津波は低い堤防を乗り越えて、市街地に押し寄せた。
「逃げてください」という放送が続いたが、逃げない人がたくさんいる。30分ぐらいは時間があったのに、無駄に時間をつぶしている。
その時間が過ぎて、津波が来ると、「津波が堤防を越えたので逃げてください」と消防団員が言う。それを聞いてようやく逃げ出す人が多いが、津波はもう目前に迫っていいる。
次のページにも、似た動画がある。
→ 共同通信
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その後に街並みはすっかり津波に呑み込まれた。高台に逃げた撮影者がそれを上から撮影する。
その続き。
上記を撮影した消防団員は、あちこちを巡って避難を呼びかけていた。
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一方、そのとき市庁舎の付近は、のんびりとしているだけだった。市民の避難を誘導することもなかったし、自分たちが逃げることもなかった。市長は市職員に「逃げよ」と言うこともなかった。
こういうふうに市や市長が無為無策だったせいで、市職員には多大な死者が発生した。市職員の犠牲は、全国でも最大規模だ。「震災前の市役所の職員の3分の一が死亡、行方不明となり、行政機能事態がマヒ状態」とのことだ。( → 前項 )
動画の視聴者が撮影者に寄せたコメントと、撮影者の返信がある。( → YouTube )
陸前高田市長の戸羽太は、今年2月に市長に就任したが、それ以前は市の助役を務めていた。その意味でも、陸前高田市の体制には、(前市長とともに)責任を全面的に負う。
《 視聴者から 》
大和田様
この映像が全国でオンエアされたことによって、多くの人が消防団の方々が紙一重の場面で活動していたことが伝わりました。
私は東京の人間ですが、大船渡に知人がおり、陸前高田にも数回訪れたことがあります。
知人は難を逃れ、地元の消防団と共に瓦礫の中、救出活動を続けているとのことです。
これからも大和田様をはじめ、消防団の方々以外、陸前高田市を守っていくひとたちは他にいないのです。住民の方もあなたがたがこれからも頼りなのは間違いないでしょう。
微力ながら、いつかあの街が活気を取り戻すことができることをお祈りしております。
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《 撮影者から 》
@oyajikick様コメントありがとうございます。我々も毎日瓦礫を這いつくばって遺体の捜索収容を行ってます。私の会社の同僚も未だ不明です。
なぜこれだけの人的被害が出たのでしょう? 今日の朝日新聞19面、30分間という記事中に避難場所の不安さを指摘してました。海抜0メートルの場所に避難場所を設ける行政の思考停止のなせる業です。津波が来たのも、堤防が壊れたのも、町が灰燼に帰したもの天災で我々にそれをふさぐ術はなかった。しかし、人智は光速を凌いで宇宙を思うことができる。何も5キロも10キロも高台に設置することじゃない。たかが1キロの場所に高校のグランドがあったし、本丸公園という高台もあった。2300人を超える死者不明者は人災なのです。防災措置を怠った前市長とそれをサポートした現市長の責任に帰すべきことなのです。それを良しとした市民に天罰が下ったのでしょうか?
ひるがえって、きちんと対策をしていた釜石市が、いかに被害を防いだかを、思うといい。
→ 釜石市・東中学と小学校−全員が助かった「3つの教え」
→ 小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない
( その要旨: → 大川小はどうするべきだったか? )
釜石市では、きちんと対策をしていたせいで、子供の被害は実質的にはゼロ同然だったのだ。一方、宮城県石巻市の大川小学校や、陸前高田では、避難が遅れて、多数の死者を出した。行政の対策が、これほどにも多く、明暗を分けた。
( ※ 釜石では、死んだ子供はゼロではなくて、一人(?)いるが、それは、お年寄りを救おうとしていて、その犠牲になっただけだ。優しさがアダになった形。それは責められない。むしろ、自分の危険を承知していながら、お年寄りを救おうとした、その勇気を称えたい。)
( ※ この勇気ある子供は、どこかの市長とは正反対ですね。……その市長は、自分では危険を理解できず、他人を救おうともしないで、そのあげく、「国のせいだ」なんて責任転嫁するんだから。)