キャパシタというのは、コンデンサータイプの蓄電池だ。普通の化学的な蓄電池(ニッケル水素、リチウム、マンガンなどの化学反応を利用するもの)と違って、電子を物理化学的に溜め込む。構造が簡単で、性能が高い。もともと有望だったが、開発が急速に進んでいる。
朝日新聞 2011-09-19 の報道によると、ナノチューブを利用した急速充電タイプが開発されたという。材料も炭素ばかりなので、低コストで製造できる見込み。現状では、ナノチューブの製造コストがかかりそうだが、将来的にはナノチューブも安価にできそうなので、とても有望だ。(リチウムは材料価格が高いので、あまり有望ではない。)
今は電気自動車というと、日産自動車などがリチウム電池で先行しているが、将来的には、キャパシタが圧倒的に優勢になりそうだ。
また、キャパシタならば、物理化学的な構造をもつので、普通の電気系の会社でも開発できる。リチウム電池なんかに熱中するよりは、キャパシタに会社の方向を向ける方がいいだろう。
《 高速充電デバイス キャパシターの大容量化に成功 》ちょっとびっくりしたのは、開発者の名前が二人とも中国人か韓国人ふうであることだ。下手をすると、新技術もろとも、中国や韓国に渡ってしまうかもしれない。うかうかできませんね。日本の大会社は、この二人を高給で引っこ抜いた方がいいですよ。
NIMS 先端材料プロセスユニット 一次元ナノ材料グループは、電気を蓄える役割をする「キャパシター」のエネルギー密度を飛躍的に向上することに成功した。これは、シート状のナノ物質であるグラフェンを層状に積み重ね、その間にカーボンナノチューブを挟み込む新しい電極を開発することで実現した。
現在、電力利用の効率化と省エネ化、再生エネルギーの効率的利用のため、ニッケル水素電池などのバッテリー開発が推進されている。キャパシターはバッテリーに比べ、出力密度が大きく急速な充放電が可能で、例えば自動車のブレーキエネルギーの大半を回収することができ、充電も短時間で完了する。さらに、耐久性に優れ長期間にわたり繰り返しの充放電が可能で、安全でもある。しかしながら、キャパシターはエネルギー密度が低く、大容量化が困難だという欠点があった。
(だが今回、)電解液にイオン液体を用いることにより、155.6Wh/kgとニッケル水素電池と同等のエネルギー密度を得ることに成功した。
( → 独立行政法人物質・材料研究機構 )
(……なんて私が言うと、日本の大会社はこれを無視して、サムスンが私の意見を聞くことになりそうだが。 (^^); )
(前もそうだった。「有機ELを日本の会社は開発せよ」と私が言ったら、日本の会社は無視して、サムスンが有機ELに熱中した。今では日本企業は周回遅れだ。)
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なお、このキャパシタに関して、もっと詳しい情報は、下記にある。
→ グラフェンとCNTを用いた高エネルギー密度のキャパシタ
[ 付記1 ]
蓄電池については私は以前から否定的だったが、キャパシタについては「有望だ」と見なしてきた。
→ 泉の波立ち 2005年6月10日b
また、家庭用の燃料電池についても、かなり評価してきた。最新のニュースでも、新型の家庭用燃料電池が発売されるという話題がある。
→ 家庭用燃料電池 10月に新型 (読売新聞)
[ 付記2 ]
リチウム電池というと、漫画の「島耕作」では、島社長がリチウム資源をめぐって、ウユニ塩原に興味を持ったりする。
しかし、ここは素晴らしい絶景の土地なんだから、工業開発で荒廃させたりしないでほしいものだ。
→ ウユニ塩湖の絶景(写真) ,NHKの動画 )
【 関連項目 】
蓄電池については
→ 家庭用の蓄電池
→ 蓄電池よりも良い案
→ スマート家電 > 蓄電池
燃料電池については
→ 太陽電池か 燃料電池か
→ 電力購入を自由化せよ(グリーン電力制度)
→ 将来の発電はどうなる?
繰り込みの考えが上手くいくのなら,自己相似構造がエネルギーをかなり効率好く使うものになると想います.僕は朝永振一郎さんの方向の考えがどこまで行くのか見てみたいです.