放射線の基準は 100mSv/月 or 100mSv/年 でいい、と池田信夫が言っている。その妥当性を探る。 ──
放射線の基準はどのくらいが妥当か? 政府は当初、20mSv/年 を避難の基準とした。
後に、除染の基準を 5mSv/年 にしたが、批判の声が出て、1mSv/年 にした。これでは途方もない巨額がかかる。
そこで池田信夫が、もっと甘くていい、という批判を出した。
→ アリソン教授の「月100ミリシーベルト」提案
→ 東電を破壊する「不良債務」
前者は 100mSv/月 だから、 1200mSv/年 である。これはアリソン教授の提言。
後者は 100mSv/年 である。これは池田信夫の持論らしい。
で、その論拠は何かというと、次の通り。
・ 1200mSv/年ぐらいなら人は死なない。
・ 100mSv/年ぐらいなら、癌の患者の増加はごく微小だ。
要するに、「どっちにしても人は死なないから、その程度は許容してもいい」という理屈だ。「しかも、そうすれば、除染のためにかかる莫大な費用を節約できる」とメリットを掲げる。
──
これに対しては、私は前に次の見解を示した。
「人が死ななければいい、というものではない。死には至らなくても、健康悪化という問題が生じることがある」
→ 放射線被害と原爆症
簡単に言えば、人をぶんなぐってケガをさせて、「殺してないから、ちっとも問題ない」と言い張ることができるか、ということだ。「できる」というのは、暴力団ぐらいだろう。
そして、それと同じ理屈で、「命を奪っていないのだから、1200mSv 以下の放射線を浴びせることは問題ない」と語るのが、アリソン教授だ。
それに準じた形で、「ちょっとは死ぬかもしれないが、 100mSv/年 で死ぬ量は喫煙よりもずっと少ないのだから、人を死なせてもいい」というのが、池田信夫だ。
その理屈で言うなら、たいていの殺人犯は免責されるだろう。「俺が殺した人数は、1人だけだ。煙草会社みたいに何百人・何千人も殺したわけじゃない。1人ぐらい殺したって、ちっとも悪くはない」と。
──
一方で、次の理屈もある。
「世田谷では(夜光塗料で) 1500mSv もの放射線を浴びた老女が健康に生きている。これはつまり、 1500mSv の放射線はちっとも有害でないことを意味する」
この話を聞いて、「サンプルの数が少ないから、結論は何とも言えない」と語る人が多い。しかし、統計的には断定できなくても、それなりに推論の妥当性はある。
そして、そうとすれば、アリソン教授の説明を示す根拠にもなりそうだ。しかし、本当にそうなのか?
以上は、問題編だ。以下では、解答編を示す。つまり、私なりの「正解」を示す。
まず、最後に述べた世田谷の件だが、これについては次のように言える。
「放射線の有害性は、放射線の総量によって決まるのではない。50年間で 1500mSv になったとしても、1年間では 30mSv という微量の放射線だから、問題にならない」
「つまり、閾値がある。閾値以下の放射線は、長期間の総計が大量になっても、問題ない」
以上については、前に詳しく説明した。
→ 微量放射線の影響
また、次の資料もある。
→ LNT(しきい値なし直線)仮説について (結論)
→ 解明すすむ微量放射線の影響
というわけで、次のように結論できる。
「 30mSv という微量の放射線ならば、大人の場合には、特に影響がない。生死だけでなく健康被害についても、影響がない。」
どちらかと言えば、「健康にいい」とすら言えそうだ。
→ ホルミシス効果と乳幼児
──
では、本当に放射線は影響がないのだろうか? 池田信夫のように「まったく問題がない」と楽観視していいだろうか?
