瀬戸内海の塩田跡地にメガソーラーを設置しよう、という動きがある。
つまり、野鳥の楽園である湿地をつぶして、メガソーラーに利用しよう、というわけだ。そのために自治体は事業者に土地を無料で貸し出せ、というわけだ。
日本最大の塩田だった岡山県瀬戸内市の錦海(きんかい)塩田跡地(500ヘクタール)が国内最大級のメガソーラー(太陽光発電所)の有力候補地に浮上している。岡山は雨の日数が日本一少なく、太陽光発電の好適地。跡地全域に太陽光パネルを設置すれば、総出力25万キロワットと世界最大になる。通信大手のソフトバンクなど10社以上が地元に建設を打診。再生可能エネルギー固定価格買い取り法が成立すれば、立地の動きは加速しそうだ。
塩田は71年に廃止され、跡地の大半が低湿地で産廃処分場や牧草地しか使い道はなかった。瀬戸内市は塩田跡地のうち産廃処分場跡地80ヘクタールを当面の候補地とし、メガソーラー立地を環境再生のモデルと位置付ける。
市によると、風力発電国内最大手・ユーラスエナジー社やソフトバンクなど10社以上から立地の打診を受けているという。特に35道府県と自然エネルギー協議会を立ち上げ、全国10カ所以上でメガソーラー建設を計画するソフトバンクは同塩田跡地で単独で80ヘクタールを超える用地確保を目指している。
【 錦海塩田跡地 】 海水を太陽熱で濃縮して塩を作る国内最大の「流下式塩田」として1958年に海を約2キロの堤防で閉め切って開発、71年に廃止された。産廃処分場以外の大半は湿地で、野鳥の楽園となっている。
しかし、このようなことは、まさしく「自然破壊」に相当する。
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東京湾や瀬戸内海などは、次々と埋め立てが行なわれたせいで、湿地が消えてしまった。そのせいで、湿地による「海水浄化」という機能が失われて、酸欠状態となり、内海が「死の海」のようになってしまった。かつては豊かな生物が棲息していたのに、なかば「死の海」のようになってしまった。典型的な環境破壊だ。
だから近年では、「なるべく湿地を残そう」という動きが強まっている。なのに、今回は、それに逆行する動きがある。「太陽光のため」「エコのため」という名目で、環境破壊をなそうとしている。(矛盾ですね。)
孫正義は、「エコのため」「自然のため」と口に出すが、自分が何をやっているか、はっきりと理解するべきだ。わからなければ、教えてあげる。「環境破壊」だよ!
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ついでに、関連情報を示しておこう。引用する。
1万年に及ぶ自然の営みで形成された魚介類の宝庫といわれた瀬戸内海環境は、今日までのわずか50年間で、「瀕死の海」、生態系異変、瀬戸内海漁業の「曲がり角」といわれる環境破壊状況に劇的に変化し、21世紀の負の遺産になりつつある。私の主張を言うなら、こうだ。
《 瀬戸内海環境再生と塩田跡地利用 》
1971年廃止された塩田跡地について、潮留堤防で仕切られた水際という立地の活用と瀬戸内海環境再生の関連を考察する。
( → 出典 [ 錦海塩田跡地 の写真つき ])
「潮留堤防で仕切られた水際という立地があるのなら、潮留堤防を取り壊して、一帯を湿地に戻すべきだ。アサリなどの貝類が育つようにするべきだ。湿地こそは最も豊かな場所だ。そこでは海水が浄化され、また、鳥がやって来る。魚貝類も鳥類も自然回復の恩恵を受ける。海辺で一番大切なものは、湿地だ。それを回復させよ」
そして、この動きに反するのが、メガソーラーだ。自然環境を壊してまで電力エネルギーを得ようとするメガソーラーは、原発以上に環境破壊をする。孫正義は、自分が何をしようとしているか、理解するべきだ。
( ※ ま、まともに真実を理解できないから、ジョブズみたいにはなれないわけだが。 (^^); )
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県も高松市生島町の遊休地3.5ヘクタールに誘致することを発表した。
この土地は空港関連用地として1974年に県土地開発公社が取得。その後、県の研修施設などを整備する構想だったが、5.3ヘクタールは使われないまま「塩漬け」となっている。
取得にかかった費用などの簿価(昨年3月末時点)を単純に案分すると、今回の用地は22億円余に相当する。それをメガソーラー用に4億円余で売るか、年間800万円で20年間貸す計画だ。
→ http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/column/20120615000116
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※ 自然破壊の問題はないようだが、自治体財産を格安で手放すという問題がある。