ドイツでは電力の小売りが自由化され、個人が好きなエコ発電をできる。だから原発が減ってエコ発電が増える……という記事を、朝日が連載開始した。例によって朝日のお得意のエコ・キャンペーンである。かつては「エコキャップを推進しましょう」とか、「燃料電池を推進しましょう」とか、「太陽光発電のために莫大な国費を投入しましょう」とかいう洗脳キャンペーンをしていたが、それと同じように、またしても洗脳キャンペーンを実施するつもりらしい。
その特徴は、こうだ。
・ 世間で話題になっているテーマを取り上げる。
・ そのうちで「エコ」に思える方に一方的に肩入れする。
・ 自分好みの意見は徹底的に嘘と誇張を報道し、反対意見は抹殺する。
要するに、一方的な洗脳キャンペーンだ。報道の使命は「賛否両論について公平に報道する」ことなのに、それとは逆のことをやらかして、国民を洗脳しようとする。ヒトラーや北朝鮮と同じだ。
そこで、朝日の洗脳キャンペーンの問題点を示す。
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(1) ドイツの電力の小売り自由化
ドイツでは電力の小売りが自由化されている。この件は、すでに下記項目で述べたとおり。
→ 電力購入を自由化せよ(グリーン電力制度)
ここで述べたように、電力の小売りの自由化については、私も賛成する。しかしそれはあくまで、経済原理ゆえのことだ。エコは関係ない。なぜか? エコの意味はほとんどないからだ。再掲しよう。
最も環境保護の急進派であるグリーン・ピース(在ドイツ)でさえ、太陽光発電はたったの 2.6% でしかない。風力は 1.1% でしかない。大部分は、小型水力とコジェネだ。これが実状だ。電力小売り自由化は、悪いことではないが、それによってエコが大幅に進むということはありえない。特に、太陽光発電が進むということはありえない。朝日は「電力の小売り自由化で太陽光発電などのエコ発電が推進する」という意図でキャンペーンを張っているが、これは羊頭狗肉であり、詐欺も同然だ。「エコキャップでワクチンを」というのと同じような羊頭狗肉の詐欺だ。
記事にはこうある。
独連邦消費者センター連盟のビルギット・ホルフェルトさんは得る。「エコ電気を買う人が増えれば、それだけ……エコ発電が増え、原発の電気は減る」これも妥当ではない。原発の発電量は常に一定で、変動しない。だだから、エコ発電が増えようが増えまいが、原発の発電量は減らないのだ。基本常識。こんな基本常識に反する嘘を掲載するのだから、いかに記事が歪んでいるかわかる。
なお、原発の固定発電量はどうかというと、エコ発電が増えると、かえって原発の固定発電量は増える。なぜか? 次の経路をたどる。
「ドイツのエコ発電が増える → ドイツの火力発電が減る → フランスからの電力輸入が増える → フランスの原発発電量が増える」
つまり、ドイツ自体ではエコ発電が増えるが、かわりにフランスで原発の発電量が増えるから、欧州全体では原発の発電量が増える。
ドイツが原発の発電量を減らしたいのであれば、エコ発電を減らせばいい。そしてかわりに、自国で火力発電を増やせばいい。これが常識だ。……なのに、その常識に反して、エコ発電を増やすから、かえって欧州全体では原発の発電量が増えてしまう。そして、その事実を隠蔽するために、朝日の捏造キャンペーンがなされる。
(2) 電力価格の高騰
ドイツではエコ推進のために、電力価格が高騰している。諸外国の2倍の水準にある。
→ 太陽光はドイツの例に学べ
だから、電力の小売り自由化の本質は、「エコ発電を増やすこと」ではない。むしろ、逆に、
「エコ発電重視で高騰した(2倍になった)自国内発電をやめて、フランスその他からの安い電力を購入できるようにすること」
だ。つまり、「馬鹿げた高価格のエコ電力をやめて、原子力や火力の安い電力を購入できるようにすること」だ。自由化の方向性は、朝日の記事とは反対なのだ。
現状では、エコ発電のせいで、ドイツの電力はあまりにも高騰している。これは大変な問題だ。だから、何としても高価格なエコ発電をやめるべきだ。エコ発電をやめれば、価格は半額になるからだ。
そして、そのためには、電力の小売り自由化が大切なのである。ドイツの現状のような「高価格なエコ発電の強制」を、何としても減らすべきなのだ。
(3) ドイツの暗い夜
ドイツの電力価格は非常に高い。そのせいかどうかはともかく、ドイツの夜は真っ暗だ。この件も、前に述べたことがある。他サイトからの引用になるが、再度転載しよう。
ドイツは単独政権を作ることが難しく、緑の党が政権に加わった際に2020年頃までに原発を廃止すると決めざるを得なかったのです。以上は、下記項目に記した話だ。
そして風力発電、最近は太陽光発電に熱心ですが、電力会社は、その度にバックアップ電源として自国にある豊富な質の悪い石炭(褐炭、泥炭)火力発電所建設を余儀なくされ、過去5年で電気代が2倍となり、多電力消費産業(アルミニウム製錬等)は国外に工場を移転し、雇用問題にもなっています。
