2011年08月16日

◆ 太陽光発電と休耕田

 太陽光発電の休耕田には、雑草が生えやすい。それへの対策としては、雑草を除去するための農薬を使うことになるだろう。枯れ葉剤など。そのあとでは、休耕田はもはや農地には戻るまい。死の土地となるだろう。 ──

 太陽光発電に休耕田を使う、という孫正義の構想がある。なるほど、うまいアイデアに思える。しかし、休耕田には、雑草が生えやすい。前にも示したが、次の写真のようになりがちだ。


solar_panel.jpg
 
( ※ 解説は → Weed-Covered, Neglected Solar Park


 こうなったら、太陽光発電の事業は成立しにくくなる。そこで、雑草を除去するために、農薬を撒くことになる。
 普通の休耕田ならば、稲があるから、弱い農薬でも済む。しかし、休耕田では、競合する稲がないから、雑草が伸び放題だ。その雑草を根絶しようとすれば、強い農薬を撒くことになる。枯れ葉剤みたいな。

 枯れ葉剤というと、ベトナムで奇形児ができたことで有名だ。ベトちゃん・ドクちゃん(シャム双生児)みたいな。
 で、そんなものが撒かれた農地で作られた農産物を、誰かが食べるだろうか? もちろん、誰も食べない。つまり、その農地は、「死の土地」になる。

 仮に、それほど強力な枯れ葉剤が撒かれないとしても、噂は起こるだろう。
 「光頭ソーラー会社のソーラーパネルのある土地は、ちっとも雑草が生えないぞ。あれはきっと、枯れ葉剤が撒かれたからだ」
 というふうな。
 「念のためにチェックさせてください」
 と頼んだとしても、断られるに決まっている。
 「当社が太陽光パネルの土地を管理しているので、第三者の立ち入りは禁止します」
 というふうな。

 というわけで、疑心暗鬼はふくらんでいく。そんな土地で作られた農産物は、誰も買いたくない。私だって、買いたくない。どんな恐ろしい農薬が含まれているか、わかったものじゃない。生まれた子供がシャム双生児になったりしたら……と思うと、放射線よりも、はるかに怖い。癌になるどころの比じゃない。ホラーだ。

 ──

 というわけで、どこかの後光の差す人が「ソーラーパネルのために休耕田をタダで借りたい」と言っても、そんなのに耳を貸すような、馬鹿な真似をしない方がいい。「タダで物を借りたい」なんて言う人間に、ろくなやつがいるはずがない。
 詐欺師というものは、立派な口実を並べて、人々の富を奪う。「正義のためにタダであなたの土地を貸してください」と言い張る。その弁や、ホメオパシーの業者もびっくりの、弁舌の巧みさだ。何しろ、一国の総理さえ、あっさりと引っかかってしまうほどだ。さらには、東北各県の知事まで、あっさりと引っかかってしまうほどだ。
 こういう詐欺師の巧みな弁舌に引っかかると、土地を奪われてしまいますよ。つまり、「死の土地」にされてしまいますよ。引っかからないように注意しましょう。



 [ 付記 ]
 では、メガソーラーをやるとしたら、どこでやればいいか?
 実は、(現時点で)メガソーラーが採算に乗る土地は、地上で1種類しかない。それは、もともと「死の土地」である場所だ。つまり、「砂漠」だ。
 だから、本当に「エコのため」にメガソーラーを実行したい人があれば、砂漠でやればいい。その最適地は、アリゾナ砂漠だ。
 ここでメガソーラーを実行して、安価に発電して、補助金にもあまり頼らずに、発電事業を実施すればいい。
 そして、そこで発電した分、LNG が余るから、その余る LNG を日本に輸入して、発電すればいい。
 こうすれば、世界的に見て、日本が太陽光発電をしたのと、同じような結果になる。アリゾナで発電した電力を、日本に輸入するのと、同じような結果になる。

 だから、世界的な視点で考えれば、日本で太陽光発電の電力を得るには、日本で実行する必要はない。アリゾナ砂漠で発電しても、同じことなのだ。
 まともな頭があれば、福島なんかで太陽光発電をするよりは、アリゾナ砂漠で太陽光発電をするべきだ。真にエコであろうとするならば、それが最善だろう。

