2012年02月16日

◆ LPガス車 > 燃料電池車

 LPガス車は、燃料電池車よりもいい。自動車単体でなく、社会全体で見ると、その効率性がわかる。

  ※ 「天然ガス車」を「LPガス車」に訂正しました。
 ──
 
 燃料電池車は、水素という燃料を使って発電する自動車だが、効率その他で、不適切である。(前項 で述べたとおり。)
 一方、LPガス車もある。こちらは、燃料電池車よりもいい。そのことは、自動車単体で比較せず、社会全体として見ればわかる。次の比較を見よう。
 (1) 天然ガス = 発電 , 水素 = 自動車
 (2) LPガス = 自動車 , 水素 = 発電


       ※ LPガスと天然ガスは、ほぼ同じものである。説明は後述。


 ここで説明すると、
 (1) は、「天然ガスで発電して、水素で自動車を動かす」というものだ。
 (2) は、「LPガスで自動車を動かし、水素で発電する」というものだ。
 では、どちらが効率的か? 
 発電の側は、どっちで発電しても、大差ない。しかし自動車の方は、かなり差がある。LPガスで自動車を動かすのは普通の熱効率だが、水素で自動車を動かすのはかなり効率が悪い。化石燃料から水素燃料を作るときに、かなり無駄なエネルギーを消費してしまうからだ。
  → 水素生産のペテン
  → 燃料電池車を推進するな

 というわけで、(1)(2)を比較すれば、自動車燃料としては、水素よりもLPガスの方が優れている。水素を使う燃料電池車は、効率の点で明らかに劣っている。
 燃料電池車は、「排ガスとして水(水蒸気)しか出さないのでクリーンだ」と言われるが、結局は化石燃料を使うので、水素生産の場では炭酸ガスを出す。そして、社会全体で見れば、効率が低下する分、余分に燃料と炭酸ガスを出すことになる。
 つまり、自動車という一部だけを見ると、燃料電池車はクリーンに見えるが、水素生産工場も含めてみると、決してクリーンではない。どちらかというと、自動車にはLPガスを使う方がいい。そして、水素がどこかで余っているとしたら、その水素は「水素による発電工場」で使えばいい。具体的には、次のように。
 「太陽電池で水素を生産して、その水素で大規模な燃料電池発電所を作る」
 ここで、大規模な燃料電池発電所とは、「固定酸化型」の燃料電池を使うものだ。それならば、高効率で発電できる。( → 前項



 [ 付記1 ]
 水素エンジン車というのもある。これは、燃料電池車と、メリットは同じだ。クリーンだし、温暖化ガスも出さない。値段も比較的安価だ。熱効率は、燃料電池車よりもいくらか劣るが、加速性に優れている。
 問題は、水素を生産するシステム。燃料電池車と同様で、「どうやって水素を生産するか」という問題が残る。( → Wikipedia
 この問題は、LPガス車にはない。LPガスは安価で容易に入手できる。その意味で、燃料電池車や水素ガス車なんかを開発するよりは、LPガス車の普及をめざす方がいいだろう。
 実は、LPガス車というのは、ずっと前からある技術だし、タクシーでは何十年も前から普及している。それが個人レベルではあまり普及しないのは、「燃費はかからないが、初期投資が高い」というデメリットがあるからだ。
 とはいえ、それは、「普及していないから」(大量生産されていないから)という程度のことにすぎない。政府としては、燃料電池車なんかに補助金を出すよりは、LPガス車の方に補助金を出す方がマシだろう。燃料電池車なんて、もともとお先は真っ暗なんだから。無駄なことに金や資源を投じるべきではあるまい。

 [ 付記2 ]
 日本ではLPガス車はあまり考慮されないが、韓国では結構頑張っているようだ。たとえば、これ。
  → http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20120202/1039588/
 スタイルの点だけでも、日本車をはるかに上回っている。

 [ 付記3 ]
 以上とは全く別の道として、電気自動車もある。社会全体としては、次の流れになる。
  「原発か太陽光で発電して、その電気を電気自動車へ」
 これは、化石燃料を使わないので、最もクリーンだ。長期的には、これが有望だ。とはいえ、数年以内にこれが大々的に普及することはないだろう。電気自動車が大々的に普及するには、十年ぐらいはかかりそうだ。電気自動車は、現段階では、航続距離の点からしても、ガソリン車の代替にはなり得ない。
 あと数年間ぐらいは、電気自動車はLPガス車には勝てそうにない。
 


 【 追記 】
 天然ガスとLPガスの違いを説明しよう。
 天然ガスとLPガスは、どちらも石油系のガスであり、メタン、エタン、ブタン、プロパンなどを原料とする。
 ただし、メタンやエタンに比べて、ブタンやプロパンは分子量が大きい。分子量の大きい物質を使う方が、熱量は大きくなる。そこで、タンクにガスを収納する自動車では、分子量の大きいLPガス(ブタン・プロパン)を使う。都市ガスでは、そのまんまの天然ガスのほかに、残り物のメタンやエタンも混入されている。
 というわけで、成分は異なるものの、どちらもたいして違いはない。電気自動車や燃料電池車のように全然違うものと比較するとき(エネルギー政策を論じるとき)には、ほとんど区別の必要はない。

 


 【 関連サイト 】

  → LPガス車 (Google 検索)
posted by 管理人 at 21:46| Comment(2) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
失礼ですが、天然ガス車とLPガス車を混同されていませんでしょうか?

タクシーで普及しているのは、LPガス車ですよね。
Posted by TM at 2012年02月17日 08:48
あ、そうです。
 「天然ガス車」を「LPガス車」に読み替えてください。あとで修正します。
 頭が天然でした。
Posted by 管理人 at 2012年02月17日 11:34
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