いや、その主張では重大な条件が見落とされている。それは「大人の場合には」という条件だ。たしかに、大人の場合には、問題がない。しかし、その条件が外されれば、問題が出てくる。
具体的には、次の2点だ。
(1) 胎児と子供
胎児と子供は、多大な細胞分裂をなす。その過程で、DNA が多大に働く。そのとき、放射線があると、「細胞の交替」だけでなく「細胞の形成」におけるエラーが起こりがちだ。そうなると、影響は大きくなる。
つまり、「大人は問題ない」と言えても、それが胎児や子供に当てはまるとは言えない。「すごく危険だ」と言うことはできなくとも、安全率を大きく見ておいた方がいい。
具体的に言うと、「大人ならば 100mSv/年 でも大丈夫」と言えるとしても、胎児や子供にはもっと厳しい条件を付けた方がいい。
では、どのくらい? 私としては、3〜6倍ぐらい厳しく見るといいと思う。つまり、33 〜 17 mSv/年 だ。
(2) 生殖細胞
先に「閾値があるので微量放射線は問題ない」と述べたが、その理由は、「動的平衡」があるからだ。つまり、生物の肉体は、常に分子的な交替の流れのうちにあるからだ。同じ細胞のまま続いているように見えても、その細胞の分子は常に交替している。
ただし、その例外がある。それは、卵子だ。卵子は一つの細胞であるが、赤ん坊として誕生したときから、ずっと同じ細胞である。皮膚の細胞のように交替するということはない。この意味では、放射線の影響を大きく受けそうだ。
同じようでも、精子の方は、まだ安全度が高い。精子はたくさんあるので、損傷した精子は、泳ぐレースで負けてしまうことがありそうだからだ。一方、卵子は、競争なんかない。いったん損傷を受けたら、そのままだ。
ただ、精子の方には、別の問題がある。卵巣は体内の奥にあるが、精子を収める睾丸がほとんど剥き出しに近い。カバーがないようなものだ。その分、脆弱だ。
というわけで、卵子も精子も、とても安全とは言えない。「他の細胞は 100mSv でも機能に影響がない」と言えても、「卵子や精子も同様だ」とは言えない。
というわけで、まだ子供を産んでいない未婚の男女には、100mSv/年 よりも厳しい条件を付けた方がいい。
では、どのくらい? 私としては、3〜6倍ぐらい厳しく見るといいと思う。つまり、33 〜 17 mSv/年 だ。(上の (1) と同様。)
──
結論。
大人の生命に関する限りは、 1200mSv/年 でも死なない、と言えるだろう。しかし健康被害の可能性がある。病弱になる、というふうな。
癌死の可能性に関する限りは、 100mSv/年 でもほとんど癌死にならない、と言えるだろう。しかし、癌死とは別の健康被害の可能性がある。
特に問題なのは、胎児や子供が成長過程で何らかの細胞分裂のエラーを起こすことだ。これによって胎児や子供に特有の癌が発生する可能性がある。(それは大人には見られない種類の癌だ。)
さらに、本人には影響がなくても、次世代に影響をもたらすような、生殖細胞のエラーが起こる可能性もある。
これらの問題を考えると、「放射線はなるべく少ない方がいい」と言えるだろう。
──
対策。
とはいえ、除染の費用も考えると、むやみやたらと厳しくするのも現実的ではない。
現実的な基準は、どのくらいか? 上に私が述べたのは、3〜6倍ぐらいの安全率をかけた数値、つまり、33 〜 17 mSv/年 だ。この範囲内で決めればいいだろう。
政府の当初の基準値は 5mSv/年 だった。これが「甘すぎる」と批判を浴びたが、私としては「これは厳しすぎる」という気がする。 20mSv/年 でも問題ないと思う。政治的な事情で厳しくするにしても、 5mSv/年 にする必要はなく、 10mSv/年 にすれば十分だ。
この数値は、「子供のいる場合でも、この数値で十分に安全だ」と私が前に示した値と同じである。
→ 微量放射線と乳幼児
──
なお、お年寄りについて言えば、ホルミシス効果があるので、30mSv ぐらいだったら、有益性が有害性を上回るだろう。ラドン温泉に入っているようなものだ。かえって長生きできそうだ。世田谷の例は、その例に当てはまるだろう。
ついでに言えば、乳幼児だって、総合的には 30mSv ぐらいの放射線を浴びた方が健康にいい、と言えそうだ。というのは、乳幼児は細菌やウィルスによる死亡率がとても高いからだ。放射線で 60年後に癌になる危険性を騒ぐよりも、感染症で今すぐ死亡する危険性を考える方がいい。
仮に、私が乳幼児をもつ新婚さんだとしたら、20mSv ぐらいのときには、「うちには除染しないでください」と頼むだろう。その方が赤ちゃんの命を守れる可能性が高いからだ。
はっきり言って、赤ちゃんの命にとって最も危険なのは、感染症だ。人はその危険性を等閑視している。赤ちゃんの免疫力はとても弱いのだから、感染症にはすごく注意が必要なのだが、それを知らない新婚さんたちが多すぎる。
[ 付記 ]
除染はどうするか?