( ※ 人々を宣伝でだまして、事業よりも補助金で儲けてやろう、という腹黒い人は別だが。)
 
 
 [ オマケ ]
  → アリゾナ砂漠在住の老人、ハルヒを語る (ニコニコ動画)
  ※ エネルギーには関係ありません。オタク向け。 (^^);




 【 関連サイト 】

 → 太陽光発電の天敵が埃

  ※ 砂漠が好ましいのは、日照時間もさることながら、埃が付きにくいからだ。
    休耕田では、草や虫や糞のせいで、埃だらけになる。効率は大幅低下。
posted by 管理人 at 19:38 | Comment(9) |  太陽光発電・風力 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>その雑草を根絶しようとすれば、強い農薬を撒
>くことになる。枯れ葉剤みたいな。

そんなことをすれば一発で後ろに手が回りますよ。農薬取締法において。日本では農薬登録を取ってない薬剤を休耕田に撒くことはできません。
Posted by iyokan at 2011年08月16日 13:22
なるほど。
 そこで Wikipedia で「除草剤」を調べてみたところ、次の記述があった。

> 現在の農業用除草剤は、散布後短時間で分解するように調製されている。これは、現在目的とする作物の次に栽培する作物への影響を減らす意味で望ましい。

 すると、毎年毎年、農薬をいっぱい撒く必要がある。農薬の散布コストだけで、莫大になる。収益性が見込めない。

 となると、やはり、違法な強力農薬を使わないと、事業赤字になりそうです。暴力団と結託して、違法事業を裏でやらせるんじゃないでしょうか。で、それを摘発されないように、自治体を買収する。
 そういうマフィア的な暗黒犯罪事業になりそうです。
Posted by 管理人 at 2011年08月16日 13:37
こういうケースだと、防草シートの出番ではないでしょうか。(うちで使っています)
http://www.bousou-sheet.com/html/newpage.html?code=124
永久的とはいきませんが、5年に一度の貼り替え程度でなんとかなりそう。
パネル価格とか、写真のように草刈りの人件費とかを考えるとたいした負担ではないと思います。

それでも農薬の方が安いので、悪質業者だとどうなるか分かりませんが(^^;)
Posted by aki at 2011年08月16日 14:50
除草剤についてはグリサホート系ジェネリックを使うのが一般的でしょうから休耕田1000u(80Kwシステム設置で年間発電量8万kW相当)で薬剤代は2500円*2(年2回)になるかぐらいでしょうか。散布にかかる他費用を含めて0.2円/kw程度のコスト要因ですかね。

写真は機械刈りとりで乗用モアのようなものでやっているんでしょうが
Posted by iyokan at 2011年08月16日 23:35
砂漠で発電するのなら太陽熱発電のほうが向いていると思います
夜間も発電できるようですし
Posted by KM at 2011年08月17日 13:09
夜間も発電というのは、どこかの別項のコメントでも示したはずですが、ほとんど眉唾です。星の光で発電できるのは、1ミリワットみたいな微弱電力です。
Posted by 管理人 at 2011年08月17日 13:57
KMさんが太陽熱発電で夜も発電できるとおっしゃっているのは光を集めて上昇気流を発生させる塔に溜まった昼間の余熱で夜間もタービンを回せるという事であって、星や月の光で発電できるという意味ではないと思いますよ。
(もちろん太陽熱発電は「ゆわいたー」とかいうのでもありません)

また、星や月の光では1ミリワットですら無理でしょう。まあ、管理人さんもそこはわかっていて冗談を言っていらっしゃるのだとは思いますが。
Posted by マリウス at 2011年08月18日 00:08
あ、しまった。太陽熱と太陽光を読み間違えた。
私のミスです。ごめんなさい。
Posted by 管理人 at 2011年08月18日 07:09
管理人さんがいったのは従来の1000倍赤外線を吸収して夜でも発電できるなどと報道されている酸化鉄系太陽電池の事でしょうか?
該当研究室のサイトにはそのようなことは一切書いてないし、それどころか「太陽電池が作れる可能性がある」程度のことしか書いてないのですが。どうしてああいう報道がされ、何の批判もされず放置されているのか・・・不思議です。
Posted by aki at 2011年08月18日 14:37
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