東西の電力の周波数が異なるので、周波数変換所を増設しよう、という案がある。
《 電力融通拡大へ国が助成 東西の周波数変換所増設促す 》しかし、この周波数変換所は、稼働することはほとんどない。数十年にいっぺん、津波や地震で大問題が起こったときに、全体の一部をまかなうために稼働する、という程度のことだ。金のほとんどは、ずっと眠る機械のために費やされる。壮大なる無駄。
東日本と西日本の間でやり取りできる電気の量を増やすため、経済産業省は、東西で違う電気の周波数を変換する設備の建設を支援する方向で検討に入った。これまで設備の建設は電力会社任せだったが、建設費を国が補助するといった支援策を考え、増設を促す。
( → 朝日新聞 2012-02-12 )
そこで、代案を提案したい。
「二つの周波数に対応する発電所を、東西の中間に建設する」
これならば、発電所を建設するので、普段は無駄にならない。増設した発電所は、ちゃんと稼働するからだ。
問題は、二つの周波数に対応する、ということだ。これは、現状の発電所では困難なので、次の方式を推奨したい。
「発電機の発電用のモーターに、周波数を変換できるような外側磁石部分を2種類用意して、クラッチで切り替える」
or
「クラッチは使用せず、外側磁石部分を2通り用意して、それらを前後にスライドさせて切り替える」
細かい話はしないが、技術者ならば、頭で考えて、あれこれと具体的な方法を想定できるだろう。
※ あとでよく考えたら、そんな装置は何も必要としない。
単にエンジン or タービンの回転数を変えるだけでいい。
高速回転や低速回転で、周波数を変化させることができる。
(熱効率は少し低下するが、設備は簡単で済む。)
※ 既存の機械では無理で、専用設計の必要があるだろう。
──
なお、通常の「周波数変換器」は、モーターを使うタイプと使わないタイプがある。モーターを使うタイプならば、発電機の発電モーターと同様のものだ。だったらそれに発電用の動力装置を付けてしまえば、そのまま発電できる。そうする方が無駄がない。
なお、設置場所としては、東西の境界の海岸部だが、東海地方は地震の危険があってまずいので、日本海側(北陸地方)が妥当だろう。
また、水力発電所は、水量の調整によってモーターの回転数を変動させることができるらしいので、周波数を変えることもできそうだ。実際、水力発電所では、すでに周波数変換ができているようだ。
→ 中部電力
[ 付記 ]
本項で述べたことは、必ずしも可能だという保証はないが、技術的には十分に可能だろう。現在の発電所では無理だとしても、新規に建設する発電所では、可能になりそうだ。「技術開発が不可能だ」ということはあるまい。
なお、このように2通りに対応するとなると、発電効率は下がるかもしれない。その場合には、「常時稼働」はせず、「夏場のピーク電力対策」を主な狙いとするといいだろう。それならば、発電効率があまり高くなくてもいい。毎年夏場の1カ月ぐらい稼働するだけでいい。「数十年にいっぺん」というような周波数変換所よりは、ずっとマシだ。
【 関連項目 】
→ ボトルネックの発想(停電で) の [ 付記 ]
→ 周波数統一のプラン