住居については、上に示した方針で除染をすればいいだろう。10mSv、20mSv、30mSv などの数値があるが、そのくらいの基準を取って、それ以上の住居で除染すればいい。(高圧洗浄や表土剥離。)……ただし、あまり神経質になる必要はないと思う。
一方、費用がかかりそうなのは、農地だ。住居の除染は、たいして費用はかからないだろうが、農地をすべて除染するとなると、莫大な費用がかかる。では、どうするか?
私としては、「農地は除染しない」という方針をお勧めする。なぜか? 農地というものは、もともとが赤字事業だからだ。つまり、「国が補助金を出さないと、やっていけない事業」だからだ。赤字事業を継続するために費用を投入するなんて、馬鹿げている。(投資というものは、黒字を得るために投資する。赤字を得るためにわざわざ投資するなんて、気違いのやることだ。)
農地に対しては、除染するかわりに、「補償金」を出すだけでいい。その金額は、除染費用を下回る。
具体的には、どのくらいの補償金を出すべきか? それは、次の方針でいい。
→ 農業再生と生産性向上( nando ブログ)
ここで述べたように、「農地の国有化」と「農業年金の支払い」をセットで実行すればいい。つまり、汚染された農地を国有化(買収)し、その対価として、農業年金を支払う。
このための費用は、国の農業政策として実行する。つまり、もともとある農業政策の費用だけで足りる。したがって、新たにかかる除染費用(ないし補償金)は、ゼロとなる。(農民は補償金にあたる年金を得るが、国や東電は補償金にかかる経費がゼロで済む。)
ただ、このような「国有化」を嫌がる農民も出てくるだろう。それならそれで、自発的に農業をやっていればいい。実際、これまでの調査では、米作では放射線の問題は出ていないようだ。好き勝手に農業を継続すればいい。その場合、特に補償金は出ない。補償金にかかる費用はいらない。もちろん、除染の費用もいらない。
除染が必要な土地については、除染するかわりに、国有化すればいい。莫大な農地を除染するなんて、やたらと費用ばかりがかかって、愚の骨頂だ。単純に買収する(国有化する)方が、理に適っている。
土地を買収されたあとで、それでも農業を続けたい人には、買収した土地を提供すればいい。低濃度の土地もあるから、そこで米作をするぐらいなら、問題ないだろう。
なお、福島県民に、風評被害の補償金を支払うことは、特に問題ない。国家的に損失にもならない。なぜか? 福島県産の野菜は、市場で安く出回っているからだ。ほとんど無意味なぐらい微量な放射線があるというだけで、福島県産の野菜は安く出回っている。だから人々は、それを安く買えば、利益が出る。実際、わが家では、福島県産の野菜をどんどん買っています。安くて安全です。 (^^)
利口な人は、安い福島県産の野菜を買って利益を得るので、国庫から風評被害の金が出るとしても、特に文句を言う必要はないでしょう。差し引きして、トントンです。安い福島県産の野菜をいっぱい買えば、風評被害はかえってありがたいぐらいだ。(こんなことを言うと不謹慎だが。……しかし福島県民にとっては、そう言ってもらった方がいいだろう。)
最後にオマケで言うと、森林については、特に大がかりな除染する必要はないだろう。枯れ葉を片付けるぐらいでいい。この作業には、高齢者を雇用すればいい。
津波災害で無職になっている高齢者が多いから、これらの高齢者を雇えば、失対事業になる。
なお、このような被害の資金は、東電に払ってもらう必要がある。そのためには、株式の減資や、社債の無効化などが必要になる。これは「東電処理」の問題として、別項で述べたとおり。
→ 東京電力をどう処理するか
この場合も、国庫による負担は、ほとんど不要になる。
というわけで、以上を全部ひっくるめても、国庫による負担はかなり少なくて済む。池田信夫が言うように、「莫大な除染費用がかかるから、100mSv/年 にせよ」なんて主張は、成立しない。