また、フランスから大量の電気を購入していますが、フランスの発電電力量の 80%は原子力です。原子力反対と言いつつ、他国の原子力による電力を購入している矛盾は常に問題とされるところです。
メルケル首相自身も原子力発電を継続、発展すべきと考えていますが、単独政権でないためできないのが現状です。
──
皆さん言っている通り、ドイツの電力は非常に高いです。ドイツの伝統もあるでしょうが、家庭ではいまだに「ろうそく」を重宝しています。薄暗いロウソクの光の中で黙々と夕食をとる。一見風流に見えますが、ドイツではろうそくによる火事が多く発生しているのもまた事実です。
日本はすでに高度な文明社会を築き上げ、この主要な部分を「電力」が支えています。日本のインフラ整備度は、ドイツよりはるかに高度です。例えばドイツのパソコンはいまだにADSLが主流、当然電話はアナログだし、夜の道路は驚くほど暗い。ベルリンやハンブルクといった都会ですら、日本の田舎町のような暗さです。
( → http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1023069890 )
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危険性について考えるときに重要なことが、世の中に全く危険性のないものは存在しないということです。
飛行機が良い例です。飛行機は一度事故が起こると多くの人命が失われます。
それでも飛行機を廃止しないのは、飛行機を使うことで私たちが大きな利益を受けているからです。
( → http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1013667240 )
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アイドリングも徹底していて、交差点では、たとえ救急車でも、エンジンを切ります。もちろん、救急車といえども、赤信号では進まないです。
私がいた当時から、「マイバッグ」は当たり前で、レジ袋は有料なうえ、高いので、みんな袋を持って行きます。
ドイツのスーパーでは、レジの人はイスに座っています。レジ台がベルトコンベアーみたいになっていて、客の方が、1品ずつ、そこに置いていきます。レジ係りは、それを見て、レジを打つだけ。(当時バーコードではなく、手動で打ってました。)確認の終わった品を、また客が、1品ずつ、カートに入れなおし、レジ係が読み上げた金額を支払った後、別の台の上で、マイバッグなどに、収めていきます。
ドイツ人たちは、日本人の我々とは、「灯り」に対する感覚が全く違うようで、「夜は暗いのが自然」と捉えることです。住宅の隣りの部屋に住んでた夫婦のお宅に、夜、訪問したことがあるのですが、壁に灯った 20ワットほどの灯りだけで過ごしていました。
( → http://aranfes.blog.ocn.ne.jp/potato/cat4531033/index.html )
夜のドイツはホントに暗い。電灯の量が日本と比べて圧倒的に少ないのだ。まず蛍光灯がない。夜が暗いのはいいことだ。寝るしかないから。その分、朝早く起きれるよ。たぶん。
( → http://catsberryrecords.at.webry.info/200601/article_5.html )
ベルリンの夜は静かで仄暗い。もちろんディスコなど、街のどこかでは、ばか騒ぎをしているのだろうが、それは例外。東京のように街中、ネオンやお店の照明が煌煌と照り、昼間と違わぬ、あるいはそれ以上の人通りがあるところなど、ベルリン中を探したって見つからない。
以前ウィーンを訪問したときに「夜のウィーン」というジョーク絵はがきがあったのを思い出す。片面を真っ黒く塗りつぶしただけの絵はがきだが、ヨーロッパの都市の夜というのはそういうものなのだ。
( → http://www.bmkberlin.com/Berlin/040516nacht/text.htm )
→ 原発とエコ
私のコメントなどは、その項目に記してある。
(4) 熱中症の死者
ドイツでは電力が高価格なので、エアコンをもつ人は少ない。そのせいで、たまに猛暑が押し寄せると、熱中症の死者が莫大に生じる。 他サイトの話を、再度転載しよう。
一般にヨーロッパは日本よりは夏も涼しいと思われていますが、ここ10年くらいは数年毎に猛暑にやられています。これは、下記項目で述べた話だ。
記憶に新しいのは、2003年の猛暑でしょう。ヨーロッパ、特にフランスでお年寄りが14,000人も熱中症で亡くなった猛暑です。フランスほどは猛暑が続かなかったとはいえドイツでも7,000人が亡くなっています。ひと夏でこの数字は驚くべきことですが、これは「水分補給を個人で心がける」というレベルではなく、もっと構造的な問題だということで、それは実際に住んでみて体感しました。
