ソフトバンクは太陽光発電の買い取り価格を 40円/kWh にすることを主張している。そうはならないだろうが、もしそうなれば、ソフトバンクは倒産しそうだ。 ──
再生エネ法案では、太陽光発電の買い取り価格は第三者の委員会が決めることになっている。そこでは価格は経産省の見込み通り、 20円/kWh 程度になりそうだ。しかしソフトバンクは 40円/kWh にすることを主張している。
ま、そうはならないだろうが、もしそうなったら、どうなるだろうか? それを考えてみよう。
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もし 40円/kWh になったら、国産の太陽光パネルを使う限りは、採算に乗らない。しかし、中国製の太陽光パネルを使えば、採算に乗る。たぶん 33〜35円/kWh ぐらいで発電できるだろう。
で、「差益が2割ぐらいある」と思った企業が、わんさと参入しそうだ。そのせいで、国民が払う額(補助金の負担金みたいなもの)は、巨額になるだろう。月額1万円ぐらいになるかもしれない。
そうなったら、国民の不満が噴出する。「こんな制度、やめてしまえ!」となる。
そこで、再生エネ法案はあっさり廃棄され、「 40円/kWh 」という買い取り価格はホゴにされる。つまり、スペインと同じだ。
ここでソフトバンクなどは、顔色を変えて、反駁する。
「それは契約違反だ! 40円/kWh で、15年と書いてあるじゃないか! たったの3年でホゴにするなんて、契約違反だ!」
しかし スペインの例では、法律は遡及適用されて、過去の契約は無効になった。「そんな契約、やーめた」というわけだ。
これに対して、太陽光発電の会社は、頭に来て、「訴えてやる」と意気込んでいる。しかし、「法律違反」とか「詐欺罪」とかいうのは、政府には当てはめることが困難だ。というのは、政府は法律を勝手に作り替えてしまえるからだ。
「この件については、過去の法律を取り消します」
という法律を作ってしまえば、昔の契約なんか、あっさりホゴにできる。「過去への遡及適用は法の原理に反する!」なんて言っても、そのことは別に憲法で決まっているわけでもないから、勝手に法律を作れるのだ。
簡単に言えば、「ない袖は振れない」ということだ。金がないときには、金を出せない。「寄越せ、寄越せ」と主張したって、裁判所は素直に認めるはずがない。特に、日本の裁判所は、政府べったりだから、詐欺師の「国民の金をぶんどる権利を守れ」なんていう主張に対しては、「悪魔には権利がありません。契約は公序良俗に反するので、最初から無効」というふうに、取り消してしまう。
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というわけで、ソフトバンクは、巨額の負債を負って、あっさり倒産する。現実には、倒産は倫理的に批判されるから、孫正義が自分の財産で補填する。彼の財産は、6000億円もあるが、太陽光発電という道楽につぎこむ形で、すべて消えてしまう。
すると、人々は騒ぐ。
「ホリエモンはライブドアをつぶして、自分の財産をすべて失った。孫正義はソフトバンクをつぶして、自分の財産をすべて失った。どっちも似ているな。ただし孫正義の方が、1桁上だったな。それでもどちらも詐欺師だという点では似ているな。自業自得だ」
というふうに。 (^^);
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というわけで、私としては、孫正義の「 6000億円のギャンブル」を見てみたい。彼はそれによって「莫大な富を国民から巻き上げて、濡れ手で粟で、ボロ儲け」と狙っている。しかしその末路は、「 6000億円をすべて失って、路頭に迷う」か、あるいはホリエモンのように、「刑務所で臭い飯を食う」かだろう。「違法な献金をして、国の再生エネ法案を左右した、賄賂・疑獄事件」で逮捕されるかもしれない。
ま、そうなるためには、彼が再生エネ法案に乗って、莫大な太陽光発電を建設することが条件だ。そのためには、 40円/kWh にすることが必要だ。