ただし、「 1mSv/年 にせよ」なんて言う武田邦彦や細野大臣は、論外であろう。こういう気違いに比べれば、池田信夫の方が、はるかにまともに見える。 (^^);
[ 余談 ]
除染費用にいくらかは金がかかるとしても、それはまともな金の使い方だ。
一方、「高速道路の無料化」とか、「 F2 の修理費に 800億円」とか、「 F2 が使えるかどうか調べるだけで 100億円以上」とか、そういう「無駄遣い」は、気違いじみている。特に、「高速道路の無料化」は、ひどすぎる。
[ オマケ ]
オマケで言えば、「軽自動車の税の軽減」も、やりすぎだ。今は日本の半分ぐらいが軽自動車なので、半分ぐらいが極端に免税となっている。この金がものすごい巨額になっている。
軽自動車の規格を厳しくして、軽自動車のシェアを2割前後にまで落とすべきだろう。そうすれば、税収はものすごく巨額になる。それだけで、除染にかかる費用に、お釣りが来そうだ。
自動車税は、もっと大幅に高めるべきだろう。そうすれば、自動車関連で税収が黒字になる……のではなくて、大幅赤字を縮小することができる。
( ※ 一般に、船や電車に乗れば、乗客は税金を負担する必要がある。ところが自動車の場合は逆に、多額の国庫圃場を受ける。「道路建設費の国庫負担」という形で。……電車の場合は、線路の建設費を乗客が払うが、自動車の場合は、道路の建設費を自動車利用者でなくて国庫が払う。自動車利用者は「税金を何万円も払っている」と主張するが、実は、それをはるかに上回る道路建設費をもらっているのだ。何しろ全国の国道や県道を無料で使えるんですからね。)
2011年10月22日
過去ログ
それより個人的な話で恐縮ですが、IT企業勤務なので、長時間残業による疲労・ストレスやPC電磁波による健康リスクのほうが福一の放射線よりも大きいような気がします。
> 将来子供を作る予定はまず皆無で結婚する可能性もかなり低い
そんなこと、一日たてば、変わります。なんだったら、「前略プロフィール」という出会いサイトや、オーネットという結婚案内サイトで、ガールハントしてみてください。30歳ぐらいの女性なら、いくらでも結婚相手が見つかりますよ。美人限定でなければ。子供なんて、作るつもりはなくても、自然にできちゃうものです。
> IT企業勤務
出会いのチャンスは最低ですが、結婚相手としては合格点なので、結婚案内サイトではかなり上位にランクが付きます。さっさと結婚した方がいいですよ。
ま、放射線よりはストレスの方がきついですけどね。
ただ、放射線なんて、福島原発のそばの危険地域外は、まったく考慮する必要はない。
なお、原発の作業員になるつもりでしたら、やめた方がいいと勧告しておきます。ピンハネされるだけです。どちらかと言えば、ピンハネする側にまわった方がいい。原発の作業員の給料の9割ぐらいをピンハネできます。(ただしそのためには、政治家に女を世話したりして、賄賂を贈る手間がかかる。)
なら原発は一般には安全な物ということになる。肉、魚、米、何を気にすることなく食べればよい。
>乳幼児だって、総合的には 30mSv ぐらいの放射線を浴びた方が健康にいい、と言えそうだ。
毎年、50回のレントゲンを撮りますか。健康のために。
年間だと軽く100mSvを超える計算になります。他の場所でもこの位のレベルの線量の地点が無いとは限らないので、
福島原発周辺や立ち入り禁止区域以外で年間100mSv以上の地点が無いとは断定出来ないのではと思います。
正直毎時57.5マイクロシーベルトという数字には驚きです。早く原因を解明してもらいたいものですが。
>政治的な事情で厳しくするにしても、 5mSv/年 にする必要はなく、 10mSv/年 にすれば十分だ。
管理人様の意見はよく分かります。基準は厳しいかもしれません。除染費用も節約しなければいけないかもしれません。
しかし今は「原発事故後」ですので、私は次のようなスタンスでなければいけないと思っています。
まず一つ目、学問が途中なので、自分の安易な言動が子供を被爆させ、病気にさせてしまうかもしれない。
