・ 節電馬鹿
・ エコポイントの復活
・ 太陽光発電の買い取り価格 ──
1. 節電馬鹿
私は前に、「冷房をもっと使っていい」「電力はたっぷりと余っている」と述べた。
しかし現実には、「職場は、エアコンの設定を上げているので、暑い。生産性はひどく落ちる」という声が多い。(ツイッターにあふれている。)
それでも「節電して電力が余るのはいいことだ」と思っている人が多い。それで余った電力は、どうなるか? こうなる。
→ 東電副社長「他社に電力融通検討」
つまり、
「東電は、夏場は乗り切れるメドがつきつつある。東電よりも需給環境が厳しい西日本の電力各社に対しては、要請があれば、応援融通を検討しなければならない」
という発言があったのだ。
簡単に言えば、
「関東の人々が、生産性を落としてまで、無理して節電する。それで余った電力を、関西に回す。関西の人々が、冷房をがんがん効かせて、さんざん無駄遣いする。それで困ったら、関東の人々の電力を戴く」
というわけ。
新・イソップ物語。
蟻は、夏に必死になって働いて、食糧を貯め込みました。キリギリスはその間、遊んでいました。やがて冬になりました。食糧が不足しました。しかしキリギリスは、蟻が貯め込んだ食糧を、すっかり戴きました。蟻は、夏の間に働きすぎて、バテてしまったので、キリギリスが食糧を奪うのを、指をくわえてみているしかありませんでした。
2. エコポイントの復活
冬の節電を促すために、エコポイントを復活させよう、という案が浮かんでいるそうだ。
→ 政府、今冬のエコポイント復活を検討
馬鹿げたことだ。全然、方向が狂っている。
夏の電力ならば、エアコンのための電力が、どうしても必要だろう。
しかし冬の電力ならば、エアコンで暖房を取る必要はない。ガスでも石油でも、暖房は取れる。
だから、節電をするならば、テレビやらパソコンやらに少量の節電を促すよりは、「ガスや石油暖房を使いましょう」というふうにすればいい。それによって大量の電力を節約できる。
夏の電力不足についても、「ピーク時の節電」ではなくて、「夜間や休日の節電」なんていう見当違いのことを政府は推進したが、冬の電力不足についても、「エアコンの節電」(ガスや石油による代替)ではなくて、「テレビやパソコンの節電」なんていう見当違いのことをやろうとする。頭が全然、狂っている。
「菅直人は無能だ」なんて叫んでいる人が、こういう方針を取るのだから、聞いて呆れるね。あんたたちこそが無能だよ、と言ってやりたい。
3. 太陽光発電の買い取り価格
再生エネ法案が審議されているが、自民党側は「買い取り価格を下げよ」と要求している。
一方、民主党の海江田大臣は、「消費者の負担は月 150円以内に収める」と答弁してる。(企業負担は家庭負担と同様だ、とも答弁している。ドイツのように免除することはないようだ。)
さて。政府答弁には、次の対立する二つのことが含まれる。
・ 買い取り価格はとても高額
・ 消費者の負担はごくわずか
この両方をともに成立させる条件は、次のことだ。
「買い取りの総量を、ごくわずかにする」
まとめて結論すると、次のようになる。
「買い取りの総量はごくわずかだが、買い取ってもらえる人はとても高額で買い取ってもらえる」
つまり、こうだ。
「一部の利権業者だけが、限られた枠を得て、高値で売りつけて、ボロ儲け」
要するに、「自然エネルギー利権」である。自民党時代の「土木産業利権」(公共事業利権)と同様に、民主党では「自然エネルギー利権」ができる。政権と結びついた特定の癒着業者だけが、指定枠を得て、ボロ儲けする。
この利権業者がどこの企業かは、すでに判明している。
それは誰? 菅首相と仲良しのハゲだ。 (^^);
何しろ、首相に圧力を掛けて、法案を通させるように、政府の方針を転向させるほどの影響力を持つ政商だ。「100億円を寄付します」と善人ヅラして、数千億円の金を国民から頂戴しようという、すごい悪徳商人。
人々は彼の「100億円を寄付します」という声を聞いたとき、彼に後光が差しているように見えたが、実は、ハゲの光であった。その光で発電すればハゲ発電ができたのだが、太陽光と同様に、エネルギーが小さすぎて、採算には乗らない。そこで、採算に乗らない分は、国民の金をこっそりだまし取る。そのとき、ハゲの光によって、国民の目をだます。「太陽光のエネルギーは夢のエネルギーです。ピカピカ」。
太陽光エネルギーは、ほとんど発電力はないが、ハゲエネルギーは、莫大な富を国民から奪う効果がある。
──
東京電力は15日、今夏の電力供給力の見通しを50万キロワット上方修正すると発表した。被災した契約先の電源開発沼原揚水発電所(栃木県那須塩原市)が復旧するためで、供給力は7月末が5730万キロワット、8月末は5610万キロワットとなる。
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011071500889
──
他に、需給調整契約の分で 200万キロワットの上積み。自家発電設備の増加で企業需要の減少と売電の増加が200万キロワット以上。これらによって 6100万キロワットを確保できる。昨年の最大電力 6000万キロワットに対して100万キロワットの余裕。さらに揚水発電の分が 100万キロワット以上ある。
昨年の最大の電力需要でさえ、ちゃんとまかなえるわけだ。
ということは、今年は節電の必要はまったくない、ということだ。昨年並みにエアコンをどんどん使っていい。
さらに照明による電力消費減があるから、昨年以上にエアコンを使っても大丈夫。エアコンの節電なんて、まったく無意味だ。
(少なくとも、7月20日〜8月5日以外は、節電の必要はまったくない。なお、7月20日以降は、学校の夏休みが始まる影響で、家庭の電力需要が少し増える。)
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110716/dms1107161526008-n1.htm
──
東電の副社長が「夏場は乗り切れる」と言及し、他社への電力融通まで口にし始めた。電力が足りているのなら、犯罪防止に振り向けるべきではないか。
節電による街路の消灯で治安の悪化が懸念されているが、それを裏付けるデータが14日、警察庁から発表された。今年上半期の全国のひったくりの件数は前年と比べて10%以上減ったが、東電管内の1都8県は福島第1原発事故直後の4月に27・7%も増加していたのだ。節電で道が暗かったことなどが原因とみられている。
さらに“隠し電力”として、日中に貯水した水を深夜の余剰電力で引き上げる揚水発電も平均650万キロワット存在する。
──
zakzak には珍しく、正論を述べている。大手マスコミよりまともなのは、珍しい。