東京直下地震では大量の帰宅困難者が出ると想定されている。そこで対策として、宿泊施設を大量に用意する、という案がある。
発生が予想される首都直下地震で、東京 23区のうち 11区で避難所の収容量が大幅に足りないことがわかった。記事でわかるように、観光や買い物などの客が問題だ。会社や学校に通う人は、その会社や学校で三日間ぐらい宿泊できそうだ。しかし観光や買い物などの客はどうしようもない。そこで「企業や商業施設、ホテルなどに受け入れ協力を求める」というのが、政府案だ。
都心が震源の場合、住宅が被災すると予想される都民の1割以上にあたる 27万人分の避難所が不足。また東日本大震災を機に、対策の見直しが進められている「帰宅困難者」を含めると、試算では約 130万人分以上の新たに避難先の確保が必要になる。すでに公共施設の収容能力は限界で、各区は今後、企業や商業施設、ホテルなどに受け入れ協力を求める。
公共交通機関がストップすることで自宅に帰れない帰宅困難者は推計で約 448万人。これまでは避難所を利用することは想定していなかったが、東日本大震災では、交通手段がなくなった人が、区などが住民向けに指定する避難施設に殺到した。
震災後、都などでは民間企業に対し、地震発生後は従業員を3日間程度、会社にとどめて帰宅させないように求めている。しかし、都内では観光や買い物などで訪れている人が多く、こうした人が身を寄せる避難先の施設提供が問題として浮上していた。
国の調査では、震災があった昨年3月11日、首都圏にいて帰宅できなくなった人の32%が「買い物などの外出中」だったことが判明。各区などの試算では、少なくとも100万人以上が避難先がないことがわかった。
( → 読売新聞 2012年2月2日 )
しかしこれは、馬鹿げている。
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実際に昨年3月11日にはどうだったか? 電車が動かなくなったので、繁華街のビルや駅などで休んでいる人も多かった。しかし、大半の人々は自力で帰宅した。当時のツイッターで確認したが、半日ぐらいの時間をかけて、延々と歩いて帰宅した、という人がかなりたくさんいる。自転車を買って帰宅した人もいる。
だから、宿泊施設を用意するのもいいが、もっと大切なのは、歩いて帰宅する人を支援することだ。具体的には、次のようなことが考えられる。
・ 道中では、地図(掲示板ふう)をたくさん整備する。
・ 地図には付近の避難所を明示しておく。(特に東京近郊部で)
具体的に言うと、都心から離れたところに、大量の避難場所を用意するべきだ。それは学校や公民館などでもいい。帰宅困難者は、とりあえずは2〜3時間ぐらい歩いて、近郊部の学校で宿泊するといいだろう。そして翌日、さらに2〜3時間ぐらいかけて、自宅に戻ればいい。……というわけで、都心部に大量の避難場所を確保する必要はない。大量の避難場所を確保するべき場所は、都心部よりも、近郊部だ。そして、近郊部ならば、大量の避難場所を確保することが可能だ。(円の中心から遠ざかれば、円周が長くなるので、帰宅困難者の人口密度は減る。だから収容が可能となる。)
なお、次の対策も取るといいだろう。
・ スーパーなどは運動靴を店頭で販売する。(ハイヒール対策。)
・ 自転車やローラースケートなども販売する。
・ 無事だった人々は、道路を歩く人のために、水とおむすびを提供する。
つまり、国が面倒を見るのではなく、無事だった国民が援助すればいい。そのくらいのことはできるだろう。実際、本日の大雪被害では、雪で立ち往生した人々に、住民が湯とおむすびを提供しているそうだ。(朝日・夕刊 2012-02-02 )
何でもかんでも政府任せにするべきではない。国民の一人一人が自分のできることをやるべきだ。ただ、できることが何か、わからなくなって、立ち往生している人が多い。そこで、テレビやネットで、「助け合いましょう」という情報を流すべきだ。
助け合いの情報であれ、帰宅途中のための地図であれ、地震のときに最も大切なのは情報だろう。「救援物資を提供しよう」というのが、ワン・パターンの発想だが、そういうワン・パターンの発想には、大切な情報が欠けている。
