質(角膜・水晶体)は透明であるから、光の通りやすさは瞳の色にかかわらず同じである。結局、瞳の色は、光の感度に影響しない。

瞳

 図の出典:Wikipedia


 
 ──

 さて。もし上の説明を額面通りに受け止めれば、瞳の色が青でも黒でも、光の感度は同じはずだ。しかるに、事実は違う。
 第1に、前項の例がある。(ウィーンの例の引用文。)
 第2に、次の説明もある。
 目の感度の話で言うと、アングロサクソン系の青い目の人たちと日本人の黒い目では 約1.5〜2倍ぐらいの感度の違いがあり、青い目の欧米人の方々の方が明るさには弱いそうです。
( → 知恵袋
 このような事実がある。これは、冒頭のこととは矛盾する。
 では、正しくは? 

 ──

 そこで、ネットを調べると、次の記述が見つかった。メラニン色素をもたないアルビノの説明。
 アルビノの方の見えにくさの原因には、極度に眩しがるという症状もあげられます。これは専門的には「羞(しゅう)明(めい)」という言葉で知られており、メラニン色素との関係で説明することができます。
 ここで問題として取り上げたいのは、意外に気づきにくいところでもある眼球内の色素不足についてです。実は、メラニン色素形成に関わる細胞は、 皮膚や毛の毛だけではなく、耳(内耳)や眼(ぶどう膜・網膜色素上皮)にも存在しています(Fig1)。このため、メラニン色素を作れないアルビノの方の 眼は、一般的な日本人の方の色(黒や茶色)とはかけ離れた灰青色となります。
 この眼の色が違うということは、言い換えれば、眼球内部の色も違うということを意味しています。つまり、普通ならぶどう膜や網膜色素上皮膚に色素がある ことで、眼球内は暗い暗幕状態を保たれますが、アルビノの方はそこに色素がないために暗幕不良な状態となってしまうのです。このため、光が眼球内に入る と、乱反射(ハレーション)を起こし極度に眩しがります。この見え方を例えるなら、プロジェクターから出る映像を明るい部屋の中でスクリーンに映している ために見えにくい状態とか、カメラの逆光状態といってもよいでしょう(Fig2)。
( → JAN
 上のページには、図も付いているから、図を見ながら見るといいだろう。その図が見にくければ、次の図を見てもいい。
  → 眼球の横断図

 まとめ。

 青い瞳では光の感度が高く、黒い瞳では光の感度が低い。それは事実である。なぜなら、瞳のメラニン色素の量と、脈絡膜のメラニン色素の量は、比例しているからだ。
 虹彩の色が直接的に光の感度に影響しているわけではない。だが、「その人のメラニン色素の量」は、虹彩でも、脈絡膜でも、同様である。(ぶどう膜におけるメラニン色素の量として現れる。)
 というわけで、瞳の色を見れば、脈絡膜におけるメラニン色素の量がわかる。そして、、脈絡膜におけるメラニン色素の量が、光の感度に直結する。(メラニン色素が多ければ、光の感度が低くなる。)



 [ 付記 ]
 他にも理由は考えられる。それは、「錐体」と「桿体」の比率だ。
 ( ※ 特に読まなくてもよい。)

 網膜には、錐体細胞と桿体細胞がある。
 錐体は、明るいところで光の色を感じ取る。暗いところでは働きを失う。
 桿体は、暗いところで、光の明るさを感じ取る。(明るいところではすぐに上限に達してしまうようだ。)
 暗いところでまともに働くのは、桿体だけだ。この桿体が、瞳の黒い人では、あまり働かないのかもしらない。たとえば、数が少ないとか。……そういう可能性はある。実際はどうか知らないので、単に可能性を示すだけにしておくが。
 なお、この件における人種差の問題については、下記に言及がある。
  → Wikipedia
  「人種間で輝度や色彩の知覚に関して違いがあると言われている。桿体・錐体の反応する主波長が異なる為だとされ、これは……(以下略)」
posted by 管理人 at 19:15| Comment(2) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
写真・印刷関連の仕事をしてる者です。
これは、以前から気になってたんですが、どうも欧米の雑誌の写真の色は彩度が低く且つ、ざらつきが大きいと感じます。これは、KODAKとかAGFAのカラー写真でも同様の傾向か有り、欧米人の色の好み?とか思ってたんですが。
この眼球の色が薄いせいで、ハレーションを起こし、見かけ上の目の感度が高く、解像度が低いのではないか?と仮定しています。そのせいで、色が滲み彩度が低い絵柄を好む傾向があると…
全くの推測ですが…この仮定の元で画像処理の結果を日本向けと欧米向けで味付けを変えてたりします。
Posted by まさやん at 2012年02月20日 00:53
興味深い話ですね。
 実は自動車の車体色でも似た傾向があり、ドイツなどでは彩度の低い車体色が好まれ、イタリアなどの南欧では彩度の高い色が好まれます。
 BMWやベンツの色と、フェラーリやプジョーの色を比べるとわかる。普通に考えると、光の弱い地方の方が、彩度が高くなりそうなんですけど、逆です。
Posted by 管理人 at 2012年02月20日 06:33
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