二つ目、「1年1ミリシーベルト」が現在の「法律」であり国際的に歴史ある「約束」なので、基準が甘い、辛いというのはまずこの法律を変えてからでないといけない。
例えば、高速道路の法定速度は80キロで、これは「法律」で決まっています。そこで突然120キロまでいいですよというのは、法律違反ですから、あまり行き過ぎた行動は、犯罪のほう助になってしまうかもしれません。
三つ目ですが、これはスタンスとは違うかもしれませんが、基本的に政府は今まで、原発を出汁に国民からお金をゴッソリ取れたので、「絶対に原発をやりたい」という錯覚の中にいるため、危険サイドの情報は容易く出しません。事実、事故直後の対応は驚くほど国民を無視した対応をしました。
私は、原発がなくても電気は火力で十分まかなえると思っています。その意味で、原発は政府が国民からお金を取るための動機に過ぎなかったと思います。
見解はよく分かります。非常に分析が細かく、論理的で分かりやすいです。
別に否定をする訳ではありませんが、まだ著者様は、一連の政府の情報や、東電などの曲がった情報が少し入っているかなと、私はそう思います。
本当に失礼かもしれませんが、お許しください。
草々
ちゃんと読んでください。総量が問題じゃない。微量のものを継続的に取るならばいい、ということです。レントゲンは瞬間的に放射線を浴びるので、事情はまったく異なります。また、「言えそうだ」というのは、断定ではありません。私は個人的にはその数字を一応支持しますが、他人に強要する気はありません。ちゃんと読んでください。
あと、池田信夫がこれこれと言ったことは、私の見解とは違うので、そちらについては、私でなく池田信夫に言ってください。
> 千葉県柏市の空き地で毎時57.5マイクロシーベルト
地上ではなくて地中の値です(地中の方が高い値です)から、どう考えたって、原発とは直接の関係はありません。世田谷の夜光塗料と同様でしょう。こちらも夜光塗料かもしれませんね。
それは違いますよ。「1年1ミリシーベルト」というのは、平時の場合です。つまり、特にコストをかけないで実現できる数値であれば、「よくわからないので最小限の値を取ることにしよう」という安全策です。
コストがかかるような事件発生時には、「よくわからないから」というような安全策を採るのではなく、科学的・合理的な値をとることが推奨されています。国際的には、その基準は「年 20mSv です。国際的な科学団体がその値を示しています。
比喩的に言えば、ある箱が爆発物かもしれないときには、半径500メートルぐらいを立ち入り禁止にしますが、その箱がせいぜい花火ぐらいでしかないと判明したあとでは、いくら危険であっても、立ち入り禁止は半径5メートルぐらいになります。「花火だって危険だぞ。爆発物だぞ」という理屈で駅を通行止めにしたら、市民生活に多大な影響が出ます。何でも安全策を採ればいいというものではありません。
> まだ著者様は、一連の政府の情報や、東電などの曲がった情報が少し入っているかな
他の項目を読めば、そうではない、とわかるはずです。私の方針は一貫して真実を探ることです。世田谷の例でも、私は事前に「これは夜光塗料かな」と書きました。(本サイトではないところに。そのときは憶測だったが、結果的には当たった。)
> 原発は政府が国民からお金を取るための動機に過ぎなかった
除染もそうですよ。過剰な除染は、公共事業のためです。あなたもそれで数万円を搾り取られそうです。無意味なことのために。
除染で儲かるのは、無駄な公共事業をする業者と賄賂政治家です。国民は何一つ利益になりません。
千葉県柏市の毎時57.5マイクロシーベルトは、後の調査でセシウムが原因のようですね。セシウム134と137の組成も福島原発から放出したものに似てるようです。
文部科学省は福島原発由来のものではないと否定は出来ないと言ってますし。
明らかに世田谷(放射線源がラジウム)のとは流れが違いますね。
核種はほぼラジウム226らしいのです。