地震対策を考えるならば、まずは情報についてどうするかを考えるのがいい。特に、災害掲示板などが大切だ。
先の地震のときには、Google と Yaoo 任せといってもいいほどのひどい状況だったが、あれから1年近くたっても、次の地震の対策ができていない。
なお、私は当時、次のような掲示板をつくった。
→ 地震救援掲示板
これはあまり役立たなかったみたい。やはり政府のような大手が大規模なサイトを作るべきだ。
[ 付記 ]
冒頭の読売記事には、次の一文もあった。
都の被害想定では、首都直下地震の発生で、23区内で自宅を失うなどして避難所生活を余儀なくされる住民は計239万人と推計。しかし、足立、大田、目黒など11区では、小中学校などの公共施設をすべて活用しても、計約 27万6000人分が足りない計算だ。これはちょっと変ですね。自宅を失う人が239万人もいるとは思えない。東京都の人口は 1000万人程度なんだから、その4分の1が自宅を失うとは思えない。関東大震災のときみたいに、震災対策のない建物じゃないんだから。東日本大震災のときだって、倒壊した建物はほとんどなかった。今の建築物は、そう簡単には倒れないようになっている。多くても5%ぐらいを見込めば十分。となると、自宅を失う人はせいぜい 50万人と見込めばいい。
大切なのは、自宅を失う人ではなくて、帰宅困難者だ。そして、そのための対策は、避難場所を用意することではなくて、帰宅を助太刀することだ。そのために、帰宅途上に、いろいろと援助物資や施設を用意すればいい。
「東京に大量の施設を用意する」という政府の方針は、根本方針が狂っている。

危ないと思いますよ。
道路が歪んだり陥没したり
瓦礫や落下物なんかも散乱してる
ところもあるでしょうし
夜間の帰宅歩行者が多い所では衝突転倒で負傷も。
あと「住民が水やおむすび」も・・・
直下型ともなれば、仮に建物や生命身体自体は
無事でも、家の中がグチャグチャ状態なのは
先の震災でも多かったわけで。
震災当日は一般人はそっちの処理を優先してしまうでしょう。
あと停電したらご飯炊けませんし。
水道管もどうなるか。
首都圏直下型だと、埼玉南部あたりもかなり被害が出る
と言われてますから、
一般人が帰宅難民に「冷静な援助」できるような状況は
埼玉北部や群馬あたりまでいかないと無理ではと。
食料の問題なら、国がコンビニやスーパーと提携して
震災時は飲食物を無料で解放するとかのほうが
現実的ではないかと。
(でも無料にすると店に殺到して奪い合いとか
起こりそう・・・帰宅難民とは関係無い人も来るだろうし)
とにかく、先の震災では首都圏はインフラに
物的被害が少なかった状況ですから、
(そもそも帰宅難民発生の原因である
JRを止めたのも過剰反応だったという話も)
来るべき直下型の被害状況と同一視するのは
どうかと思います。
また、ものすごい壊滅状態になるとまでは想定していません。ひどいところもあるでしょうけど、大部分は無事でしょう。
ローラースケートは、川の堤防で走っている人をよく見かけます。気持ちよさそう。場合によっては役立つでしょう。
30キロぐらい歩くことを考えると、ローラースケートでときどきでもいいから走りたくなりそうです。10キロぐらいなら、歩くだけでもいいんだけど。
あと、ローラースケートを買いたがる人は、若い男性だけでしょうね。老人は「こけそうで無理」と自分で思うでしょう。
私の場合は、アイススケートが上手だから、ローラースケートという案も浮かぶ。普通の人にはお勧めしません。もともと数もごく少ないし。値段も結構高いし。自転車と同じぐらいの価格なので、普通の人は自転車を選択するでしょう。
家屋を失う計算はそれを想定してるんじゃないですか?(その前に人命の損失も相当数に昇ると思いますけど)
まぁ地方に住む私は、3.11以前のように、東京へ出張する際はなるたけ手ぶらで行こうとは思いませんね。いざという事を考えると多少大きめのカバンに薄手のヤッケとペットボトル、カロリーメイトを入れて行きますね。
元来個々がいつ帰宅難民になっても良いように自衛するのが本筋でしょう。有事の際に恵んでくれない他人を呪っても詮無きことですから。