2011年08月08日

◆ 孫正義 v.s. 堀義人 (4)

 孫正義は自然エネルギーに傾注している。それなら、太陽光発電ではなく、風力発電を取るべきだ。 ──
 
 孫正義は自然エネルギーに傾注している。それはなぜか? 今回の対談では、こう述べている。
孫 : では、私がなぜそれでも自然エネルギーにこだわるのかということを申し上げます。
  ……(中略)……
 原発は安全なものだと信じ込んでいたという中で、自分が無関心でいたことに対する深い反省と、せめて何かここから先、過去は反省するとして自分に何かできることはないかといって自然エネルギーで。つまり「原発反対、反対」とただ言うだけでは、何ら解決策を提供せずに、ただ感情的に「反対」と言ってもいけないから、解決策の一つとして、かといってCO2も巻き散らすわけにいかないから、「中長期で見ればやはり自然エネルギーではないか」という風に思い立ったということです。
( → ニコニコニュース
 ──

 なるほど。その気持ちは、わからなくもない。しかし、それならば、ドイツを見習うといい。
 孫正義は太陽光発電に傾注する理由として、しばしば、ドイツを掲げる。では、そのドイツでは、どうなっているか?

 朝日新聞のデータによれば、こうだ。( → 前出項目。)
  ・ 自然エネルギーの量は全体の 17% で、原発と同じぐらい。
  ・ 自然エネルギーの内訳は、次の通り。
     風力:小水力:バイオマス:太陽光=5:2:2:1


 やや古い(2009年)が、Wikipedia のデータでは、内訳は、こうだ。
     風力が 40%、太陽光は 6.6%、他はバイオガスなど。 


 以上のことから、こう結論できる。
 「自然エネルギーによる発電では、太陽光は、あくまで小さな脇役でしかない。最も進んでいるドイツでさえ、全体の2%でしかない。主役は、風力である。風力は、火力発電と比べても、大差ない金額で発電できている」


 ──

 孫正義は、「自分がやらなくては、誰がやる」と思い込んでいるようだ。別に、心配しなくてもいい。
 太陽光なら、楽天もやるそうだ。
  → 楽天三木谷社長、太陽光参入へ意欲
 ただ、楽天は、補助金頼みかもしれないから、ソフトバンクと同じ穴の狢かもしれない。あまり期待しないでおこう。

 一方、風力ならば、次の例がある。
  → 茨城の風力発電所(神栖) ウインド・パワー・いばらき 





 茨城県 鹿島港 南海浜地区工業団地の護岸から40〜50mの海の中に、7基の風力発電施設(風車)がある。風車の仕様は、定格出力が2,000kW だ。(1基あたり)
 こういう風力発電施設を、ここのほかにもいくつも作っている。しかも、社員はたったの8人だそうだ。また、ソフトバンクが主張するような、莫大な補助金をもらっているわけでもない。たいして高くもない金額で、東京電力に売電している。その電力は、電力不足の今、まさしく役立っている。

 ──

 孫正義は、どうせなら、こういう小さな会社を見習ってはどうか? 彼らは「国はおれたちのための大金を寄越せ」とは主張しない。既存の制度のなかで、比較的低い売電料金で、黙々と働いて、電力を生み出す。

 自然エネルギーといえば太陽光発電だけだと思うのは、早計である。太陽光発電は、まだまだ未完成の技術だ。完成するには、シリコンではなくて、CIS 型有機型などで、画期的なブレイクスルーを必要とする。その意味では、燃料電池と、大差ない。(どっちも、まだまだ未完成の技術だ。)

 孫正義は、夢ばかりを追いたいのであれば、太陽光発電に傾注するより、燃料電池にでも傾注すればいい。そして、太陽光発電は日本でなくサハラ砂漠あたりでやって、そこで水の電気分解により、水素を発生させればいい。その水素を使って、日本で燃料電池の形で、発電すればいい。
 どうせ夢を追うなら( or ホラを吹くなら)、壮大な夢を見る( or とてつもないホラを吹く)方がいい。そうすれば、それが夢にすぎないとすぐにわかるから、たいていの人はだまされずに済む。
 