http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/17.html
http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/16.html
一時期γ線がでるらしいのですが、アルファ崩壊やベーター崩壊が主です。
アルファ線やベータ線は貫通力が弱いので、床上で暮らしていた人の被曝量はかなり低いのではないですか。
>国際的には、その基準は「年 20mSv です。国際的な科学団体がその値を示しています。
その数字は、おそらく国際機関の「ICRP」が示したものだと思いますが、その基準は少し意味が深くて、単に「20ミリ被曝しても良い」というのではなく、「事故時でも無限に被曝してはいけないので、被曝量は20ミリに制限し、早くその状態を離脱すること」という数値ですので、一般市民に対してではなく、職業的に放射線を浴びる人の基準だったと私は記憶してます。
>除染で儲かるのは、無駄な公共事業をする業者と賄賂政治家です。国民は何一つ利益になりません。
そうかもしれませんが、少なくとも「一般市民の被爆量が減る」という利益があると私は思います。
政府の対応という意味では、もう既に政府は何もせずボケーとして、初期の中心的被爆はとっくに終わったこの時期に「除染拡充」とか言っているので、確かに政府は「儲けたいだけ」で国民はどうでもいいのでしょう。私はもう国はまったく信用してません。
この際汚染地域の方たちは、日本に国は無かったと思って、市民が地道に努力するしかないでしょう。一刻も早く一般市民が「大丈夫キャンペーン」に惑わされず、被曝を減らすことに専念してほしいと私は思います。
著者様の言動は真理の追究であることは十分理解できますし、尊重しています。しかしそれは私もそうですし、汚染地域に住んでいる方も真実を求めています。
二度も失礼しました。本項に関して私はこれでやめておきます。
・ 一般市民が事故時に許容される最大量。
・ 放射線従事者が仕事中に許容される最大量。
→ http://j.mp/pXVkPZ
→ http://p.tl/ax24
> 「一般市民の被爆量が減る」という利益
別に利益じゃないですよ。微小すぎるので。
むしろ、被曝量が減ったせいで、感染症が元通りの量まで増えてしまう。それならかえって不利益になる。
ま、過去の例なら、はっきりしています。「豚インフルエンザは大変だあ」と大騒ぎした 2009年には、世間のほとんどすべてが大間違いであり、「豚インフルエンザはかえって有益だ」と述べた私の方が正しかった、ということです。実際、そのシーズンでは、死亡者数が3分の1に減っています。
今回も同じことになりそうです。被曝量を減らせば減らすほど、かえって死者が増えるでしょう。特に乳幼児と老人で。……理由は感染症。
某ブログで物理学の先生が言っていましたが、
「低線量被曝の健康被害の問題は学者ですら
安全派と危険派がお互いに論議しないで
どちらも相手を無視して主張するから
一般人が混乱している。一度双方を朝生のように
面と向かって資料を集めて論議させるべき。」
と言っていました。
ネット上ではここのように
一応論議はされてるんですが、
一般公開上ではそれぞれが派閥を作って
「安全派だけの集会」「危険派だけの集会」で
口からツバを飛ばして相手を攻撃するだけなのが
多いように感じます。
お互いが「トンデモ」「安全厨」などと
レッテルを貼ってオールオアナッシングの
二分対立になっているようです。
国が指針を作っても、科学者ですら意見が真っ二つで
どちらも一部は感情論で喚きたている状況では
一般人が何を信じればいいのか分からなくなります。
放射線は目に見えないだけに不安感が増幅します。
チェルノブイリでも同じようなことがあり
日本の事故後も「学者や報道の論争による
無駄な心理的混乱」が警告がなされましたが
まだ何も学習できていません。
年間30msvまで継続的に摂るならOK ?
