放射線が怖くて、北海道へ避難したら、どうなる? これからは冬なので、雪がある。その威力は、想像以上だ。 ──
( ※ 本項の実際の掲載日は 2011-10-20 です。)
放射線が怖くて、北海道へ避難する人がたくさんいる。
→ Google 検索
では、北海道へ避難したら、どうなるか? 夏ならば「涼しくて過ごしやすい」と喜んでいられる。しかし、これから冬になる。すると北海道には雪が降る。その量は、本州の人には想像以上に大変だ。
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北海道といっても、網走みたいな辺地を持ち出すのはおかしいので、札幌を例にしよう。札幌ならば大都会なので、雪も限られていると思えるかもしれないが、現実には大変だ。
初雪日は、11月初めごろからだ。つまり、あと十日ほどで初雪だ。冬になったら雪が降るのではなく、冬になる1カ月も前から雪が降る。
その量は? 積雪量を見ると、冬の間は毎月 10メートル以上だ。
→ http://www.sweb.co.jp/tenki/record/record_snow.html
→ http://www.sakurazensen.com/y-sekisetsu/y1-ab-sapporo.htm
雪はきれいでいいな、なんて思っているわけには行かない。ものすごい積雪があるのだから、除雪作業が大変だ。
また、自分が除雪しなくても、自治体が道路の除雪をするが、それが深夜になされるので、除雪の作業の音がうるさい。
→ http://www.youtube.com/watch?v=ldD9h_CWs9k
また、雪が降るので、気温は冷夏だ。マイナス5度ぐらいになる。当然、水が凍る。昼間に雪が溶ければ、あとで地面で結氷するので、歩くことも困難になる。すべって転んでケガをするかもしれない。それで頭を打って死ぬ危険度も、いくらかはある。少なくとも、放射線よりもはるかに危険だ。また、道路でも自動車のブレーキが利きにくいので、交通事故が起こりやすい。交通事故で死ぬ可能性は本州よりもずっと高い。
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というわけで、北海道には、雪ゆえの危険性がとてもある。
福島の危険性は、60歳以上になってから癌になる可能性が1%ぐらい増えるかもしれない、という程度だ。
一方、北海道の危険は、若いうちに(結婚もしないうちに)死んでしまうかもしれない、という危険だ。若い時期に恋をする喜びもなく、交通事故で一巻の終わり。放射線ならば、そんなことはなかったのに。
なるほど、「福島は子供にとっては危険だ」と思う人はいる。しかし、子供は寒さへの耐性が強くないので、最初の1〜2年ぐらいは、寒さゆえで死ぬ可能性がいくらか高まる。生まれたときから北海道に住んでいる道産子ならば耐性もあるだろうが、それまで本州で育っていたのにいきなり厳寒の北海道に移ったのでは耐性がないだろう。特に、風邪を引きやすいし、風邪で死ぬ可能性もいくらかある。子供にとって、厳寒の北海道は危険すぎる。福島の放射線どころではない。
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結論。
福島から北海道へ避難した人は、すぐさま北海道を脱出する方がいい。11月初めごろから、札幌では積雪がある。そうなったら引っ越しも大変だ。なるべく早いうちに、暖かな土地に逃げるといい。たとえば沖縄とか九州とか。
とはいえ、沖縄は夏には台風で危険になる。九州だって、中国からの核物質の放射線が飛んでくる。が、それは仕方ない。そもそも日本中、どこもかも危険なのだ。
では、安全で住みやすいところは? それは、福島のそばにある。米沢と山形だ。これらなら、放射線も少ないし、安全だし、暮らしやすい。おまけに地元(福島市)のすぐそばだ。
また、福島県の西部である会津地方も、放射線はかなり低いので、悪くない。
→ 放射線の分布地図(群馬・栃木の土壌)
教訓。
幸せの青い鳥は、自分のすぐそばにある。
さらに、実例を示そう。読売新聞・朝刊 2011-10-18〜19 の記事に、避難した人の実例があった。
福島県の須賀川市(郡山市の南に位置する)から、札幌に移転した。夫と両親を残して、母子だけで札幌に引っ越した……という記事。
そこで、須賀川市の放射線の量を調べた。すると、別に危険というほどではないとわかった。
市の西部では 1.2μSV/h つまり 10mSv/年 程度だ。やや高めだが、別に危険というほどではない。
市の西部と北部を除いた大半の地域では、0.3μSV/h つまり 3mSv/年 以下だ。その半分の値のところも多い。これらは完全に安全域にある。
→ 測定データ …… (*)
要するに、須賀川市は西部を除いて、まったく安全である。自宅が西部にあって、いくらか気になるというのであれば、市の中心部か東部に移ればいいだけだ。北海道まで行く必要はない。北海道では、上記のように、積雪ゆえの危険性がある。
それでも「放射線の危険性には替えられない」と思うかもしれない。そこで札幌の放射線量を見た。すると、0.0μSV/h と 0.5μSV/h の間を、行ったり来たりしている。平均すれば、0.2〜0.3 μSV/h ぐらいだろう。
→ http://soba.tonkin.ac/radio/geiger/
一方、須賀川市の大半は 0.1μSV/h 〜 0.2μSV/h だ。( → 上の (*) )
つまり、須賀川市の大半は、札幌よりも放射線が低いのだ! 須賀川市から札幌に行けば、浴びる放射線はかえって増えてしまうのだ! 放射線を避けるためにわざわざ札幌に避難したと思ったら、実際には浴びる放射線がかえって増えてしまうのだ!
