台風の影響で、和歌山・奈良に水害の被害が多大に発生した。
これへの対策は、東日本大震災への震災対策を援用するといい。 ──
台風の影響で、和歌山・奈良に水害の被害が多大に発生した。
→ 朝日新聞
→ 東京新聞
→ FNNニュース
→ 読売新聞 写真集 (9月5日)
→ 地図:奈良県天川村 天川中学校
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だが、地図や写真を見ればわかるように、これらはもともと山間の河川の流域だ。増水すれば、川の周囲にある住宅地が水没するのは、当然のことだ。
これに対して、「堤防を建設中」という自治体の見解もある。
しかし、堤防では無理だ。(東日本大震災の例からもわかる。)
やたらと堤防で力ずくで水害を抑制しようとすれば、とてつもない巨大堤防が必要となるが、それでは、川が見えなくなるし、巨大なコンクリ堤防が「ベルリンの壁」みたいに立ちふさがるので、街の存在意義そのものが消えてしまう。
そもそも、これらの街は、なぜ川の流域にあるか? 観光地・温泉地としてあるからだ。なのに、観光地に「ベルリンの壁」みたいな巨大なコンクリ堤防があって、川を見ることができなくなれば、観光そのものの価値がなくなる。そんなことをするくらいなら、観光地を捨てて、都会に出る方がマシだろう。ゴミを建設するために数百億円を投じることほど、馬鹿らしいことはない。
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では、どうすればいいか? 「堤防で力ずくで水害を抑制しよう」という発想をやめればいい。自然の巨大な力を人間の小さな力で制御しよう、という思い上がりを捨てればいい。そうすれば、目的はわかる。それは、川の氾濫をなくすことではなく、川の氾濫があっても被害を最小化することだ。
・ 人的被害を最小化する
・ 経済的被害を最小化する
その方法はあるか? ある。それは、「巨大なコンクリの堤防を構築する」ことではなくて、「ピロティ付きのコンクリ住居を建設すること」である。
このような建設物が津波の被害を免れた、ということは、今回の津波の被害調査からも判明している。
・ ピロティ付きだから、あふれる水を「柳に風」と流せる。
・ コンクリの柱は、丈夫であり、流れに耐えきれる。
・ 2階部分にある住居には、水害が及ばない。
この方式は、水害に耐えられるだけでなく、土砂崩れにも耐えられるだろう。(どんな土砂崩れでも大丈夫だ、とは言い切れないにしても、たいていは大丈夫だ。)
現実には、どうだったか? ただの木造建築ばかりだった。その結果は?
・ 木造の一階部分に水を受けて、建物ごと流された。
・ 漂流物の直撃を受けて、建物が壊れた。
・ 土砂崩れによって、建物が流されて、崩壊してしまった。
水害を受けるような土地では、木造建築というのは、マッチ箱の家みたいなもので、あっさり崩壊するのである。そのような建築物を制限することが大切だろう。
( ※ そもそもこのような山間の流域地は、観光地であるのだから、1階は店舗や駐車場にするのが普通だ。その意味で、ピロティにしておいて、何ら問題はないはずだ。)
( ※ 都会の堤防のそばの住宅街でも、マンションは、1階をピロティ方式の駐車場にしておくことが好ましい。実際、そういうマンションは、けっこうある。このような対策をすることが、その建築物の資産価値を高める。)
2011年09月05日
過去ログ
洪水が起きた時に浮くよう設計された家を開発している所があるようです