なら、肉、魚、野菜、、、日常的に摂っても大丈夫ですか。
私は間歇的に摂取する方が回復する時間もあり、リスクが少ないような気がしています。
しかし何より、放射性物質の摂取を有無を言わせず受け入れさせられるということが悔しいです。
30mSv は外部被曝の量です。食品などの内部被曝は、桁違いで、量は大幅に減っています。わざわざ放射性物質を大量に含むものを食べる必要もないでしょう。(そもそも売っていませんが。自分で野菜に泥をかけて作るしかないかも。)
超微量に含む食品がどうしても心配だったら、輸入品だけ食べていれば? そっちの方がかえって多くを含むかもしれないが。
なお、本当に危険なのは、放射性物質ではなくて、食品添加物や抗生物質です。放射性物質の何十倍も危険です。
→ http://blog.livedoor.jp/darkm/archives/51303091.html
世の中には、こういうふうに危険なものがたくさんあるのです。
→ http://openblog.meblog.biz/article/5100580.html
→ http://openblog.meblog.biz/article/6067206.html
すべての摂取食が基準値ちょうどの場合
年30mSv行くまでにどれだけ摂取すればいいか計算すると
500×1.3×10-8乗=0.0065mSv
30mSv/0.0065mSv
=4615kg摂取しなければなりませんね。
4.6トンですな。
通常成人男性の1年の食物摂取量は1000kg未満
だそうなので、約4.5倍。
現在出回っている食品の検査では、500近い
数値のものを探すほうが難しいです。
ほとんどが検出限界10〜20ベクレル/kg以下か
100超えるのもそんなに多くは無い。
まぁ福島の野生のイノシシ肉やシカ肉と
自生キノコだけを毎日食べれば
年10mSvくらいいくかも知れませんが。
もちろん、少量であっても被曝量を
なるべく抑えることにこしたことはありませんが
さらに厚生省も今後、今の基準値をさらに下げて
厳しくする方向を打ち出してます。
現状で市場に出回っている食品で
摂取に関して汲々とする状況とは思えませんが。
もちろん、感情論として「東電のせいで
たとえ1ベクレルでも摂取したくない」
というのは、分からなくもありませんが。
横須賀で行われた学校給食の一週間分
丸ごと検査 10/25発表
http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/8330/nagekomi/documents/111023_kensakekka.pdf
ヨウ素、セシウムともにすべて不検出
(検出限界以下)です。
その給食材料の産地
http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/8330/kyuushoku/documents/sanchi1110_2.pdf
関東でも比較的線量の高い栃木や群馬、
千葉の食材も使用されています。
現状において、市場に出回っている食材に
「暫定基準値に近い高いベクレル数」
のものはほとんど混在してない
ということでしょう。
当然、今後もこのような「抜き打ち丸ごと検査」
を各自治体が行って監視を続けていくべきですが。
どうせ心配するなら、マグロの有機水銀でも心配した方がいいでしょう。あと、都会の排ガスとか。水道水のトリハロメタンとか。
ただし、一番危険なのは、これらを心配することのストレスでしょう。 (^^);
>4.6トンですな。
それは「ちょうど1kg当たり500ベクレルの食材を食べるだけの生活をすれば」という前提が必要です。
放射性物質は「粉粒」ですから、ほこりにも含まれ(呼吸による内部被曝)、地中や壁や床下(外部放射線)、水、衣服、その他(海水浴など)、そして食材(胃からの内部被曝)、食材もすべてを調べることは難しいですので検査結果は疑わしいのと、東電が撒いた毒物は「セシウム137」だけでなく、「ストロンチウム90」(まだ大規模に調査をしていない)、「ヨウ素131」、あと少ないとは言われていますが、「プルトニウム」もあります。