 孫正義が、(夢でなく)本当に自然エネルギーを推進したいのであれば、太陽光よりは、風力に傾注するべきだ。それならば、彼の善意を信じることもできるだろう。日本でもドイツのように、多くの電力を風力でまかなえるようになるかもしれない。……技術的には問題があるだろうが、少なくとも、太陽光よりはずっと実現性が高い。
 ひるがえって、「太陽光発電で多くの電力をまかなう」なんて、実現不可能なホラにすぎない。たとえば、夏の夜7時ごろ、冷房のために大量の電力が必要なのに、闇の中でどうやって発電するつもりなのか? あるいは、夏の午後5時ごろ、弱い夕日によってどうやって発電するつもりなのか? 太陽エネルギーがないときに、太陽光発電が可能なのか?
 そんなこともわからないようでは、あまりにも真実に目をふさがれている。それでは、自分で自分をだましている詐欺師にすぎない。詐欺師としてさえ、二流である。
   


 [ 付記 ]
 原発は、とても完成していない技術なのに、「ほぼ完成した技術だ」と思い込んで、勝手に邁進した結果、大事故が起こった。
 太陽光発電も、似ている。とても完成していない技術なのに、「ほぼ完成した技術だ」と思い込んで、勝手に邁進しようとしている。

 孫正義は、原発の例から反省するどころか、原発の例と同じ失敗を繰り返そうとしている。もうちょっと、技術への過信から、離れた方がいい。人間というものは、それほど賢くはないのだ。孫正義は、自分で思っているほど賢くはない。それと同様に、人間というものは、たいして賢くない。
 原子力であれ、太陽光であれ、人間はまだまだそれらを制御する力はないのだ。
 人間に可能なのは、せいぜい、原爆で地上を破壊するとか、原発で福島東部を壊滅させるとか、そういう破壊的なことだけである。破壊する力はあるが、構築する力は少ない。……そういう反省が必要だ。
 なのに、孫正義は、反省とは正反対の超楽観主義に走っている。そして、そういう超楽観主義が何をもたらしたかは、福島原発が教えてくれるはずだ。
posted by 管理人 at 00:10| Comment(5) |  太陽光発電・風力 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後に [ 付記 ] を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2011年08月08日 01:21
> 太陽エネルギーがないときに、太陽光発電が可能なのか?

 と書いたが、これで思い出したことがある。鉄腕アトムに登場する、エプシロンだ。太陽光エネルギーがあるときには、最強レベルの力を持つ。だが、雲がさすと、太陽光エネルギーを得られなくなり、敵に負けて、バラバラに破壊されてしまう。

 太陽光エネルギーに依存するということは、そういうことだ。太陽が隠れれば、力を失う。
Posted by 管理人 at 2011年08月08日 12:44
自然エネルギーによる発電では、太陽光は、あくまで小さな脇役でしかない。
→ ドイツではそうだが、一般論でそうなのか不明。
風力は、火力発電と比べても、大差ない金額で発電できている
→ 論拠のデータではこの結論にどうやってたどり着いたのか分からない。

以上、論理が強引に感じます。
Posted by imho at 2011年08月10日 13:30
わからなければ、サイト内の他の項目を見るか、ネットで検索するか、どちらかにしてください。「自分はわかりません」というのを「あなたの論拠不足です」と指摘しても、恥をかくだけです。
 子供じゃないんだから、調べればすぐにわかることぐらい、調べたら? ggrks という略語もあります。
Posted by 管理人 at 2011年08月10日 18:29
ソフトバンクはすでに北海道で風力発電に力を入れている。

 ──
ソフトバンク(東京)が道内で、全国最大規模の風力発電事業への参入を検討していることが8日、分かった。風の状況など風力発電の好条件がそろっている留萌管内苫前町を候補としており、同社の孫正義社長が近く同町の森利男町長と面会、具体的な協議に入る見通しだ。

 関係者によると、ソフトバンクの幹部が7月末、同町を訪問。町内に42基の風力発電機がある先進地の苫前町を最有力の候補地として検討していることを町側に伝えた。全国最大規模の30万キロワット以上の風力発電施設を想定しており、参入決定後、2〜3年で事業化を目指す方針という。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/310738.html
──

 ただし、北海道では、いくら発電しても、その電力を買ってもらえないらしい。たとえ再生エネ法案が成立しても、だ。
 → http://openblog.meblog.biz/article/5401534.html
Posted by 管理人 at 2011年08月13日 20:19
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