そのあとで、すべてをオセロのようにひっくり返す、「法案の取り消し」が起こる。
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そこで、私としては、新たに提案したい。
「太陽光発電の買い取り価格は、当初は 40円/kWh ぐらいにせよ」と。
できれば、もっともっと高い方がいい。 100円/kWh ぐらいでもいい。
そして、そのあとで、赤字が莫大になったころに、将来の政権が、再生エネ法案を遡及的に廃案にするのである。できた莫大な赤字は、業者の自己負担とする。
そして、あとに残るのは、業者の屍ばかりだ。
[ 付記 ]
私は先に、「太陽光発電はドイツの例に学べ」と言った。
しかしどうせなら、スペインの例に学んでもいい。スペインの大失敗の例に学んで、日本も大失敗をやらかすといい。……ただし、その損害は、すべて業者に負担してもらう。つまり、倒産するのは、ソフトバンクなどだけにしてもらう。
ソフトバンクと楽天がいっしょに倒産するのなら、それはそれで、かえっていいかも。「一代社長の繁栄と没落」という物語が書けるかもしれない。
「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」
なんて、ソフトバンクや楽天の社長の語りそうなことだ。望月と太陽は似ているしね。それが欠けるころに、彼らの栄光も欠けてしまう。
2011年08月17日
過去ログ
・ 「つぶれた」でなく「つぶした」と書いた。
・ 私が思うんじゃなくて、人々が(誤解して)騒ぐ、……と書いた。
・ 現実の事実描写ではなくて、未来の想像とした。
けど、わかりにくかったですね。コメント欄を読んでもらって、注釈がわり。
あと、ソフトバンクも、実際には(完全に)つぶれるということにはならないでしょう。業績大幅悪化で売却される(どこかの子会社になる)ことはあるかもしれませんが。つまり、孫正義さんが経営陣から追放されるとか。……そのくらいの意味。
ライブドアは、形の上では残っているけれど、本来のライブドアはもう消失してしまったと言っていいでしょう。資産もほとんどなくして、残骸みたいな小部分が韓国の会社に買われただけ。ゼロになったわけじゃない、と言われれば、その通りだけど。
しかしまあ、本項は、何らかの事実を示すのが目的じゃなくて、イヤミをたっぷりと言うことが目的だから。(イヤミには真実性を期待しないでください。 (^^); )
※ 嘘八百を書いているわけじゃなくて、「こうなるかもしれないよ。だから馬鹿げたことはやめなさい」という形で真実を示している。「こうなるかもしれないよ」という部分は、真実ではなくて誇張だが。
「日本企業優先のつもりです。RT @Japanlucky: 日本には太陽光パネルを生産している優秀な会社(東芝・シャープ・パナソニック・京セラ・三菱・昭和シェル等)は沢山あり技術力は世界一です。孫さんは韓国企業が優秀と主張して韓国の製品を導入するつもりです。」
「同等の価格性能であれば日本製優先。日本企業でもコストや性能無視というワケにもいかないので頑張って欲しい。RT @miyukolinko @Japanlucky 「…のつもり。」ではなく、「日本企業を優先します。」と断言して頂けましたら誠に幸いです。」
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なるべく日本製優先とのことだ。しかし現実には、日本企業は中国製品と勝負できない。日本企業の製品は優秀だが、高品質・高価格の路線である。自動車で言えば高級車みたいなものばかり作っており、大衆車みたいなものを作っていない。したがってコスト性能の比較ならば、中国製を買うしかない。
中国製を買うのを悪いとは言わない。経営者としてはそれがベストだ。というか、そうするしかない。
ただ、それならそれで、「中国製を買います」とはっきりと言うべきだ。「なるべく日本製を買います」なんて、見え見えの嘘をつくのをやめてほしい。特に「太陽光発電で日本の産業を振興する」なんていうのは、明らかな嘘なんだから、取り消すべきだ。