なので、てとら様の例は、非常に一面的であり、東電が誤魔化すときによく使う論理です。
>「暫定基準値に近い高いベクレル数」
のものはほとんど混在してない
ということでしょう。
教育委員会の調査結果を素直に信じる人は、相当この組織の体質を理解していないのようですね。簡単に揶揄するとかつての「社会保険庁」みたいな組織ですよ。
「被曝をなるべく減らして、健康に過ごそう」という前向きな気持ちが、なんで「ストレス」になるのかが私はどうしても理解できません。
あまりにもピンぼけなので、これについては論議する必要はなさそうです。
おかしな計算ですね。30mSvは年間であり、0.0065mSvは時間です。また、体内に摂取した場合は蓄積されますから、2日目には0.013mSv/h、3日目には0.02mSv/h、、、
さらに呼吸による内部被曝や外部被曝、医療行為による被爆などなど。もっとも東電や一部の学者さんは、足し算が苦手なようですが。。。
もとより1mSvを死守せよなんて気はありません。だからと言って30mSvは大丈夫なんてのはどうかと思います。100mSv以下はデータがないってだけですから。
因みに、放射線技師の上限は20mSvです。
>体内に摂取した場合は蓄積されますから
少し違います。放射性物質は、胃から入れば、「セシウム137」は「カリウム」のように筋肉などに一旦入り、数ヶ月で血流により、腎臓などを通って排出されます。
「ストロンチウム90」は体内に蓄積されるという表現に近いともいえますので一番危険といわれていますが、数年体内にとどまるといわれています。放射性ストロンチウムは生体内ではカルシウムと同じような挙動をとりますので、骨髄にとどまりベータ線を出し、白血病の原因になります。
>もとより1mSvを死守せよなんて気はありません。
現在のところ、それは法律違反ですので、しっかり守ってください。
>100mSv以下はデータがないってだけですから。
チェルノブイリ事件のときに、100mSv以下のデータをかき集めて、世界中の学者の間で散々議論をして、結果として「よく分からなかった」のです。データがないというのはまったく違うと思います。
>現在のところ、それは法律違反ですので、しっかり守ってください。
そんな法律はありません。よくわからないから、通常より年間1mSvを越すところは放射線管理区域とする。それだけです。
「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」というものがあります(いかにも法律って感じですねw)
それを元に「放射線を放出する同位元素の数量等を定める件」というものがあって、この第14条4項に「規則第1条第1項第2号ハ及び第5号ハに規定する線量限度は、実効線量が4月1日を始期とする1年間につき1ミリシーベルトとする。」と普通に書いてあります。条文に具体的に数字が明記されていないのは「公衆の限度を越える事態」そのものの概念がないからです。なので法律にもやや問題ありという感じですけどね。
あと厚生労働省の法律では、「労働安全衛生法」がまずあり、その下に「電力放射線障害防止規則」というのがあります。その中にもしっかり「三月間につき一・三ミリシーベルトを超えるおそれのある区域」とあります。
>よくわからないから、通常より年間1mSvを越すところは放射線管理区域とする。
「法律で決まっているから、年間1mSvを越すところは放射線管理区域とする。」というのが正しい考え方ではないでしょうか?
結局jamさんは何が言いたいかよく分かりませんが、「法律は守るものではありません」といいたいのだとしたら「法律は守るものです」と私は言っているだけです。
こんな議論をしていたら、また管理人様に「本項からそれている、ピンボケしている」と怒られそうですがw・・・