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読売の記事を書いた記者は、自分が何を書いているか、わかっていないようだ。
結果を見れば、この避難者は、放射線を避けるために避難したのではない。放射線を浴びるために、わざわざ放射線の多いところへ飛び込んだのだ。いわば、飛んで火に入る夏の虫だ。自殺行為みたいなものだ。
だから、記事を書くなら、その点を指摘する必要があった。そこで書くべきことは、「避難すると大変です」ということではなくて、「避難したつもりでも避難になっていない」ということだ。
そして、教訓も書くべきだ。「過剰に気にすると、かえって危険が増す」と。
要するに、マスコミは「大変だ」と騒いで記事を仕立て上げるよりは、「大変だと騒いぐ被災者もマスコミも、騒ぎ立てて勘違いしているだけだ」と指摘するべきだ。
[ 付記1 ]
「北海道は本州よりも危険だ」と書くと、北海道の人に文句を言われそうだ。そこで注釈しておく。
都会ならば夏の暑さがひどい。日本中どこだって、暑いのか寒いのか、どっちかの問題はある。北海道は別に地獄ではない。冬が大変であるだけだ。
ただ、北海道には独自の大変さがある。それは除雪だ。これは大変だ。だとしても、筋力のある男性ならば、あまり問題ではない。総合的に、北海道はかなり住みやすい土地だと言える。特に札幌のマンションに住んでいれば、除雪の問題もかなり免れる。
ま、普通の家庭ならば、札幌は「住めば都」とも言える。住民の満足度もかなり高いようだ。
ただし、母子家庭みたいに、男手がないのであれば、かなり厳しい。また、福島で健康の問題を感じたような虚弱な人の場合も、かなり厳しい。また、母子家庭ならば、収入の点でも、かなり厳しい。
健康で金があって職もある、という恵まれた家庭ならば、北海道は住みやすいと言えるだろう。だが、そうでない家庭には、かなり厳しいだろう。最悪の場合、風邪にかかって死ぬか、氷ですべって死ぬか、除雪で疲れて熱を出して肺炎になって死ぬ。……そういう可能性も、なきにしもあらず。なにしろ、「千人か万人に1人」ぐらいの癌の死者増加を恐れて福島を逃げ出すぐらいなんだから、それほどめくじらをたてるのであれば、「氷ですべって死ぬ」という稀な例を気にしてもいいだろう。ついでに,豆腐の角に頭をぶつけて死ぬ例も考えるといい。 (^^);
北海道にいる人にとっては、除雪も慣れたものかもしれない。しかし関東では3センチの雪が積もっただけでも、雪かきなどで筋肉疲労などの苦労を味わうものだ。なのに、その 1000倍以上の積雪がある札幌で暮らすなんて、関東の人間にはおよそ無理という感じがする。
ま、すべて自分で除雪するわけではないから、手間が 1000倍になるわけではないにせよ、それにしても大変だ。それでも、男手があればいいが、母子家庭などだったらとても大変だ。
母子家庭だったら、やはり冬になる前に北海道を脱出した方がいいだろう。(北海道に生活基盤があるならともかく、生活基盤がないのであれば、北海道以外の方が新生活を構築するのはたやすいはずだ。冬の北海道で新しい職を得るのは、かなり難しいと思える。)
[ 付記2 ]
北海道西部の会津地方はどうか? その放射線分布については、下記項目で示してある。
→ 放射線の分布地図(群馬・栃木の土壌)
会津若松のあたりはちょっとだけ高いが、十分に安全領域だ。
それでもどうしても気になるのなら、米沢や山形に行けばいい。このあたりなら、他の日本各地と同様だ。
2011年10月21日
過去ログ
「ラジウムの上で50年過ごした世田谷の92才女性 今でも健康体
1年間で30ミリシーベルト近く外部被曝していた」
http://news.infoseek.co.jp/article/postseven_66165
