2012年02月16日

◆ ドイツの夜

 ドイツの夜は暗い。照明がほとんどない。なぜか? 瞳が黒くないからだ。それを日本人は真似をできない。 ──
 
 「ドイツは節電意識が高い。日本もドイツの真似をして節電せよ」
 という意見がしばしば主張される。原発反対やら、太陽光発電やら、風力発電やら。……しかしながらその主張に論拠がないことは、本サイトで何度も指摘してきた。
  ・ ドイツの太陽光発電の比率はごくわずか。(2%以下)
  ・ ドイツの電気料金はものすごく高い。(日本の2倍)
  ・ ドイツの太陽光発電パネルには雑草がかぶさっている。

  
  → http://openblog.meblog.biz/article/5308822.html
  → http://openblog.meblog.biz/article/7776364.html
  
 また、ドイツの夜は照明がなく、ほとんど真っ暗で、とても暮らしにくい。
  → http://openblog.meblog.biz/article/7776364.html#night
   ※ ドイツ生活の面白いエピソードがたくさん紹介されている。


 ──

 このうち、最後の点が、気にかかっていた。どうしてドイツではほとんど真っ暗なのか? そんなに暗いと、暮らしにくいのではないか? これに対する理由を、次のように推定した。
 「ドイツ人は瞳が黒くない。メラニン色素がないので、青や緑の瞳だ。だから、目に入る光が瞳のメラニン色素で吸収されないので、網膜には多くの光が入る。だから、弱い光でも、十分に明るく感じる」

 生物学的に言えば、アルビノ(メラニン色素欠損)みたいなものである。肌も髪も瞳も、メラニン色素が少ない。そのせいで、肌は白いし、髪は金髪だし、瞳は青や緑だ。
  → ドイツ人の髪の色と瞳の色 (知恵袋)
 そして、それだからこそ、網膜では多くの光を受光できる。欧州でも北方に位置するドイツ人だからこそ、そういうことになる。

 上のことは、推定だが、実証となる例を見つけることができた。朝日新聞の経済気象台 2012-02-16 の記事を引用しよう。(オーストリアのウィーンの例)
 ウィーンの森の中の小さなホテルで、ささやかな国際会議が開かれたときのことだ。夜も更けて会議の結論もまとまったので、一同そろって近くの湖に泳ぎに行くこととなった。すでに月は落ちて満天に薄い雲がかかり、あたりは暗闇である。われわれは一列に並んで手探りでそろそろ歩く。欧米の連中は、どんどん歩いて行き、遅れに遅れる日本の連中を怪訝そうに待っていて、「どうした? 日本人はみんな鳥目か」と言った。
 日本人には暗闇のように見える明るさでも、青い瞳の欧州人には十分な明るさに感じられるのだ。それというのも瞳の色が違うので、網膜の受光量が違うからだ。

 ──

 欧州人と日本人とは、肉体的な差がある。彼らの瞳は暗い夜に強く、われわれの瞳は明るい昼間に強い。その差はどうしようもないものだ。
 なのに、何でもかんでもドイツの真似をすればいい、というものではない。真似をするよりは、むしろ、ドイツから教訓を得る方がいいだろう。
  → 太陽光はドイツの例に学べ (失敗に学べ)



 【 追記 】
 次の指摘があった。
 「虹彩は光を通さないのだから、視神経の感度の問題では?」 
 これはもっともな指摘だ。瞳の色は虹彩によって決まるが、虹彩は光を通さないので、瞳の色は光の感受性には影響しない。では、正しくは? それは次項で説明する。
  → 瞳の色 & 光の感度
 


 【 関連サイト 】

 ドイツの夜の話
  → http://terrarossa.exblog.jp/11737637/
  → http://homepage3.nifty.com/minui/essay/senzo.html
  


 [ 余談 ]
 余談だが、「鳥目」という言葉を聞くと、鳥は夜に目が見えないと思われるが、必ずしもそうではない。例外がある。フクロウ,ヨタカ,ゴイサギ,カラスなど。
  → トリはなぜ鳥目なのですか? - 知恵袋
  → カラスは鳥目じゃない? - 教えて!goo
posted by 管理人 at 21:47 | Comment(2) | エネルギー・環境1 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やたらとサングラスを好む理由ですね。南欧系は瞳が濃い理由と繋がりそうです。
Posted by 京都の人 at 2012年02月17日 08:14
虹彩は光を通さないのだから、視神経の感度の問題では?
Posted by stranger at 2012年02月17日 12:44
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