2011年11月10日

◆ 電子書籍の現状

 電子書籍の現状について、情報のまとめなど。ちょっとした話。 ──
 
 電子書籍について、簡単に話をしておく。情報のまとめなど。

 (1) Amazon と出版社

 Amazon が電子書籍の販売に際して、電子書籍の価格決定権を寄越せ、と出版社に要求している。出版社はそれを拒んでいる。話はまとまりそうにない。その一方で、出版社は連合して、自分たちの規格をまとめようとしている。
  → 電子書籍の価格決定権、アマゾンが出版社側に要求 (詳しくは紙の朝日新聞)
 Amazon が価格決定権を要求しているということだが、少なくとも大手出版社と専門出版社は拒否するだろう。「高価格・少部数」という専門書については、価格を下げられたら、出版は不可能になるからだ。(専門書は、価格を下げたからといって、売上げが急増するわけじゃない。娯楽書とは違う。)
 Amazon のやり方は、いかにもあこぎだが、どうせ出版社に拒否されるから、影響はあまりないだろう。

 (2) 電子書籍の価格

 では、現状でいいか? いや、そうも言えない。というのは、電子書籍の価格は、紙の書籍と同じである場合がほとんどだからだ。
 これはひどすぎる。紙や印刷などのコストがかかっていないのに、同じ価格にするなんて、出版社があこぎすぎる。アメリカではそんなことはしていないのだが。
 出版社がこんなあこぎなことをしているのだとすると、Amazon の圧力も意義があるかもしれない。ひょっとして、こういう強欲な出版社ばかりだと、Amazon につぶされてしまうかもしれない。

 (3) 落としどころ

 上記の二点の落としどころとしては、私はこういう見通しをもつ。
 「 紙の書籍の価格決定権は、出版社にある。電子書籍の価格決定権は、両者にある。価格は、次の式で決まる。
   紙の書籍の価格 × 一定比率 = 電子書籍の価格  」

 ここで、一定比率というのは、60〜70%程度だ。この値を、一定範囲内で、Amazonが決定できる。一方、紙の書籍の価格は、出版社が決める。

 (4) ライバルは? 

 日本では、どんな対抗馬があるか? 
 「電子書籍 販売」
 で検索すると、いろいろとサイトが見つかる。
 Amazonの対抗馬として一番手に上がるのは、アメリカではソニーのサイトだ。日本でも同様のサイトがある。しかしこれは、ソニーのリーダーという機種でしか読み取れない。こんなサイトを作るなんて、馬鹿丸出し。ソニーは相当、時代から取り残されている。
 シャープはガラパゴス化しており、自社独自規格を使っている。これも進化から取り残されており、絶滅寸前だ。
 比較的まともなサイトもある。紀伊國屋のサイトだ。パソコンや、iPhoneや、アンドロイドなど、複数の端末に共通してダウンロードできる。1冊買ったら、パソコンでもiPhoneでも、好きな端末で見られる。しかも、ネット上のストレージ(本棚)が用意されており、そこにデータを保存できる。
 結構進んでいますね。ここが日本の最先端かも。記事もある。
  → 日経 2011年6月13日

 (5) 楽天の端末(キンドル対抗)

 キンドルみたいな端末を作っているカナダの会社を、楽天が買収した。
  → 楽天、電子書籍端末販売へ カナダの会社を買収
 ハードでも Amazon に対抗するつもりらしい。ひょっとして、ソニーよりいいかも。

 (6) Amazon の無料 貸出しサービス

 Amazon が電子書籍の貸出しサービスを始めるという。会員向けに、1カ月に1冊、お好みの電子書籍を無償で貸し出すそうだ。大手出版社の本は含まれていないが、中小出版社の大量の本から、お好みの本を提供する。年に3冊借りれば元が取れるから、お得だろう。ただし会員限定。
  → 日経BP
 私が調べると、プライム会員になるには、年会費を取られる。日本の場合、3900円。他に紙の書籍の急速発送などのサービスもある。
 すごいサービスだ。こんなことをやっている会社には、出版社系の のんびりした会社は負けそうだ。

 (7) 負け組

 負け組になりそうなのは……
  ・ ソニーの電子書籍販売会社  → リーダー・ストア
  ・ ソニー・凸版・KDDI・朝日新聞 → ブックリスタ
  ・ シャープ  → ガラパゴスストア
 そこそこ頑張っているのは……
  ・ ヤフー  → ヤフーブックストア

 その他、群小の電子書籍会社は、多数ある。そう言えば、アゴラ・ブックスとかいう泡沫会社もあったな。 (^^);
  


 【 追記 】
 次の情報もあったので、転載する。
 ( Amazon の)あまりの横暴ぶりに、大手はみんなそっぽを向き、PHPだけが引っこ抜かれたというのが真相だそうだ。そのPHPも報道されて、自分だけだということが分かって、焦っているとか。
 なお、アップルの端末にも提供しないそうだ。アップストアーって、端数の出るような値段付けができないらしく、他の会社で配信するのと異なる値段になる可能性があることと、もっと大きな問題は、売上の3割をアップルがもっていくという問題がある。いろいろ難しいね。
( → 出典
posted by 管理人 at 18:50 | Comment(1) | コンピュータ_02 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後に 【 追記 】 を加筆しました。
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Posted by 管理人 at 2011年11月10日 21:16
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