フツーの家庭にはエアコンがない
ことが唯一にして最大の原因だと思います。ドイツ滞在3年の間、色々なお宅にお邪魔する機会がありましたが、「エアコンがある家」というのは一軒もありませんでした。
( → エアコンの無い世界、ドイツ」 )
→ 大阪の熱中症死亡(警告)
この項目でも記したように、大阪府知事は「夏の電力不足のときにはエアコンを止めよ」と述べている。そして、それをやると、ドイツでは 7000人も死んだ。ドイツでは、
電気代が高い → エアコンがない → 熱中症で死ぬ
という経路をたどる。(他に、日本と違って、高緯度だ、という点もあるが。)
ともあれ、理由はともかく、エアコンを使えなくなると、莫大な死者が出る、ということはすでに判明している。にもかかわらず、「エアコンを使うな」と叫ぶ府知事がいたり、「夏にはエアコンを使わずに省エネしましょう。そのために電力価格を二倍にしましょう」なんていうキャンペーンを張る新聞社もある。どちらも大量殺人を狙っている。サリンよりもはるかに悪質だ。死者 7000人の再現を狙っているのだから。というか、日本の人口はドイツの 1.5倍ぐらいだから、死者1万人を狙っていることになる。
東日本大震災の死者は2万人程度らしい。( → Wikipedia )その半分ぐらいの死者を狙っているのが、朝日新聞社だ。しかも、大震災ならば数十年にいっぺんだが、朝日新聞社は十年にいっぺんぐらいの割合で死者1万人を狙っているようだ。史上最悪の悪魔。そのために、せっせとキャンペーンをする。
(5) バベルの塔
朝日はどうして、これほど馬鹿げたことを狙うのか? その理由は、こうだ。
「決して実現できない不可能なことをめざす。不可能を不可能と理解できないまま、不可能を可能として、必死に努力せよと叱咤する。そのせいで莫大な被害が出る」
不可能とは、何か? 「太陽光発電によるエコ発電」だ。それは、10〜20年後には可能かもしれないが、今現在では可能でない。無理にやろうとすれば、莫大なコストがかかる。そのせいで、人々はコスト負担に耐えかねて、死んでしまう。
これはバベルの塔みたいなものだ。できもしないことを狙って、最終的には崩壊してしまう。
具体的には、「ぺんぺん草の生えた太陽光発電」みたいな例がある。

( ※ 解説は → Weed-Covered, Neglected Solar Park)
→ 太陽光はドイツの例に学べ
この項目でも示したように、ドイツでは太陽光発電は失敗している。日本がドイツに学ぶことがあるとしたら、「ドイツの成功例」ではなく、「ドイツの失敗例」なのだ。他人が失敗したのを見たら、その失敗に学べばいい。他山の石。
なのに、他人がこけたのを見て、同じところでこけるのは、馬鹿としか言いようがない。阿呆の極み。
ま、自分が阿呆なのは仕方ないが、その阿呆を他人に伝染させないでほしいものだ。洗脳キャンペーンなんて、言語道断だ。
【 関連サイト 】
ドイツのエコ発電が失敗している、ということは、すでにドイツ人自体が気づいている。下記サイトで言及されている。(英文)
→ Re-Evaluating Germany's Blind Faith in the Sun
ドイツの SPIEGEL ONLINE International の記事。
内容自体は、目新しい内容ではない。太陽光発電の問題だが、すでに日本ではたびたび指摘された内容にすぎない。ただ、太陽教のドイツですら、問題点をはっきりと理解しつつある。
朝日の記者は、ドイツかぶれになるなら、まずはこの記事を読むことから始めてはどうか。
何故、日本はドイツのように政府は宣言しないのかと。政府はこの論文を用いて、国民へ知らすべきと思います。太陽光発電のパネルはゴミで汚れるのは目に見えている、そのメンテは大変です。
福島原発事故は神の試練、しかし原発は人間の英知、必ず復活すると思います。
それから節電については、日本の役所はバカです。やることが儀式化しているだけです。ドイツにならって節電を進めれば良いと思いますが、死活問題の節電は真夏の昼間の暑い時間帯と冬の寒い夕方です。そのピークの山を押さえられれば良いわけです。特に春秋は余裕で足りています。我々の生活のリズムを季節と電力消費に対応したものにする知恵こそ必要です。役所はやみくもにに節電をPRしています。クールビズがあたかも節電だと象徴的にPRしています。単なるアリバイ工作です。またこの時期からエレベータを使わないとか始めているようです。合理性の欠如。
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ドイツ 太陽光 価格 - Google 検索
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