1年間30ミリシーベルトぐらいなら、かえって健康にいい、とも言えそうだ。老人に限るが。
→ http://openblog.meblog.biz/article/4868419.html
よほどの高レベル汚染地域以外では
放射能が怖くて疎開した人よりも、
その場に留まった人のほうが
健康で長生きだという話がありますね。
そりゃ故郷も家も仕事も捨てて
当ての無い避難生活してたら
ストレスは相当なモンです。
ストレスだってガン発症の大きなリスク要因ですし
免疫機能も低下して病気になりやすくなります。
放射線によるガンや病気が怖くて逃げるのに
生活不安や慣れない土地でのストレスで
ガンや病気になったら本末転倒です。
某反原発芸能人のなんたら太郎氏は
「福島の人をいますぐ全員避難させろ!」とか
言ってますが、そのために被るだろう、現状の
放射線よりも高いリスク要因の責任を
あんたらが取れるのかって言いたいです。
(そういう場合も「全部東電のせい」と言うでしょうが。)
最後のこの一文が無ければ北海道は相当酷い所のように誤解しやすい書き方ですね。わざとだと思いますが。
というか、雪が原因で千人か万人に一人も死んでないと思いますよ多分。
凍った路面で骨折する人はそのくらいの確率で実際に居ます。
除雪はおばあちゃんでもやってます。慣れというより雪が軽いし滑らせて運べます。暖かい地域の雪は空気を含まないほぼ水なので重いものをまともに運ばないとだめです。運動不足解消にちょうどいいくらいです。
寒い=風邪 も間違いです。
商社駐在員のように、世界各地、政情不安地も含めて送り込まれる方が大変なのでしょうね。
ただ、管理人さんのご理解に僅かながら疑問も……。北海道にお住いになったことはありますか?
ただ、福島の微量放射線にこだわるような神経質な人は、あとで寒さにショックを受けて、「こんなはずじゃなかった」と思いそうなので、警告しているだけです。精神的に特別に軟弱な人間には向いていないと思います。
軟弱な人間は、ハワイみたいに暖かなところで、ぐうたらしている方が向いているでしょう。……ま、こう言うと、今度は沖縄の人から文句が降りかかりそうだが。
男はつらいよ。 (^^);
私 鎌倉育ち
12年前に リタイアして札幌のマンションに。
5年前に 札幌からやや離れたかろうじて札幌圈に入る地域の一戸建てに移転。
北海道が人の住むところじゃないと行っていたのは40年前ぐらいの話のようです。
その頃は 確かに除雪がなされず大変だったようです。
私は 鎌倉より北国が好きなのでこちらにすみましたがとても快適です(もちろん冬も含めて)。
まだ60台で元気ですから、管理人のいわれることがよくわからなのかもしれません。
北海道出身者で本州で会社勤めを終え、また北海道に戻る人は多いのですが、
それ以上に 東京からの札幌転勤者が、退職後札幌や北海道に家を求め永住する人が目立ちます。
確かに 冬は滑りますよ。
但し 青森転勤経験者の意見としては、青森と比べれば 滑りはひどくありません。青森のようにそこそこ気温が高くて毎日 溶けてまた凍る地域はよくすべり 危ないです。
それにしても 寒いのやすべることと 放射能の危険を比較されてもなー という感想です。
雪はほとんど降りません。
山形も会津も札幌も私達からすればたいして違いはありません。
どれも豪雪・凍結で怖い。
近くても全然青い鳥じゃないです〜。
スキーは行くけど…(^^;)
本項の話題は、「地元から逃げ出したい」という心配性の人向け。地元を除外しています。
で、それだったら、「札幌よりは山形や会津の方がずっとマシ」と述べている。
別に、山形や会津がこの世のパラダイスだと述べているわけじゃありません。この世のパラダイスは……たぶん、恋愛だけでしょう。